温森おかゆ(まんじゅう)さんの過去のタイムライン

2025年05月

温森おかゆ(まんじゅう)
温森おかゆ(まんじゅう)日記

2025/05/10 20:28

[web全体で公開]
😶 アンサング・デュエット【千年桜はまだ咲かない】
 桜が咲くころには病が流行るという。私はどこかで、そんな話を聞いた。ちょうど気候の変わり始める時候、花冷えもあって気温が安定せず、体調を崩しやすいことも言っているのだろうと思う。
 日本でコロナウィルスが流行り出したのも、ちょうどその春頃ではなかったろうか。
 だからだろうか。人は、桜の儚さにどこか「死」や「虚弱」を連想するのだ。その儚さと美しさを、暗い意味の隣に据え置くと、なぜかその美しさがまた鮮明となるらしい。
 夜の静寂と寂寞(せきばく)に白い月が浮かぶのが人を感動させるように、暗澹(あんたん)と形の知れぬ夜の湖水に踊る白い月光が人を感激させるように、影があるからこそ、美しさというものが際立つと言われる。
 単純にカワイイ女の子も良いが、影を差した美人の方が、何となく興味を引いてしまうというのもそれなのか。
 美しさの本質とは。影を差した美しさが人を虜にする理由とは。考えてみれば深い。……ような気がする。

 閑話休題。

 今回は、長い苦節を経てついに完成したつぎのさんのシナリオ【千年桜はまだ咲かない】に参加した。
 内容が継続キャラクターでも参加できるものに変わり、作新されていた。
 バインダーとシフターが連れ立って桜の名所に出掛けるところから始まるため、いわゆるデートを絡めて異界に巻き込まれたいアンデュペアにオススメのシナリオである。
 シナリオ中に手に入れる情報が重要な伏線となっていて、後で核心的なものに変わっていくというプロのシナリオライター顔負けの仕掛けがあるため、非常によくできたストーリーである。
「桜」に影を落とす「死」を連想させる、暗くも美しい内容だ。
 ふたりの絆が深ければ深いほど後半に輝いてくるので、とびっきり仲のいいペアで行くか、継続ペアで行くと最強のふたりになれる。
 あまり深くは言えないが、タイトルの鮮やかな回収もしっかりとある。

◆アンサング・デュエットとは
 現実と隣り合わせの危険な世界“異界”。その真の姿を見抜く目を持つ“シフター”と、そのシフターを異界から助け出す宿命を負った“バインダー”となり、ふたりで協力し異界を脱出する過程を描くTRPG。その性質から、うちよそと相性がいい。
 ルールは至って単純で、キャラクターシートを作るのも簡単。例えばルールブック一冊持ち寄って30分ほどでキャラクターを作成し、2~3時間ほどでサックリと簡単な冒険を楽しめる。

◆あらすじ(プレイヤー向け)
 このシナリオでは、シフターとバインダーがふたりで「夢見草(ゆめみぐさ)町」へ桜狩りに行きます。

 バインダーはシフターに、「夢見草町」に桜狩りに行こうと誘われます。
 桜の植生国内一を誇る街で、出店なども充実している観光スポットです。

 シフター曰く、その町にあるという“千年桜”が開花する年なのだとか……。

 当日、夢見草町へ向かうと、シフターはなんだか、いつもよりはしゃいでいる様子でした。

 そこかしこに植わる桜を楽しみながら、しばしの観光を楽しみます。
 そして、お目当ての“千年桜”を見に行こうと、街外れの「花綵(はなづな)神社」に向かうのでした。

 目前に広がる、石造りの長い長い階段。
 昇っていくと、不意に強風が吹き、視界が桜吹雪に包まれます。

 嵐のように巻き上がる花弁に包まれ、思わず目を閉じました。

 次にバインダーが目を開けると……
 そこにシフターの姿はなく。困惑するバインダーの背後で声が聞こえました。

『──ようやく、これで千人目』
『これで、キレイに咲けるかな?』

◆バインダー:犬神 花鶏(いぬがみ あとり) PL:おかゆ
「得るものが大きくなればなるほど、それを失うことの重大さも、また大きくなっていくものだと思います。だから……零士さんはこれ以上、戦わなくても良いと思うんです」
「私も一緒に戦います。パートナーですから」
 現実と隣り合わせの危険な世界、異界に対抗する組織、異界対策室に所属する。正義に熱く、人命がかかっていると見るや後先考えずに突っ走る女性のバインダー。空回りしがちな行動と、ドジを鬼本にフォローされ続けるが、数個の異界を生還し、それなりのベテランになりつつある。
 前回の【ワインレッドの肖像画】にて、2シナリオ越しの想いが届き、鬼本と懇(ねんご)ろな関係へと発展したアトリ。今回は鬼本と花見に行くことになり、おそらくは鬼本と共に仕事が絡まない初の遠出となる。
 想いが通じ、鬼本も次第に凍り付いた心が融解し始めてきているのを感じ、嬉しく思いつつも……それが再び失われてしまったら、という恐れを克服できないでいる。

◆シフター:鬼本 零士(おにもと れいじ) GM:つぎの
「私が何かを失う度に、私を気にかける人は悲しみ心を痛める」
「私にはまだやるべきことがあるからだ。それはまだ成し得ていない」
 常に冷静沈着、的確な判断を下す鬼教官……であったが、昨今は次第に凍り付いた心も溶けだし、これまで忘却で喪失してきた感情を取り戻しつつある、異界対策室のエージェント。
 今回は、アトリを誘って桜を見に行った先で、偶然にも異界に巻き込まれる形となる。
 勇猛果敢なアトリと、冷静沈着な鬼本。互いに補い合うバディが、ついに名実共にパートナーの関係となり、ふたりの間柄もまた濃厚に。常に澄まし顔の彼が、時折アトリに見せる人並みかそれ以上の執着が非常にエモーショナルだ。
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温森おかゆ(まんじゅう)
温森おかゆ(まんじゅう)日記

