霊龍さんの日記 「そのライフルが貫くものは…  深夜の模擬戦」

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霊龍
霊龍日記
2020/12/09 03:50[web全体で公開]
😶 そのライフルが貫くものは…  深夜の模擬戦
PC:エルゾ・ディー・シャルトマン
突然、知らない場所…否、ここは電車の中だ。
目の前には見知らぬ女性が立っていた。
僕を見る彼女の紅い瞳には、殺意が宿っていた。
そう、それは間違っていなかった。
「戦わないと、ここから出られないですよ。」
彼女はそう言うなり足を振り上げ、その足はまっすぐ僕に飛んできた。
僕…何かした…?
だが彼女が言うように、僕の頭にも声が聞こえてきたんだ。ただ一言、「戦え。」と。
その瞬間、どこからか殺意が湧いてきて…昔の感情を思い出したよ。動く者は何であろうと撃ち抜く。
人であれば仕留める。その紅い瞳に弾丸を。その胸に赤い染みを。
気づけば傍に置いてあったライフルを手に取り、彼女に発砲していた。
何度か避けられたが命中させても彼女は動き続けた。
おかしいな、既に死んでいてもいいのに。。。
その強い姿に僕は興味を惹かれた。彼女を切り開いて構造を見てみたいと。これは研究者としての本能なのかな。
でも瞳に弾が当たると、彼女は動かなくなった。ただの人間だったようだ。
つまらない。

次は何だ。誰だ。どうでもいい。お前も僕を襲って来るんだろ?
胸倉を掴んできたそいつは日生と名乗った背の低い男だった。
彼の瞳には若干の困惑と、怒り、焦りが含まれていたように思う。
もう、本当に無益なんだよ、この戦いは。出られるならなんだっていい。
僕はあと何人をこのライフルで貫けばいいの。
肉弾戦がどうだのって、男なら拳?
反吐が出るね。
どうだっていい。さっさと僕の前から消えてくれないかな。
全身に死をまとって倒れる彼に歩み寄り、その頭に銃口を向ける。
「そん…なことし…たら、俺の…弟た…ちは…どうなる…んだよ…。」
「知らないね。飢え死にするんじゃない?」
鈍い音と共に床に血液が広がっていく。もう動くことのない肉には興味がない。
もう…飽きた。本当に僕は何かした…?

暫くして白い髪の女性が現れた。その手には古い型のライフルが握られている。
弾丸が首のすぐ横を通った時、初めて興味が湧いた。
こんな奴とやり合うのは何時ぶりだろうか。
少し興奮して、その生き物を倒れさせるためだけに撃ちまくった。
避けなかったのか、それとも避けようとして上手くいかないのか知らないけど、数発当たるとそれは倒れてしまった。
ちょっと勿体なかったな。興奮は直ぐに冷めてしまったよ。

…これって、逆に勝負に負けた方が帰れるんじゃ…?
もう誰も来ない。え、ほんとに?
僕……。
銃口の細い暗闇の先に光が見えた気がする。これでちょいと指に力を入れるだけで意識はなくなる。
一瞬だけ痛いかもしれないけれど、どうだっていい。
こんな所でずっと無益に殺し合うくらいなら、冒険でもしてみようじゃないか。
ここで自分を殺めるとその先どうなるのか、確かめてみようじゃないか。

夜中の模擬戦にて
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