【その他】bayside23ファントムサイドストーリー エピソード1 ファントムサイド(妖魔の世界)

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登録日:2016/08/07 20:39最終更新日:2016/08/07 20:39

使用世界観:語り部 現代伝奇アクションbayside23

登場人物

エミリオ・ウォルターバーグ(PLエミリオ)
追手の襲撃を交わしながら世界各国で生活を送る元研究所の被検体

前原(NPC)
国家の有力者譲原の使い。エージェントの中間管理職でオノゴロ島の行政に深くかかわっている

本編

東欧某国研究所、研究員達が慌しくモニターの前で怒声を上げていた。研究員達は全員鬼気迫った表情で部屋には殺伐とした雰囲気が漂っていた。どうやら、脱走した被検体を拘束出来て無い事に皆苛立ちを感じているらしい。彼らの怒りが響く

研究員1:「まだ被検体03は捕まらんのか?」

研究員2:「奴が捕まらんと研究が完成せん!それでは商売相手に売り込む計画が台無しだ!」

彼らの怒号が響く中、一人、主任と思しき男は黙っていた。しかし表情は険しく、現状を芳しく思ってない様だ。そんな中、暗闇から怪しげな男が現れる。赤い衣服、暗闇に紅く光る不気味な刀、尋常では無い気を放っていた。怪しげな微笑を携えており、研究員共を嘲笑しているかのようだ。一体何者なのか?

彼が現れたのに気づくとそれまで黙っていた主任と思しき男が口を開く

主任:「貴様か…見ての通りだ。我々が現在進めている計画が脱走者のおかげで足止めを食らっていてな。ごらんの有様だよ」

所長は男を鋭い眼光で見据えている

???:「そりゃそうだ。今回の研究はおまえさんら研究所の彼岸、完成の暁にはその手の組織に売り込んで大もうけする予定の代物だ。他勢力に気づかれちゃ不味いだろう。何たって、この手の業界にもパテントってもんがあるからな。よそに真似されちゃ、お前さんらの存在意義なくなっちまうからな…くっくっくっ…」

男のからかい混じりの発言に所長と思しき男が不快感をあらわにする

所長:「馬鹿にするな!我々とて生きるのに必死だ。只でさえ軽視されているわが研究所の予算を国からぶんだくるのに必死なのだぞ!?よその部署なんぞに後れを取るわけにはいかんのだ…場合によっては解散もありえる」

所長を始め、研究所の面子は切実である。今年の予算が少ないと更に限られた予算で研究所を稼動させなくてはならなくなる。そうなると無理が出る事は必然である。下手をしたら、解散させられて路頭に迷う事になるだろう

所長:「奴は、相当手錬だ。我々が差し向けたエージェント共も瞬時に退けて逃亡を続けている。そこで…だ。腕に覚えのあるお前に任せる。被検体を連れて帰ってくれ。報酬は弾む」

それだけ聞くと、男は待ってました。と刀をちらつかせて

???:「いいだろう。報酬分はしっかり働いてやるよ。それに…その被検体、どれほどの実力か気になるしな…」

男は怪しげな微笑を浮かべていた

bayside23ファントムサイドストーリー

エピソード1 ファントムサイド(妖魔の世界)

エミリオ:「朝か…もうそろそろ起きなくては…っ!」

朝の教会、ベッドから起き上がると右手に激痛が走る。昨日の夜、女学生を助けたとき、敵の追っ手との戦闘で銃撃を受けた部分である。何とか間一髪で避けたものの掠った部分から少々激痛が走っているようだ

エミリオ:「常人ならこんな傷ではすむまいか…さて、これからどうするか…」

彼はリヴィングデッド(生ける死者)だった。ゆえに普通の人間なら致命傷になる傷もそうそう重傷状態にはならないのである。ただし、現実世界でそういった側面を見せると場合によっては国家権力ににらまれる危険があるので気づかれないようにしていたが。昨日はついに異能を駆使してしまった。もはや表の世界では普通に行動は出来まい

エミリオ:「今までのように逃亡生活を送るのは不可能か…どうする」

そうやって、今後の身の振り方について考えていたときだった。突如、空から黒いカラスが舞い降りてきて窓の方に止まった。こんな時に何でカラスが窓に?疑問に思っていると何と聞き覚えのある声が

カラス:「久しぶりだなエミリオ。俺だ。前原だ。ついに表の世界で異能を使っちまったようだな。早速政府がおまえさんの事を拘束するか否かで会議があったようだぜ。このまま表の世界に居ても国家権力に拘束されるのは時間の問題、って訳だ。そこで…だ。お前さん我々の世界に来い。他界に移籍しちまうって訳さ。譲原の旦那もお前さんの異能は高く買ってる。それに他界なら、こっちと違って正当防衛の戦闘なら誰も文句も言わないし、こっちと違って、自分が異能者や妖魔である事を隠す必要も無い。どうだ?譲原家一同共々、歓迎するぜ?」

