《並木亭》日常会話
Bashi《並木亭》日常会話[web全体で公開] 1 | |
登録日:2021/07/29 08:11最終更新日:2021/07/29 08:11 |
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48. 白猫 | |
2022/07/06 23:38 |
ひと月にも及ぶ祝勝会を終えた、とある日の夜中。 「さてと、これで忘れ物はないはずだ」 そう言ってレイストは背負い袋の中身を確認していく。 一年間世話になった宿の床にはマテアルカードや魔晶石、護符などがずらりと並べられている。 それはまるで何年も旅をするかのような周到さだった。 「この宿にも世話になったな。長いようで短かった。そんな気もするな」 壁には三本のメイスが立てかけられている。 すり減り、傷つき、汚れも目だっている。それでも丁寧に手入れをされた愛用の武器たち。 机の上には大事そうに置かれている”聖騎士の印”がある。 「ルンフォの姉妹たちにも世話になったな。今度並木亭に顔を出すときには何か料理のレシピでも差し入れないとな」 「ウェーブも並木亭のマスターになるって張り切ってたしな。何かお土産でも見繕ってやらないと。アクセサリーとかでもいいのかな。でもいきなりだと変か?うーん・・・」 部屋の中央の床に座って腕を組んで悩み始めるレイスト。しかし数分もすれば諦めたのか、そのまま床に寝転がる。 そっと顔を右に向ければ、包帯を巻かれた右手が目に入る。 「妙な実験、俺の故郷、この力。忌々しいと思っていたが、終わってみればこんなものか。なんだかんだみんなで一緒に乗り越えたってことだよな」 「この力も、使い方次第では穢れも吸い込めるってのはフレアの姉貴が示してくれたんだ。俺にだってできるはずだ」 「俺に何人救えるか分からないけど、やってみようって思った。俺を助けてくれたフレアの姉貴のように。ナイトメアである俺を受け入れてくれた並木亭やカイルさんのように。一緒に戦ってくれた仲間のように。おれも誰かを助けてみたい」 そういうとレイストは首から下げている小さな聖印を握る。 そこにはマイナーな、しかしよく知っている神の聖印が刻まれいる。 「俺はナイトメアだ。差別の辛さを知っている、”始まりの剣”級の冒険者だ。この長い寿命なら、一人くらい救えるかな」 「・・・さて、明日は早朝出発だ。もう寝ないとな」 そういうと、ハーヴェス王国のとある宿の一室から光が消える。 数年後・・・大陸の各地で旅装束の大ぶりのメイスを担いだナイトメアが秘境や隠れ里を訪れては、同じナイトメアの少年少女を連れ出して、生き残るすべを教えているという、摩訶不思議な噂が立つこととなった。
47. アイ・オウ(I.O) | |
2022/04/02 07:26 |
ある日の昼下がり。 バリーは久しぶりに並木亭を訪れた。 ティダンの司祭服を纏い、手には大きな包みを抱えていた。 たまたまなのか、店内は誰もおらず静まり返っていた。 「マスターも出掛けられたか・・・・・」 バリーは包みをカウンターの脇へそっと立て置く。 中身は「光魔の槌」 並木亭で自身が不要になったと同様に、司祭への道を進むバリーには不要な物となった。 「マスター、皆さん、お世話になりました。いつまでもお元気で」 並木亭での要件は済ませたので、後ろを振り向かずに立ち去った。
46. 白猫 | |
2021/08/22 00:16 |
