温森おかゆ(まんじゅう)さんの日記 「個別シーンの制御」

温森おかゆ(まんじゅう)
温森おかゆ(まんじゅう)日記

2023/02/08 12:29

[web全体で公開]
😶 個別シーンの制御
個別シーンでの「失敗」は「一度もシーンに登場できないままその日のセッションを終えたプレイヤーがいる」ことだと前回の日記では定義した。
↓個別導入での問題提起
https://trpgsession.click/sp/comment-detail.php?c=117okayu&i=117okayu_167574858573

だがそれを「失敗ですよ」と言うだけでは何の意味もないというか、実際にやってみると分かるが個別シーンの制御は本当に難しいところであり、失敗!ダメ!!と頭ごなしに言うつもりは毛頭ないので、今回は二本立てで
【それじゃあ個別シーンをどのように制御すればいいの?】というあたりを私なりに不慣れながらまとめていこうと思う。
因みに偉そうに言っているが、私もこれに関して1度も失敗しなかったわけではない。失敗の経験を経ての学びとして受け取ってもらいたい。

【個別シーンを制御する方法について】
〇1:限られた時間を提示し、その時間内に終えられるようにする。
最初に1シーンにかけていい時間を軽く計算し、目標終了時間として公開する。そしてPLにもそれを意識してもらいつつ、進める。
たぶんこれが一番オーソドックスで不満も少ないやり方だと思います。ただ、言わずもがなこれをあらゆるシナリオにて実現するのは非常に困難きわまるところである。GMは間違いなく時間管理に脳みそを煮詰めさせることになるだろう。
それではシミュレーションしてみよう。個別シーンを順調に終わらせた場合の時間想定の平均は35~50分といったところ。え?短いって?これでも私の経験則で長めに見積もっている。因みに私は時間がないときさらに自分の導入シーンを切り詰めて25分程度に収めたりもする。

それでは昨今ありがちな21時~24時間の3時間(180分)セッションを例にこれを当てはめてみよう。
少しゆっくりと進行したなら30~40分と言ったところだ。180分で3人の個別シーンがだいたいどれも30分だった場合、一時間半は時間が余るので合流シーンくらいは挟めるか、と言ったところ。4人だった場合は30分に切り詰めても一時間しか余らない。短めに切った合流シーンならできるかどうかといったところ。5人目がいた場合は30分。もう合流シーンをやる時間もないから自由解散でその日は雑談で時間をつぶすか、アフタープレイでその日のプレイを振り返る時間くらいあるかといったところ。
ここまで聞いてカンのいい方なら、個別シーンの時間制御がどれほどに難しいものかが少しお分かりかと思う。
コピペをざっと流して出来得る限り時間を切り詰めたと想定した30分ですら、この状況なのだ。
ではこれが50分になったとしよう。3人分の個別シーン50分をそれぞれ終わらせただけで30分しか残らない。4人目や5人目のシーンをやる時間は無論存在しない。
ではもっとゆっくりやったとして90分。2人目のシーンが終了した時点でその日のセッションは終了だ。
プレイヤーが多ければ多いほど当然時間が倍増するため、個別シーンの時間の制御については苦労することになるし、ちょっと油断してゆっくりやろうものならあっという間に赤信号だ。因みにぶっちゃけて言うが、GMがどれだけ苦労しようとも、頑張ろうとも、時間管理の面をまったく気にしないで自分のロールプレイをゆっくりやってしまっちゃうPLが存在していた場合、容易に計画は崩れる。
だからこその「終了時間の目安共有」だ。何も言わないと言うでは意識の仕方がだいぶ違う。気にしない人は気にしないので、そういう場合は……ご愁傷様だ。

〇2:返信回数自体を省略する。
こまごまとしたテクニック面でアプローチするなら有効である。
結局、何か一言発して、その反応を待つ時間というのは積み重なれば積み重なるほど重く効いてくる。個人個人でこのあたりはタイピングによほどの速度の差がない限りは違いはないというが、違いはないからこそ、確実に重なっていく。
あえて一回の返信で要件やら情報やらをまとめて渡したり、余分な部分をカットして返信回数自体を押さえてしまうのも手というか、恐らくこちらの方が早い。たとえば雑談や軽い反応などをカットしたり、重要なセリフに合成してしまうなどのテクニックだ。合成しすぎるとPL側が反応に困るので、重要なセリフや描写はひとつひとつ分けることを推奨する。

例1:
(PCが何やら話しかける)
NPC「ええ。そうなんですよね」
(PCが反応を返す)
NPC「これが【情報】です。(軽い説明)」
(PCの反応)

例2:
(PCが何やら話しかける)
NPC「ええ。そうなんですよね。……それはさておき、これが【情報】です。(軽い説明)」
(PCの反応)

行数自体が短くなったのがお分かりだろうか。

〇3:二窓同時進行
もはやGMの究極形態というか修羅の道と言ってもよい。
たとえばココフォリアにはメインタブ、情報タブ、雑談タブというものがあり、それぞれ用途に応じたタブで会話を進めていく形式になる。GMは同時進行させる分のタブを作成するか決定し、同時進行させるシーンのPLを呼び、そのタブを行き来しながら同時進行で複数の個別導入シーンをやってしまう、という感じだ。
ただ、勿論これはよほどGMの腕に自信があり、個別導入が混乱して混じってしまうことはないという自信があり、返信の迅速さにも自信がある事が前提である。そうでなければ過ぎた真似でしかない。マルチタスクと切り替えの早さと迅速さが求められるので、よほどの猛者でなければおすすめはしない。それに、個別導入くらい分散せず集中してやってほしいと感じるPLもいるだろうから、使いどころは間違いなく限られてくるだろう。勿論私もどこかでこの方法を聞きかじっただけで猛者ではない。
ただ、その猛者が言うには、PLの返信速度も含めると別のタブに行き来するだけの暇はあるし、余裕があるのなら有効だ、とのこと。

