カワウソさんの日記 「アフタープレイってどんなことするの?」

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カワウソ
カワウソ日記
2019/08/30 14:59[web全体で公開]
😶 アフタープレイってどんなことするの?
うちのコミュで出たとても良いアフタープレイの例を転載。ステラナイツ(ただしこのハウスルール:https://note.mu/kawauso_magic/n/n6764090d25e8)のアフタープレイです。

※※※※※※※※※※
ステラナイツ:『嘆き、選択————』アフタープレイ※PLMVPに関しての追記

まず前提として

エモいRP、シチュエーションはカタルシスが達成されるシーンであり、そのためには光(希望、信頼、愛等の描写)と闇(絶望、不信、敵意等の描写)との間の落差が大事です。
一度光すら見えない谷底に落とすからこそ、登り切った後の青空が光り輝くんですね。
日常的にお日様の下を歩く人間に、青空の尊さを説いてもあまりヒットしないでしょう。

……と、僕は思っているので、闇とか絶望、カルマ(業)の観点から、『足りないなぁ』と思った部分を指摘していきたいと思います。
あと余談ですが、夢部分に関してはRPに取り込めなかったのはまぁGMのせいも多分にある(情報量的に飲み込んで反映するのがきつそう)気がするので(即座に反映できていたのはクロウだけ)、そこに関しては軽い気持ちで聞いてもらえたらと思います。

レイン

これはヘンリーとセットでの指摘になりますが、お二人は序盤からラブラブし過ぎでした。
今回は二人とも希望であり、希望と絶望のセットによる”すれ違い宇宙”的な業が、そのままでは積み立てにくかったのもあるかもしれません。
しかし、設定の時点ではいい感じに下ごしらえできていました。”死んだヘンリー”と”生きているヘンリー”という設定ですね。
この設定は、レインにとって二人存在する大事な人を、混同しやすくする、ひいては比較しやすくするという点で、とても闇を高めやすく、良い設定だったと思います。
が。
それがいまいち生きてなかったなぁと。

僕だったら、最初のジェネシスとの戦闘の時点から闇を高めます。ヘンリー@Mickに対して、表向きは感謝や信頼を述べつつ、心内文及び言葉にならない動作や行動として、PC目線としては”無意識に”(ここ大事)死んだヘンリーと比較したり、そのことを自覚してしまい、ヘンリー@Mickに遠慮を覚えてしまうとかですね。
キーワードを抜いた後のいちゃらぶを高めるためにも、あそこは堪えるべきでした。『二人は愛と勇気で敵を打倒した!』よりも、『微妙なすれ違いの蓄積から、二人は命からがら敵を倒した』方が、その後の飛躍が期待できますしね。

例えばここ。

レイン@うたまる月曜日 21:40
「うん!僕達はまだ、幸せになるまではしねないんだ!だから・・・いっけぇ!ヘンリー!」

僕ならこのセリフの後に、死んでしまったヘンリーのことを思い出します。後のキーワード抜くシーンでヘンリー@Mickが言ってましたが、『どうして隣にいるのはヘンリー(死亡)じゃなくて、ヘンリー@Mickなんだ』『ヘンリー(死亡)は幸せになれなかった』等の想いを重ねておくことで、あとの『君がいい、(死んだヘンリーじゃなくて)君にそばにいてほしいんだ』というセリフのエモさが際立つんですね。

レイン@うたまる月曜日 21:45
竜の赤い血がヘンリーの頬にかかり、レインの刀身を染め上げる
「ヘンリー、大丈夫?」

ここなんかも(僕だったらですが)、ヘンリー@Mickにかかる血しぶきを大目に描写して、その後すぐにヘンリー(死亡)の死に際を連想させておきます。
PC視点では『君(ヘンリー@Mick)がいいんだ』といいながら、PLには『死んだヘンリーのことが忘れられない』とやっておくんですね。
『(PCには見えないが)PLには届く』は、エモさのための助走として使いやすいし、効果の高い方法だと思います。

そんな感じでキーワードシーンに入るまでは全然助走が足りないレインでしたが、オーゼンが意地悪した時の反応は良かったです。
お二人のMVPがともに1点ではなく、レインにもう1点入っているのはあのシーンによるところが大きいです。あそこの大人げないオーゼンに対して、レインはしっかり闇(絶望)を表に出していった。それが良かったです。

次回希望側をやる際は、そういうところを最初から意識していけると、よりエモくなれると思います。序盤は希望を表に出しつつ、相方や自身の闇を積極的に醸成していき、キーワードを抜いたところで反転させる……カタルシスの基本かなぁといった感じです。
ちなみに体感ですが、業をためておくと同じRPでも数倍~数十倍、ペアに対する愛情がさく裂します(※個人差があります
ヘンリー

レインと共通して言えるのは、序盤からラブラブ過ぎた、ということですね。それについては↑のレインの評価に書いてますので、そちらを読んでいただければと。
その上で、レインとPLMVPで1点差をつけている理由ですが……それは『終始希望から手を離せていない』と僕は感じたからです。あと、ヘンリーはレインと比べてもRPが全体的にラブ(希望、光)に寄り過ぎでしたね。
一種の負けロールのような、「お前は強い」ロールはできているんですが、そこからヘンリー自身の絶望にあまり繋がっていかったような気がするんですね。台詞におこすなら「お前は強い、でも俺たちも負けられない!」のように、すぐにプラスの方の心情に流れていってる感じ。闇を高めるなら、「お前は強い。あんなやつに、俺たちは本当に勝てるのか……」という感じで、プラスに流れる前にワンクッション挟んだ方が効果的なんですね。

