温森おかゆ(まんじゅう)さんの日記 「なぜTRPGにはルールが必要なのか」

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温森おかゆ(まんじゅう)
温森おかゆ(まんじゅう)日記
2025/02/08 01:01[web全体で公開]
😶 なぜTRPGにはルールが必要なのか
 最近作った『ブラッドパス』のシナリオは、インスパイア元がはっきりしている。
【妖刀 村雨丸】に出てくる村雨丸はもちろん江戸後期の作家、曲亭馬琴の「南総里見八犬伝」に登場する名刀村雨だし、【Greedy mansion】はまんまエディ・マーフィ主演のディズニー映画「ホーンテッドマンション」の雰囲気を踏襲している(つもりである)。パクリと言うほど被らせてもいないので、わざわざインスタパイア元を記載している訳では無い。見れば知っている人は分かるからだ。
 さて、インスパイアされたと言っても、ホーンテッドマンションの方はもう随分前に見たきり内容を忘れていたし、南総里見八犬伝に関して言えば、名前以外全く知らなかった。
 さすがにそれでは申し訳が立たないかと思い、シナリオを書き上げた後に、遅くも上記2作品を観ることにした。
 ホーンテッドマンションは、ガチなホラーをエディ・マーフィの剽軽(ひょうきん)な演技でマイルドに仕上げた作品である。ホラーとコメディのバランスが良いのはさすが天下のディズニー映画だ。
 南総里見八犬伝は、角川の山田風太郎作オマージュ作品「八犬伝」しか見つからなかったのでこれの上下を購入し、最近それを原作として制作された映画「八犬伝」を観終わった。
 南総里見八犬伝の物語を描きながら、作者である曲亭馬琴(きょくていばきん)とその友人の画家、葛飾北斎(かつしかほくさい)が、創作にかける気持ちや情熱を語り合う描写を並行して進行する。
 善因悪果(ぜんいんあっか)、悪因善果(あくいんぜんか)のままならない現実世界で、曲亭馬琴がなおも勧善懲悪(かんぜんちょうあく)の正義の物語を追い求めた理由。それが、彼の作品と共に描かれるのである。
 現実世界の中で虚(ファンタジー)を創り出す。それはTRPGにも通ずることだと思う。我々はTRPGを通して虚の世界に浸り、描く。その世界で、勧善懲悪の世界を描きたいのか、悪がのさばる世界を描きたいのかは人それぞれの好みによるだろう。シナリオを作る方は、現実世界で虚の世界を描くことをもう一度見つめ直すために、この作品を視聴しても良いかもしれない。
 名刀村雨は、犬塚信乃(いぬづかしの)の佩刀(はいとう)として「八犬伝」の中に登場し、露を帯びる不思議な力を持つ刀として、映画内でも大活躍を演じていた。抜く、振る度に結構な水量がバッシャバッシャ飛び散っていて面白かった。(月並み)
 今度の【妖刀 村雨丸】第二陣も、理解を深めた状態で楽しむことが出来る気がする。

 閑話休題。

 私は、ルールブックに従ったルール運用を比較的尊ぶ。
 とはいえ、私が知っているGMには、ルールを少し改変して、新しいルールを生み出し、楽しい卓を作ることが出来る人もいて、私はそれを尊敬しているし、たまに真似をさせていただいたりもしている。
 だから、私はルールを曲げることを絶対悪と考えている訳ではないことはご承知いただきたい。
 私だって、当然、CoC6版ではハウスルールを使ってバランスを調整している。その方がずっと楽だし、遊びやすいからだ。
 要するに、“GMの裁定のもと”、ルールを運用することが大事なのだと考えている。PLはGMの決めたルールの中で遊び、逸脱してはならない。

 聞けばCoCでは、今でもPvPではないのにわざと不遜な態度を取って関係をみだりに悪化させたり、セルフ秘匿というKPすら知りえない情報をセッション中に公開して混乱を招いたりということがあるらしい。
 TRPGを遊ぶにはルールブックを持たなければならない。これは当然の不文律として定着しているが、どうもCoCのプレイヤーは、ルールブックは重視しても、ルールを軽視する傾向にあるように思われてしまうのだ。

 もう随分前。私が持っているシステムがCoC6版だけだったころだ。
 その頃は細々とCoCの卓を立てていた。今思い出しても苦労話が多いのだが、それは一旦置いておくとしよう。

 私は数回のハウスルール改訂を経て、成長ロールなどのルールは、ルールブックに準拠した形に整備することとした。
 ルールブック通りの内容でそれほど不都合を感じなかったからである。

 だがある時、KPをしていたらこう言われた。「クリティカルやファンブルをしても、成長ロールはできないのか」と。要するにそのプレイヤーは、以前、クリティカルやファンブル、スペシャルの出目を出した時に技能成長ロールをさせてくれる卓に参加し、そのハウスルールを気に入っていたのだろう。あえて言い添えておくが、クリティカルやファンブルを出したからといって技能成長ロールができるとは、ルールブックに記載されていない。
 なのでできないと言ったら、どうも不服そうだったのが私の心にわだかまりを作った。
 それをSNSに吐き出してみたら……この行為そのものは全く私の愚かな行動に過ぎないのであるが……「あなたの頭が固い。PLの言う通りルールを曲げて何が悪いの」と全く知らない外野から言われてカチンときた記憶もあって、苦い思い出となっている。

 その時は上手く言い返せなかったが、今にして私に言わせてみれば「KPでもない外野の人間が口を挟むな」以外の言葉がない。
 PLの言う通りルールを曲げて良いのだったら、GMは要らないことになるではないか。ルールブックはなんのためにあるのか。ゲームを守り、GMとPLをルールの元に守り、楽しむためにある。
 決してPLがいい気分になるためだけにルールを曲げていいことなどあるはずがない。正しいルールであるならまだしも、どこで聞いたか知らない他人のハウスルールを、自分の卓に持ち込まれて首を縦に振るKPなど存在するだろうか?

 ルールを曲げることは悪では無い。ただそれはGMに限った話である。GMは公平、公正な責任によってルールを守り、時に曲げる力を持つのだ。PLは、その権利を持たない。これは意外にも忘れやすいことなのかもしれない。
 昨今、CoCは相変わらずエックスで毎日のように炎上騒ぎ、揉めに揉めているようだが……その一部は、あまりにルールと道理を無視しすぎた結果ではないかと、私は思っている。
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