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😶 DLH【イカロスの蜂】クライマックス (▼ ネタバレを含むコメントを読む。 ▼)↓DLH【イカロスの蜂】後半 https://trpgsession.click/comment-detail.php?c=117okayu&i=117okayu_170475455549 クライマックスシーンでは、ちょっとしたギミックが盛り込まれていた。 ホワイトファイアというヴィランに突き立っていたブレイド・ビーの大剣を抜くことで、ホワイトファイアのHPに変動が起き、かつ、レッドサンというGMPCのパワーが解放されるという、RPGでたまによく見る選択肢で先の展開が変わる奴だ。 しかし、これは必ず抜かなければならないというわけではなく、「大剣を抜かない」という選択肢を取った場合は、レッドサンの解法予定のパワーは別のものに差し替えられると言うものだった。要するに、「大剣を抜くか、抜かないか」でGMPCの設定とスキル構成に影響を与えるものだ。 因みにこれは事前にGMから告知があり、どちらを選ぶかはPLである私に委ねられていた。こちらもセッション前までにどちらの選択肢を選ぶかを決定しておき、展開やロールプレイを決めていた。読者各位も、何か特殊なギミックを盛り込むときはPLと相談の上でやることをお勧めする。 このギミック、メタ上でも設定上でも大きな影響のある部分なので、突然投げられたら私のみならず多くの人が会議を始めてしまうであろうシロモノなので、事前告知してどのようなロールプレイをしつつどの選択を選ぶか、決め打ちしてもらった方がスムーズである。 後述したとおり私は「ブレイド・ビーの大剣を抜く」選択肢を取ったのだが、それと同時に、「あっGMPCがその選択肢でパワー構成変わるなら……」と、こちらも大剣を抜くと同時に「自身も別の能力に覚醒する」という演出と、キャラクターシートの所持パワーの差し替えを提案させていただいた。もちろん無茶苦茶したと反省している(後悔はしていない)し、クライマックス戦闘直前でキャラクターシートのスキル構成の変更の打診は場合とシステムによってはもちろん【トンデモナイ暴挙】なので、良いPLの諸氏はマネを絶対にしないようにしていただきたい。反面教師のご紹介である。 特例として、それなりに互いのプレイ嗜好を理解しているGMとの綿密な相談と、「不可能なら却下で大丈夫」という前提があってのムチャクチャである。 たとえ暴挙でも、GMと綿密な相談と合意さえあれば、多少のスパイスになり得るのである。 三等星ヒーローの「ブレイド・ビー」が死んだ。 凶悪なヴィランに殺されたのだ。ヒーローらしい最期のはずだった。 敵の名はホワイトファイア。 零等星ヒーローたちですら手こずっている強大なヴィランだ。 そいつに単身戦いを挑み、嘲笑され、玩弄されてブレイド・ビーは殺された。 人々は首を傾げた。敵うはずがなかった。無意味な死だ。 笑いものにする者もいた。ここぞとばかりにG6批判に利用する者も。 …そして皆、あっさりと忘れていった。 だが── 忘れることのできない者が、ここにたった二人、残された。 ◆ストーリー(クライマックス) 真相を知ったレッドサンとブルーマンデー。改めてホワイトファイア打倒のため、共闘する“バディ”となる。 しかし、晴れやかな融解の余韻を待ってはくれず、同時に街が火の海に包まれた。 急いで現場に急行した二人が見たものは、一瞬にして破壊された街、絶望に包まれ、争い、恐怖する人々。 身体能力に長けたレッドサン、支援能力に長けたブルーマンデーはそれぞれ協力し、これらを解決しながら中心部へと進んでいく。道中では、被害地域にいた知人、アリアと出会ったり、同じ地域で戦っている仲間のヒーローたちと出会い、彼らの協力により、ホワイトファイアとブレイド・ビーの戦いを記録したデータの解析に成功する。太陽のごとく輝くヴィランの姿で白飛びした映像は、今鮮やかにその実態をあらわにしたのだった。 ブレイド・ビーはホワイトファイアとの戦いの中で、最後まであきらめずに戦い続け……最後に、刀の切っ先でまっすぐに、上方の一点を指し示した……映像は彼女の命と共に途切れる。だが、それは確かに、誰とも知れぬ相手へのメッセージのように思えた。 中心部。ホワイトファイアがいる、激戦区が近づく。 「ついこないだ会ったばかりなのに、なんだかお前とは、色々あったような気がするよ。すれ違ったことも、お前に背中を押してもらったこともあったな。 ……俺は今日、負ける気はない。