Keiさんの日記 「GMが何をするかのお話 〜 PbtA系TRPGの場合のご紹介」

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Kei
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2022/02/02 19:53[web全体で公開]
😶 GMが何をするかのお話 〜 PbtA系TRPGの場合のご紹介
ご機嫌よう

GMに必要なことはゲームを運営することかと存じますし、それ以外の瑣末なことは、ゲームの運営ができるようになってから挑戦すれば良いかと存じます。それ以上でもそれ以下でもございませんの。でも、ゲームの運営って何をしたらいいのでしょう? どうしたらいいのでしょう?

ルールブックには何て書いてあったでしょう。そこで、たまたま手元にあるルールブックを何冊か読んでみると、こんなことが書かれてありましたの。
場面とNPCを演出する・ルールを裁定する・シナリオを準備する・進行を主導する・司会や語り部……、GMを楽しむ・自信を持つなんて書かれているものもありますね。
色々なルールブックに、色々なことが書かれていることがわかりました。そして、原理的には、ルールブックに書いてあることができれば、そのゲームのGMを十分に過不足なくできるはずです。改めて読んでみると、あれもこれも必要と思っていたことが書かれていなかったり、特に意識していなかったことが書かれていたりして楽しいですね。

ところで、いわゆるGMありナラティブの文脈で語られるようなTRPGだと、こんなことが書いてあります。
灰色城綺譚なら「プレイヤーからの提案を聞く」ザ・ループTRPGですと「ミステリーにキッドたちを放り込む」「何が起こるのかをGMが決定すべきではない」……
そんなのナラティブでないTRPGでも変わらないと思われるかもしれないのですが、でも、ナラティブ系TRPGでは、これらのことは、ナラティブでないTRPGよりも大きなトピックで書かれます。当然、これが大事なことだからです。

でも……いずれにしても、それで具体的にどうしたらいいのかしら、などと思わないでしょうか?

ここで、最近わたくしが主に読んでいるPbtA系のルールだとどう書かれているかを紹介しましょう。

PbtAでは、基本的に要点 Agenda、原則 Principal、行動 Move という段階で、ゲームの運営について書かれています。これら全ては、ゲームのテーマに沿った物語を生み出すための仕組みとして、時にはキャラクターの行動と相互に関連するように書かれています(注:PbtAも玉石混交ですので、どのタイトルでも綺麗に噛み合っているとはいきませんが)。
要点は、ゲームのテーマに沿った物語にするために特に重要なこと、原則は、要点を実現させるために何を描いたらいいか、行動は、要点と原則を実現させるために実際のプレイ中に何をするかです。
実際のプレイでは、お話を進めるために、要点と原則に従って、行動を選びます。これがプレイヤーの反応を生み、プレイヤーの反応は最終的にキャラクターの行動に繋がります。この時、プレイヤーも、キャラクタームーブという、ルールに書かれた物語を牽引する行動に繋げていきます。キャラクターの行動(ルールに定めれらたムーブ)はまた別のキャラクターやGMの行動(ルールに定めれらたムーブ)に繋がり、それがまた別のムーブに繋がり、最終的にお話になる、というような構造になっています。また、物語を牽引するような適切な(時には誘導的な)質問もムーブの中に組み込まれていています。
つまりPbtAでは、ゲームの運営とはルールに沿って会話することで、会話のルールは書かれています。ということになっておりますの。その一環として、いわゆる第0回や、安全性に関するルールもございます。
もちろん、先にお話しした通り、タイトルによって玉石混交、ムーブがきっちりと噛み合っていないものもたくさんございますし、結局それってアドリブと何が違うの? というようなものだってございます。実際うまくいくのかと言われれば、試行錯誤がないというわけでもございません。
ですが、いずれにせよ、わたくしはこのアイディアにいたく感心したのでした。

プレイヤーの視点では、一見するとPbtAも、キャラクター作成時にクラスとスキルを選ぶというような形式ですが、その実選ぶのは特定の状況における特定の選択肢(に繋がるような特定の能力)ではなく、物語にどう関わり、物語をどう進めるかです。

とまれ、PbtAのプレイヤーが増えて、最近わたくしが個人的に訳しているようなジェンダーテーマのタイトルでもプレイヤーが集まるようになるといいな……というのが、まあわたくしの本音……こほん。

ところで。

それとは関係ございませんが、灰色城綺譚のルルブ掲載シナリオ「埋葬には早すぎる」のPLの方を募集しております。ナラティブという観点からしても、ハンドアウトというピースが綺麗にはまった素敵なタイトルかと存じます。バッドエンドまたはメリーバッドエンド前提という点がハードル高いでしょうが、だからこそできることがあって、それが楽しいとも存じますので、興味がおありの方はお気軽にどうぞ。
https://trpgsession.click/session-detail.php?s=164362045517kei29br2l
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