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😶 ケダモノオペラ【最期の帰郷】 ずーっとやってみたかった、ケダモノオペラの公式体験シナリオを、つぎのGMに回していただき、ついに体験することができた。……やりたかったら自分でGMをしろという話でもあるのだが、回していただけると言われるとつい甘えてしまったのである。 ◆ケダモノオペラとは 強大な人喰いの“ケダモノ”を演じ、人の世界との関りを描きながら、自分なりの物語を紡いでいくのが楽しい、ナラティブTRPG。決まった結末なんてものは存在しない。プレイヤーが操るケダモノは、強大な力を持つものである。 その力をもってすれば、時間を巻き戻したり、死者を蘇らせたり、いくらでも結末を作ることができるからだ。 簡単なルールだが、その実リソース管理に頭を使うゲームで、ナラティブとはいえど十分にゲーム性を持っている。 ◆イントロ むかしむかし 剣と魔法の世界。(架空の中近世)皇太子と大公が玉座をめぐり争っている王国…… 人間の愚かさは、むかしむかしから変わらぬもの。 王位継承をめぐる内戦の最中── 兵士たちのむくろが打ち捨てられた戦場。 そこでケダモノは若き騎士エーリヒに出会いました。 「故郷に妻を残しているんだ。 せめてむこうに旅立つ前に、一目会いたい。 この指輪を渡さなくちゃならないんだ」 青年はケダモノの正体を見ても恐れず、頼みこんできました。 照れくさそうな笑顔。しかしそこに未来はありません。 彼は幽霊なのですから……。 ◆感想 内容はイントロから分かる通り、「未来が無ければ救いもないバッドエンドをどう片付けるか」の話である。 これはぜひシナリオをプレイして体感していただきたいので、詳しい内容については伏せるが、シナリオのオリジナルギミックもあり、ゲームとしても物語としても楽しめるものとなっている印象だ。 ◆ヒメ PL:おかゆ 「探し物とは奇遇だね。ボクは、“お葬式”を探しに来たんだ。キミ、お葬式知らない?」 「人間はもう少し、ケダモノより理性的かと思っていたよ」 中性的な子供の姿の疑似餌を持つ、アラクネのケダモノ。名前はヒメグモから。無知で純粋、好奇心旺盛で、食欲よりも好奇心で人間と関わり合うことがある。アラクネ特有の脳味噌いじりや、子蜘蛛を操るよりは、魔術に長けた個体。 ケダモノは永遠を生きる。だから、“お葬式”とは無縁だった。ヒメは、人間の“お葬式”がどうしても知りたくて、人間の戦場に降り立った。それが、彼の伝説を彩る冒険になるとは、彼も予想していなかった。 ◆カワイイ(ムジカ) GM:つぎの 「オレ、カワイイ ナイカ、サガシニ キタ! オマエト、タタカウ ツモリナイ!」 『何かを弔う。その行為は、何であれ尊いモノだと私は思っているよ』 相変わらず、こちらの意図や何気ない小さな描写を取り入れてロールプレイや演出に活かすのがとっても上手なGMで、ロールプレイ上の連携など楽しませていただいた。片言キャラのため、本体も疑似餌もあまり語らないが、物語に寄り添い、無知なヒメとは対照的に、ケダモノから見た人間の世界を肯定する賢者らしさが際立っていた。 こちらはゴリアテという、芸術を司るケダモノ。奏でる音楽はあらゆる奇跡を引き起こし、死んだ人間を一時的に蘇らせることすら可能にする。 疑似餌は片言だが、本体のケダモノは流暢に語る。なぜかと思えば、実は疑似餌の喋り方は本体のケダモノが「カワイイ」と思ってさせている話し方だからだそうだ。 ケダモノオペラは、本体と、人間を騙すための疑似餌、実質ふたつの身体があるようなものなので、こういった演じ分けが時に単純にキャラクターを立ててくれることもある。
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