必ず二人で勝って帰ろう。な?」 そう投げかけるブルーマンデーに、レッドサンは力強く応えた。 ゴーストタウンと化した街の中心に、もうひとつの太陽のごとき光と熱をたたえた“それ”はいた──ホワイトファイアだ。それは小さな人の存在など気にも留めない様子で、鎮座している。しかし、白く輝くその体表には、ブレイド・ビーが所持していた超装具(アーティファクト)の大剣が突き刺さり、小さな打撃ながらも亀裂を生んでいた。 ブルーマンデーはそれを見て直感する。“対象の力を奪い、保持し、逆に奪った力を与える”ことのできるアーティファクト。それをホワイトファイアから引き抜けば、ホワイトファイアに多大な打撃を与えられる可能性があり、同時に、レッドサンの奪われていた力が解放されるのではないか。 だがしかし、それは、ブレイド・ビーが望まなかったように……レッドサンの命を、今度こそそのパワーで燃やし尽くしてしまうことになる。命を炎に変えて敵を討つ能力を使い、レッドサンの外見はすでに今現在、年齢不相応なほどに成長していた。つまり、彼の命の灯は、もうそれほどの猶予が無いことを示している。 こんどこそ、その力を使ってしまったら……レッドサンは、死んでしまうかもしれない。 事実を前に、後ずさりする。“また”、相棒を失ってしまう、と。 「お前は生きられる。“力さえ使わなければ”、生きて帰れるかもしれない。何もお前が、ここで命散らすことなんてねえ。 ヒーローは命を捨てるもんじゃない。お前が命捨ててまで戦わなくたっていいだろ!」 「そんなもん……終わらねえ。どいつもこいつもそうやって戦うたびに命を捨ててたら……ヒーローは、そうやって戦うもんじゃない……お前だって、“自分の首を絞めるな”って俺に言っただろ……お前がそうやって、命すり減らしてまで戦う理由なんて、ないだろ……ッ!」 戸惑うブルーマンデーを前に、レッドサンは声を荒げてホワイトファイアを指差した。 「じゃあ、逆に聞くけどよォ! 手心加えて倒せるような相手かッ!? 手心加えて、ソレで世界がアイツに焼き尽くされたらどーすんだよっ!」 「……なあ、何も俺一人でアイツをブッ飛ばすんじゃあないんだぜ、ブルー。…テメーもとうぜん来るんだろ」 「俺が死なないようにサポートしやがれっ! テメーなら、ソレができるだろ」 「俺、最初に言ったじゃねーか。俺ァ、手加減できるほど、器用じゃねぇんだわ」 できると信じて疑わない相棒の言葉に、ブルーマンデーはついにその迷いを振り切った。 ブレイド・ビーの大剣が引き抜かれると同時に、封じられていたレッドサンの力が燃え上がる。そして、それと対比するように、ブルーマンデーは、科学ならざる力を覚醒させた。時をさかのぼる力の片鱗……傷を癒す力だ。 力を取り戻した者。新たな力に目覚めた者。二人は新たな力を携えて、太陽のごとく強大なヴィランに立ち向かう。 ◆ブルーマンデー 「分かってるよ。“最後まで”ついていくさ……俺だってそれは覚悟のうえで来てんだ」 「俺はこれまで、たくさんのものを失ってきた。今度こそ、何も失いたくない……だからこそ。お前を信じるよ、レッド。そして、同時に俺は、俺自身を信じる」 紆余曲折を経て、レッドサンの心を開かせ、改めて共闘するバディとなる。しかし、和やかな時間を待ってはくれず、戦いの火ぶたは切って落とされてしまった。 ホワイトファイアを前にして、レッドサンの“自らの命を炎に変えて敵を討つ”能力を取り戻す方法を直感するが、それはレッドサンを喪うことを意味していた。“また”相棒を失ってしまう──そのことに迷い、立ち止まるが、レッドサンの発破により迷いを振り払う。そして同時に、自らも時を遡る力の片鱗に目覚め、レッドサンの生命力を癒す力を得た。 ◆レッドサン 「メリッサ、アイツだってそうだ。他人にゃ大丈夫か? って聞くクセに、自分が大丈夫かは厭わねー。テメーも俺にさんざムチャするなって喚くクセに、自分が一番ムチャをする」 「俺ァ、生憎永遠なんて理想以下だ。全力出せるって分かってる時に、わが身可愛さで尻尾巻くなんてゴメンだぜ」 紆余曲折を経て、ブルーマンデーのバディとなる。しかし、同時に戦いは始まってしまった。 ホワイトファイアを前にして、相棒を喪う恐怖に立ち止まるブルーマンデーを叱咤激励する。たとえ死んでしまうとしても、彼に迷いはなかった。ただブルーマンデーを信じていた。 迷いを振り払ったブルーマンデーにより力を取り戻したレッドサンは、その力をもってホワイトファイアを倒す。
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