【AD&D】重臣会議④

鴉山 響一
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登録日:2016/11/24 15:14最終更新日:2016/11/24 15:14

本作は、「Wizards of the Coast」が権利を有する「Dungeons & Dragons」の二次創作物です。

DM: さて……。会議前半で、お妃さんと副総主教がメンドクサイ連中だということが分かったと思います。その一方で、最古参の有力貴族で行政長官でもあるエルドライン卿はできるだけ公正な判断を下したいと考えているのでしょうか。両者ともに距離を置いている印象です。

クレイグ: そうですね。話し口からもそういう感じでした。

DM: クレイグにとってはやや意外なことに、ロイツベルガー……つまりゲルハルトは教会支持側のようです。

クレイグ: 家の存続を考えるとまあそうなるんでしょうね。

ゲルハルト: 御家のためゆえ。

クレイグ: クレイグはいえを第一に考えていませんから。いけないことですが。

DM: こうしてみると、最終的にはエルドラインの投じる一票が実に重い意味を持ってきます。

クレイグ: まさしく。

ゲルハルト: 正直エルドラインをどうこう工作できるとは思えないですし。彼がどう決断するのかを見守るほかないですね。

DM: 贈賄は最もエルドラインの嫌うところでしょうし。

クレイグ: 先の戦争の件を切り口にすれば行けそうなんですけどね。クレイグはしません。

DM: さて、散会したところで、ゲルハルトは呼び止められます。正確には休憩室としてあてがわれている小部屋で、でしょうけど。

ドメネク: ふむう。

DM: 地味な女官の衣装を纏ったヴェラですね。休憩室に黒茶を持ってきた風を装ってあなたに一言ささやきます。 ヴェラ (エルドライン卿に教会関係者が接触しています。念のため調べますか?)

ドメネク: 黒茶をなにげなく受け取るそぶりをみせながら(よろしくお願いする。危険を感じたら成果を入手できなくても戻ってこい)。

DM: 短く頷くと、ごく自然に部屋から退出していきました。

ヴェラというのは、ゲルハルトがある人物から預かっている謎の多い女性です。ゲルハルトの護衛をするほか、情報収集が得意なようです。今回も特に指示を受けたわけではありませんが、独自に潜入して情報を集めているようです。

クレイグ: (いかに証拠を残さずに自害するのかのレクチャーではないのか……。)

ドメネク: (そこまでハードコアではないのです……)

DM: はて、何のことですかな。私はこの女に何一つ指示などしたことはありませんぞ。いわれなき中傷はおやめいただこうか、なーんて言われてしまうわけですね。

クレイグ: (笑)

DM: さて、その一方。ダヴィット団長とともに控室に移動したクレイグです。ダヴィット団長は相当イライラしています。

クレイグ: でしょうね。話しかけませんよ

DM: 「まったく、何なんだあの女は!? そもそも、なんの権利があってこの会議に参列していたのだ!?」

クレイグ: クレイグ「……」見守ります。

DM: 「それにエルドラインもエルドラインだ。どう考えてもトマスを次期当主にしたら教会権力に席巻されてしまうのが目に見えているのに、なぜもっとはっきりした態度を取らぬ!?」従卒から受け取った黒茶を不用意に口にして、あまりの熱さに「熱ッ!」といって従卒に当たり散らしています。

クレイグ: 「お言葉ですが、エルドライン卿には話をされたのですか?」

DM: 「したさ。エルンストさまを次期当主に就ける重要性についてこんこんと」

クレイグ: 「して、卿のお考えは」

DM: 「そのためにも、充分かつ慎重な議論が必要になる、と」

クレイグ: 「つまり、個人としての考えは吐露しなかったというわけですか。ダヴィット卿、今立ち上がらねばこの国は滅びますぞ」

DM: ダヴィット「ああいうやつだよ。常に公正たれ。クソッ、騎士候補生の頃から俺が一番あいつのことは知っているのだった」

クレイグ: 「であればなおさらこのままいけばこの国は教会の傀儡国家に。そしてその準備はもう整っているのでしょう。あの忌々しい三人が列席してないのが何よりの証拠です」

DM: 傍にいたクルシュ副長が、「そうであれば、やはりあのカードは使わねばならぬようですな」と言いました。団長はあまり乗り気ではなかったようですが、否定はしませんでした。

クレイグ: 気になりますな……。

DM: あなたの表情を見て、団長が、「……トマスは子を成せないのだ」とつぶやきました。

クレイグ: 「……」

DM: 「子を成せないと予めわかっている者に、次期当主は務まらん。そうだろう」

クレイグ: 「仰るとおりで……私としましては、ダヴィット卿こそが相応しいとの考えは変わってはいないのですが……」小声で……。

DM: ダヴィット「言うな」

クレイグ: 「失礼しました……。」

DM: クルシュ副長「……ならば、休憩後の会議では、このカードを切って我々の立場を優勢にしていくしかありませんな、団長」と冷ややかに言いました。

クレイグ: 団長を見ますよ。

DM: 黙って頷きます。でも本音ではその手だけは使いたくないようですね。彼の性分からしたら、そんな秘事をつまびらかにするような論法よりも、もっと正々堂々正面突破するような主張を通したいのでしょう。

クレイグ: 「卿、この様な小細工は我々の望むところではないでしょう。今一度エルドライン卿に義を問うてみてはいかがですか。私もご一緒します。」ええ、同じくです。なんだかんだ言ってクレイグ、ダヴィットさん好きですから。

DM: 小細工のできない、まっすぐな「漢」ですからねー。

クレイグ: ええ。民明書房です。

民明書房とは……世界の神羅万象について講釈してくれるありがたい書物を多数この世に送り出しているらしいありがたい出版社。熱い漢たちについての記述が特に多いという。

ゲルハルト: なかなか辛い立場ですねえ……。

DM: 割と美男美女ぞろいの男爵家の中でも彼だけ妙にごつごつした漢っぽい雰囲気で違うしね。

キャラをデザインした際のイメージは漫画バガボンドの吉岡伝七郎といえばイメージつかみやすいでしょうか。生まれと体格に恵まれたものの己の小心さを誰よりも自覚していて、それ故に虚勢を張り続ける男。内心で後継者として自分以外いないと自覚しつつも、染みついた体面に固執し、それ故に形式を重んじる男。NPCとして私は好きですねえ。

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