明地さんの日記 「シナリオ中の”敵”について、どうするのがいいのか?」

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明地
明地日記
2025/05/01 00:21[web全体で公開]
😶 シナリオ中の”敵”について、どうするのがいいのか?
私のtwitterのTLで「気持ちよく殴れる敵」についての話が一瞬あり、なんやかんやと考えるに至ったのでその思索をただ殴り書くことにする。
というのも「気持ちよく殴れる敵」に関する解釈が分かれたためであり、そして私もどうせシナリオに出すなら気持ちよく倒せる敵を用意したい気持ちがあるので、考えをまとめておくのはいいことだと判断したためだ。


*「気持ちよく殴れる」とはどういうことか?

まずは元ツイートの定義・解釈・考察から始める。
「殴れる」というワードが、その後のその方の主張から推察できる内容と表現がズレているように思う。
 「(気持ちよく)殴れる」…「こちらが(一方的に)攻撃できる」という意味。私などは字面通りにこう解釈した。
 「(気持ちよく)戦える」…「(相互に)攻撃しあう」という意味。おそらく発端のツイートはこちらを指していたように思う。
なので、まずは「気持ちよく殴れる」という言葉の解釈を一致させねばならない。

先の定義で「こちらが(一方的に)攻撃できる」としたが、これはやや乱暴な表現であった。
「気持ちよく殴れる」にはそれに至るシナリオの流れを通じて、いくつかのパターンがあると考える。

①「殴れる」に重点を置いた解釈:相手はサンドバッグ。「攻撃されること」にシナリオ上の意味があり、シナリオの構造として相手を一方的に攻撃する仕組みになっている。
 例:隕石(を破壊するシナリオにおける、標的としての隕石)

②「気持ちよく」に重点を置いた解釈:相手は宿敵。「PC=PLの鬱憤を晴らすこと」にシナリオ上の意味があり、「ストレスからの解放」を感受させる仕組みになっている。
 例:カスの黒幕を追い詰めてボコるシークエンス

上記のパターンにおいて共通することは「『気持ちよく殴る』において、PCやPLは基本的に『殴る』ことに躊躇を覚えない・むしろ好んで/そうするべきと判断する」という点だと考える。つまり、「気持ちよく殴れる」=「後腐れなくボコれる」である(小泉構文風になってしまった)。
これが何を意味するかというと、下記のパターンにおいて、
・敵が「かわいそうなゴブリン」や「やむにやまれぬ事情があって裏切った元仲間」といった同情・躊躇を喚起させる状況の場合、PCやPLは「殴る」ことに対して葛藤が生じるため、
・敵側が「ものすごい崇高な理念」「完璧な理論武装」「ある種の正当性」などを備えている場合、PCやPLは必ずしも論破できるとは限らないためそれを否定しきれず、
・「戦闘以外の解決手段が残されている(説得や懐柔・より強大な敵を前にしての共闘可能性)」場合、その可能性が明示されていたのに結果的に戦闘に至ったことでPCやPLにモヤモヤ感が生じて、
「気持ちよく殴れない」のではないか。
「気持ちよく殴れる敵」というのは、上記のようなパターンを持たない「敵」であると考えられる。

(もちろん異論は受け付ける。あくまで私の偏見に留まることは留意せねばならない)

他方、「気持ちよく戦える敵」は上記に当てはまらない可能性がある。
先の「気持ちよく戦える」の定義に「(相互に)」とある通り、攻撃が双方向に向かうものである。それはつまり、戦いを通じたコミュニケーション……譲れない信念や熱い思いの「ぶつかり合い」になりえるのではないだろうか。それはカタルシスを生むものであり、確かに「気持ちいい」ものであると言えるだろう。

以上、「気持ちよく殴れる」について定義した。次は「敵」について考察する。


*「敵」の類型

PCが相対することになる敵対者はどういったものになるだろうか。これは膨大なパターンが存在するため、ひとまず「気持ちよく殴れる敵」に関連するであろう次の3要素に絞って検討したい。

①言動や態度が「不快である」「不快でない」
②行動目的がにおいて「俗っぽい(金儲けや組織のメンツなど)」「深い事情・崇高な計画がある」
③登場から撃破までが「早い(登場シーン内~中ボス)」「遅い(ラスボス)」

3要素2分岐の下記8パターンとなる。

A群:
①態度が不快である・目的が俗っぽい・撃破まで早い★
②態度が不快である・目的が俗っぽい・撃破まで遅い

B群:
③態度が不快である・深い事情がある・撃破まで早い
④態度が不快である・深い事情がある・撃破まで遅い☆

C群:
⑤態度が不快でない・目的が俗っぽい・撃破まで早い
⑥態度が不快でない・目的が俗っぽい・撃破まで遅い★

D群:
⑦態度が不快でない・深い事情がある・撃破まで早い
⑧態度が不快でない・深い事情がある・撃破まで遅い

これら全部を検討するのはめんどくさいのである程度絞って検討する。
主に「★」がついているやつが「気持ちよく殴れる敵」にふさわしいと考える。

A群において、「気持ちよく殴れる敵」にふさわしいのは「①態度が不快である・目的が俗っぽい・撃破まで早い」キャラクターであると考える。
というのも、不快な言動・態度のキャラクターはPL・PCにとってもストレスフルなものであるためだ(自明である)。これに異論はないだろう。チンピラ・外道・PCたちを陥れる・見下す発言をするといった悪役として造形されたキャラクターは、ぶっ飛ばされて留飲を下げるために存在するようなものであるからだ(諸説ある)。ましてその目的が小物くさいものであるなら猶更である。
しかし、ここで留意しておきたいのは、そうしたストレスは(いつかぶっ飛ばせるとわかっていても)PLの心にも多少なりと効いてくるものであるという点である。
そのため、「気持ちよく」=「後腐れなく(PLの心にモヤモヤを残さない)」ためには、出てきたらすぐぶっ飛ばせるのがいいんじゃないか、と私は考える。単発セッションならそいつが登場したシーン内、CPならそのセッション日中にやっちまえるとよい。
シナリオの文脈的にも、ただぶっ飛ばされるためだけ/あるいはシナリオ的な重要人物として登場するよりは、PCたちの正義を示すための舞台装置/真のボスへ至るための情報を落とす存在として配置する方が良い。これはPLの感情をコントロールするためで、「不快の除去」「報酬の提示」によってセッションに取り組む動機付けになるからだ。



疲れたのでここらで終えることにする。サラダバー




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