ポール・ブリッツさんの日記 「ルルブに金を払いたくないという人のいいぶんを考えてみる」

ポール・ブリッツ
ポール・ブリッツ日記

2022/06/20 19:52

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😶 ルルブに金を払いたくないという人のいいぶんを考えてみる
このSNSに忘れたころにわいてくる、「ルルブなしでもTRPGしていいよね」派の意見について、非難ばかりしているようでもなんだなあ、ここはひとつ方法的に「擁護」することにして、その過程でどこがまずいのかが逆説的に現れてくるんじゃないか、と考えてみたのだが、想像以上にでかいテーマだったことに気づいてすでに撤退準備にかかっている。

ルルブなしプレイ擁護派の主張を自分なりに明確にしてみると、「ルルブがない状態でプレイしたい」のではなく、「ルルブはあったほうがいいのは当然として、ルルブに代金を払いたくない」ということではないか、と考えるわけではあるが、なぜ「ルルブに代金を払いたくない」という考えに至るかといえば、「ビンボーだからだ」ということになるだろう。金が湯水のように使えたら、ルルブを買わない、という発想自体が生まれないからだ。

ということになると、こういうことになるのではないか。「貧しいがゆえに、人類の持つ「知識」に対してアクセスできない、というのは公正なことなのか」……こう考えただけで、自分としては扱う問題の大きさに脳味噌が腸捻転を起こしかねないのであるが、頑張って続ける。

公正なことだ、と考えるのが、前に日記で取り上げてみんなからボロクソに言われた「リバタリアン」の思考である。「知識を持つ側が、知識にこれこれの値段をつけてアクセスを許可しているのだから、それを払ってでもアクセスしたいと考える人間は払ってアクセスすればいいし、それに見合うだけの価値はないと判断するのなら払わなければいいだけだ」という発想。誰だったっけか、マイケル・ジョーダンの試合を見るのにひとり1万ドルの値段をつけても、観客が納得して1万ドルを払って観戦するんだったら何の問題もない、というたとえ話をやってたな。

でもそれでいいのか、という地点から批判するのがロールズであり、その哲学に基づいてこの問題を考えるとこうなる。いっさいのしがらみや社会的立場とは無縁になるヴェールをかぶせ、自分がどのような社会的立場であるかわからない状態で合理的な判断をさせれば、「TRPGをプレイしたいと考えるもののうち一番貧しいものが必要最低限のルルブを買うことができるような値段設定をするべきだ」という発想に行きつくだろう、ってことだが……これもうまくいきそうにない。「TRPGプレイヤーで最も貧しいもの」って誰で、収入いくらだ、「必要最低限のルルブ」ってなんだ、そして「そのルルブの値段」っていくらなんだ、ということになるからだ。ほんとに「お金がなくてCoCのルルブが買えない」TRPGを切実に求めている層に対して(小学生だろうか……)、そういう層でも買えるだけの値段をつければデザイナーが貧窮で倒れてしまうし、これとは逆の発想で「最も貧しいデザイナーが何とか生活できるだけの値段設定に」とか考えたら、これはこれで問題噴出である。

アダム・スミスみたいに「需要と供給」のバランスが自然に取れるんだから市場に任せておけばいい、という発想がうまくいかないことも、「TRPGのルール」みたいな「知的財産」であれば当然のことで、駿河屋とかアマゾンとかで絶版TRPGのルルブがどれだけプレミアがついているかを考えればおわかりいただけるであろう。貧しい人間が「黄昏の天使」をプレイしようとすると目の玉が飛び出ることになるのだ。

「わかった! もう、税金払っているならだれでもアクセスしていいよ」っていう発想のもとに作られるのが「公共図書館」である。なのだが……図書館をバリバリに利用しまくっている自分が言うのもなんだけど、「公共図書館」、いまや「無料貸本屋」みたいな扱いになっていて、行政すらも無料貸本屋のノリでカフェスペースを作ったりブック●フに運営を任せていたりする始末である。もし、そんな無料貸本屋がTRPGのルルブをじゃんじゃん貸し出ししてくれればわたしは喜んで日参するが、幸か不幸か、TRPGのルルブやゲームブックといったものは公共図書館の扱う範囲のものではないらしく、公共図書館によってTRPGデザイナーの懐が脅かされる事態にはなっていないようだ。

