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😶 よくできたプロンプトはよくできたハンドアウトに勝る 〜「灰色城綺譚」から「手折られる花たちの会」へ ご機嫌よう。 わたくし かりかりうめ のシステムが大好きです。中でもとりわけ何度も遊んでいるのは灰色城綺譚ですが、灰色城はバッドエンドまたはメリバを前提に初期秘匿 HO があり、それをいつどのように公開するかは自由、自然にそうなるように物語を描いてくださいというシステムです。これがまた RP が捗りまして♪ さて、灰色城はシナリオあり、プレイの印象は HO の設計に非常に強く依存します。ですが、シナリオは TRPG に本当に必要でしょうか? HO は必要でしょうか? もちろん種々の TRPG を積極的に試している方でしたら、特定のシチュエーションやストーリーに特化したシステムがあるということはご存知でしょう。ですが、それらの TRPG の多くには特定のシステムがあり、もしかしたら HO もあります。 もちろん、特定のシステムの特定のシナリオを遊んでさえ、PL によって物語は変わるとお考えの方もいらっしゃるでしょう。それはまあ実際、その通りだと思いますわ。その一方で、そうやって生まれた物語はどれくらいナラティブでしょうか? シナリオに書かれていないくらいにナラティブでしょうか? わたくしこれは非常に不満なのですが、殊更に近年「ナラティブ」を謳って登場している商業タイトルの多くは、それほど「ナラティブ」ではありません。灰色城の方がよっぽどナラティブですし……。 さて、灰色城では前述したように PC ごとに複数の初期秘匿 HO が与えられ、それぞれの PL はその HO を自然に公開できるように物語を誘導します。加えて、HO に書かれた内容の解釈も PL に任され、公開したとしても PC の一時の気の迷いとすることもできます。もちろん灰色城にはシナリオがあり、HO はシナリオごとに存在します。ですが、こうした自由度は(HO の出来によりますが)従来型のシナリオにはない自由な展開を生み出します。 では、それで十分でしょうか? もはや HO は TRPG に当然の存在で、誰もが疑問に思う間もなく受け入れているかもしれませんが、他のアプローチがあります。それがプロンプトです。 かりかりうめ の最新のシステム、エルリンボもプロンプト制ですが。ここでは かりかりうめ のシステムで最初にプロンプトを取り入れたモノローグ・ダイアログから「手折られる花たちの会」を取り上げましょう(個人的に超推しですので)。手折られる花たちの会の根幹は二人の少女、一方は手折る役、一方は手折られる役です。この二人には共通のプロンプトが与えられます。手折るとは何を意味するのか。 たったこれだけで、(理想的には)二人の少女の関係が無限に描けます。どう手折り手折られたいのか。それをどう伝えるのか。相手をどう思い、自分がどう思われたいのか。RP だけで進行します。 特定のシステムの特定のシナリオにエモを感じる方でしたら、たったこれだけの質問がどれだけのエモを生み出すのか想像できるでしょう。素晴らしい TRPG 体験に必要なのは、良い質問です。それをシステムが与えてくれるなら、それ以外に何が必要でしょうか。
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