巴さんの日記 「ストームブリンガー「悪魔の天秤」第二十八回目(第2部 最終話)中編」

巴
日記

2022/01/29 06:44

[web全体で公開]
😊 ストームブリンガー「悪魔の天秤」第二十八回目(第2部 最終話)中編

 前回のあらすじ
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  ウドルフォ「うん、やはりな……」
  リリア「…ここも争いは避けられない…」
  シギュン「…のは、分かっていたが こいつら‼️」

     顔を見合わせていた3人は、観念して辺りを見渡した。

       陽気な街 メニイ
   海運国家 紫の街の島の首都にして、新王国有数の港湾都市。 優秀で勇敢な船乗りや私掠船商人(海王)達を多数生み出した。
   光の帝国 メルニボネが<イムルイルの略奪>にて滅亡、新王国の版土より消えた後には世界第一の交易拠点となる。
   先の大戦にて、エルリックの招聘に応じた海王カルカンとその強者どもは、死地においてもその勇猛果敢さを遺憾無く世に知らしめた❗️  


  シギュンが呟いた様に、メニイの大通りに行き交う人々は みんな活気に溢れ商売や交渉に熱っぽく当たっている。
  しかし、ここから僅かに離れた黄金神殿を中心とした街の大半は謎の獣人軍団に占拠されており、民達の為に 彼らを討伐に向かった2人の指導者達は共に窮地に陥っているらしい。
  その救援者である彼らのことを放置して、自分達の平安と生活のみ享受する、メニイ市民達に違和感と軽い軽蔑を感じるシギュン。
  メニイの民の男気は失われたのか?


   そんなシギュンをなだめ、ウドルフォはファメイル警備兵に詳しい状況を聞く。

  黄金神殿は、獣人軍団の駐屯地となっていることは既に聞いたが、メニイの大学(カドサンドリアと同じく大学があるのだ)・図書館は『収容所』代わりに使われているらしく、彼らに反抗したり危険視された知識人や魔術師達が囚われている。

   また、街中の職人工房街は移動や資材搬入搬出に便利なため、水路が張り巡らせてあり小舟や橋で行き来するらしい。

   そして一般市民の住む居住区は、清潔で整然とした街並みで、建物の屋根はすべて紫色で統一されている。この国の名の由来でもあるから。


  地面に棒で地図を書きながら、3人は行動を考えて決める。

  世にも珍しい 同盟関係の法と混沌の其々の指導者達。
  
  法の戦士アブラズムは、手勢を率い職人街へ向かうが敵軍の謀(はかりごと)にあい、街の一角にて包囲され 動きを封じ込められたまま。

  混沌の戦士ヒアテスは、単身で旧居住区(住宅街)に潜入するが、やがて連絡が途絶え行方不明に。

  冒険者達は、先に包囲足止めされているアブラズム部隊を救援に向かう事にした。わずか3人の援軍では心もとないが、アブラズムと兵達が未だ士気旺盛ならば連携して包囲突破は可能であり、初めて遭う獣人という敵との偵察も兼ねられる為。
  何より、ここより職人街・住宅街のいずれかを通らないと黄金神殿、収容所には行けないのだ。


   大まかな道順をファメイルに教えてもらい、3人は職人街へ向かう。 水路が縦横無尽に流れているが地区の半ばまで橋や道路を使い到達することが出来た。
   やがて、大きな川に行方を阻まれる。その向こう岸には多くの武装した兵士達の影が確認される。

  周りの工房から吐き出される黒煙や湯気により、視界は非常に悪い。 
  警戒の為、シギュンは弓を構えるが相手が獣人でなくアブラズム隊であるかもしれない。
  ウドルフォは、望遠鏡で彼らを眺めるが視界の歪みで判別が出来ない。しかし、代わりにこちらの岸に隠されたゴンドラ小舟と 岸に設置された奇妙な船の操舵輪みたいな装置を見いだす。

  舟で川を渡り、彼らに接近するか?……
しかし、技巧術<機械>に詳しい ウドルフォが舵輪の如く装置は、機械仕掛けの跳ね橋を渡す物だと思い当たる。

  跳ね橋をかけて渡り、人影達に近づく3人。

  こちらに背を向けていた為、かなり近くまで接近出来たが 彼らは敵ではなく アブラズム隊であった。
  大柄で法の紋章をつけた甲冑姿の、常に驚いたような眼差しの人物がアブラズムであった。

  ウドルフォ「救援に来ました🎵アブラズム……(む?アブラズム卿【サー】♂なのか?それかアブラズム女御【レディ】♀なのかな?💧)」
  リリア「(大柄な方ですが、なんか中性的な感じで……性別が分かりませんね…)」
  シギュン「あー(・o・)、聞きづらいならば、触って見れば……(バキッ❗️)ぐは」←当て身💢

   法の戦士アブラズムは、異相ながらも中性的な容姿であった。法と混沌に忠誠を誓えば、時にこのような変化と恩恵がつくのだろうか?
(尚、ウドルフォとリリアは『天秤』に忠誠を、 身を委ねた『天秤の戦士』であり、恩恵として強靭な生命力を付加されている)

   アブラズム「わしの顔に何かついているのかね?……しかし 君達の援軍、誠に心強い❗️感謝致しますぞ🎵」
   そしてアブラズムが、先ほどまでにらみあっていた敵部隊を指で示す。

  ぼやけていて、明瞭ではないが 普通の人間よりも大柄な奴。俊敏そうな奴等様々で 共通しているのは獣性を多く宿した連中で、1対1ならば並みの人間兵士では敵いそうに無いこと。
  幸いなのが、彼らとの間にも一本の水路が横たわり、防衛戦となっていること。
   
   アブラズム「そのため、直接刃を交える事少なく被害も最小なのだが、退路をたたれたまま包囲されてしまい ずっと立ち往生さ。
「手持ちの兵糧も尽きそうだし、せめて背後の跳ね橋がかかっていれば…………」

   その跳ね橋を渡してきたことを知らせると、彼は狂喜して満面の笑みと感謝の言葉を冒険者達に浴びせると、兵士達に撤退の指令を下す。

  シギュン「なんか…色々と忙しい人だねwww」

  しかし、そんな忙しない人物でも統率力は高い為か 一兵も乱れること無く安全な港湾エリアまで撤退することが出来た。

  ウドルフォ「お疲れ様です、頼もしい戦力を失うことがなくて良かった❗️」
  アブラズム「ハハハッ‼️……ところで、混沌の戦士。わしのヒアテスちゃんはどこに居る?」
  ファメイル「ヒアテス様は住宅街にて行方不明です」

  アブラズム「な、なんじゃと‼️わしのヒアテスちゃん😱」
  直立不動のまま、絶叫し 勢い良く失禁もする法の戦士アブラズム(じょおぉおぉン‼️)

  シギュン「ワアァァ‼️」
  ウドルフォ「オイ!ちょっとぉ⁉️」

  アブラズム「ぐずぐずするでない、早くわしのヒアテスちゃんを探しに出るぞぉ‼️」

  3人「え…?今からですか」(ぐったり)


ー つづく ー
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レスポンス

ぱとたく
ぱとたく

2022/01/29 09:09

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> 日記:ストームブリンガー「悪魔の天秤」第二十八回目(第2部 最終話)中編
アブラズム様のお茶目な姿が面白いです( ^∀^)

歴戦の戦士を身近に感じて、肩の力が抜けて良いです( ^∀^)

良い日記をありがとうございますm(__)mペコリ

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