レイスト 13話裏にて 燃え盛る里、群がる魔動機、見る影もないリジ―の故郷。 その光景を見たレイストの脳裏に浮かんだのはあの方の一味への敵意や、リジ―への同情ではなく、自身の故郷のことだった どうしようもなく閉鎖的な里。生まれながらにして穢れた存在として忌避されてきた自分。迫害レベルの虐めを受けてきた里。そんな里のことを思い出していた。 ああ、あの里もこうなってしまえばいい、と。 しかし、それも数秒の間だけであり、目の前の現実を見る。 「・・・俺は逃げそこなった人や生き残りを探してくる」 仲間から引き留めるような声も聞こえていたが、レイストは振り切るようにして進んでいく。一瞬でも不謹慎なことを考えてしまったが故の罪悪感にかられながら。 それからしばらくは一人で倒壊した家屋を調べたり、集団からはぐれた魔動機を叩き壊してくレイスト。 東から魔動機が飛んできていることや、大きな木に魔動機が群がっていることに気が付きながらも、合わせる顔がないと、足は自然に反対方向へと進んでいく。 「並木亭の冒険者はみんな強い。俺が一人いなくても死ぬようなことはない」 そう自分に言い訳をしながら。 気が付けば遠くの方から大きな戦闘音がする。レイストはそれがみんなのことだと分かっていても、向かう事は出来なかった。 代わりに、倒壊した家屋から小さな子供の手が見ていることに気が付く。 生きているかもしれないと瓦礫を持ち上げた先には、腕だけがそこにあった。本来その先にあるはずのものはそこに無かった。 そして、レイストの脳裏にはふと、一言浮かび上がった。 「故郷の連中もこうなればいいのに」 ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー 故郷を大切に思うリジ―とは対極に、故郷を憎むレイスト君であった。
45. あすか | |
2021/08/21 16:54 |
【シルファ・ベルフラワー】 13話後~ 「妖精使いの巫女、という方を知ってます?」 いつもの夕食の席で、私はゼノに問いかけた。 「いや、知らないな。どうかしたのか?」 「どうやらあいつらが捜しているらしいんですよ」 ゼノの回答を聞いて、”何も知らない”体で知りえた情報を話す。 「……なるほど。妖精と言えばアヴァルフ妖精諸国連邦が筆頭だが、あそこの巫女だったらわざわざ捜すまでもないしな」 「そうですね。そういった有名なところの巫女ではないでしょう」 「それこそ、シルファのところの……いや、すまん。言いたくないよな」 「えぇ」 一言それだけを返し、いつもと変わらぬ所作で肉を切り、口へ運ぶ。 「そういえばシルファは綺麗に食べるよな。どこかで教わったのか?」 「叩きこまれたんですよ。私もそれなりの身分はありましたからね。それこそ王と食事することがあるくらいには」 「それってかなり高い部類じゃないか?」 「大きなところではないから、身分の差なんてほとんどないようなものでしたけどね」 「そういうもんか」 それ以上の会話はなく、夕食は終わった。 どこかの妖精使いの巫女。 もし、私の故郷の巫女を捜しているのなら、見つからないと思いますよ。 だってその肩書を持つ少女は、もう存在しませんから。 「シルファ。確かに俺は一か月用意するとは言ったが、毎日の消費量を考えてくれないか……?」 「いやです」 「……はぁ。俺の貯金が……」
44. 雪翼依依 | |
2021/08/15 01:11 |
「こんにちは~」 レノンはいつも通り、クルルやリジーとの練習が終わったら、キッチンに行った。 冒険者技能の練習の続いては、料理の勉強。レノンは料理にめっちゃ興味持っている。 理由は単純。これにより食べれるものが多くなるから。 昔食べると踊る人が見えるキノコも、油いっぱい使って揚げたら幻覚が消える。赤い肉もゆでたら褐色になって、食べても腹痛くなることはなくなる。苦味のある野菜もちゃんと料理したら苦味がゆるくなる。 こんなことはレノンにとって魔法より大事で素晴らしいこと。 レノンは今も、あの時(キャラ経歴&創作《冒険者になる前の話》に参照)飲んだ卵酒の味を忘れない。