Nサブさんの日記 「スカイノーツリプレイ」

Nサブ
Nサブ日記

2022/02/06 07:40

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😶 スカイノーツリプレイ
※
 ヴィクトリアシティは、その日の朝、空から色鮮やかな音楽が降ってきて、一日中鳴りやまなかった。
 上質な弦楽器の調べが、メインストリートに並ぶ屋根の上でリズミカルに跳ね返り、身を震わせて歌い踊った。
 アーリャは、真っ赤な薔薇を襟元から覗かせて、兄の袖を何度も機嫌よく引っ張った。(こんなご機嫌な日には、みんなでランチにするべきよ。そうじゃない?)そんなふうに懇願した。
 痩身で優しい顔立ちをした兄と、小柄で薔薇のような妹。彼らは似ていない兄妹だった。小ぶりな眼鏡の奥で、オスカーは難色を示した。
「僕らはただの仕事仲間だよ」
 とはいえ、彼らはあまり似ていない兄妹だったが、彼が、妹の言葉に反対するはずがなかった。彼の愛すべき妹の哀願は、厳密には「言葉」ではないのだが……。
 ぴぃぃ……という、空を引き裂くような、甲高く激しい笛の音。一度でも息継ぎをしたなら、ぷつんとそこで音色が途切れて、全ての旋律が台無しになってしまいそうな、雄大で繊細な調べだった。
「きれーな曲だよね。朝からずっと鳴ってるけど」
 ほややんとした調子で、エルネスティーネが言った。潰した芋をもぐもぐと頬張りながら、「誰かの結婚式とかかな」と付け足す。
「盛大だねぇ。お金もたっぷり掛かってそうだなー」
「ふん。金持ちはやつことが違うね……!」
「あの船かなぁ?」
 エルネスティーネが、発着場にゆっくりと降りていく飛行船を行儀悪くナイフで指し示したが、あいにく、モーブはそれに返事をする余裕がなかった。アーリャに片手を引かれ、指の間に、フォークを次々刺していくゲームを強制させられている。握った片方の手のぬくもりと、もう片方の痛みの予感とで、彼の表情はぐんにゃりと歪んでいた。やがて、アーリャが目を閉じて、声もなく歌を歌い始めた時に(それでもフォークは止めないでいるのに)、彼の悲鳴は最高潮に達した。
 アーリャの唇から零れるのは、愛の歌。初恋のときめき。片思いのせつなさ。彼女は声なく歌い上げる。それは燃え上がる恋の歌。そして憎しみの歌……。

 小さな舞踏会を中断したのは、やつれた花嫁だった。
 彼女は、飛行士たちに空を飛ぶことを依頼し、彼らはそれを受けた。
 そして物語の幕があがった……。
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レスポンス

氷山
氷山Nサブ

2022/02/06 10:18

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> 日記:スカイノーツリプレイ
おお!結婚式セッションの前日譚ですね
瀟洒な振る舞いを見せるアーリャちゃん…良い!(内心のロックさは身を潜めてる)
うちのエルネスティーネもお行儀の悪さがそれっぽいです
セス
セスNサブ

2022/02/06 08:09

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> 日記:スカイノーツリプレイ

 小説風リプレイ、いいですね!
 セッション募集urlとか、一緒に記載してあると、
このリプレイの参照として有難いと思いました。
(リプレイ機能のリブレイの記載でも!と感じてますがw)

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