シナリオセット【ゴブリンスレイヤーTRPG】緑の森の探索依頼の内容

【冒険の導入】
冒険者であるあなたたちは、今日も依頼を探しに、この冒険者ギルドにやってきました。
受付嬢によると、いくつか、グルーネヴァルトという森での探索の依頼が集まってることを教えてもらえます。
皆さんは、取り敢えずこの依頼を受けることにしました。

以下受付嬢のサンプルセリフ
「皆さん、この依頼を受けてくれてありがとうございます」
「ずっと出している依頼なのですが…報酬が少なく、中々人気が無いようなので…」
「今回、三つの依頼をまとめて一つの依頼としました」
「これなら、等級の高い皆さんでも十分見合った報酬になると思います」

「先ずは最初、薬草採取の依頼です」
「これは町の道具屋を営むエルフからの依頼ですね」
「最近冒険者が増えたのか、ポーションを買っていく人が多いそうです」
「そろそろ材料が足りなくなるそうなんですが、獣が襲ってくる恐れがあるので一人で行けず、皆さんに森まで取りに行ってきて欲しいそうですよ」
「ノルマは基本３０個」
「そこから１個増えるごとに、１銀貨が追加の報酬となっていきます」
「次に、宝箱探索の依頼です」
「これは骨董品屋を営むドワーフの依頼ですね」
「魔法の宝箱の地図を手に入れたそうなんですが、その場所がグルーネヴァルトで、あまり店を開けて取りに行けないそうです」
「代わりに探して持って来て欲しいとのことです」
「最後に、蛇退治の依頼です」
「グルーネヴァルトはかなり多くの動物が生息してるのですが、中でも今大蛇が大量発生し、なんと蛇王が出て縄張りをつくっているそうです」
「狩人のレーアも手こずったらしく、冒険者の力を借りたいとのことです」
「それから、グルーネヴァルトでは毒蛇を見たといううわさも聞きます」
「もし倒せたらいい成長が出来るでしょうが…無理はしないでくださいね」

ここで、受付嬢が依頼をまとめた依頼状を提示してもいいでしょう

依頼：森の探索
依頼人：冒険者ギルド
依頼内容：薬草採取、蛇退治、宝箱探索
依頼報酬：一つ達成毎に一人10銀貨


「余程の事がない限り、日帰り出来ますので、明かりの類は必要ではないと思います」
「また、グルーネヴァルトの怪物を退治した際、証を持ってくると報奨金が出ます」
「余裕があれば倒してみてくださいね」
（具体的には怪物LV分の銀貨が手に入る事としてください）



以下、PLやPCに聞かれた場合、或いは事前に知らせても良い追加情報

＞薬草について
薬草の特徴を教えてもらえます。自然豊かなところでよく生えている普通の薬草です。根こそぎ取り尽くせる程少なくはないので、遠慮せず採取していいそうです。

「薬草自体はそんなに希少性のある物ではないのですが、場所が場所ですからね…」
「皆さんなら、すぐに見つけられると思います」
「グルーネヴァルトはかなり広いので、一日でとりつくすことはできないと思いますよ」


＞宝の地図について
地図を見ると、周辺大陸を記された地図に、グルーネヴァルトの中に大雑把に印がある、というだけで、場所がグルーネヴァルトという事しか分かりません。
どこか遠い地方で書かれた物かもしれませんね。


＞蛇王・毒蛇について
ちゃんと聞けば、データを教えてもらえます。石化に対して嫌なそぶりを見せるか、受付嬢に嘆願すると、試作品の上位解毒剤を一つ渡してもらえます。
これは、ポーションの液体が皮膚からも浸透するタイプで、外部から石化を解除することが可能です。
しかし、一日しか効能が持たず、依頼の後は役に立たなくなります。


＞探し方・優先・期限について

「目的の品は、グルーネヴァルトに行けば、『何となく』見つかる気がするそうですよ」
（観察と第六感を使えば見つかります）
「特に優先順位はありません、期限もないので、ゆっくり安全に探索なさってください」
「どれも、ずっと白磁への依頼として、売れ残った物なので…はは…」

準備が整い、PC達の確認が取れたら、【グルーネヴァルト】へ

【グルーネヴァルト】

グルーネヴァルトは、歩いて３時間ほどの所にあります。
目標値１２の長距離移動判定を行ってください。
失敗した場合、１ｄ３の消耗を発生させてください。


以下、グルーネヴァルトの描写です。
～

森はかなり広く、抜けるだけでも数時間かかりそうなくらい広そうです。
まばらに木漏れ日が差し込み、見渡すには十分な明るさです。
しかし、木々はかなり密集して生えており、幹に隠れて見えない範囲が多いです。