あれは記憶の中で、初めて誰かが自分のために何か食べるものを作ったのかも。その味は甘くて辛くて、熱くて身体を焼き尽くそうで、生臭くてまずくて、泣きそう程美味しかった。 レノンはその時の優しいお姉さんのおかげで、料理は人の心も満たせるもののことを知った。 自分も、そんなもの作りたい。食べれないものを食べれるものに、まずいものを美味しいものに、飢える心を満たされるように、料理をしたい。 今の自分は、前の2つを出来た。でも、最後のはできなかった。 どれほど自分が作ったものを食べても、あの日の卵酒と敵わない。ルンフォーシスターズが作ったものとも敵わない。どうしてかな。 やはり、もっと学ばないとダメかな。なので。 「アイン、ツヴァイ、ドライ、フィーア先生、今日もよろしく!」 レノンは、元気の声で、キッチンに飯の用意しているルンフォーシスターズに挨拶をした。
43. あすか | |
2021/08/14 20:12 |
【???】 「巫女様、どちらへ?」 「今日は少し外を歩いてきますわ。妖精たちが見せたいものがあるんですって」 「護衛は必要でしょうか?」 「いいえ、何かあっても妖精たちが守ってくれるもの。大丈夫よ」 巫女様と呼ばれた少女は、おっとりとした声でそのように言った。 「そんなに遠くへは行けませんよ?」 『いいでしょー、いっしょにあそぼうよー』『ぼくたちきれいなとこみつけたんだー』 「はいはい、少しだけですよ。もう、急ねぇ。どうしたのかしら」 巫女様と呼ばれた少女は、妖精に連れられ森を歩く。 (嫌な気配がする) 巫女様と呼ばれた少女は、感じた気配に振り返る。 『どうしたの?』『いっしょにいこう?』『ほら、あっちだよ』 「……ごめんなさい。私、戻らなきゃ」 『なんで?』『だいじょうぶだよ』 巫女様と呼ばれた少女は、歩いた道を引き返す。 「ったく、あいつもこんな面倒な仕事を押し付けやがって……」 男は一人、溜め込んだものを吐きながら歩いていた。 小さな集落との橋渡しをしろ。移動手段は用意しない。迅速にパイプをつなげ。説明されたのはそれだけ。 煙草の一つでも吸いながらじゃないとやってらいれない、とばかりに箱最後の煙草を咥える。 「っと、森か……」 急に目の前に広がった景色を見て、点けようとした火を止める。小さな溜息を吐きながら咥えた煙草を箱に戻す。 (認識阻害によって、そこにあることを知らなければ入れない、とはな。原理はどうなってんだろうな) そう考えつつ、さて、と男はそれまでの雰囲気を一新する。仕事にきたのだ。先までのだらけた状態ではいられない。 (……聞いていた雰囲気とは違うな) 妖精にあふれた温かい集落、そう聞いていたが。目の前から感じるのはどこか冷たい雰囲気。 「……嫌な予感が当たってなければいいが!」 急いだほうがいい、直感が告げたその言葉に従い、男は走り出した。 「どうなってんだ……?」 男が目にしたのは、焼き払われた一帯と、積もった瓦礫。 突き上げられたかのように地は掘り返され、住居は跡形もなく破壊されていた。 そして、瓦礫のもとに座り込んだ少女が一人。 「おい、ここで何があったんだ!?」 男は少女へと尋ねる。 少女は顔を上げる。そして、 「わたしには……もう何も残ってない。わたしに生きる意味なんて、ない」 ――巫女様と呼ばれていた少女は、そう呟いた。
42. cHiPs | |
2021/08/11 20:05 |
【レイズ】11話の前のお話 レイズは新しく貰ったガンを携えて、自室に戻り。 「ふぅ、こんな物ですかね」 手入れをしていた、レイズの為に造られたガン《テルラクス》は正にその性能とデザイン性も彼女に合っていた、 そんな素晴らしいガンを磨かない等と、そんな事はありえはしない。しかし 「それにしても、次の行き先があの場所ミドルの近くだったとは思いもしませんでしたね・・・」 レイズは次の依頼が、ミドルの近くとは思わず、嫌な考えが頭を過る。 「・・・『あの方』とやらが、ミドル周辺を如何にかする事等」 思わず、《テルラクス》を強く握りしめ。 「絶対に許しませんっ」 今度の依頼は。もっと気を引き締めなければならない。 レイズにとってそれ程にあの場所《ミドル》は、大切なのだから。
