黒いカーテンの1枚向こう側

kangetsu

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登録:2020/04/06 20:38

更新:2020/04/06 20:44


「マスター、サンドポイントでも『仕事』が始まったとの報告が入っております。あのフォックスグローブの小僧っ子、意外に役に立っておるようで」
「ああ。『ネズミ』は『カマキリ』達に良い値で売れた。また我々の『仕事』も、意外とこなしているようだ。殺ればできる男だったのだろうな。生前からその才覚を使っておれば良かったものを」
マスターと呼ばれたものの軽口を、しかし従う者は気づかないフリをした。

「しかし、あの小僧は我々と違ってこの手の仕事に手慣れてはいない。余計な手がかりを残してしまっているのではないか、不安は残ります」
「ああ、君たちのマグニマールでの仕事は完璧だ。奇怪な殺人事件、犠牲者の胸には奇怪な文様、これらが示すのは何か。・・・・・・すべて事が成りし時、ノルゴーバー神の思いは明らかになるであろう。もちろん、我々以外の凡愚にはとうてい考えの及ぶところではない」
「あの小僧っ子に、なぜ我々の仕事の一端をさせることに決めたので? ノルゴーバー神のお導き、とは言うますまいな?」
従う者は問い詰めるように、「マスター」と疑問を投げかけるが、さすがに最近現れたあの怪しい女の指図か、とまでは聞かなかった。
「君は知らないかも知れないがね、アルダーン君の先々代、ヴォレルさんはこの『集まり』の主要なメンバーだったのだよ。もっとも、彼は自身の大望『リッチになる』ために、途中でこの集まりからは去ったが、その際にも我々は彼に金銭的な貸しを作ったのだ。
「ご先祖さまの負債を贖うため、アルダーン君はすべてを投げ出して働いてくれている。それにね、マグニマールでは君たちの繊細な仕事ぶりが必要になるが、サンドポイントごときの田舎町では彼で十分なのだよ。」
マスターと呼ばれた男は、同意を求めるように従う者に目線を向けた。従う者は、それはどうもと肩をすくめて答える。

「加えるとだ、マグニマールでの次のターゲットはちょっと大物だ。やりがいがあるぞ。・・・・・・あの貪欲な男が殺されたとなると、この街は蜂の巣をつついたような騒ぎになる、楽しみじゃあないかね!? そんな時に、うちの手練を他所に割くわけにはいかないさ」
熱っぽく語る「マスター」に、従う者はとりあえず同調することにした。
たしかに、次のターゲットの殺害は我ら「ブラザーズ・オブ・セブン」の輝かしい実績となるだろう!
・・・・・・しかし、この一連の「仕事」からは、今までのそれとは何か違う雰囲気を感じるのであった。

ーおしまいー


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コメント一覧

kangetsu
3. kangetsu
2020/04/07 00:40
パスファインダーのシナリオにありがちなのですが、悪いNPCは彼らなりに行動の理由があって策動しているんだけれども、セッションではそう言った事柄を語る間もなく儚く散ってゆく・・・・・・w

なので、ちょろりと仄めかして見た次第なのでした。

ノルゴーバー信奉者の中でも、Father Skinsaw を崇める連中はちょっとSANが不足してるんじゃないかと思います・・・・・・。
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現人虫
2. 現人虫
2020/04/06 23:28
 PTの面子は交渉はまだしも調査とか得意じゃないからこういう秘密結社を探るのは不得手そうなのですよな。
 さて大きな事件が起こりそうですが、それにPC達がどうかかわるのか……楽しみです。
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eri
1. eri
2020/04/06 23:20
ヒィー、グールねずみがカマキリなる者の所に…!!((((;゚Д゚))))ガクガクブルブル
この黒幕も邪神もコワイ!ドラゴンより話通じなそうですし!((((;゚Д゚))))ガクガクブルブル
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