【D&D5版】勇者の如く斃れよ4【TRPGリプレイ】
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Open Game License v 1.0a Copyright 2000, Wizards of the Coast, LLC. System Reference Document 5.1 Copyright 2016, Wizards of the Coast, Inc.; Authors Mike Mearls, Jeremy Crawford, Chris Perkins, Rodney Thompson, Peter Lee, James Wyatt, Robert J. Schwalb, Bruce R. Cordell, Chris Sims, and Steve Townshend, based on original material by E. Gary Gygax and Dave Arneson.
DUNGEONS & DRAGONS, D&D, Wizards of the Coast, Forgotten Realms, the dragon ampersand, Player’s Handbook, Monster Manual, Dungeon Master’s Guide, all other Wizards of the Coast product names, and their respective logos are trademarks of Wizards of the Coast in the USA and other countries. All characters and their distinctive likenesses are property of Wizards of the Coast. This material is protected under the copyright laws of the United States of America. Any reproduction or unauthorized use of the material or artwork contained herein is prohibited without the express written permission of Wizards of the Coast. Japanese edition: Hobby Japan (2-15-8 Yoyogi, Shibuya-ku, Tokyo 151-0053, JAPAN) Japanese Translation (c) Wizards of the Coast LLC
鴉山 響一
リプレイ 4
登録:2022/10/03 21:56
更新:2022/10/04 16:14
DM: えー、前回はですね、うさん臭い一団の様子を見定めるために別行動となったオルテガ。
オルテガ: 「やっぱ怪しいんだよなあいつら」
DM: 結論から言うとですね、あいつらはクロでして、街道をゆく行商人や善良な農民たちを襲撃してしのいでいる連中でした。
ヴェイラ: あんれまぁ……。
オルテガ: 「トンでもねえ悪党だ」
DM: ただ、多勢に無勢。どうしたものかな……と距離を空けて様子を探っていたのですが、幸運にも巡回衛視隊が通りがかり、しかもその中に顔見知りがいたもので、すぐに通報。
ヴェイラ: おおぉ。「おまわりさん、こっちです!」ですね
DM: 覚えてるでしょうか。途中ですれ違った酒樽を荷馬車に積んだ一団。
オルテガ: あ!
ヴェイラ: あー、あの農民風。
オルテガ: 雨が降る前であんまりお話しできなかった人たちですね?
DM/鴉山: 折からの雨によってぬかるんだ轍に車輪を取られ、難渋していたところを、その不逞な連中が襲撃しようとしたまさにその瞬間。オルテガの通報によって駆けつけた巡回衛視隊たちによってそいつらは御用となりました。
オルテガ: ほっ。
ヴェイラ: 事なきを得ましたね~。
オルテガ: さすが訓練を受けた人たちってところですね。
DM: いやあ、善行をしたなあと良い気分になったところで、先行したヴェイラたちは大丈夫だったろうか……と心配になってきたオルテガは後処理を巡回衛視隊たちに任せて、一目散にホルウェイン村を目指したのでした。御領内には巡回衛視隊は4隊あるんですが、なんせ広い領地ですからね。彼らのにらみが利かないことの方が多く、今回は運が良かったというべきでしょう。
ヴェイラ・クラウス: 通報出来てなかったらヤバかったかもしれませんね(オルテガは大丈夫かなぁ……)。