41. 雪翼依依 | |
2021/08/11 16:11 |
10話後の話です https://trpgsession.click/comment-detail.php?c=wintertsubasa&i=wintertsubasa_162866579871 日記のリンクで本当にすみませんでした。本当は直接ここで上げたいけど文字数が…文字数が…! レノンの二つ名についての話です。
40. あすか | |
2021/08/11 14:36 |
【シルファ・ベルフラワー】 戦いを見ていたある人達が言った。 「いやぁ、彼女が妖精を従えて戦場を舞う姿は美しい」 「その美しさは花のようだな」 「まさにその通り。名は通ってないが、さぞかし実力のある者でしょう」 ある時には話しかけられた。 「ねぇ君、名前の他、二つ名はあるのかい?」 「君みたいな美しい人は二つ名もきっと美しい」 めんどくさいですね、と一言返したい気持ちを抑える。 別に私は有名になりたくて強くなったわけじゃない。 「えー、二つ名ないの? じゃあこれとかどうかな、”妖精の美姫”。君に似合ってていいんじゃないかな」 たまにはと思って、盗賊ギルドご用達の別の宿に来てみればこれだ。 正直、興味はない。 ただこれからもこういった輩は増えてくるのだろう。有名になるとはそういうことだ。 (ゼノに言われなきゃ冒険者ランクなんて上げなかったのに) 悪態をつきつつも、どうすべきかを考える。 今後付きまとわれるよりは何か名乗ったほうがいいだろう。 「ふふ、ありがとうございます。でも私、もし名乗るならこれだというものを決めておりまして」 こちらでは新しい仮面をかぶりつつ、思い至った二つ名を名乗る。 「”谷間に咲く百合の花(リリー・オブ・ザ・バレイ)”。戦場という谷間であっても美しく咲く無垢な花」 百合の花が持つ花言葉。無垢や純潔。美しくも触れられない花という意味も込めて、と説明する。 「……いいじゃないか! 君にぴったりの名だ!」 目の前の男はそう言って、満足したかのように去っていく。 彼が今後、その名前を広めてくれるだろう。 だが、彼はこの二つ名の本当の意味を知らない。 無垢、純潔、そういった意味を持つのは”白い”百合である。 普段のシルファは黄色の髪、そして黒を基調とした服装をする。 黄色の百合が持つ花言葉は”偽り”。 黒の百合が持つ花言葉は”呪い””復讐”。 ”谷間の絶望で復讐を誓う”。”偽りの美しさの中の呪いのような憎悪”。 シルファが求めるのはただ一つの復讐のみ。それだけだ。
39. 白猫 | |
2021/08/11 11:51 |
10話の話の裏で 彼が気まぐれに受けた迷い猫を探してほしいいという依頼。 しかし、彼はもっと考えるべきだったのだろう。あの『並木亭』にある依頼なのだと。 裏路地の死闘にはじまり、7レベルスカウトを撒くような追跡、そして下水道での決戦。 明らかに猫とは異なるであろう、猫たちのボスを相手にし、その死体の上に立った時、彼はつぶやいた。 「・・・一人ってこんなにきつかったのか。最近、支援や後方援護があるのが当たり前だったからな」 「それにしたって、マスターの言う下水道掃除って、まさかいつもこんなのを相手にしているのだろうか」 「いや、確かに定期的に掃除しないと何が沸くか分からないか」 そうして彼は一匹の猫を捕まえながら下水道を去っていく。 「ああ、またみんなと組んで仕事がしたいな・・・」