驚いた。まさか、ここに来る際に世話になった譲原の人々が私の事を買っていたとは。しかし、その他界と言うのは何処にあるのだろうか?どんな場所かも分からない。一度聞いてみる

エミリオ:「分かりました。有難うございます。ではその他界、と言う場所は何処に?」

カラス:「場所は関東方面太平洋沖に浮かんでいるオノゴロ島、って所だ。とある事情で政府によって厳重に管理されてるが一度入っちまったらもうこちらの世界のように隠れて生きる必要は無い。譲原家公認で来ましたって行ったら何も言うまい。横浜沖に使いのモンを出しておこう。まずは横浜を目指してくれ」

横浜…太平洋沖、こちらとは間逆の世界。一瞬都会の喧騒などを想像すると気がめいりそうになったが背に腹は変えられまい。ならば

エミリオ:「分かりました。では例の場所を目指す事にします。早速出発の準備を済ませてきます」

こちらの返事を聞くとカラスの方も、分かった。と返答して

カラス:「よっしゃ!じゃ、吹利から横浜に安全にいけるよう譲原家専用地下鉄を用意しておく、誰も使わなくなった廃ビルがあるからそこにまず行ってくれ!使いのモンが門番をしていると思うから前原さんの紹介でオノゴロを目指す事になったって言ったら通してくれるはずだぜ。くれぐれも道中でぶっ倒れたりすんなよ?幸運を祈る!」

それだけ言うとカラスは再び上空の彼方へと飛び立っていった…

その後、すぐさま出発の準備を整えて言われた通りの廃ビルを目指して移動を始めた。できるだけ人目のつかない裏路地などを移動してようやく目的の廃ビルにたどり着いた。ビルは如何にも長い間放置されて居たのか?荒廃しており廃墟マニアでもない限り易々と近づかないだろう。この物件は本来何に使われる予定だったのだろうか?

ビルに近づくと黒服が2名入り口に立っていた。一人は壮年の男性で落ち着いた雰囲気を漂わせていたが鋭い眼光は数々の修羅場を潜り抜けてきた雰囲気を漂わせている。もう一人は体格の厳つい大男だった。普通の人間からしたら巨人を思わせる位巨大な体格で下手に戦いを挑んだら返り討ちに合うだろう

こちらがビルの入り口に近づくと壮年の方の黒服が声をかけた

壮年の黒服:「…貴様がエミリオか?」

はい、と答えると黒服は何やら電子手帳の様な物を出して人物の照合を始めた。電子手帳のカメラがこちらの姿を確認するとこの人物はエミリオ・ウォルターバーグ本人です。と音声合成の声が流れる。

壮年の黒服:「どうやら本人の様だな。すまんな。最近オノゴロの方に妙な連中が潜入してて我々の方でも入島者が怪しいものでないかこうして確認を取ることにしている。上司から話は聞いている。行け。地下鉄はこの先だ」

公認入島者以外に不法入島者なども居るとは…逆を言えば表の世界に居づらくなった者達にとって快適な世界、という事になるな…

そのまま挨拶を済ませてエレベーターに乗ったとき大男のボヤキらしき声が聞こえた気がした

地下鉄は思った以上に最新の設備が整えられており現実世界の地下鉄よりはるかに上質な場所だった。現実世界の人々に知られていない場所でここまでの設備と代物を備えた場所があったとは…譲原家の財力と権力が相当な物だという事を改めて思い知らされた

列車に乗ると厳めしい面持ちの車掌が表れる。見ると足がなく表情も実態も揺らいで見える。亡霊の様だ。こちらを不気味な眼光をたたえた目で確認するとにやりと笑った様な物言いで発進の合図を上げる

「1名様…オノゴロ行きご案内…途中横浜で停車、以降は譲原の指示通り…」

亡霊が車掌とは何かのジョークだろうか?ひとまず車掌の合図が終わると列車は動き出す。列車の動きは快速だった。最新式の列車と互角クラスの速さかもしれない。他界も日々進化している物だな。などと考えながら暗い地下鉄道を移動する数時間、列車が停車した。聞き覚えのある汽笛と共にアナウンスが流れる

「到着…横浜駅…荷物をお忘れなく」

そのまま荷物をまとめて列車から降り地下から地上に出ると吹利とは違った喧騒にまみれた街が待ち受けていた

「ようこそ横浜に」

譲原の使いらしい黒服が挨拶する。今度は青年位の男性2人が出迎えだった


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