～
　
ここで、７ｘ７マップを使用します。
　 ａ  ｂ  ｃ  ｄ  ｅ  ｆ  ｇ
１
２
３
４
５
６
７　　　　　 ◎

一党は７－ｄの位置◎からスタートします。

GMはセッションを行っている場所の外で、別途同じマップを作成してください。
1d3（123）と　1d7（abcdefg）　でボスと宝箱の場所を設定しましょう。この場所はPLには見せません。後ほど行う探知判定にて、探してもらいます。GMだけが管理できるようにしておきましょう。


次に、GMは次の二つのルールをPLに伝えてください。

～～～～～伝える物～～～～～
探索基本ルール
毎回、新しい区域に入るとイベントダイスを振る
一つのマスの探索時間は10分
基本200ｍ四方
１マス移動する度に継戦＋１
２マス移動すると消耗＋１
２マス移動した場合、経路上の宝・敵は無視される
～～～～～伝える物～～～～～

～～～～～伝える物～～～～～
薬草採取と宝箱探索とボス探索のルール
薬草は、その場で観察をすることで採取可能
１２で成功　以降３おきに１つずつ追加
（１２→１　１５→２　１８→３…）
30個がノルマ（調整可能）

宝箱は、全員の観察達成値合計が１００毎に探知可能（調整可能）
探知時に、宝箱マスまでの距離が分かる
この時の達成値を薬草採取と兼ねても良い（推奨）

ボスは、全員の第六感達成値合計が１００毎に探知可能（調整可能）
探知時に、ボスの方向が分かる
第六感で１８（調整可能）を超えると、ボスの移動した方向が分かる

PC移動　→　敵移動　→　位置探索　の順
敵のいる位置にPCが移動するか、PCのいる位置に敵が移動してくるとボスエンカウント

今回、この卓では、観察判定で宝箱を探すのと、第六感判定でボスの位置を探す判定をまとめて『探知判定』と呼びます。

通常状態で探索が終わった後、携帯食料と時間を消費して休憩することが出来、継戦を３回復することが出来ます（処理としては、報酬から８銀貨消費）
～～～～～伝える物～～～～～

GMは、探知判定が終わりそれぞれの合計達成値が目標値を超えていた場合、宝箱なら現在位置からの距離（マス数）を、ボスなら現在位置からの方向（大雑把に斜めの４方向）をPLに開示してください。

探知判定が終わったら、GMはPLに一人ずつ１ｄ６のイベントダイスを振らせてください。

イベントダイス
１　敵　急襲！
２　敵　気配察知　　
３　薬草半分
４　薬草二倍
５　泉　２ｄ６回復　１消耗回復
６　アイテムドロップ

１：敵に急襲されます。第六感判定で、２ｄ６＋敵LVを目標値として失敗すると、敵に不意打ちされます。成功しても有無を言わさず戦闘開始です。敵も最初から敵意があります。

２：敵の存在を察知します。敵はこちらに気づいておらず、不意打ちをする事もそのまま逃げることも可能です。逃げる際は隠密は要りません。


戦闘ダイス（全て動植物。1d4でLVを決め、次の列で数を決め、最後に何が出てくるかを決める）
１　2d4　1d4
２　2d3　1d7
３　1d6　1d7
４　1d3　1d3

敵の出現位置は、本格戦闘の場合、40ｍ四方のマップを用意し、それぞれ2B40で決める
敵が何処に出現したかを見てから、一党は中央の５ｍ四方の中に自由に配置可能


３：どうやらこの周辺にはあまり薬草がないようです。しかし、大きな怪物の気配がしっかりと感じ取られます。このイベントを起こす直前の薬草採取量を、切り上げ半減させ、ボスまでの距離が判明します。

４：この周辺では薬草がたくさん見つかりました。どうやら薬草の群生地を見つけられたようです。このイベントを起こす直前の薬草採取量を二倍に増やし、達成値が１２未満だった人も薬草を一つ発見してください。

