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😶 くちなしおじさん 後日談 ネタバレあり (▼ ネタバレを含むコメントを読む。 ▼)感想は先日、今日は後日談 ネタバレあり注意です。 九瀬夏彦の後日談 一段落ついた後、刺された後の痛みを思い出し、知り合いの医師の診察を受けた。経緯を説明するのは少々面倒だったが、不思議と大きな後遺症もないようで、軽い手当のみで入院にもならず帰宅することを許された。 今日がちょうど休みのシフトでよかった。昼間だが、楽しみにしていた酒でも飲もうかと帰路についた。 凄惨な出来事に遭遇したのだ、シフトが決まっている日は出勤して、その後溜まっていた有給をまとめて消化しようなどと考えながら歩いていると、やはり梅雨の時期である、しとしとと雨が降り出した。持ち歩いていた傘を差し、再び歩みを進める。 日中ではあるが厚い雲が空を覆い、どんよりと暗く感じられた。 その内、しとしとからザアザアと。雨は少しずつ強くなり、あわせて音も強くなってきた。 雨のせいで少し視界が悪い。ズボンの裾も濡れて不快感が増してくる。 あの場所を思い出す。あの時は夜だったが、降っていた雨も、こんな感じだったか。 老若男女問わず犠牲になった酷い事件だった。 医療の手の遠く及ばない惨い現場だった。願わくば、あのような事件が繰り返されぬことを。 そうして暫く雨音に耳を傾けるうちに、ふと、キラリと光る金属の切っ先が頭をよぎった。 その瞬間、何故だか鼓動が高まる。 無性に惹かれるそのものの正体は、ナイフだ。ナイフだった。 そうだ、あのナイフはどこに。 置いてきたか。ショルダーバッグに入れてなかったか。 あの異様な空間から持って帰ってこれたのか、バッグの中が無性に気になり仕方ない。 弄りたい気持ちでいっぱいだが、探っている間に外の汚い空気を含んだ雨に濡らすわけにもいかない。 それにこの雨の中誰にも見られていないとはいえ、あまり不審に思われると色々とまずい。 家に帰ってから確認しよう。 動悸がする。手が湿っているのが汗のせいか雨のせいか分からない。傘を持つ手に力が入る。 バッグが濡れないように大事に抱えて、駆け足で家に帰った。 帰り着いてすぐ、玄関でカバンを開けると、一本のナイフが姿を現した。 道中でバッグを開けなくて正解だった。下手に見られでもしたら捕まっていたかもしれない。 ナイフはあの時ハンカチで拭っただけであり、玄関の明かりの下で見ると少し血で汚れていたため、水道で丁寧に洗い、綺麗なタオルでそっと水分を拭った。 美しい光沢。上品な佇まい。 いつまでも見ていたいが、帰宅したばかりで汚れた自分がそれに触れるのも気が引ける。 タオルにそっと包んでテーブルに置き、シャワーを浴びた。 その後もナイフを見つめ続けた。 食事を忘れ、寝る時も傍に置いた。 もちろん自分の血で汚すわけにはいかないから、うっかり触れて怪我しないように、タオルで包んで少し離して置いた。 朝が来た。出勤の時間だ。今日も雨が降り続けている。 僕はナイフとの生活を維持するために、仕事にいかなければならない。 惜しいが、家で待っていてくれ。早く帰ってくるから。 そう声を掛けて、後ろ髪をひかれる思いで家を出たのだった。 おわり - - - やばい発狂ですね。 ちなみに上記のようにナイフを汚したくないから彼はそれで何かを刺すということはないです。 これに加えてもう一つ発狂抱えてるから大変だ… 早く続編に行きたい…!みなさんどうか行きましょう…! 皆さん楽しいセッションをありがとうございました!
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