一匹の死んだヌタウナギ(X連携)さんの日記を全て見る
😶 信頼の構造(TRPG無関係) (▼ ネタバレを含むコメントを読む。 ▼)今回は前振り無しに本題に入りましょう。 今回は「信頼の構造」という山岸俊男の本を少し考えていくお話です。 役に立つか立たないかは各々が判断すればよしというスタンスでまいります。あくまで情報や知識はツールでしかないから役立つかどうかなんて全て遣い手によるわけですな。 さて本題 山岸俊男は信頼と信用は別のものだよって定義しました。 まず信用から説明しましょう。 「信用」というのは両者の間が切っても切れない深い関係である前提で成り立つ関係性で、裏切ったら大ダメージになるのが確定と想定される間柄のことです。 商売だったら長年付き合いのあるお得意様、学校の友人、家族、親戚と言った関係でしょうか。 気づいた時には既に、そういうものだとなっていることが多い関係性で、その人の人間性が信頼出来るからというよりも、家族だから友人だから信用出来るというもので、その人にくっついている役職や属性込みで判断されます。 逆を言うとくっついた役職や属性の振る舞いを自動的に求められる関係性でもあります。 男なんだから女なんだから親なんだから店員なんだからと言われがちなのはこの考え方に基づいていると考えることもできます。 ポイントは長年付き合いがあるので簡単に裏切れないという部分と、人間性を考慮しないという部分です。 実は楽なんですよこの考えは。 この人は戦士レベルが8だからここまでの能力を発揮するだろうし、前線に立って後衛を守ってくれるだろうと勝手に期待するし、その役割を勝手に求めるのです。 これは何度も言いますが長年付き合いがあり、これからも関係性を維持していくのがほぼ確定しているからこそ成り立つ関係性です。 つまり一期一会のようにその時だけの関係や、新しく関係が生じた初期にはこの考え方はまず無意味です。 信用のキモはズブズブの関係性で縛ることにあるからです。縛れないなら簡単に裏切るし関係性は簡単に瓦解します。 さらに人間性を考慮しないのは、関係性が深いからこそ悪いことはしないので相手のことを考える必要がないということです。これは家族間や恋人間で陥りやすい罠であり、気づかない間に修復不可能の事態になっているというケースも普通にあります。 次に「信頼」の説明をします。信頼とは自分が本人を直接交流し見定めて評価を下すものです。 戦士レベル8だけど、有用なスキルを持っていない。何故戦士レベルを上げていたかというと元々盗賊だったがHPが低いために戦士でHPを上げていたということがわかり、それならばパーティー内での役回りはどういうところにするかみんなを含めて一緒に考える。みたいな感じでしょうか。 こちらは信用に引き換え個人レベルで判断するので非常に時間がかかるし、何より見極めるという能力の有無が重要なポイントになります。 つまり信頼に足る人間を見抜けるかどうかというのを自分で判断しないとならない。 例えるならマクドナルドの店員ならどこの店行っても接客態度は決まってるが(この安心感が信用ってやつ)個人で経営してる(特にオッサンが店主の)ラーメン屋や居酒屋に行くようなもので、中にはそういう店には行けないという人もいるでしょう。判断が難しいですし何より怖いですからね。 つまるところ我々はかなりの割合で信用型の関係性を構築しています。 統計でも日本人は信用タイプの人が多いそうです。ネットを見てもそういうタイプが多いのはわかります。 別にどっちか良いとか悪いとか言うわけではありませんが、信用と信頼という二つの見方があるのは知っていても良いでしょう。 さてこの二つの見方ですが、どちらが優位かで対人関係に対する対応の仕方が異なります。 信用の見方をしやすい人は、新しい人に対しての警戒心が高く、一般的な意味での相手を信じる度合いは低いです。 逆に信頼の見方をしやすい人は、新しい人に対しての警戒心が低く、一般的な意味で相手を信じる度合いは高いです。 そう見ると信用タイプは閉鎖的で同じ人と関係を繋いでいく傾向があり、信頼タイプは誰でもウェルカムで開放的と見ることができます。 まぁそこまではなんとなくイメージしやすいでしょう でも注目するべきポイントはそこではありません。 実は対人関係で裏切られたとか騙されたとか痛い目にあわされた場合に、相手を信じる度合いの低下割合は信頼タイプの方が高いことがわかっています。 どういうことかというと信用タイプは一度グループに入った以上、嫌なことをされても我慢する傾向がありますが、信頼タイプは嫌なことをされたらあっさりと手のひらを返すということです。 