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😶 荒野での行軍をルール的に解説 先日の日記において、野外での行軍速度について触れましたが、それをAD&D1e的ルール解釈を当てはめるとどうなるか、実際に解説してみます。使用するルールは基本ルールの他にWilderness Survival Guideです。このサプリメントルールは追加技能などもありますが、だからと言ってPCが無敵になるようなことなど全くなく(野外で生き延びる術は持てます)、これまでなんていうことのなかった荒野での旅をドラマチックに一変する可能性に満ちたルール群なのです。 折角ですから、獅子面の女騎士ことレディ・バラの従者であるアウグスト君に登場願って、解説を進めてみましょう。 ア「へへっ。なんだかんだで旅慣れてきたからね。荷造りから行軍までお任せあれ」 おお、頼もしいですね。それでは早速行ってみましょう。まず、今回、従者たちの尽力によって乗用馬たる重戦馬の移動レートが落ちないように荷駄を分散しました。具体的には、それぞれの馬に5,000cn(cnと言うのはD&D世界における重量単位のことで、1cn=45g=1/10ポンド換算。単なる物体の質量でだけではなく、「嵩張り」も含まれるため概算となります。今回の場合、5,000cnはざっと225kg程度。もちろん騎手も含めます)までに抑えてあります。 ア「レディ・バラの装備は多いしいずれも高価なものが多いから、扱いは慎重にする必要があるんだ。特に騎士の命とも言うべき甲冑は二領を運んでいて、専用の櫃に収納しているんだけどこれが重くてかさばるんだ」 流石、お嬢ちゃんは良い物を持ってますな。しかし、これだけでもすごい嵩張りますよ。その上に自分たちの食料や馬たちの飼料、更に野営用具を載せつつ5,000cnに収めるのってスゴイですな。 ア「今回は暗黒騎士たちが乗っていた重戦馬をゲットできたのが僥倖だったよなあ」 重戦馬で5,000cnまでに抑えた場合、Normal Load扱いとなり、平坦な野原を一日8時間の行軍した場合、15マイル(約24km)移動できます。強行軍をして16時間の移動をした場合は21マイル(33.6km)となりますが、この場合続く一日は完全な休息を得ねばなりません。 ア「えっ、たったそれだけ!? もう少し距離を稼げるんじゃないの?」 整備された街道で、土地勘があり、モンスターたちからの不意を打たれるような危険が無ければ、確かにもっと行軍距離を伸ばすこともできるでしょう。しかし、舞台は辺境。旅の安全を図るならこの距離は妥当ではないでしょうか。馬は思っている以上にデリケートで、不用意に踏み込んだ不整地で脚を取られて骨折なんてしたらそれこそ目も当てられません。 ア「そっかあ……たしかに脚の折れた馬は可哀そうだもんなあ」 天候や季節も考えねばなりません。現在のキャンペーンの舞台は厳寒期を迎えつつある寒冷地域です。幸いにこの地ではドカ雪が降ることは少なく、パウダースノーが吹き付ける地域ですが、当然降雪はあります。となると路面状況はNormalではなくRuggedと判定すべきでしょう。移動速度は当然落ち、通常で9マイル、強行軍で15マイルとなります。なお、更に積雪量が増え、10インチ(約25センチ)を超えると通常で6マイル、強行軍で9マイルとなります。 ア「うわっ、厳しい」 おっと、悪化するのは路面状況だけではありません。当然、竜たちが棲むという霊峰から吹き付ける寒風も増してきます。今はまだ良いですが、これから気温が低下してきて摂氏-12度を下回ると、移動速度が3/4に低下します。-17度以下になると2/3、-34度以下になると1/2となります。 ア「うーん。確かに寒くなったら動きが鈍くなるよな。当たり前だけど着ぶくれもするし」 また、移動のルールとは異なりますが、防寒対策をしているか否かによってもガンガン体力を奪われて行きます。このほかに、「疲労と消耗」や「食料と水」に関する詳細なルールもあり、PCたちはモンスターと戦わなくても、荒野を旅するだけで充分に大冒険になります。 ア「やっぱりさあ、厳寒期に荒野を踏破するなんて無謀すぎるんじゃない?」 そりゃそうですよ。でも行かねばならない。目指す先に望むものがあるなら。いやあ、ヒロイックだね! ア「なーんか、DMがうれしそうなのが気になるんだけど……細心の注意と綿密な計画が大切だってことは良くわかったよ」 そこに加えて、冬場になると現れる狂暴なウィンターウォルフとか、フロストジャイアントとか、あっそうそう、ホワイトドラゴンも山から降りてくるんだけど……。 ア「も~イヤッ!!」
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