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2019/08/20 18:04
😶 CoC以前にCoCはなく、CoC以後にCoCは無し? Twitterで質問もらったので回答。 CoCの出た1981年当時のTRPG界隈は、D&D全盛期で、また和製の「極めてルールが複雑怪奇な」TRPGが進化していた時代です。ようは今と違い、「ファミコンよりも人間の方が難しい処理が出来た」のです。そんな中、TRPGのシステムは、複雑に、そしてリアルへと進化していきました。 その時代に、「TRPGゲーマー」でなく「ラブクラフティアンが」作ったのがCoCです。彼らは複雑さを一切排除したシンプルなシステムを作り上げました。これは言うならば当時としては、TRPGではなく、「14へ行け」でおなじみのゲームブックの系譜だったのです。 つまるところ、CoC以前にCoCがないというのは嘘。TRPG界隈で言った時にこそありませんが、ゲームブックとしてはホラーはありふれたものであり、それがゲームブック以上TRPG以下の存在として出来上がったため、TRPGにカテゴライズされたわけです。 これはTRPGクラスタにとって受け入れ難いものであり、イロモノでした。その後、ゲームハードの進歩と共に、TRPGは物語の時代へと入り、ロードス島戦記、スレイヤーズといったラノベブームから、システムの複雑化が止み、シナリオの表現へと進んでいきます。ダブルクロスなどはこの系譜の上です。 そんな中で、CoCが爆発的に流行り始めたのは、カワウソの知るところでは、おそらくニコニコ動画の「ゆっくり妖夢のCoC」です。これは「動画配信サイトによってユーザーが情報発信側になる」という近代の創作界隈の変化も大きな意味があります。 つまるところ、水野良らをはじめとしたラノベ作家にしか許されなかった「リプレイ」を、ユーザーが作り、配信する時代になったのです。そんな中、CoC以外のTRPGは、81年のシステム進化の流れがまだ捨てきれておらず、ルールが複雑でした。ダブルクロスですら複雑なあたり、お察しできるでしょう。 わからないゲームはリプレイを見ても面白くない。その中で、1D100の下方ロールとSANチェックだけ、という極めてシンプルかつ直感的なCoCが配信に最適だったのです。 そしてCoCのシンプルさは、ゆっくり妖夢を見た人が真似できてしまうレベルでした。これが所謂「ルールが実質無料だった」ということです。結果、配信者によるCoCが爆発的に増え、今のCoC流行に至ったのです。 CoC以後にCoCがない理由は、「無料でTRPGを作るだけの体力が出版社にないから」です。つまるところ、動画を見て目コピーできるだけのシンプルなルールを、作れる企業がないのです。出版業界不況とも重なり、また、このコンテンツに参画しうる企業の敵は、CoCではなくソシャゲやEスポーツ配信なのです。 んなわけで、結論は「無料でシンプルだから流行った」です。でもそれはあくまでTRPG界隈としては入り口でしかないんだ!そんな波打ち際でちゃぷちゃぷだけしてないで、もっと深い海の底へ・・・シズメ・・・シズメ・・・
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2019/08/20 18:04
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