５：あなたたちは森を探索していると、綺麗な泉を見つけました。かなり環境がいいようで、水も空気も澄んでおり、怪物の気配はしません。ゆっくり羽を伸ばして休憩することが出来るでしょう。
ここで休憩することにより、継戦３、消耗１、負傷点２ｄ６回復できます。
尚、一つ発見した場合、そこを使えるのは一度のみです。

６：宝箱を発見します。この宝箱は、地図で探している物とは違うと直感します。更に２ｄ６を振り、宝箱のレベルを決めます。罠解除目標値は１５です。

アイテムダイス
2:罠アリ　中身ナシ
3-5:罠アリ　銀貨*宝箱のレベル値（3-5）*人数
6-8:罠ナシ　使い所の少ない道具（ずた袋や石弾数個等）
9-11:罠ナシ　有効な道具（水薬等）
12:罠ナシ　魔法の道具（普通の定価が50銀貨までの魔法の装備＋１）


説明が終わったら、宝箱かボスに遭遇するまで以下のルーティンを続けてください。

探知判定　→　位置情報開示　→　イベント　→　PC位置移動　→　探知判定

宝箱と同じマスに辿り着いた場合、【宝箱発見】へ
ボスと同じマスに辿り着いた場合、【ボス発見】へ

【宝箱発見】
では、あなたたちは探索の末、宝箱の気配がする区域に到着しました。
ここで、目標値１５で観察判定を振りましょう。
成功した場合、不自然な地面の出っ張りを見つけます。
掘り起こすと、豪華な装飾のされた金ぴかの宝箱が出てきます。
（適宜かなり綺麗な宝箱である、と追加で念押しをしてよいでしょう）
あなた達は、これが地図の、探していた宝箱であることを直感します。
観察判定で調べると、１２以上で鍵がかかっている事、１５以上で罠が無い事が分かります。
鍵開け手仕事の目標値は１５です。
中身は、指輪と小剣（GM判断で任意の定価銀貨50枚まで且つ、あまり大きくない装備に変更可能）が一つずつ入っています。
鑑定判定（鑑定技能必要）で１２、観察判定で１８を出すことで、これらがそれぞれ水中呼吸の指輪と魔法の小剣＋１であることが分かります。

ここでGMは、PCが何を持って帰るかを明確にしてください。
具体的には、①中身だけを持ち帰るか、②箱ごと持ち帰るか、③中身を開けずに箱ごと持ち帰るか、そして、場合によっては④箱の中身を横領するか
の四つのいずれに該当するかを判断し、処理してください。
【ギルドへ報告】へ移動する際に参照します。



未だボスを倒しておらず、ボスを倒すつもりのPCが居れば【グルーネヴァルト】へ
ボスを倒しているか、ここで帰還するつもりであれば【ギルドへ報告】へ

【ボス発見】
では、あなたたちは森を進んでいくと、確かに蛇の気配を感じます
そして、蛇の這いずる音が聞こえ始めます
段々それは大きくなり、遂にその姿を現します
蛇に囲まれて出て来たのは…
蛇を統べる王、その名も〈蛇王〉バジリスク
あなた達を発見すると、森に響く警戒音を出します
そうすると、蛇王の支配下にある怪物たちが集まってきます
蛇王の声に集まった蛇は、蛇王の周りを囲み
更に、あなたたちの四方を他の大蛇が囲んでいることが分かります
冒険者達に、蛇の王が睨みつける…！
戦闘開始です



では、GMはここで、ボス戦を準備してください
会敵距離は、２ｄ６ｘ３ｍで決めてください
ボスは蛇王一体
取り巻きとして、蛇鶏・蛇女・大蛇・岩蛇・毒蛇を蛇王の周囲に配置してください
蛇鶏と岩蛇は、別途【怪物データ】の欄を参照してください
また、戦闘開始前に、怪物知識判定を振ってもらい、１９以上が出た場合、次の情報を伝えてもいいでしょう
また、怪物知識判定の最高値が１６以上１９未満となった場合、祈念を行う事で追加の情報を教えても構いませんし、GMから率先して祈念を使う事を提案しても構いません
『蛇王は、周りの蛇を従えて襲ってくるつもりだ』
『取り巻きは、毒蛇を除いて、蛇王がやられてしまえば逃げるつもりだ』
『毒蛇は、最後の一匹になろうと立ち向かってきそうだ』
つまり、蛇王以外は蛇王が生きている限り蛇王への支援を続け、蛇王を倒せば取り巻きは散り散りになり、毒蛇は残って一匹で襲うようにGMは行動させてください