〇4:導入の内容をかくさずぶっちゃけてPLの返信時間を短縮してもらう。
ネタバレNGな人に非常にヒンシュクを買いそうな内容だが、テキストセッションの良さは「コピー&ペースト」が可能なところにある。活用しない手はないと思うのなら、これもまた選択肢の一つだ。文章を考える時間と文字を打ち込む時間、わずかな時間でも短縮すれば、プレイヤーが多く返信回数が多ければ多いほど効果が表れてくるだろう。
勿論GM側が、シナリオテキストをあらかじめ準備しておきワンタッチで送信できるようにしておくだけで大分違う。

〇5:別の日に個人個人で本当の意味で個別シーンを行い、後でログを共有して読んでもらう。
どうしても個別シーンが長ったらしくなりそうな場合、時間さえ取れるなら別日収録を選ぶのも手段の一つとしてはありうる。
少し雑談タブが寂しいことになるだろうが、タイマンシナリオ少しやるような感覚とそう変わりはしない。それに、ゆっくりと何も気にすることなく、じっくり集中して個別のシーンを進めることが出来る。完成度は折り紙付きかもしれない。
その日一度もシーン登場できずに終わる人がいるなんてことになるよりかは、後日数十分の時間でログを読んで他のPCの状況把握を行えた方が有意義と思う人もいるだろう。ズルして読まなければ状況がわからずおいて行かれるだけだ。そこは何もせず待ち続ける数時間と天秤にかけて我慢していただくことを前提とする。

〇6:そもそも個別シーンをやらなければいい。
いきなりバッサリだがこれはこれで私も推奨しにくいところだ。やはり事件に関わっていくまでの前日譚がないとどうにも説得力に欠けるし、ヒンシュクは買うだろう。
だがどうしても時間がないが、どうしてもプレイするシナリオでどう考えても長ったらしくなるだろ、コレ。と思うような個別シーンがあった場合は断腸の思いで切り取るしかない。
「それでは各PC、実はカットした部分でこういうことがありまして。PC2は依頼を受けて調べていたらPC1を見つけて。PC3はPC2と仲良しで偶然同じ事件を追っていることが分かり今回も手を組むことにしました」というような説明を打ち合わせの段階で綿密に行い、あたかもそのような前日譚があったかのようにセッション中演じてもらうのである。
そしてPCが合流するシーンから開始し
PC2「俺はPC3とは古い付き合いでな。こいつとは昨日バーで会ったんだ。酒の肴に事件の話をしたら、同じ事件を追っているっていうじゃねぇか。それなら悪かねぇ、昔みてぇにタッグをくんでやろうじゃねえかってんで一緒にいるのさ」
PC1「僕はPC2さんに事件のことで助けてもらっているんです。僕が困っている時にPC2さんが声をかけてくれて。調査協力って形でここにいます」
と、あたかも導入シーンがあったかのように過去を捏造する。それでもちょっとPLの心境としては十中八九物足りないだろうが、ドラマの開始地点なんてストーリーテラー次第なのでこんなところから開始しても進行上は問題はない。

ざっとこんなものだろう。基本からちょっと荒々しい方法まで、実に様々なアプローチがあることは分かって頂けたことかと思う。
TRPGはその仕様上、数人の人が集まって同じ日に同じ時間を使い、ゲームに参加するものだ。だからこそ、誰かに不公平を感じさせるような要素は極力抑えていく必要があると思う。
ここに書かれている内容はあくまで、「数時間の時間をとってセッションに参加したものの、ゲームに関わることなく終わってしまった」というプレイヤーを出さないようにする方法であり、「全員がその日を無理なく楽しめる魔法」などでは決してない。しわ寄せが来かねない方法もあるし、ちょっと眉をひそめられそうなものまであるのは私も重々承知の上である。
というか「全員がその日のセッションを不完全燃焼にならずに楽しめる魔法」なんてものがあったらむしろ私の方が知りたいくらいだ。そんなことは不可能だ。TRPGでなくとも、誰かの自己満足を満たすために誰かにしわ寄せが寄る事なんて日常茶飯事である。
いつだって、人とかかわる場にあるということは、ままならないことを多少我慢して、手を携えることを選ぶことの繰り返しで。TRPGも結論、みんなでそんなキレイごとを追い求め、そこで生まれた一期一会の交流に楽しみを見出していく。そうして遊ぶことに意味があるゲームなのではないかと、私は思っているのだ。
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レスポンス

ぱとたく
ぱとたく温森おかゆ(まんじゅう)

2023/02/09 13:18

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> 日記:個別シーンの制御
私はロールや設定が生えるのが好きですから、じっくり考えてから自分で演出出来そうな5か後で自分一人でまとめられる6ですかね…どう動いたら良いのかはPCの皆さんそれぞれになりそうです(^_^;)

やはりどこかで折り合いはつけなくてはならないですし、喜びと感動が生まれるのは楽しいですからね( ^∀^)

良い日記をありがとうございますm(__)mペコリ
どい=つなべ
どい=つなべ温森おかゆ(まんじゅう)

2023/02/08 14:31

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> 日記:個別シーンの制御
同時進行は何と言うか恐ろしすぎますね…?

最近開催してないですが前に自分でやった1日テキセだと「PCは全員UGNストライクハウンド所属で、任務のため召集された」で個別導入にせず、全体の時間として「23:30までにボスが倒れていなければ街ごと焼却されます」と言う内容で時間管理してました
個別導入を投げ捨てるのもやり方次第かな、と思った次第です

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