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😶 シナリオ自作にあたっての適正ハンドアウト数所見 シノビガミのお話です。 自分の中で出来始めた経験則を改めて言葉にすることでまとめるために書きます。 製作者さんによってスタイルは様々なので、都合のいいところだけ読んでいただければ。 最初に。 ここでいうハンドアウトは要求手数ですね。 ハンドアウトは1つでも、別途計画判定で手番消費が必要なエニグマなどは2つにカウントします。 同様に感情判定が要求されるシナリオではそれも1つに。 また、開始時から少なくとも本人は内容を知っているPCのハンドアウトも数えています。 さて、シナリオ制作をしばらくしていくうち、最初に悩まれるのはここが多いんじゃないかな。 私も今でも色々試しているところはあります。 定番の4人×3サイクルのシナリオ、PC側の手番は合計12回あるけどハンドアウトはいくつがちょうどいいの? 基本だけど理論立てて解説するのは骨が折れそうな問題。 経験からくる結論を先に言うと、全体手番数の0.75~0.625倍ほどがちょうどいい塩梅かと。 4人×2サイクル=8手番なら5つ、4人×3サイクル=12手番なら9つ。 3人×2サイクル=6手番なら4つ、3人×3サイクル=9手番なら6つ。 まず初めに、大体シナリオの手番数に対して半分のハンドアウトが基本的に安全安心な割り当てです。 対立型で受け渡しを極力控えても、感情判定を行う余裕や、出目の事故を許容できる難易度。 ここから数を増やしていくことで難易度を上げていく形。 ではなぜそこから最終的に上で挙げた結論に落ち着くのか? 経験則だけですといささか主観的なので、客観的な事実を補強として挙げていきましょう。 確率のお話。 シノビガミ(というかサイコロフィクション)の基本目標値は2d6で5以上です。 これは成功率を出すと5/6ですね。 逆に言うと失敗する確率は1/6。 1/nの確率で起こることが試行回数n回で1回以上起こる確率は約63%です。 1/6で失敗する情報判定を4人3サイクル=12手番行なった場合、2n回の試行回数になるので更に失敗が起こる確率は上がります。 その割合なんと9割弱。 (試行回数が増えるほどに起きる確率も上がっていく) もちろん感情修正をはじめとした目標値の増減、神通丸など振り直し可能な忍具の存在で多少のズレはあるでしょう。 ただ、確率として12手番のうち1度は失敗すると見ておくかどうかでハンドアウト数に対する考え方は違ってきますよね? 仮に12手番に対して10のハンドアウトを用意した場合でも、運が悪ければすべてが公開されないという事態は相応の確率で起こります。 しかもこれは他に無駄な手番を一切消費しない、という前提です。 一度でも感情判定や、他のPCがすでに所持している秘密に判定すればアウト。 受け渡しで情報を公開していく必要もあるでしょう。 経験豊富で見知った仲のPLさんに向けて回すシナリオならこれもいいかもしれません。 しかし、不特定多数のPLさんに向けて回すなら、もう少し難易度を落とした方が門戸は広くなるでしょう。 朋面や薬師閨を活用しようとした時点でアウトになりかねないシナリオ、自分が参加する側だったらと思うと、ね。 でも。 そもそもハンドアウト数を元からすべて公開させない前提で作るシナリオもありますよね。 例えば素のままだと貧弱なボスが、いくつものハンドアウトで強化されており、解除していくことで弱体化するものなど。 そのシナリオアイディアを否定するつもりはまったくありません。 ただ一つ助言させていただくなら、 『素の強さが1のボスを14のハンドアウトで強化して、10解除され5に落ち着く構造』 よりも 『素の強さが5のボスを5のハンドアウトで強化して、5解除され5に落ち着く構造』 の方がPLさんからのウケはいいかと。 強化方法が『耐久が上がる』『火力が上がる』など様々な項目にわたっているとしましょう。 どれを解除してどれを残すかの戦略を考えるのは楽しいものでしょう。 ですが同時に『ギミックをすべて解除できなかった』は強いストレスにもなります。 メインフェイズで受けたストレスをクライマックスフェイズで清算するのも悪くはありません。 けれどメインフェイズで一つ課題をクリアして、クライマックスフェイズでも課題をクリアすれば達成感を得られる機会は増えますよね。 またメインとクライマックスを分割して開催する場合、気持ちよく一時中断できるかは重要な要素です。 そしてPLさんの立場になってみれば分かるのですが、出目によってはすべて解除できない可能性があります。 なので、『解除する順番』を決める時点で一定の戦略を考える楽しみは味わえるんです。 ギミックはすべて解除される前提で作る。は、私がハンドアウト数を決める時に心掛けていることの一つです。 同じ終着点に辿り着くなら道中はより楽しい方がいいですよね。 そしてこちらも触れておくべきでしょう。 ハンドアウトが少ないことによって起こる『やることがない』PLさんの発生。 出目の事故に備えてリカバリーの余地を作るというのは、裏を返せば事故もなく順調なら余暇ができるということです。 そうなったときそのPLさんは不満に思われるのではないか。 だったらそういった事態が起こらないようハンドアウトは余るぐらい用意した方がいいのではないか。 結論から言うと、これはあまり双方にとっていい結果になりません。 というのもですね。 難易度が低い状況でそれを不満に思うPLさんにとって、大事なのは『低い』ことではないことが多いんです。 一番大事にされているのは『難易度』の部分なんですね。 だから仮に難易度を高くしたとしても、それが好みでなければ方向性が変わるだけで同じく不満に思われることが多いです。 カレーで例えるなら『甘い』ことが不満なのではなく、『好みの辛さ』があるようなものですね。 付け合わせがらっきょうでも福神漬けでもいいし、肉なしでもいいし、先割れスプーンでもいい。 ただ辛さだけは厳格な許容範囲がある。 ここを抑えておかないと、好みの味付けを知るために長い調整を重ねることになります。 それが生涯をともにする伴侶などなら、その苦労も報われるかもしれません。 ただ、あなたがチェーン店の経営者なら特定個人のお客様相手にはもう少し違う解決方法を取った方が効率的でしょう。 具体的には追加の条件をクリアすれば報酬が手に入る=自分で辛さを調節できるスパイスを卓に置くのをお薦めします。 もしくはBGMや営業時間帯など違うところで好感を持っていただけるようにして、トータルで満足していただくことですね。 まあ長々と雑多に書きましたが、最終的に私がこの日記を読んだ方にお伝えしたいのはたった一つ。 あなたが作るカレーなシナリオ、心から期待しております。 シナリオ作成にあたってまだ書きたいことはあるけど、お腹が空いてきたので今日はここまで。 レトルトカレー残ってたかな……(˘ω˘)
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