2025/05/10 07:03

[web全体で公開]
😶 アンサング・デュエット【ワインレッドの肖像画】
 今回は、『ヨタバナ』の作者、椅子塚サクサクさんが書いた背徳系シナリオの【ワインレッドの肖像画】を、【アンブロークン・アロウズ】や【インバース・ワールド】を超えた歴戦の継続ペアで挑むことになった。

 犬神 花鶏と鬼本 零士のふたりは、元々オリジナルの組織である警察の異界対策室所属のキャラクターのため、このシナリオでの“バインダーとシフターは三日月財団所属のエージェント”という設定を、“異界対策室所属のエージェント”に変更して行った。
 キズナバレットしかり、ブラッドパスしかり、組織所属のエージェントとしてシナリオに参加するというのは、プロフェッショナルのロールプレイがやりやすいため、一般人としてのキャラクターとはまた違った楽しさを味わうことができる。『アンサング・デュエット』のキャラクターは多くが一般人だが、時には“三日月財団”という組織のエージェントとしてキャラクターを作り、このシナリオをやってみるのもまた楽しいだろう。

 なお、このシナリオではクリア報酬が少し多めに手に入るようになっているため、いくらかシナリオをクリアしたもののフラグメントの残数に困るキャラクターに回すシナリオとしてもいいかもしれない。
 まず生き残らないと手に入らない物ではある。また、手に入ったところで正直フラグメントとして扱うにはちょっと「いや、どうせえっちゅーねん」という感じなので、別に「ぜひ次の持ち込みフラグメントに入れたい」と思わないところもステキだ。よっぽど忘却が進んで枠が埋まらない時の補欠程度のものが追加報酬なのは助かる。基本的に、既に6つのフラグメント枠は入れたいフラグメントでいっぱいなので。
 このシナリオでは、異界の影響を受けるごとに、背徳的な情熱が心の中に湧き起こってくる。アクシデントキスと相手の血への渇望を演出したい場合は、適したシナリオと言えよう。

◆アンサング・デュエットとは
 現実と隣り合わせの危険な世界“異界”。その真の姿を見抜く目を持つ“シフター”と、そのシフターを異界から助け出す宿命を負った“バインダー”となり、ふたりで協力し異界を脱出する過程を描くTRPG。
 ルールは至って単純で、キャラクターシートを作るのも簡単。だが、だからこそ拡張性が高く、ギミックを盛り込みやすいシステムとなっている。
 シフターとバインダーのふたりで協力するシステムのため、濃厚なうちよそを描きやすいのも特徴。
 とりあえず1冊ルールブックを持っておけば、手軽に色んな冒険とうちよそを楽しめる。

◆あらすじ(プレイヤー向け)
 このシナリオでは、ふたりは三日月財団に雇われているエージェントとして、三日月財団からの依頼の達成を目指すことになります。

 今回の依頼は、美術館に展示された、絵画の遺物の回収。
 三日月財団がかつて要注意監視対象としていたある人物が描いたその絵を、ふたりは回収するために美術館へと赴(おもむ)きます。

 しかし、絵画の遺物は回収されるよりも早く、異界を作り出してしまいました。
 かくしてふたりは、気付かぬうちに異界へと足を踏み入れることとなるでしょう。

 そこは、現実世界の美術館と酷似した異界。
 けれど展示されているのは、血のように赤い絵画ばかり。
 それも、見る者の精神を汚染する、異界の絵画ばかりが飾られていました。

 もしも絵画に心を奪われてしまえば、あなたは血を貪(むさぼ)り。鉄の味の恍惚(こうこつ)に身を委ねる化け物になってしまうでしょう。
 そうなってしまわないように、ふたりは力を合わせてこの異界から脱出しなければなりません。

◆バインダー:犬神 花鶏(いぬがみ あとり) PL:おかゆ
「だから、私、ずーっと、好きな人に、振り向いてもらえないんですけどね。先輩、鈍感すぎるんだもの……」
「大切な人だからこそ……“今”っていう、ひとときひとときを共に生きる……それが、幸せじゃないんでしょうか?」
 正義感に熱く、それゆえに少し空回りしがちではあるが、経験とガッツで異界を何度も生還してきた歴戦のエージェントとなりつつある女性。ちょっとおっちょこちょいだが理想の婦警像といった形。
『アンブロークン・アロウズ』『インバース・ワールド』と、数個の異界からの生還記録を持つ継続キャラクター。
 今回は、異界対策室の阿部室長に「デート」をちらつかされ、まんまと異界への片道切符を握らされての異界入りとなった。

◆シフター:鬼本 零士(おにもと れいじ) GM:つぎの
「すまない、わからないんだ。自身が何を感じているのか。……忘れてきてしまったのかもしれない」
「ああ、努力する。キミが待ち草臥れる前までに……──」
 情熱的なアトリと対を成すように、冷静沈着で冷徹な彼女の先輩であり、パートナー。アトリ以上に異界対策室でエージェントを続けており、経験と判断力は高いが、異界に立ち向かい続けていた影響でほとんどの感情を喪失している。それ故に、アトリのことを気に入ってはいるが、その感情に何と名前をつけるものなのか、自身の感情に疎くなりすぎて見えなくなっている。アトリから向けられる恋慕や好意に戸惑っていたが。奇しくも異界の影響で、自分がアトリに抱く感情の正体に気付いた。
 アトリと関わるうち、凍り付いていた心にもだんだんと変化が訪れている。
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