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😶 ベースシステムのお話(第一回) ご機嫌よう。 ベースシステムといえば BRP、D20、SRS や サイコロフィクションなどがありますが、これらの有名どころ以外で海外に目を向けますと、さまざまなものがございます。そこで今回は中でもマイナーな海外インディーズ/ナラティブ界隈で使われるようなものを主に判定の面からまとめて紹介しましょう。とても長くなりましたので、本日は第一回です。これまでわたくしのエントリでは触れてこなかったシステムもございますし、遊んだことのないシステムもあり誤りがあるかもしれません。 ■ FATE すべてをアスペクトという短いフレーズで表現するシステムです。PC のステータスやダメージの状態もアスペクトですし、場面の状況もアスペクトです。PL は描写に対してアスペクトを追加することができますし(要判定)、場面にあるアスペクトは判定の際に全て利用できます。判定は何か面白い障害があり目標の達成を拒んでいる場合です。単なる探索行動に判定はありません。実際の判定は FATE ダイスという特殊な6面ダイスを4個振り、結果に自分のスキル評価、または運命点というリソース(自らトラブルを起こすと得ることができます)を消費して振り直しか +2 かを選びます。結果は必要な成功段階とロールの結果から求めます。判定結果は以下の四通りです。 - 失敗(深刻な代償と引き換えにした成功も含まれます) - 引き分け - 成功 - スタイリッシュ FATEではゲームシステム的な行為のアクションは4つにまで削減されていて、それぞれ克服する、優位に立つ、攻撃する、防御する、です。克服が大抵の一般行動をカバーするもので、優位に立つはアスペクトを追加またはアスペクトから利益を得るアクションです。攻撃と防御はそのままですが、FATE では PC のロストはありません。単に戦闘に負けてシーンから脱落するだけです。負傷段階によるダウンタイムの後(ダメージに関するアスペクトでボロボロでしょうが)再登場できます。 そして。FATE はそのじつ RPG ツクールからセッションが始まります。すなわち、舞台の設定等は参加者全員が協力して行います。ゲーム中に使用するスキルやスタント(特殊能力)もここで決めます。これをもとに GM は(もしかしたらシナリオという形で)舞台を整え、PL はキャラクターを作成します。 FATE には FATE Accelelated という簡易版システムがありますが直接の互換性ありません。Accelerated にはスキルがなく代わりに固定のアプローチがあり、アプローチの評価がダイスの修正になります。また、成長ルールなども異なります。 基本的に GM なしシナリオありで遊びます。 ■ Powered by the Apocalypse (PbtA) FATE がアスペクトのゲームだとすれば、PbtA はムーブとプロンプトのゲームです。ムーブというのは物語を駆動するしかた、もっといえば物語の進め方の選択肢です。ムーブが表現しているのは特定のスキルではありません。 PbtA ではキャラクター作成時に与えられたプロンプトに答えますが、自分の PC でも他の PL に決定権がある事項があります。たいてい 3〜4 個前後のステータスがあり、判定するのはムーブで指示されている場合のみ、2d6 + ステータスで結果は以下のようになります、 - 6以下:失敗 - 7〜9:代償を伴う成功 - 10以上:成功 加えて、ムーブあるいは判定結果にはプロンプトがあり、ムーブを選んでプロンプトに答えることで物語は進行します。プロンプトは自分で答えるほか、他の PC が答える、GM が答えるなどのバリエーションがあります。 PbtA 系のタイトルはそれぞれ特定の物語的状況に特化していて、基本的に GM ありシナリオなしで遊びます。 ■ Belonging Outside Belonging (BOB) PbtA の派生ですが、判定はなくステータスもありません。ムーブに強弱があり、強いムーブ(物事を解決する)にはリソースが必要で、リソースを得るためには弱いムーブ(トラブルを起こす)をする必要があります。強いムーブや弱いムーブは複数与えれ、望む物語の進行によって選択します。 BOB ではムーブによって指示されるプロンプトは必ず他の PC への問いかけです。加えて PC にはトークンを得ることのできる特定のフック(BOB ではルアーと言います)があり、他の PC の行動によってトークンを得ることができます。 また、BOB にはゲームのテーマに従った設定要素があり、設定要素の役割は各 PL に分担します。分かりやすく言えば設定要素ごとに GM 持ち回りです。一方、設定要素は特定の PL に割り当てるものではなく、交代制です。 基本的に GM なしシナリオなしで遊びます。 ■ Forged in the Dark (FitD) FitD は PbtA の影響を受けたシステムで、ムーブに相当する属性と複数のステータスがあります。 判定をするのは指定された条件に当てはまる場合のみです。基本的に行動の判定はその達成に危険を伴う場合のみ行い、加えて行動のリスク評価によって結果の描写が変わります。判定そのものは属性等で指示された数だけ d6 を振り最大値を採用します。 - 1〜3:失敗 - 4〜5:代償を伴う成功 - 6:成功 FitD では PL は描かれた状況に対して後出しで自分に都合の良い要素を追加することができます(代償として無茶さ度合いに応じたストレスを受けます)。 基本的に GM ありシナリオなしで遊びます。 ■ Lumen 判定そのものを見れば FitD と同じですが、リスク評価等はありません。Lumen は基本的に戦闘重視のシステムですが PC 側の攻撃や回避そのものには判定がなく、そこに至るまでの(ドラマチックな)行動に判定があります。 また、キャラクターの能力や装備等によって特殊効果があり、この効果はコンボ的に繋げることができたり、超強力な自爆攻撃などがあったりします。 ■ Montsegur モンセギュールのシステムは正確にはベースシステムとして扱われているわけではございませんが、採用されている例が複数ございますのでこちらで。 といってもステータスなし判定なしのシステムです。PC にはプロンプトが与えられ、それらのプロンプトと物語の進行に応じて与えられた情報がフックとなって PC 間の関係ひいては物語に作用するという仕組みで進行します。ゲームが扱うのは特定の物語的な状況で、GM もシナリオもありません。 ゲームシステムから物語に繋げるにもいろいろなやり方があり、判定一つとっても特徴がございますわね♪
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