つまり信頼タイプとは「目には目を歯には歯を」タイプだったということです。 これはおそらく手のひらを返す行動が集団で行われるか、個人で行われるかの違いのようにも見えます。 集団内で嫌な事が起きた場合、それは個人で起きたことなのか集団の総意として起きたことなのか見極める必要性があるし、個人で手のひら返しを行うと逆に自分が裏切った側に立たされる可能性もありますので抵抗はなるべく行わないのが最適解になり得ます。 しかし個人個人で人間関係を築く場合は対処の迅速さが何よりも優先されます。 ダメだと感じた人とわざわざ関係を繋いでおくメリットはなく、時間がかかるほどデメリットの割合が増えていくからです。 では、今までのことをまとめてみましょう ・他者と人間関係を築き信じていく過程には信用と信頼がある ・信用は長年付き合いがある関係性において成り立ちやすく、人に付属した属性や役職で判断されその役割を期待される。そのために新規参入者には警戒心が高いが、裏切られた場合の信頼度低下は少ないために関係性解消の可能性は信頼より低くなる。 ・信頼は個々が相手を直接見定めて関係を築くものが主であり、個人の判断力の有無が関わる。また新規参入者に対しては警戒心が低い一方で、一度裏切られた場合の信頼度低下が激しく、そうなった場合には関係性解消の可能性が信用に比べて高くなる。 こういったところです。 では、これを応用して色々な事を考えてみましょう。 セッションが流れて流れて辟易する という話はよく聞きます。 確かに社会人ですと使える時間は限られますからねドタキャンは避けたいところだし、当然相手にもそれを望むでしょう。 GMやセッションを執り仕切る側の人だとそれに対する熱意はそれ相応に強くなるでしょうから、当然ながら期待値も上がりますし、それに合わせてコンディションを整えるという考えにもなるでしょう。 いわば試合前の調整という感覚です。 そのために自ずとセッションに対する拘束力が上昇します。まさに予約を受けたレストランのシェフなわけです。 では他の参加者は社会的にでも心理的にでもセッション参加への拘束力はあるでしょうか? おそらくありません 逆にいうと拘束力が無いからドタキャンできるのです。歯医者の予約や居酒屋の予約程度のものなのでしょう。 まさにお店の予約をしたお客様なのです。 このように見ている視点が違うなら当然問題が生じたときに対応するのが困難になります。 予約したお客様の視点とお店のシェフの視点くらいには差があるでしょう ではどうすれば良いか? 1.誰かが野良でやるより仲良い者同士でやるのが一番良いと言っていましたが、けだし名言であり、そこまで深い関係性だと他者を裏切りにくい状態になりますし、さらにお互いの情報共有も深いところまでされているのでキャンセル等の問題が起きた場合も精神的ダメージは低くなるでしょう。 2.その考えを発展させると、深い関係性にしてしまえば裏切りにくい状態を作る事ができると考えられます。深い関係性をどうやって築くかという問題が生じますが少なくとも方向性はそうそう間違っていないでしょう。学校の友達というのは見ず知らずの人同士から半ば強制的に深い関係性を築くわけですしセッションを通じて関係性を深いものにするのは不可能ではないでしょう。 3.信頼タイプは他者への警戒心が低い反面、裏切られた場合に手のひらを返す度合いが高いです。それはいともあっさりと行われます。 「ドタキャンされると困るから次はもう無しね!ごめんね〜」 って言って終了です。 これは最も妥当なやり方で簡単です。 新たに応募してきても 「前にドタキャンされたから応募は受付られないの。ごめんね〜」 って言って終了です。 まぁしょうがないね。うん。 明るく「もうダメですごめんね〜」って言えるようになったらしめたものでしょう。 この考えが広がっていくと自然淘汰が始まります。 あんまりにもドタキャンしたり悪さする人は徐々に参加できる場所が限られて来るのです。 名前まで変えて来る人はどうする?って話もありますが、そこまでする人って色々と心配ですのでむしろ話聴いてあげてくださいw このように身近な例でも信用と信頼という社会学の話を考える事ができ、諸問題にたいする対応へのヒントは得られるわけです。 もちろんこれはあくまで一例であるし具体的な手法まで言及してないけどね 具体的な手法については色々考えています。 まぁそれは後ほど
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