序章 二度目の喪失、託されたもの Part02
がらこ掲示板セッション[web全体で公開] 3 | |
登録日:2021/02/28 01:17最終更新日:2021/02/28 01:17 |
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16. がらこ | |
2021/03/07 18:40 |
では、あなたたち3人は荷造りを始めるだろう。 出発の日は明後日。各々胸に秘める思いは違えど、行く場所は同じ。 果たして彼らを、どんな旅路が待ち受けているのか、それは誰も知る由は無い。 そして、君たちはコルガナ地方北西部に向かう列車に乗り込むのであった。 序章の序章、閉幕。
15. 尸 | |
2021/03/05 05:55 |
ダリも、レンゲも、コルガナに行く。意外な展開に、スミレは首を傾げた。 それに、ダリは、何を言おうとしたのだろう。 … 二人も一緒にコルガナへ行くのなら、側で護ることができる。 「安堵」とも言える何かを内に感じたスミレの表情は、少しだけ微笑んでいるようにも見えた。 スミレ「……うん」 スミレ「……ダリ…レンゲ… …行こう…」
13. ななせ | |
2021/03/05 00:09 |
ダリ「お、気が合うな。俺もアレを倒しに行こうと思ってたところだ」 ダリ「面白そうだからな。それに…」 少し黙って、 ダリ「いや、何でもない。たまには旅行も悪くない」
12. たびがらす | |
2021/03/04 22:58 |
そんなスミレの気遣いに、やがてレンゲは我を取り戻した。 レンゲ「そ、そうなのです。コルガナに行かないと、なのです・・・!」 レンゲ「そんな因果があったのなら、ますます行かないといけないのです。ダリおかーさま!」 そう言って、スミレと同じくダリの方を見あげる。
11. 尸 | |
2021/03/04 00:50 |
後ろを振り返る。 ダリを見る。なんだろう。…どこか機嫌がよいように見える。 レンゲを見る。身体と表情を固まらせて、何かつぶやいている。頭のレンゲソウの花も萎んでいる。 あの魔物に、何かを感じているのだろう。 スミレは眼を閉じ、少しの間何か考えるように首を傾げていた。 そして、眼を開く。 レンゲの肩を抱き、その額に自分の額を着ける。 自分がどうしたらよいかわからず立ち尽くしていると、カレンはそのようにして「大丈夫よ」と言ってくれた。 スミレ「……レンゲ……大丈夫………だよ」 ダリを見上げる。 スミレ「……ダリ。…スミレ……行く…」 スミレ「……コルガナ……行く」
10. たびがらす | |
2021/03/02 23:22 |
レンゲ「ダリおかーさま、”壁の守り人”さんたちが危ないのでコルガナに今すぐGO、なので・・・え?」 そう一息に言いかけて、レンゲは動きを止めた。 レンゲ色の瞳が大きく見開かれる。 レンゲ「そ、そうなのです・・・!?」 レンゲ「だ、だから、あたしはこの写真を見て、不安になったなのです・・・?」 さすがにショックが大きかった。呆然とうわ言のような言葉をつぶやきながら立ちすくんでいる。
9. ななせ | |
2021/03/02 23:07 |
ダリ「なんだ?お前もソレが気になるのか?」 ダリ「そいつが、お前の親を殺した魔物だよ」 ぺろっと話してから、すげーな種の状態でも記憶する能力があったりするのか?とかそっちの方に興味津々です。
8. たびがらす | |
2021/03/02 23:24 |
コルガナ地方の封鎖。 10年という短い寿命しか持たないレンゲにとって、それは人生の目的を奪われるに等しかった。 ”壁の守り人”の足跡を直接たどりたいという自分の夢が閉ざされてしまう。 レンゲ「そんなの、嫌なのです・・・。」 そして、写真の中に移りこんだ小さな獣の影。 見たこともないはずなのに、それはレンゲをどうしようもなく不安にさせた。 何か大切なものを奪われていく感覚。 自分の夢、のみならず、彼ら”壁の守り人”たちが残した偉大な功績や遺産自体すら失われてしまうかもしれない。 その事に思い至った時、レンゲの中にある決意が生まれる。 レンゲ「そんなことは、させないのです・・・!」 レンゲ「みんなが、命を懸けて築いた歴史を守りに行かないと、なのです・・・!」 短命種メリアらしく、思いつけば即行動。 レンゲはダリの方を振り向いた。
7. ななせ | |
2021/03/02 10:58 |