38. アル | |
2021/08/09 21:35 |
9話終わりのフレアとのRP 表に出て ランガ「ご主人様を返せよ、今日だって屋敷でずっと帰りを待ってたんだぜ」 フレア「・・・はあ。ちょっとは常識を学んだと思ったらこれか。いいか、もう一度だけ言ってやる、お前の元飼い主は『悪』だ。それが理解できないようなら今ここで『躾』が必要だな」お説教モードですね ラ「ご主人様が悪いことをしてたってのは教わったぜ。 実感はないけどなんとなく分かってもいる。 それでも!ランガの大切な人なんだぜ!会いたいに決まってる!」ちょっと涙目 フ「・・・。」(頭をかく) 「はあ。わかった。よおくわかった少年。どうやら『悪いこと』の度合いまでは勉強不足のようだな」 「この際言ってやる、お前の元飼い主は『犯罪者』だ!それも反吐が出るレベルのな!」 「そいつに『会いたい』だあ?冗談も休み休みに言え!お前程度の実力じゃカイル爺が頼んだって刑務所で門前払いだ」 「それを理解させてやる。勉強の時間だ。本気でかかってきな、アタシを一歩でも動かせたら刑務所に襲撃だってなんだってして会わせてやる」 「それもできないような無力なガキは二度とそんな言葉を口にするんじゃねえ!!」 ということでセッションのダイスロールに続く ポコポコドガーン ラ「くっそぉ、分かってたんだぜ、これが八つ当たりだってことくらい。 でも、吹っ切れたぜ。お前を倒せるくらい強くなって必ず取り戻す。 他人にひどい人だったとしても、ランガにとってはいいご主人様だったんだ。 見てろよ!そのためにはなんでもしてやるぜ!」涙の敗走 これ闇落ちフラグでは? フ「・・・素質はあるんだけどなあ(実際もう少しでダメージ入ってた)。心だ未熟だな」 「はあ、少年の友達に任せるか」(思考放棄)
37. cHiPs | |
2021/08/10 11:03 |
【(炎銃)レイズ】10話前の事 それは、蛮族討伐作戦をなくなく降り、町に戻ったレイズは。 「さて」 ある『物』を取りに行っていた。 「しかし、ギルドに預けず直接私の所に送れば良かったでしょうに」 「まぁ、ギルドにも用事が有ったから別にいいですけど。。。」 少しの疑問を抱きながらもギルドに着き、受付に昇格試験の事と荷物が届いていませんか?と聞いた所。 「えぇぇ!?」 驚愕した。何故なら受付が放った言葉は 「はい、その荷物ならば既に、他の冒険者に依頼をして配達してもらいました、この町の《並木亭》と呼ばれる場所に」 そして、困惑した。 「(私の所ではなく、何故《並木亭》に?・・・)」 何故、レイズの所ではなく態々《並木亭》に届けさせるのかが分からなかったからだ。 そして、続いて受付が言う。 「それでは昇格試験の事ですが、お受けなさいますか?」 考え事をしている時に問われた所為か、 「は、はい!」 驚いて少し大声目で返事をしてしまった。恥ずかしい・・・ 「では此方とこれを、昇格試験頑張ってください」(ニコッ 緊張と捉えてしまったのか受付が励みになる言葉を言い、レイズは色々とモヤモヤと恥じらいを感じながら、 昇格試験に挑み、そして見事、無事?にフランベルジュ級に成った。 また昇格試験に挑んでいるレイズは(はたから見たら)正に炎のように燃えていて、銃を使う事から『炎銃』と言う二つ名をフランベルジュ級共に貰った。
36. あすか | |
2021/08/09 18:38 |