「公共図書館」で何が悪いのだ、悪いのは「コピー」する行為なのだから、「コピー」に厳罰を科して図書館はどんどん貧しいもののためにルルブを貸し出せばいい、という発想もうまくいかないことは、この手の問題について昔から格闘を続けてきた音楽業界がよく知っていることである。規制をかけてコピーを押しとどめるにはあまりにもコピーの手段は簡単になりすぎた。JASRACは心ある人たちからも毀誉褒貶はなはだしいし、映画泥棒は跳梁跋扈するし、自分も曲聞きたいときはYOUTUBEでタダで聞くし……。それに、いくらコピーで規制をかけようとも、TRPGのルール、「暗記」してしまえばそれまでのものなのである。

考えれば考えるほど「貧しいがゆえにアクセスできてしかるべき存在が知識にアクセスできない」という問題の困難さと、現実に起こっている事例に脳細胞がドツボにはまっていく一方である。考えているうちに今日GMするセッションまでのこり10分になってしまった。うぬれうぬれ。

尻尾を巻いて退散する次第である。
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レスポンス

りんりん丸
りんりん丸ポール・ブリッツ

2022/06/21 00:04

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> 日記:ルルブに金を払いたくないという人のいいぶんを考えてみる

お金がかからないと思って始めてみたけど、思った以上にお金がかかる趣味だった。
旅行とかゴルフと比べたら大した事ないけど、ワシにはちょっとルルブの敷居は高いなぁと。
使い込むなら安いけど、ワシ、カジュアルだから週1、2回しか出来ないわけで、これ以上のルルブは要らんかぁと思ってみたり。まあ、買っちゃいそうではあるけども。
クトゥルフだけは買う予定だったが、D&D絶版のせいでそっち優先になるとかなぁ。財布がなぁ。時間がなぁ。
おまけにマウスが逝っちゃったし(ノo‘)
ミドリガニ
ミドリガニポール・ブリッツ

2022/06/20 21:54

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> 日記:ルルブに金を払いたくないという人のいいぶんを考えてみる

ポール・ブリッツさん、こんばんは。
勿論、貧困問題もあるでしょうが、るるぶの価格と釣り合うか、それ以上の感動体験が得られれば、多少苦労してでもるるぶを買うと思うのです。
なので、やっぱり仲の良い仲間との卓経験が豊かであることが、るるぶに手を伸ばす最短ルートかな、と思っております。
セス
セスポール・ブリッツ

2022/06/20 21:28

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> 日記:ルルブに金を払いたくないという人のいいぶんを考えてみる

 貧困と無知とは、いつも一緒にいる双子なのですw
   差別と暴力は、貧困と無知の双子の兄弟です!ww
お賽銭入れ
お賽銭入れポール・ブリッツ

2022/06/20 20:30

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> 日記:ルルブに金を払いたくないという人のいいぶんを考えてみる
ルルブ購入を躊躇うひとの理由は大多数がお金というのはあってます。
しかし、どうしてもプレイしたいのであれば、ちょっとずつでも積み立てて購入するのが最も現実的でしょう。いくらお金に余裕がないからといって、最初からルルブの購入そのものをしようとしないのは、さすがに違うかと。
また、ルルブ未所持者であっても仲の良い身内同士なら特に問題にはなりえません。そこはオフセのようなもんですね。
最大の問題は「ルルブ未所持で身内以外のセッションをしようとすること」、そこまでくると無理無茶の贅沢だと思います。ルルブ買えないのなら大人しく身内通しで我慢くらいはすべきでしょう。
どい=つなべ
どい=つなべポール・ブリッツ

2022/06/20 20:16

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> 日記:ルルブに金を払いたくないという人のいいぶんを考えてみる
あれですね。
オフセの時は誰かに見せてもらう+GMのサマリーで何とでもなるというのはあると思うんですよ
昔はルルブ1冊で回し読みしながらやっても良かったわけで、卓に1冊でもプレイ自体はできた
で、オンセでセッションやる分には無料公開されているものでもない限り一人一つ持っていないとアクセスは悪いし、
オフで言う見せあいも「コピーを渡す」になっちゃって、サマリー含めその場からさらに拡散してしまう可能性もある…と言う事で
「ルルブなしでもTRPGしていいよね」
に関しては「オフセであれば可。オンセは色々な意味でアウト」に行きつくんじゃないかなーと思います。

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