ダリ「〈奈落の大侵蝕〉ねえ…」 それ自体は相変わらず他人事としか思わなかったが、提示された写真には見知った魔物の姿があった。 ダリ「なるほど、ここにいるか」 奴とすれ違った一瞬に感じた戦慄、あれは恐怖という感情だったか。 そんなものが自分にもまだ残っていたのだ。 短命種メリアとかいう、瞬きする間に枯れてしまう種族。 そんな人生に何の意味があるのかと思っていたが、実際にその成長を目にすると、己の膠着した時間よりはよほどマシだということに気付かされた。 ダリ「……面白い。面白ぇなあ」 あれを殺したら、もっと面白いかもしれない。 そうしたら、あの死んでいったメリアも、もらい受けた本の代金くらいには思ってくれるだろうか? 無意識のうちに、口の端に笑みが浮かぶ。 それは異貌化した時の顔によく似ていたが、本人は気付いていなかった。
6. 尸 | |
2021/03/02 01:58 |
小さく映る影を見、無表情だったスミレの眼が大きく見開かれた。 一日だって忘れたことがない。夢にも見る、あの影。 スミレ「………」 写真に、あの日の光景が重なる。冒険者たち、村の皆、父、母の壮絶な最期。 スミレのもともと青白い顔が更に白くなり、湧き上がる何かに身体が震え、涙が零れた。 スミレ「………いる………コル…ガナ…?」
5. がらこ | |
2021/03/01 23:56 |
では、そんな風に日常を過ごしていた君たちの元に、1人の訪問者が現れる。 アステリア神官「お久しぶりです。……みなさんにも、見ていただきたいと思いまして」 かつて、メリアの里の被害者たちを弔ってくれたアステリア神殿の神官。 彼が持ってきたのは、一冊の新聞だった。 『〈奈落の大侵蝕〉発生。コルガナ地方北西部、半ば封鎖状態に」 一面にそう書かれた記事。 悲惨な状況を示す文章に添えられた数枚の写真。 小さな、本当に小さな影だった。 だが、それを忘れることはできない。忘れられるものか。 あの時と同じように、人を貪り食う仇敵の姿が、そこにはあった。
4. たびがらす | |
2021/03/01 22:43 |
そんなレンゲであったが、夜は相変わらずダリの書斎に入り浸るのが日課であった。 最近は、叙事詩や歴史書がレンゲのお気に入りであった。 レンゲ「ふわ~、人の歴史はとても奥深いのです・・・。」 レンゲ「おかーさまも時々執筆してるのです。あたしもそういうのやってみたいのです。」 書斎の本に書かれていた歴史。特にコルガナ地方における”壁の守り人”たちの英雄譚はレンゲをワクワクさせた。 レンゲ「直接行って、もっと詳しく調べてみたいのです・・・。おかーさまみたいに、本を書いてみるのも面白いのです!」 レンゲは遠くにあるその地に思いを馳せながら、また読書に耽るのであった。
3. たびがらす | |
2021/03/01 20:41 |
レンゲ「怒られたなのです・・・。」 怒られたレンゲ。 スミレに差し出してもらった水をもらい、喉を労わってから、大いに反省した。 レンゲ「やっぱりデスボイスの途中でむせたのがいけなかったに違いないのです。まだまだ練習不足なのです。」 レンゲ「今度は違う方向性でアレンジしてみるのです! そうしたら、今度はきっと褒めてもらえると思うのです!」 反省には違いなかった。 そんなレンゲだが、人の感情の機微には敏感だった。 スミレの中にある不可解な感情を感じ取り、日常に変化が訪れそうな事をなんとなく予感していた。
2. ななせ | |
2021/03/01 00:38 |
ダリ「うぅるせえええええええぇ!!!起きてるわ!!!」 ダリ「どこで覚えたそんな曲!禁止だ禁止!いいな!!」 思わず異貌化して叫びつつ、布団の中から枕を投げつけるダリであった。
1. 尸 | |
2021/03/01 00:15 |
レンゲの奏でたリュートの爆音とデスボイス。 そしてレンゲが盛大にむせる声が聞こえた。 むくりと起き上がり、水差しからグラスに水を注ぐ。 スミレ「………おはよう …レンゲ」 スミレ「……はい …水」 父と同じ、バードとしての能力を開花させたレンゲ。 音楽に関しては何も言わず、無表情のままレンゲにグラスを渡す。 “暗き底の主” を探しに行くことをダリに告げようと思いながらも、言い出せない日々が続いていました。 それが何故なのかは、まだよくわかりませんでした。
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