七月さんの日記を全て見る
😊 4/14 ケダモノオペラ「ブドウの血の聖女」 (▼ ネタバレを含むコメントを読む。 ▼)かわかっこよくて頼りになるヤミオオカミのフェンリルさんと旅の群れにて通過させていただきました! 素敵な物語で余韻冷めやらぬ!というセッションでした。ついついこれからのケダモノたちに想いを馳せてしまいます。 そしてお部屋やBGMも素敵でより物語に没入することができ、描写もわかりやすく、初めてのテキストセッションでしたがとても楽しかったです。GMのめぎどんさん、PLのぎんじょーさんには感謝の気持ちでいっぱいです! やっぱりケダモノオペラっていいな。 ありがとうございました! * 伝説「青空から日暮れ色へ」 ある街で聖女が魔女として糾弾された日から少しの時間が流れました。 ケダモノに連れ去られた彼女が街に戻ることはなく、人々は魔女の報復を恐れました。 貴腐熱は猛威を振るったまま、しかも彼女のいた孤児院のこどもたちが一人また一人と姿を消していく。 人々は長い間恐怖と共に生きることとなりました。 ――街から遥か遠く離れた闇の森の近郊にて。 家とも呼べない小さな洞窟で、身を寄せ合うように生きる修道女と孤児たち、そしてケダモノの姿がありました。 そこでの暮らしは厳しいものでしたが、子供たちが成長するにつれ大工仕事や畑仕事を請け負うようになり、また行き場のない人々が集まることで、1軒のあばら小屋、数件の家屋、そして集落へと発展していきました。 ケダモノは最初こそ助けを必要としているニンゲンの元へ赴き集落へ案内したり、食事や資材の調達を援助したり、襲撃者を撃退したりと手助けをしていましたが、その場所が発展するにつれ遠くから見守るようになりました。 その間、ケダモノが人間を食らうことは一度もありませんでした。そして不思議なことに、その集落では貴腐熱が流行することはなかったそうです。 そうして50年ほどの月日が流れ、とうとう修道女の命が尽きる時が来ました。 ケダモノと修道女は友でしたが、ゆっくりとした歩みでケダモノの住処へとお礼を告げに来た彼女との別れは、どうしてかケダモノにとってとても暖かなものでした。人を生き返らせる術を持つケダモノでしたがその力を使うことはなく、代わりに自分の住処に石碑を建てました。そこには集落で命を落としてしまったニンゲンのための石碑も数多く建てられていました。彼女たちの本当のお墓は集落にあるのでそれは形だけのものでしたが、ケダモノは石碑の並ぶ古戦場の景色が好きでした。誰かと過ごした時間を思い出すような気がするのです。 修道女が亡くなった後もしばらく集落を見守っていたケダモノでしたが、更に長い月日が経ち、集落から村へ、村から街へ、そして、その場所の起こりとなった修道女の名前も忘れ去られたころには、もうすっかりそこを訪ねることはなくなっていました。 さて、永い時間は物事を変容させてしまうもので、再びひとり住処で暮らすようになったケダモノはまた人を連れ込み食らうようになっていました。ケダモノがケダモノの本分を忘れニンゲンを食らわずにいられた時間は、奇跡のひとときだったのかもしれません。 ケダモノの住処には、ひとつだけすっかり風化してしまった木のボウルがありました。 ボウルはケダモノなりにニンゲンをもてなす際にティーカップとして使っているもので、古くなれば新しいものに作り変えるのですが、そのひとつだけはどうしても捨てられずにいました。遠い昔に親交の深かった修道女にお茶を振舞った時、なぜかその隣で空になっていたものです。あの日からとても長い時間が経っていましたが、その光景はまるで昨日のことのように思い出せるのです。 ――あの時、どなたかいらっしゃっていたのかしら?だけど、いったい誰が?―― 謎はいつまでも解けることはなく、永い孤独の友としてケダモノの心を慰めました。 やがてケダモノは住処を離れ旅に出ました。 遥か昔、住処を離れる選択肢などなかった自分が何故か旅に出た時のように。 修道女と友になったあの日、住処に訪れていたはずのもう一人の客人を探すために。 そして青から橙色へ。ケダモノの旅が始まったのでした。 青:奇跡 オレンジ:絆 * ゲーミング薔薇かな?ってくらい色の変わるマンドラバラだなあ。 PLの小さい脳みそで幸せな〆を模索した結果、疑似餌にはオペラでテレーズの死(しかもマンドラバラ本体が食った)を覆してくれたフェンリルさんの記憶をなくす選択肢を取らせるしかなく、大変心が苦しくなっておりました。戦場を巡る旅の群れかあ…リリス(疑似餌)にとっては救いだっただろうな、とずっと思っていましたゆえ… リリスには記憶がなくともフェンリルさんを探しに行ってほしいと思います。 DQⅡのサマルトリアの王子みたいになりそうだなと思いつつ…ならないことを祈りつつ。
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