【シルファ・ベルフラワー】 10話直前 「そういや近々〈センチネル〉級の昇格試験があるが、シルファもそろそろ受けられるんじゃないか?」 いつもの食事の席で、ゼノはそのように問いかけてくる。 「……なんですかそれ」 私はゼノに返事する。冒険者をやってはいるが、〈センチネル〉級とはなんだろうか。 今は正直そんなものより先日わかった”あの方”とやらの情報のほうが欲しい。 「いや冒険者ランクだよ。シルファも<フランベルジュ>級くらいまではいってるだろ?」 「いえ、全く興味ないので知りませんけど」 「……マジ?」 とりあえず持っていた冒険者証をゼノに投げつける。 「お、おいこれは大事にしろっ……ってマジで冒険者ランク上げてねぇじゃねぇか! ダガーですらないとは思ってなかったわ!!!」 「必要ないでしょう」 「……いや、さすがに……なぁ?」 少しの沈黙が訪れる。 「……わかった、間に合うようにこっちでなんとかするから書類を書け」 「面倒です」 「わかったわかった、後でアイスでもパフェでもなんでも買ってきてやるから」 「……一か月くらい毎日用意されてるなら」 「っ……しょうがねぇな……!」 こうやってシルファは<フランベルジュ>級まで無事昇格が間に合ったのである。 その代わりゼノの財布はなくなった。 シルファ・ベルフラワー 名誉点300消費して冒険者ランク<フランベルジュ>級まで昇格。
35. 雪翼依依 | |
2021/08/08 19:10 |
くーさん 素晴らしいrpと思います!本当にありがとうございます!; ; レノンは、自分がどれほど危険で魔法を学んでいることを知りませんでした。 でも、皆の力になれて、クルルとも仲良くなれることはとっても嬉しいと思っていますw 「ありがとう、クルル先生!」
34. くー | |
2021/08/08 17:17 |
クルル視点その2 自分を鼓舞しているとふと自室(並木亭の一室を借りている?)をノックする音がする。 「やぁやぁクルル君いるかい?」 この声は―――――― 「はは、ごめんね急に押しかけちゃって」彼ことレノンさんという僕と同じのナイトメアの先輩は笑いながら僕に向かう。 「…何の御用です?」 「いや、ね。クルル君、操霊魔法を使ってたじゃない?僕に少し手ほどきをしてくれないかなと思って」 変わった人だ。よりにも寄って操霊魔法を教わりたいだなんて。そもそも以前の討伐戦でレノンさんは僕よりずっと戦果を挙げている。何の必要があるのだろうか……。最も、自分を必要とされるのは嬉しく……は?あるんだけどさ?ふん。 「唐突ですね、別にいいですけど……私の教え方は優しくありませんから。」 「やったぁ!ありがとうクルル君!」 全く、彼の僕に対しての純粋というか、遠慮無さげな態度は何なのだろうか。そういえば初対面でも小さくて可愛いだとか何とか言われたし……うぅ、今思い出すと同性だと分かっていても恥ずかしい気持ちになる。 「…クルル君?」 「…失礼、じゃあまず何から教えていくか……」 彼は少し意識の齟齬こそあったものの、教えた事の吸収速度は見上げるものがあった。 そんな数日が過ぎて――― 「よーし、ありがとう!そろそろ次の冒険に行かないとだから僕はもう行くねー!」 「あぁ、分かっ…っておい、もう一つ大事な事が……」 話の続きを聞かずにレノンさんは行ってしまった。はぁ、僕とした事が「生物の魂を司る魔法だからといって無闇に蘇生魔法を使おうとしないよう」という事を伝え忘れてたよ……アレは成功率が少ない、失敗した時の喪失が大きいというリスクの塊だ。あの悲しみを彼にはして欲しくない。……まぁ、そこまで出来る域には彼の覚えがいいとはいえまだ到達してないはずだろう。 「……やれやれ、面倒だなぁ。」 力が抜けたようにベッドに横たわる、こんなに長い間一人の人間に向き合うのは初めてだ。 それにしても彼…レノンさんはなんであんな風に僕より楽しそうに振る舞えているのだろう?彼の仲間…冒険者の友情とでも言うのか? 「あー…考えるのもめんどくさいや……」 先の思考を放棄して眠りの世界に逃げ込むのだった。 レノンの話し方違ったらごめんなさい!