DM/鴉山: さて、その頃ヴェイラたちは、村長のグレッセルさんと挨拶をし、前任の赴任司祭であるミル司祭にも挨拶を……と言うことでしたね。
オルテガ:大変お厳しい方とのことでしたね。
ヴェイラ・クラウス:「では、ミル司祭のところに参りましょうか」
アレクリット:「はい、行きましょう」
オルテガ: オルテガは合流を目指して追っかけ中です。
DM/鴉山:村の規模にあった、質素な大きさの教会……と言うか、礼拝所ですね。そこに来ました。
アレクリット:「ミル司祭さま、おられますか? 後任司祭のアレクリットです」
DM: 教会の扉から現れたのは、痩身の男性司祭です。切れ長の冷ややかな瞳、秀でた額。なんというか怜悧な印象を受ける男です。年齢は30代のどこかですかね。
ヴェイラ・クラウス:(この方がミル司祭か…)
ミル司祭: 「遅い。何を遊んでいたのですか。着任の命令はもう何日も前だったはず。そんな態度では、信者たちからの信頼を得られませんよ」と、開口一番これです。「良いですか、当地は大聖堂中枢とは違い、刻一刻と状況が変わるのです。のんびりと動いていては危急の際の対応が遅れます」
ヴェイラ・クラウス: (これは噂通りだな……)
アレクリット: 「いや、あのっ……」
ヴェイラ・クラウス:「申しわけありません、私たちが少しゆっくりしすぎまして……安全を優先させてしまったものですから」
ミル司祭: そこでようやくあなたたちに気づいたようです。「おや、あなたは?」
ヴェイラ・クラウス:「アレクリットさまの護衛を任された、ヴェイラ・クラウスと申します」
アレクリット:「はい、私の護衛をしてくださった騎士団のヴェイラ・クラウスさまとクレイグ・ロイツベルガーさまです」
ミル司祭:「ほう……(頭の中の人名録を素早く確認している様子)、それはみっともないところをお見せしました。お役目ご苦労様です」
ヴェイラ・クラウス:「いえ。ミル司祭のお仕事に向かわれる姿勢はご立派だと思います」
ミル司祭:「当然です、常に神と教会と信徒のために最短距離で任務を遂行するのが我々の務めです」
クレイグ・ロイツベルガー: 口をへの字に思いきり曲げています(なんだこの居丈高な態度は……)。
ヴェイラ・クラウス:「いうだけではなく、それを実行なさることができるお力をお持ちなのですから、素晴らしいことだと思いますよ。」(クレイグを横目にしつつ、まあ、クレイグの性格だと、内心穏やかじゃないだろうなぁ……)
ミル司祭:「それではクラウス卿、ロイツベルガー卿、我々は司祭としての引継ぎをしますので、失礼しますよ。アレクリット司祭、こちらへ来なさい」
ヴェイラ・クラウス: 「承知しました。それではアレクリットさま、後ほど」
DM:と言ってこれまた小さな執務室に連れていかれます。
クレイグ・ロイツベルガー: 姿が見えなくなってから「どこにでも、ああ言った人を不快にされる才能に長けたヤツっているんだな」
ヴェイラ・クラウス:「アレクリット様もお気の毒だ」
クレイグ・ロイツベルガー:「ほんとうになあ」
Toshi: アレクリット様たいへんそう
ヴェイラ・クラウス: 「あんな性格でも司祭ってつとまるんだな。信者もちょっと近づきにくいんじゃないかな」
DM/鴉山: そう言っているうちにも、執務室からミル司祭の叱責する声がばんばん漏れ聞こえてきます。
オルテガ: あわわ……。
ヴェイラ・クラウス:「オルテガが戻ってきてくれないかなぁ……割り込む口実ができるんだけど…」
クリスティン:「おっ、ミル司祭と会えた?」とクリスティンが近寄ってきます。
ヴェイラ・クラウス: 「ん、クリスティンか。たった今会えたところだよ」
クリスティン:「そっか。なんか厭味なこととか言われなかったら良いけど」
ヴェイラ・クラウス:「私たちは、まあ良かったんだけど……アレクリットさまが、ね……」
クリスティン: 「なんか、アレクリットさんって気弱そうだもんね。かわいそうだよね。それはそうとさ、今夜、歓迎会をしようってグレッセルさんが言ってたよ。楽しみにしててね」
ヴェイラ・クラウス:「そうか。それはありがたい! 実は、もう一人連れが居るんだけど、その男も加えてもらってかまわないだろうか?」
クリスティン:「えっ、連れ!? 誰のこと?」
ヴェイラ・クラウス:「途中まで一緒だったんだが、急用で少し離れたんだよ。時期にここに来るはずなんだが……」
クリスティン: 「そうなんだ。日暮れまでに間に合うといいね。もちろん大歓迎だよ。じゃあ準備があるからまたあとでね!」
ヴェイラ・クラウス: 「ありがとう!ではまた後で!」
オルテガ: 一生懸命走っています。
DM: オルテガさんはもう少しお待ちください~。そして歓迎会に間に合うのか!?
