温森おかゆ(まんじゅう)さんの日記 「アンサング・デュエット【インバース・ワールド】」

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温森おかゆ(まんじゅう)
温森おかゆ(まんじゅう)日記
2025/02/09 07:18[web全体で公開]
😶 アンサング・デュエット【インバース・ワールド】
 人づてに教えてもらったのだが、KADOKAWAへのサイバー攻撃でダウンしていた富士見書房の公式ページ、「TRPG ONLINE」が満を持しての復活となった。
 ここにはストリテラや銀剣のステラナイツといったどらこにあんのシステムや、デッドラインヒーローズのダウンロードコンテンツが充実していたのだが、KADOKAWAがサイバー攻撃を受けて、今の今までダウンし続けていたのだ。その間に、どらこにあんやからすば晴さんなど、外部のサイトにQ&Aやエラッタ、各種ダウンロードを移動させてくださる公式も多かったのだが、デッドラインヒーローズに関しては、この富士見書房公式ページが復活したことで、キャラクターシートやサンプルキャラクターシートなどのダウンロードがやっと正式に再開された。
 やはり、富士見書房の公式ページの使用感が懐かしい。富士見書房公式ページにお世話になっていた人は、一度開いてみてはいかがだろうか。

 閑話休題。

 継続キャラクター向けのシナリオであることもあって、今の今まで回せていなかった【インバース・ワールド】。
 これは、アンサング・デュエット特有の「同じペアでシナリオをやろうと思ったら必ずシフター側がGMになることが確定する」と言う問題を解決し、バインダー側がGMをすることもできるようにしたシナリオである。
 全てが反転される世界の中で、足を踏み入れたバインダーとシフターの立場も反転する。つまり、シナリオギミックで最初からバインダーがシフターに、シフターがバインダーに、単純に役割が入れ替わるというシナリオ。
 そんなギミックシナリオなので、立場が反転してしまったことで、慣れない感覚に戸惑ったり、これまでの相手のバインダー(シフター)としての立場を初めて痛感したりといったロールプレイも楽しめた。
 また、前回の高難易度シナリオ【アンブロークン・アロウズ】で忘却したフラグメントの持ち込みがあったため、今回は「変異への抵抗」ダイスに少し色を付けた。これは、つぎのさんのやり方に倣わせていただいたものである。
 ふたりで楽しむために、工夫できるところは工夫する。そういう思考の柔軟さは、私にはない。つぎのさんのアンサング・デュエットの回し方は、非常に参考になる。
 私は変異への抵抗ダイスで次回の持ち込みフラグメントが6つ以下が確定しても、それはそれで楽しめるのだが、ロストが苦手な人に対しては、変異への抵抗ダイスに少し色を付けるのも考えても良いかもしれない。ダイスで最低値を出しても、次回のシナリオに忘却していないフラグメントが6つ持ち込める程度に抑えられるくらいが良いだろう。

◆アンサング・デュエットとは
 現実と隣併せの危険な世界、“異界”。その異界の真の姿を見ることのできる力を持つ“シフター”と、そのシフターを異界から助け出す立場の“バインダー”のペアで、さまざまな姿を持つ異界を進み、脱出を目指すTRPG。
 キャラクターのデータは簡潔で、“フラグメント”という、その人をその人たらしめる要素をリソースとして扱うことになる。フラグメントは、異界の影響を受けるごとに別のものへと“変異”していってしまい、そのたびに、その人らしさを失っていく……といった展開が緊迫感を生み、なかなか面白いシステムである。
 簡単なルールだが、それゆえに拡張性が高く、リソース管理はシビアだったり。変異していくキャラクターに一喜一憂しつつ楽しめる。

◆あらすじ
 そこは、ふたりの“在り方”までをも変えてしまう、危険な異界。
 異界の核となっているアーティファクト「反転玉」を回収する任務を受けたふたりは、時、空間、法則性を失った世界に迷い込む。
 何もかもがあべこべなその世界では、バインダーがシフターとなり、シフターがバインダーとなる。

 新しい感覚。変わる関係。一歩進む事すら困難な場所を乗り越えるための力は、もはやふたりの絆だけだ。

◆バインダー(前回のシフター):鬼本 零士(おにもと れいじ) PL:つぎの
「犬神クン、キミのその《正義感》を、恨んだのは今日が初めてだ」
「『もし、駄目だったとしても』などと言う……キミの仮説なんて否定してやる……なぜならそれが、キミが私に見せ続けてくれていた、バインダーとしての在り方だからだ」
 ただただ「バインダーとシフターの立場が反転する」と言うだけのシナリオで、シナリオ描写には「バインダーとシフターの立場が反転したことで変わってくる感覚を描写しましょう」とは書いていないのだが、さすが歴戦のつぎのさん。ナチュラルにロールプレイに組み込むというスゴ技を披露。異界に迷い込む直前に、「“見えない”って、どういう感覚なんだ」とバインダーの花鶏に問いかける“伏線”から、異界に迷い込んで立場が反転したことが発覚する時の伏線回収までが流れるように綺麗だった。計画書か台本でもあったのではなかろうか? これが自然とできてしまうのは、いつもながらこの人特有のクオリティだ。一体何を食べたら、シナリオギミックをこれだけ綺麗にロールプレイに反映することができるのだろうか?
 このキャラクター、もともとは『アンサング・デュエット リプライズ』に掲載されている公式シナリオ【アンブロークン・アロウズ】の異界対策室のキャラクターだった。自分を軽んじ、ただ任務遂行のためにすり減っていくシフターの在り方を受け入れていたが、今回の異界でバインダーの立場になり、すり減っていくアトリを見て、そばに居る事しかできない無力を痛感する。
 アトリのフラグメントが1つを残して忘却し、ロスト間近になったところで、「異界化」を使用して自分のフラグメントの忘却と引き換えにアトリを救う。シフターだった時は儚げな青年だったが、バインダーになったことで、頼もしい先輩としての一面を見ることができた。

◆シフター(前回のバインダー):犬神 花鶏(いぬがみ あとり) GM:おかゆ
「先輩が失ってきた分、私だって……先輩を支えるためなら、できることをしたいんです!」
「自分に何があっても、先輩のことは、守りたい。それは新人のころから、変わりませんから」
 ただ一直線に鬼本を想う、後輩バインダー。今回はシナリオギミックにより、異界の真の姿を見る力を得て、それに翻弄されつつも、頼れる先輩のおかげで無事生還。今まで「見えない」ことが当たり前の立場だったためか、シフターになって初めて「見える」ようになって、感覚の違いに翻弄され、終始出目が低迷。ついには最終局面でフラグメントが1つを残してすべて忘却するという状態にまで陥ってしまった。
 自分は全てを失っても、先輩だけは返したいという想いと持ち前の正義感ゆえに、今回の異界ではムチャをしたが、先輩が使った異界化の効果でフラグメントが回復。
 そのおかげで何とか生還を果たした。さて、今回の異界で、恋心を告白したアトリだが、ふたりの関係はこれからどうなっていくのだろうか?
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