ポール・ブリッツさんの日記 「或るローフルマジックユーザーの独白」

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ポール・ブリッツ
ポール・ブリッツ日記
2017/10/15 16:51[web全体で公開]
😶 或るローフルマジックユーザーの独白
余はローフルのマジックユーザーである。昨日余は真に何と云ったらいいか分からぬ現実と遭遇した。

余は北方の田舎の出である。余が幼少期を送った世界では、「法」とは「勤勉」であった。厳格な法のもとで、余らは夜も明けぬうちから起きだし、食料を確保し、燃料を確保し、生活必需品を作ることによって、ようやく凍え死ぬことから免れることができるのである。余はその合間に文筆と算勘、法と魔術とを必死で学び、人間世界を野蛮から守り動かす「法」に仕える一個の鋲として生きんがために中原世界へ出てきたのである。

されど田舎の魔術師にとり、いきなり仕官をするのは困難であった。余は心ならずも冒険者となり、我が魔術の技を法のために役立てようとした。

そんな或る日、余はエルフの隠れ里を訪れることになった。余にとって、エルフとは法に仕える最も忠実な戦士にして魔術師であった。余は、彼らは日がな一日謹厳なる生活を送り、身を正しくし、文武を鍛え、自己研鑽に励んで、その正当な対価である自己観照と精神的な安寧を楽しんでいる、死すべき定めの生き物たちの手本となるべきものであると考えていた。

しかし、余が見たエルフたちは、朝から気分を酩酊させる薬を飲み、肌着のままで水遊びをし、そしてそのことを何とも思わぬ輩であった。余はこれは何かの間違いであると思った。もしもこれが「法」の理想とすべき生きかたならば、余と余が同胞が酷寒の地で毎日歯を食いしばって乏しい実りしかもたらさぬ畑を耕し、落ちたら死ぬ冷たき湖の氷を割りて魚を獲り、わずかな兎を求めて雪山をさまようのは何のためか。

余には「法」は何を求めているのかサッパリわからなくなった。余にとり、エルフたちの生き方は退廃であり唾棄すべき混沌のそれと同然である。されど彼らは自らを法の名に恥じぬ生き方をしていると思って疑わぬのだ。天罰の下らぬところをみれば法の神もその生き方を認めているということであろう。

余にはわからぬ。余に出来得るのは己が考えるやりかたで法に仕えることのみであるが、それが法の求めるところに外れていないと誰が言えよう。

余は、法に仕えるものにあるまじき「疑問」を抱いてしまった。余はいかに生きるべきか、余にはもうわからぬ。
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レスポンス

鴉山 響一
鴉山 響一ポール・ブリッツ
2017/10/16 01:06[web全体で公開]
> 日記:或るローフルマジックユーザーの独白

こんばんは。
いやあ、こういう独白的考察良いですね。
私の世界観としてもエルフは、少なくとも1e的ハイエルフたちはローフルマジックユーザー氏の想像するエルフ像そのものです。夜を儚みながら滅びの道を行く平安貴族のような存在(そのくせ、解決するのは人間族に丸投げしたがる)なのだと思います。もちろん、PCエルフは例外ですけど。

少なくとも、面積の少ない布切れを纏って肉感的な肌をあらわにして水浴びをしたり、人間族に親しく交わったりはしない……ってのはPLとしての願望もいくらか以上に投影はされている気もしますけどね。
トマリギ
トマリギポール・ブリッツ
2017/10/15 18:01[web全体で公開]
> 日記:或るローフルマジックユーザーの独白
彼ら長命ですからね、正直エルフの価値観と彼らの十分の一にも満たない寿命を持つ人間の価値観はまったく違うものになるんじゃないかなと思います。エルフの長期的な観点からすれば、自然との戯れや調和は秩序立ったものなんでしょうけれど、短命の人間からするとこんな昼間っから何やってんのお前たちってなりますよねw

混沌と秩序とか、善と悪の問答なみに人によって解釈が分かれそうですよね。
現人虫
現人虫ポール・ブリッツ
2017/10/15 17:24[web全体で公開]
> 日記:或るローフルマジックユーザーの独白

 こんばんわ。
 エルフは指輪物語だとローフルに分類されると思いますが、D&Dだとカオティックに分類されることが多いです。CD&Dはそうでもないですが、徐々にカオティックよりになって後代のD&Dだと明記される感じですね。
 本来の妖精の属性的にはその方がふさわしいのかもしれませんが。あるいはドワーフとの対比でそうなっていったのかもしれません。

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