さて、日が傾き、ゆっくりと夜のとばりが降り始めたころ、肉を焼く香ばしい香りが漂い始めます。
オルテガ: こういう表現いいですね。鴉山さんならでは。
ヴェイラ・クラウス: 「引継ぎはまだ終わらないんだろうか?……(くんくん)おお、たまらないなあこの香り。はやくご馳走食べたいなあ」
DM: そうこうしているとですね、一組の少年少女が近づいてきます。歳のころは13、4ってところでしょうか。くすんだ金髪とキラキラと揺れる緑色の瞳が印象的な女の子と、やはり同年齢と思しき黒い巻き毛の男の子です。二人とも動きやすい快活な服装ですが、特に女の子の服は仕立てが良いです。
男の子:「こんにちは。あんたたちが首府から来た騎士のひとたち?」
ヴェイラ・クラウス:「そうだが。君は?」
男の子:「ぼくはアウグスト。アウグスト・グレッセル。父さんはこの村のまとめ役をやってるから、もう会ったんじゃないかな」
ヴェイラ・クラウス: 「グレッセルさんの息子さんか!なるほど確かにお会いしたよ」
アウグスト・グレッセル: 「そしてこっちは……」と隣の少女を、紹介します。
女の子:「私はアイリーン・エルドライン。大きくなったら騎士になるの!」
DM: よく見ると、アイリーンと名乗った少女の腰には、練習用に先が丸められたロングソードを、誇らしげに佩用しています。
ヴェイラ・クラウス: 「そうか。女の子が騎士を目指すのか!何か目標でもあるのかい?」
クレイグ・ロイツベルガー: 「おいおい、こんな女の子が騎士に……? 冗談だろ」
ヴェイラ・クラウス: 「将来どうなるかわからんぞ?お前より強くなるかもしれんのだから」とクレイグを茶化します。
アイリーン・エルドライン: クレイグの発言には柳眉を逆立てて、「冗談なんかじゃないわ。たしかに御領内では女性騎士は居ないけど、でも成れないって決まりもないんだから」
DM: えーと、歴史ロールをどうぞ。
クレイグ・ロイツベルガー: 1d20+0 ▼〈歴史〉【知】技能判定
<BCDice:クレイグ・ロイツベルガー>: DungeonsAndDragons : (1D20+0) → 1[1]+0 → 1
ヴェイラ・クラウス: 1d20+2 ▼〈歴史〉【知】技能判定
<BCDice:ヴェイラ・クラウス>: DungeonsAndDragons : (1D20+2) → 19[19]+2 →
DM: おおー。ではですね。過去に一例ですが、女性騎士がいたことを思い出します。とはいっても相当例外中の例外でしたが。そして、エルドラインと聞いて、もしや大貴族エルドライン家の者なのではないかとピンときます。男爵領においてはナンバー2の大貴族ですね。このホルウェイン村の所有もしています。
ヴェイラ・クラウス: 「女性騎士、確か一人いたぞ。それよりもいまエルドラインって言ったね!? 君はエルドライン家のお嬢さんなのかい?」
アイリーン・エルドライン: 「そうよ、私はエルドラインの長女。いつか騎士に任じられるの。そして父さまの跡を継ぐの。それよりも、やっぱり過去にもいたんだ! アウグスト、やっぱり女性騎士は過去にもいたのよ!」
ヴェイラ・クラウス:「ただ、カッコいいだけではないぞ、騎士は。訓練はきついし、場合によってはけがをしたり、戦いで命を落とすこともある」
アイリーン・エルドライン:挑むような視線で「覚悟もできてるわ」
アウグスト・グレッセル: 「アイリーンに勝てる剣はこの村にはもういないんだよ」
ヴェイラ・クラウス: 「ということは、領主殿もご承知ということかい(お嬢様のあこがれだけでは無いということか……)?」
アイリーン・エルドライン: 「父さまも認めてくださってるわ」
クレイグ・ロイツベルガー: 「マジかよ……」
ヴェイラ・クラウス: 「どうも、冗談ではないようだね、クレイグ。ちょっと驚いたよ」
DM: 歴史判定が良好だったので、その辺り詳しく知ってるはずだな。ではですね。エルドライン家のご当主さま、子供が三人いるんですが、全部娘なんですよね。ですので、いずれ然るべき婿を迎えるのでは……とはもっぱらの宮廷内ゴシップ。ただ、ご当主さまは全然その気がないらしく、長女に跡を継がせるから、と言っているんですが、どこまで本気なのかねえ……うんぬん。
ヴェイラ・クラウス: とはいえ、剣の実力はそれなりにあるわけか……)
アウグスト・グレッセル: 「なあ、あんたたち、アイリーンが騎士団に入れるように騎士団長様に話してもらえないかなあ」
ヴェイラ・クラウス: 「話すだけなら話してもいいが……。なれるかどうかはわからんぞ?」
アウグスト・グレッセル: 「やったぜ、良かったなアイリーン、これで騎士になれるぜ!」
