youさんの日記 「トーキョーN◎VAってどんなゲーム?」

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2017/11/21 03:49[web全体で公開]
😶 トーキョーN◎VAってどんなゲーム?
 GMをやるに当たりまして壁になるものは色々とありますが、その中の1つは敵や罠などのPCの障害となるデータの作成と管理でしょう。同じようにPCを制作するに当たっても、特殊能力や技能や魔法と言ったデータの選択や付随するルールの把握は慣れなければ大変に感じると思います。
 ゲーム内のルールやデータが多ければキャラクターやシナリオの幅は広がるますが、逆にそのせいで思ったようなキャラが作れないと言う事態も往々にして発生します。
 レベルが足りない、クラスが違う、スキルが取れない、サプリ持ってないetc.
 そういったままならなさを上手く昇華して、魅力のあるキャラを作り上げるのが醍醐味ではありますが、たまには心に仕舞い込んだ黒歴史ノートをつまびらかにして自分の中の思春期を具現化させたキャラクターをロールプレイしたくはありませんか?
 そんな方に「トーキョーN◎VA THE AXLERATION」をオススメします。

 はい、一部の方はなぜ?と疑問に思うかもしれませんが、あのトーキョーN◎VAです。
 1993年から現在に至るまで、FEARの看板の1つであり続ける化け物TRPGです。
 子供の頃に、2ndをお年玉やお小遣いをはたいて買ったのはいい思い出。大人たちの理解は得られませんでしたが。

 現行のタイトルですし、世界設定の概要もWikipediaに記載されてるので簡単に説明しますと…

1 「災厄」と呼ばれる、地球の地軸がひっくり返った上に氷河期まで来る大災害が起こりました。

2 何故か日本はほぼ無傷だったけど、当時国外に出てた日本人ごと閉め出して本州を鎖国してしまいました。

3 一応、出島として新星市、通称トーキョーN◎VAという街を作りました。でも後に日本は軍を率いて、N◎VAに進駐しました。

4 特権階級が宇宙コロニーから世界を支配したり、ヤクザやマフィアが抗争したり、スマホ持つ感覚でサイボーグになったり、脳とコンピューターを繋いでるハッカーが遊んでたり、超能力者や魔法使いが歩いてたり、ゴルゴ並みのスナイパーとか岩を剣や素手で割る武術家がわりと居たり、四国が腐海に沈んでクリーチャーが生まれたり、北海道の方で魔界の門的なものが開いてファンタジー種族が復活したり、最低野郎とかレイヴンとかみたいな人が戦場で暴れたり、世界中のAIに自我が芽生えて凌辱系エロゲーのヒロインが人権求めて裁判したり、ボーカル系音楽制作ソフトのキャラが芸能界デビューしたり、宇宙人とか未来人とか異世界人とか名乗る人が出たりしましたけど、みんなたくましく生きてます。

 以上、一部を紹介しました。20年以上の積み重ねで、とてつもなく混沌とした世界になってます。普通だったら、世界観リセットするか別のゲーム作ってます。

 ですが、そのお陰で作れるキャラクターの幅も凄い事になってます。
 キャラクターの生き様を表す22+9種類の「スタイル」を3つ選ぶことでキャラクターを組むのですが、それにより少なくとも上記4で書いたキャラは全てPCとして作成できます。多分、現代・近未来・ファンタジーなどジャンルを問わず、ほとんどのキャラを組むことが出来ると思います。

 要するに、銃を撃つキャラと札束で殴るキャラとスクールアイドルとパパラッチとミュータントと吸血鬼が、同じステージでチームを組んだり潰しあったりできるゲームです。

 また、判定方法も独特で、ダイスを振らずに手札から出したトランプで判定する方法を取ってます。カード運にも左右されますが、完全にランダムなダイスと比べると手札で握れる分、活躍できるシーンをコントロールしやすくなってます。折角、強いキャラを作ったのに、戦闘でファンブル出して活躍の機会を逃すみたいな事が起こりにくいシステムです。
 それでもダメだという場合でも、このゲームには各スタイルごとに設定された「神業」という強力なブレイクスルー能力があります。例えば、どんなものでも一撃で倒せる神業や、お金で買えるものならば企業だろうと人間だろうと買い上げられる神業、冤罪関係なく罪状を突きつけて社会的に消す神業など凶悪なものが揃っています。

 しかし、経験点が存在して技能や特殊能力がある以上、完全に思った通りのキャラクターが作れるとは限りません。

 …はい、ここまで引っ張ってきましたが、トーキョーN◎VAをプレイした事がある人ならば大体知っているかもしれませんが、このゲームにはもう1つのルールが存在します。
 1995年の2ndで実装されてその後は通常ルールに統合される形で消え、現行シリーズAXLERATIONのサプリのクローム・メモリーズでリメイクされた「クルードルール」です。

 粗雑という意味のこのルールは、その名の通り能力値、技能、アイテム類といったほとんど全部のデータを除いてしまったという正に雑なルールです。通常ルールにあったアイテムや技能などのデータは、クルードにおいては判定する時の演出用のフレーバー程度の存在です。
 スタイルを3つ選んで、トランプのスートを被らないように1つずつ各スタイルに当てはめる。最後にスタイルに対応する神業とプロフィールを記入すればキャラの完成です。
 あとは好きなように演出しましょう。データなんて飾りです。

 ちなみに、トランプの判定も見るのは数字ではなくて、ジョーカー>エース>絵札>数字札という序列で判定します。
 …AFF、ヴィルガストと数字データの種類が減っていって、ついにデータどころか数字そのものが無くなりました。強いて言うなら、スタイルにふられた番号とか年齢に身長、体重だけです。

 このクルードルール、見るからに簡単そうで初心者向けな様ですが、実は違います。
 このルールで作ったキャラクターは、スタイルという骨組みにプレイヤーが考えた設定で肉付けしただけの存在なので、ルールやデータによる裏付けやフォローが一切ありません。
 二刀流の剣士を作ったとして、通常は武器データやアビリティを修得していてそれらを使えば二刀流を表現できますが、クルードの場合、判定の度に二刀流ロールプレイをしなければ、他の武器を使ってるキャラと見分けがつきません。
 クルードルールでプレイするには、ぶれないキャラ設定とそれを表現し続けるロールプレイが必要になります。
 逆を言えば、設定にこだわるタイプのプレイヤーやロールプレイ大好きなプレイヤーにはぴったりのシステムだと思います。
 GMの立場から見てもNPCを作るのが簡単で、なおかつ作れるキャラクターの幅が異常なほど広いので、やろうと思えばヤクザ物や法廷劇、アイドル作品や刑事ドラマにホラー系などジャンルや世界観を問わず様々なシナリオが出来ます。
 もっとも、全員のノリと勢いが大事なんですが。むしろそれがないと回りません。

 オンセでプレイするにはトランプが使える環境が必要ですが、ルールも前述で雑と書きましたが必要最低限のルールは整っています。

 大変なところもありますが、ともすれば淡々とダイスを振るだけになりがちな戦闘も、クルードならカードを出す度にアクションやリアクションや台詞のロールプレイ合戦になります。
 たまには、憚ることなく好きなキャラを全力でロールプレイするのも楽しいものだと思います。
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