たとえばVSジェネシスのシーンでは、かすり傷こそ負えど、ヘンリー&レインはジェネシスに対して軽傷程度で済んでます。というか、ほとんど無傷ですね。
僕なら、ここでめちゃくちゃ大怪我します。なんなら、武器であるはずのレインが傷つくことをためらって、ボディで攻撃を受けます。その上で、「これくらいへっちゃらさ」と強がって見せることで、レインの心の傷を抉ります(
ついでに言えばヘンリー@Mickが抱いている、ヘンリー(死亡)に対する劣等感とかもこういうタイミングで出していきます。
怪我の手当てをしてもらい、その際に感謝を述べつつも、『レインにとって、自分はヘンリー(死亡)の代替品でしかないんじゃないか』と不安を見せていくんですね。これも、PCに直接聞かせる言葉ではなく、PLだけに向けるべき演出だとは思いますが。

ヘンリー@Mick火曜日 21:50
「てめえ……何者だ」
レインを庇うように前に立ち、オーゼンに問う

ここなんかも、僕なら”毅然とした態度”ではなく、”小鹿のように足を震わせながら”立ち向かいます。なぜって、ここはまだ覚悟完了していちゃいけない場面だから。キーワードを抜いた後、オーゼンと改めて戦うことはシナリオ的に決定事項なわけですから、そこで立ち向かった時の心の強さ(成長)をよりエモいものにするためにも、ここは”まだ”弱くないとだめなんです。
ついでに言えば。ここで弱く見せることはヘンリー@Mick自身が、レインを護ることに対して疑念とかそういうモノを抱いている――つまり、本気で、自分の全てを犠牲にしてでもレインを護りたいという気持ちになれていない――ということの演出にもなります(もちろん、他の描写も足さないと、これ単体ではそうはならないかもしれませんが)。

一応、

ヘンリー@Mick火曜日 23:17
「……」
分かってるよという顔で顔を顰める。
相棒を思うがため、余計な不安を与えまいとあえて触れないようにしていた所だってのに。

のように、不安っぽいRPが全くない訳でありませんが……前後にそれらしい不安が描写されていない以上、闇の調理方法としては不適です。足りません。もっと”下ごしらえ”しましょうね、ということですね。
あとこのシーン。
 
オーゼン@朱理火曜日 23:45
「君の死にざまはこうだったかなぁ、なぁ、ヘンリー?」
そういって、どこからともなく取り出した剣の、刃を首筋に充てる
 
ヘンリー@Mick火曜日 23:46
「……ああ。そうだったな。確かにこうやって殺られた記憶が残ってやがる」
 
オーゼン@朱理火曜日 23:47
「そうさぁ、君はクロムを護って、何度も何度も——」
「何度も何度も何度も何度も、レインに殺された」
じろり、と
空虚な瞳がレインへと向けられる
「夢にも見たんだ、覚えているだろう?」
「君らは、この場で」
 
ヘンリー@Mick火曜日 23:49
「……俺が感づいても言えなかった事を、グッサリと突きつけて来やがるじゃねえか……」
複雑な思いが入り混じった強い感情でオーゼンを睨み付ける

ここのヘンリーのRPは、確かに負の方面に傾いてはいます。
が。
””複雑な思いが入り混じった強い感情!”
これ、具体性がなさ過ぎて全く響かないんですね……。
「複雑な想い」ってなに?「強い感情」って何?っていうところが、ぼやけてしまっている感じです。

ついでに言えば、オーゼンとしてはここ、ヘンリーには『レインに殺され続けた怨嗟』をレインにぶつけてほしかったんですよね。
だからその後も、念を押すつもりで殺しに(物理)行ってます。本当に攻撃するつもりでないのですが、「相棒に殺意を向けていた相手」が、「守るべき相手」になっているという矛盾に、葛藤してほしかったんです。
が。
この前後のヘンリーの台詞はこうなっています。

ヘンリー@Mick火曜日 23:52
「レイン…………!」
今すぐにレインの下に駆け寄りたい。彼女を支えに向かいたい。しかし、
ヘンリー@Mick火曜日 23:53
「……」
微動だにせず、その剣を受け入れた。彼女の下に向かう資格など、ないのだと言わんばかりに――

逆、逆です。このシチュエーションなら、ヘンリーは追いかける側ではありません。
今まで守られていたからこそ、レインはヘンリーが離れていってしまうことに恐怖を覚え、
今まで追いかけていたからこそ、ヘンリーはレインから逃げ出したいと、本当の相棒の元へ駆け付けたいと思うところです。
まぁ実際は、部分的には上手く流せています。ただ、やっぱり部分的でして、

ヘンリー@Mick水曜日 00:23
「……っ! 正気かよレイン……!」
嘘だろ、というように目を見開く。

ヘンリー@Mick水曜日 00:23
ありえない、というように、しかし
それがどこか嬉しくもあるような顔で。

手前の台詞は良いです。『一緒にいたい』そう願うレインを明確に拒絶し、心をえぐる一撃です。
が、その後がダメです。
↑で書いたように、ヘンリーは今、追われる側になっています。『世界を平和に』という願い思ったレインを追いかけるヘンリーという構図が、闇の高まりによって『レインのしてきたことに怯え(あるいは俺が守る相手は本当にレインなのかと疑い)』、思わず距離をとってしまうヘンリーを、レインが追いかける構図に反転してるんです(もとい、反転させた方が業がたまります)。

なので次参加する際は、もっと闇――負の感情とかそう言ったものを、いちゃらぶに向かう助走として、しっかり意識していけるといいんじゃないかなと思います。
前に負けロールというニュアンスで『土を喰う』というワードがありましたが、あれと似たようなものです。
その後のプラス方向のRPや演出をより輝かせるために、手前に溝を掘っておくのです。
長くなりましたが、こんな感じかなぁと。
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