ポール・ブリッツさんの日記 「たまには読んだ小説のことを書く」

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ポール・ブリッツ
ポール・ブリッツ日記
2024/04/19 21:46[web全体で公開]
😶 たまには読んだ小説のことを書く
図書館で、鏡明「不死を狩る者」という81年発表の冒険SF小説を借りてきて読んだ。面白い本しか紹介されていないことでは昔から定評のある内藤陳先生のブックガイド「読まずに死 ねるか!」に記載があったものの、あらすじすらわからなかったので前から読んでみたいと思っていたのだ。

一種のバンパイアハンターものであるが、動機づけにひとひねりあるのがミソ。というよりも、読んだ感想としては、邪神も神話生物もひとことも出てこないし、ほんとうにアクションSF小説なのだが、読んでいる感覚としては「クトゥルフ神話」以外のなにものでもないという作品なのだ。

なぜ探索者が一円にもならない探索なんてものに血眼になるのか、についての見事な動機付け(笑)から、話の風呂敷の広げ方、携帯もインターネットもない80年代で内戦状態の外国に徒手空拳で放り出された探索者がどうやってSOSの連絡を取るかについての画期的方法(笑)、などなど、KPが思わずパクリたくなるシーンや描写がてんこ盛り。まさに「SF的解釈でああいう世界観を構成してみました」という感じでなかなか面白かった。

調べてみたら、出回っているのは当時の新書版だけで、文庫にすら落ちていないらしい。「隠れた逸品」と化しているようなのだが、これを「隠れた」作品にしておくのはもったいない。

興味があったら近くの図書館に行って探してみてほしい。ほぼ完全に誰も知らない「忘れられた作品」になっているから自作シナリオにパクリ放題だぞ!(こら(^_^;))
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