ゆめさんの日記 「ポストアポカリプスCoCというパワーワード」

ゆめ
ゆめ日記

2019/06/13 13:29

[web全体で公開]
😶 ポストアポカリプスCoCというパワーワード
KP蝉丸様主催の長期卓、その名も「ポストアポカリプスCoC」にご招待いただきました。
以前に日記でお話しされていた時に、元気に挙手していたおかげでお声掛けいただけたので、
皆KPさんが日記で面白そうなことおっしゃってたら「そのシナリオ気になります」って積極的に言うといいと思います。

元ネタがfallout4ということでHOが設定されていたのですが、
「メイドロボ」
「メイドロボやりたい」
「アンドロイドもある」
「犬もある」
と皆で人外に頭から突っ込んでいってメイドロボに至っては取り合いになり。
厳正なるダイス勝負の結果、私は犬をやることになりました(※比喩でも意味深でもない。マジでガチの犬)。
元ネタ知ってる方なら「あ、ドッグミートのポジションね」とご理解いただけるかと。

KPさんがHOを送付してくれたのですが、そのメッセージがこちら。原文ママ。

「あなたはレッドロケットトラックストップを根城にしている犬である、
いままで一犬で生きてきたけど、優しい飼い主に出会いたいワン。」

全力で真面目にふざけていいってことですねわかりましたわん。
というわけでアクセル踏んでみましたいぬですよろしくおねがいします。

◇◇◇

 吾輩は犬である。名前はまだ無い。
 どこで生まれたのかとんと見当がつかぬ。遠い昔には兄弟と母親がいた気がするのだが、気付いたらいなくなっていた。もしかするとミュータントにでも取られてしまったのやも知れぬ。
 ふらふらと彷徨い歩いているうちに、やたらと油くさい冷たいコンクリート造りの建物を見つけた。やたらと頑丈で雨風を避けれる屋根もあり、身を潜めるための藪や物陰にも事欠かぬ。おまけに近くにはラットの巣もあるときた。生きる場としては理想的である。
 しばらくはそこで悠々と暮らしていたが、どうにも何か物足らぬ。すうすうとした心地である。上等な毛皮と食うに足りるだけの獲物、しっかりとした住まいを得て不自由なく暮らしておるというのに、これは如何なることか。縄張りの巡回や狩りの合間につらつらと思索に耽った末に至った結論は「犬という生き物は一匹で生きてゆくようにできていない」ということであった。己の属する犬という種族は、ボスを戴きその統率に従って生きていく、そういうふうにできている。そうと気付いてしまうと、なおさら孤独が沁みた。物理的に寒いならそこいらのぼろ布でも集めて蹲ればいいが、孤独というものはどう丸まってもやり過ごせぬ。
 すうすうとした心地を持て余し、すんすんと鼻を鳴らしていると、くしゃくしゃになった紙切れが風に吹かれて転がってきた。転がるものは追いかけて捕まえたいという本能からの要請に従い、その紙切れを捕まえる。鼻先をつっこんでみると、もしゃもしゃとその紙切れが広がった。何とはなしに眺める。色褪せた多色刷りのチラシ、そこにはふかふかと艶のある長い毛を靡かせた犬と、その犬を笑顔で抱きしめるヒトの姿が刷られていた。
 天啓を得た心地であった。
 ヒトなるものとはいまだ深く関わったことはないが、ヒトとは犬とこのようにやっていける生き物なのか。無論、ヒトも犬同様、良きもの悪しきもの有能なもの無能なもの強きもの弱きもの様々であろうが、このように描かれる以上、情深く接してくるものなのだろう。それは素晴らしいことのように思えた。
 もし。もし、いつか我が縄張りにヒトが来たなら、近寄っていってみよう。警戒は忘れてはならぬだろうが。悪しきものであるならそのまま得意の噛みつき三回捻りをお見舞いしてやればいいし、幸運が味方してくれて、良きものであったなら。
 そのときは、そのヒトについていって、群れになれたら良いなと思う。

◇◇◇

わんわん。
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