無事倒せたのなら、素材を剥いで討伐の証を採取してもらいましょう
毒蛇が残っている場合、主行動を費やす事で素材をはぎ取る事が出来ます
次のRの先制判定の前に逃亡を試みる事で、毒蛇を倒さずに離脱することが可能です


未だ宝箱を開けておらず、宝箱を探すつもりのPCが居れば【グルーネヴァルト】へ
宝箱を開けているか、ここで帰還するつもりであれば【ギルドへ報告】へ

【ギルドへ報告】
シーン移動時、グルーネヴァルトの奥地に居たとしても、時短の為に移動を省いても構いません



では、皆さんは緑の森から脱出し、ギルドで報告を済ませました

（以下は、全て依頼が達成された場合の描写を示します、随時達成状況に合わせて描写を変えてください）

今回の依頼も全て無事に達成し、皆さんの功績はギルドからも認められることでしょう
また、薬草はかなり収穫でき、道具屋の森人からも後々感謝の手紙が届きました
また、狩人の圃人からも、蛇退治をやってくれたおかげで狩猟環境がよくなった、という感謝が届きます
そして、骨董品屋の鉱人ですが
どうやら入っていたのは魔法の道具らしく
水中呼吸の指輪と、魔法の小剣＋１が入っていたとのことです

ここで、【宝箱発見】の時のフラグにより、ルートが少し変化します

①中身だけを持ち帰る
鉱人からは、宝の発見に大いに喜んでいる、という感謝状が届きます

②箱ごと持ち帰る
鉱人は宝箱とその指輪を気に入り、小剣はみなさんに渡してくれることとなりました
ここで、戦利品に魔法の小剣＋１が追加されます

③中身を開けずに箱ごと持ち帰る
鉱人からは、『宝の発見に大いに喜んだが、街の鑑定屋に宝箱を開けてもらう際、少しぼったくられてしまった。この銀貨はせめてものお礼だ』、という後日談の書かれた手紙が届き、一人銀貨５枚が添付されています
戦利品に銀貨５枚＊人数分が追加されます

④箱の中身を横領する場合
処理としては宝箱の依頼は失敗という扱いになります
一党は戦利品に「水中呼吸の指輪」と「魔法の小剣＋１」が追加されます
しかし、戦利品として手に入れた人、又は黙認した場合は一党全員が、幸運判定を振り、９以下が出た場合は横領が発覚します
このタイミングでの祈念は出来ない物とします
横領が発覚したPCは、罰として白磁への降格処分を行い、その町での冒険者稼業禁止、所謂出禁となり、GMが望む場合はPCをロストさせても構いません


依頼を一つでも成功させて帰還し、冒険を終了した場合は、その時点で依頼達成とみなして、冒険回数と冒険達成回数を１増やして構いません
経験点は1000点、成長点は３点、毒蛇を倒せていたら更に成長点１点が貰えます
報酬を計算し、魔法の小剣＋１が手に入り、欲しい人が居れば、「60＊（人数ー１）／人数」（つまり四人ならば45銀貨）の金額を払い、買い戻ししても構わないでしょう

また、薬草をノルマの倍以上採取できた場合、森人の商人が機嫌を良くしてくれます
冒険終了時に申請する事で、「治癒の水薬」「強壮の水薬」「解毒剤」の三つを、半額で販売してくれます
個数に制限はありません



これで冒険はお終いです。お疲れ様でした。

【怪物データ】
『蛇鶏』：基本はルールブックP589と同じですが、支援効果を「命中判定＋１」にしてください

『岩蛇』：識別値:13　　分類：動植物
モラル：6　　　レベル：4　　生命力：20　　呪文抵抗：14　　移動力：15
先制力：1d6　　回避：14　　盾受け：なし　　装甲値：4　　知能：本能
攻撃：牙 / 近接 / 命中：15 / ダメージ：1d6+5＋1d6
支援能力　ボスの装甲に+２ / 射程５ｍ

特殊能力
「【護衛(初歩)】」
「岩の体」 / 斬・刺攻撃に対して装甲値＋２
「締め付け」 / 達成値[14]/主行動で使用する。近接の対象1体は回避判定(技量反射)を行う。失敗すると巻きつかれ、ラウンド終了時に「3d6」点のダメー ジを受ける。巻きつきは自動的に継続し、対象が自身の手番で脱出判定(体力集中) に成功しなければ抜け出せない。