アイリーンとアウグストは二人で手を取り合って喜んでいます。
ヴェイラ・クラウス: 「いや、だから、なれるかどうかはまだ分からないって言ってるだろう」
クレイグ・ロイツベルガー: 「気が早いな、きみたち(笑)」
ヴェイラ・クラウス: (人の話を聞かないタイプだな……この子達は)
クレイグ・ロイツベルガー: 「そういう君は騎士は目指さないのかい?」
アウグスト・グレッセル: 「ああ、ぼくは平民だからね。アイリーンが騎士になったら護衛隊長にしてもらうさ」
オルテガ: 村長の息子でも平民なんだ。
DM: 基本的には貴族階級にないと騎士にはなれないのがこの男爵領。もっとも、没落して名ばかりの貴族もいれば、金に物を言わせて貴族になった者もいるにはいます。その意味でも、平民というか戦災孤児だったヴェイラが騎士候補生になっているのはそりゃあもうやっかみの対象になるわけで。
ヴェイラ・クラウス: なるほど、たしかに。「二人は幼馴染なのかい?」
アウグスト・グレッセル: 「うん。生まれた時からこの村で一緒に育ったからね」
オルテガ: アイリーンの生まれはこの村なんだ。
DM: はい。ご当主様はほぼ首府に詰めていますが、家族はこの村に。
ヴェイラ・クラウス: 「この娘、ちょっと危なっかしいけど、身分や地位を振りかざさないところは、好感が持てるんじゃないかい?」とクレイグに小声で。
クレイグ・ロイツベルガー: 「はは。たしかに。俺は嫌いじゃないぜ」
オルテガ: まっすぐなところが好感持てますよねー。
DM/鴉山: さて、そんな折。遠くの方から、クリスティンの叫び声が聞こえます。
ヴェイラ・クラウス: !?
オルテガ: !?
クリスティン:「大変だーッ! オークたち馬場の馬用柵を乗り越えようとしている!!」
ヴェイラ・クラウス: 「案内してくれ!」と、アイリーンに呼びかけます。
DM/鴉山: 村のはずれにはいくつかの調教用馬場があるんですが、東側の馬場を襲撃しようとしているようです。宴の準備が和やかに進んでいましたが、一転して騒然とした雰囲気に包まれます。
ヴェイラ・クラウス:「オークは村の中によく入ってくるのかい?」と、アウグストとアイリーンに尋ねてみます。
アイリーン・エルドライン:「たまに。そのたびに撃退するのだけど、イタチごっこなの」
DM: さて。ここでわずかに時間を戻しましょう。オルテガさんは一刻も早くホルウェイン村に到着すべく強行軍で街道を進んでおります。
オルテガ: えっほ、えっほ……。
DM: ただ、日没までに村の門に到着できるか怪しい感じになってきました。
オルテガ: 「だんだん暗くなってきやがったぜ」
DM:その場合、野宿するしかないのですが、付近を見てみると、さすが軍馬の名産地、周辺に何カ所か馬場があり、そこには一応雨露をしのげる小屋もいくつかあるようです。
オルテガ: 「仕方ない、村に入るのは諦めて、今宵はあっちに行くか。雨風は何とかしのげそうだな」
DM/鴉山: 馬場の小屋を借りるか……と思っていた矢先、近づく怪しい影が複数。
オルテガ: (何やつ……)
DM: 知覚判定!
オルテガ: 1d20+0 ▼〈知覚〉【判】技能判定
<BCDice:オルテガ>: DungeonsAndDragons : (1D20+0) → 4[4]+0 → 4
オルテガ: 「さっぱりだな」
DM: むー、具体的に何かはわかりませんでした。が、その時、村の見張り代に至番兵がこちらの方向を指さしてなにか警戒の声を掛けたのが分かりました。正体は判別できませんでしたが、馬場に入り込んで良からぬことを企んでいる輩なのは間違いなさそうです。
オルテガ: 「なんて言ったんだ?」
DM: 切れ切れですが、「オークが」とか「襲撃」とか聞こえました。
オルテガ: 「なに、オークだと!?」
DM: と言うわけで、オルテガさんはいまでしたら優先的にこのマップのどこにでも潜むことができます。キャラクタのコマを好きな場所に配置してください。そのあとでオークたちのコマを配置し、更にそのあとでヴェイラたちのコマを配置します。
オルテガ: では南側入り口の脇に潜んでみます。オークたちが入ってきたのを背後から狙えるかなと。
DM/鴉山:了解です。周囲は日が落ちていたるところに長い影を作っています。オルテガが南の入口付近に潜んでいると、果たしてオークたちの一団が近づいてきました。
DM: そしてヴェイラたちは西側に到着。クリスティンはわずかに先行していることにしましょう。司祭連中はまだ到着しません。というわけで、このキャンペーン初めての戦闘です……ってところで今回は締めとしましょうか。続けると長くなりますからね。