Keiさんの日記 「ベースシステムのお話(第三回)」

Kei
Kei日記

2024/11/30 16:51

[web全体で公開]
😶 ベースシステムのお話(第三回)
ご機嫌よう。

主に海外インディーズ/ナラティブ界隈で使われているようなシステムを主に判定の面から紹介する会、思ったよりも長くなってしまっていて困っているのですけれど、今回で一旦最終回です。前回断りを入れ忘れましたが、前回も今回もわたくし遊んだことのないシステムが含まれ、誤りがあるかもしれませんので話半分程度にどうぞ。

■ Year Zero Engine
YZE は二つのシステムの選択制になっていて、一方はダイスプール、もう一方はステップダイスでスキルやステータスに d6 から d12 のダイスを割り振ります。いずれにせよステータス/スキル制のシステムです。
まずダイスプールですが、判定はスキルと関連するステータスを足した数の d6 を振り、6が一つ以上出れば成功で、6の出目の数が成功数となります。
ステップダイスの場合、ステータス/スキルに割り当てられたダイスを振り、どちらか一方の出目が6以上なら成功です。この時10以上の出目があれば、2成功として数えます。
どちらの判定でも2成功以上なら追加のボーナス効果が得られます。逆に6以上の出目が一つもない場合は目標を達成できず、何かしらのトラブルや悪影響に繋がります。YZE では判定に失敗することで物語の進行を止めてはならず、何かしら先に進めなければなりません。原則として一つの状況に対して判定のチャンスは一度だけです。一方で、プッシュという1以外の失敗の出目を一度だけ振り直す仕組みもあります。
判定には難易度があり、ダイスプールの場合はダイスの数が減り、ステップダイスの場合はより小さいダイスでの判定となります。
日本語版が発売されているザ・ループ TRPG では、ダイスプール制が採用されています。

■ Powered by Lancer
ナラティブプレイにも対応したロボットバトルもの TRPG で、ベースとなるシステムは D&D4e 時代の D20 SRD を元にしたものです。通常の判定は D20 + 修正値(スキルや難易度によって単純な値ではなく nD6 の最大値になることがあります)で、10 以上の出目で成功です。攻撃判定の場合目標値は対象の防御力以上で命中、20以上でクリティカルです。判定せずに失敗を選ぶこともできます。
戦闘時のターン行動は移動+アクションで、アクションはターンごとにフルアクション1回かクイックアクション2回かを選ぶことができます。

■ Cairn
Carn は D&D のような剣と魔法ファンタジーを極限まで軽量にしたルールで実現するという、システムとしては MörkBorg のような志向の TRPG で、クラスやレベルといった概念はありません。一応、単純なハクスラよりもキャラクターの背景や能力、環境などを活用した課題解決が推奨されています。あとルルブを読んでいて面白いのは「首ナイフ? 死ぬに決まってるだろ」みたいなことが書いてあったり。
複数のステータスがあり、判定は d20 でステータス以下の値なら成功です。ダメージ表現は HP とステータスの両方にあり、HP がなくなるとステータスが減少したり、HP がちょうどゼロになると特殊なことが起こったり(ステータスが上昇することもあります)します。

■ QuestWorlds
QW はかつて日本語版も発売された HeroWars の第三版に当たり、背景世界を限定しない汎用ルールとなっています。PC がどんどん強くなるマスタリーのシステムはそのまま残っています。ステータスは上限なしで成長しますが、20を超えるたびにマスタリーとしてカウントされます。例えば、7M(または7M1) なら27、13M4 なら93です。
判定はステータスの目標値に対して d20 です。
- 1:クリティカル
- 2〜目標値:成功
- 目標値より大きく19以下:失敗
- 20:ファンブル

ですが、マスタリーがあると判定結果の段階がマスタリーの数だけ上昇します。つまりステータスがnM1 ならファンブル以外で失敗することはありませんし、nM2 だと 20 以外の出目はクリティカルになります。加えて QW にはヒーローポイントがあり、消費することで判定結果の段階を一つ上げることができます。

■ Hints and Hijinx
H&H は TRPG というよりもソロジャーナル向けのルールなのですが、参考までに。
キャラクターには二つのスキルがあり、初期段階では d12 と d10 が割り当てられます。判定は以下のようになります。
- 1〜2:失敗、手掛かりなし、スキルのダイスを一段階下げる
- 3〜4:騒動、手掛かりなし、スキルのダイスを一段階下げる
- 5〜9:成功、一つの手がかりを見つける
- 10以上:成功、二つの手がかりを見つける

判定結果によってスキルの段階は最終的に d2 まで下がりますが、ゲーム中に一回だけ、両方のスキルを全快することができます。
得たヒントによって仮説ダイスが d0 から d12 まで上昇し、最終的に仮説が正しいかどうかも判定で決まります。
- 1〜2:間違った仮説でひどい悪影響をもたらす
- 3〜4:間違った仮説でいたずらな結果になる
- 5以上:正しい仮説で事件は解決する

というわけで三回にわたって長々と書いてきましたが、面白そうなものはありましたでしょうか。楽しいタイトルに出会えるといいですわね。
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