33. あすか | |
2021/08/08 13:28 |
【シルファ・ベルフラワー】 9話終了後~ 「ん……」 シルファが目を覚ますと、暗い部屋の中にいた。 身体中が痛い。自分が寝ていた場所を見ると、ベッドではなくソファの上だった。 少し記憶が曖昧だ。最後の記憶はなんだったか。 「やっと起きたか……」 その声を聞き、すぐ後ろにゼノがいることに気づく。周りを見渡せば、ここが並木亭であること。もう皆が寝静まった夜中であることにも気づく。 「だいたいの事情は聞いた。シルファのことだし、そうなるだろうなとは思ってたよ」 あぁ、そういえば、と。カイルから聞かされたことを思い出す。 ”あの方”とやらの実験。私が探し求めていた復讐の先が見つかったのだ。 「……えぇ、やっと見つかりましたからね」 落ち着いて声を出す。叫びたい気持ちはあるが、時間を考えてそれを押し留める。 「それで、どうするんだ? 今後は”あの方”の研究を阻止するよう動くのか?」 ゼノの問いに私は答える。 「いいえ、そんなのはどうでもいいです。実験台が増えようと、どこかが滅ぼされようと、誰かが死のうと私の知ったこっちゃないです」 怒りはある。でもその先は実験ではない。 私は実験台なのだろう。だけど、他の実験台がどうであろうと私には関係ない。 「私の目的はあの、私の全てを破壊した、ケタケタと笑ってた○○野郎を×す。それ以外はどうでもいいです」 その道中に、実験があるというなら潰しましょう。 その道中に、国が滅ぼされるというなら止めましょう。 その道中に、”あの方”がいるというのなら×しましょう。 私の目的は何一つ変わってない。 「もう失うものなんてない。結果私が死のうと構わない。あいつだけは私が×す」 ケツイを再び胸に灯し、私は私の道を進む。 「ところでゼノ、私の着衣が乱れてるんですが」 「……俺は知らない」
32. 雪翼依依 | |
2021/08/08 03:36 |
9話のあと 「……今回は上手くやったから、大丈夫」 自分を安心させるように、レノンは深呼吸した。 この前、ずっとできることないから、いつ捨てられてもおかしくないな。 「……もっと、上手くやりたい…」 そういえば、最近ここに来たクルルさんも、操霊魔法学んでいるな。 自分より上手だから、機会があれば彼に心得を聞いてみよう…
31. くれない | |
2021/08/07 23:33 |
どうだろ…? 名家生まれで幼い頃から同年代から目の仇にされたり疎まれたりしてるから友達はいない。身代金とかで命狙われてたりとかもあったりで貴族だから裕福で順風満帆ってわけじゃないですね〜… そんな中で気を許せる友人が出来たわけなんですけどそいつがどっかいっちゃったもんだから…() 基本的に心の壁を作ってるって言う点ではクルルと同じかもしれぬ…!
29. くれない | |
2021/08/07 19:14 |
【アイリス・ルーン】9話中盤から終了後〜前線で他のメンバーが戦っている中で広範囲に戦闘が始まった。それは例によって漏れず、退路を確保する為に待機していたアイリスの元にも敵は来たが、普段から一人で依頼をこなしているせいか危なげなく撃退していた。 『…ふぅ。これで、全部かしら。』 目の前の最後の敵を斬り伏せ周囲を確認する。 『ん〜…先の方での戦闘音も鳴り止んだみたいだし、私も撤退しようかしらね。彼等は彼等の勝利の余韻というものがあるでしょうし…。 でも、不可解な事ばっかりね。たまに並木亭の面々と依頼をこなすたびに何かに巻き込まれてる気がするわ』 単独で行なっている依頼と、並木亭。特にカイルが関わっているような依頼はどこか違うような感覚を覚えているアイリス。 『…………ふん。孤独には慣れているわ。今までも。そして、これからもね。貴族なんて、大抵そんなものだもの』 愛刀を静かに納刀し、先を見やる。そして皆を待たずに踵を返し先に帰路に付いたアイリスだった