フレッシュゴーレムの「スケアクロウ」は卓越した死霊術師、ヴォレル・フォックスグローブにより作成されました。 そしてその後の諸々の実験の結果として、ゴーレムでありながら自我を得るに至りました。 本当に、ヴォレル・フォックスグローブは優秀な術者だったのです! ヴォレルによって寄贈されたスケアクロウは、数十年の間ブラザーズ・オブ・セブンの守護者として働いてきました。 幸か不幸か、スケアクロウもブラザーズも共通の「趣味」を持っており、その関係は良好でした。 しかし、「蛇女」ザネーシャが来て、両者の間には距離ができるのです。 フレッシュゴーレムには魔法は効かず、そのためザネーシャお得意のチャームはスケアクロウには効きませんでした。 しかし、魔法の力を借りずとも、彼女にはこのゴーレムの気を惹く魅力的な提案があったのです。 「妾は今、古い時計台を根城としておるが、そこは今お主のいる製材所より遥かに広いのじゃ。それだけではない、アンダーザブリッジ地区にあるため、人は決して少なくなく、それでいて多少行方不明者が出たとて、誰も気には留めぬ。 「それにのう、ほれ、お主の相棒アイアンブライアーも、もはや妾のモノのようなものではないか。あの者と組むよりも、妾と組むほうが、よほど面白いことができると思うのじゃが・・・」 かくして、スケアクロウはザネーシャの部下として転籍し、シャドウクロックの1階に住むこととなったのです。 ザネーシャの言う通り、シャドウクロックは広くて静か、また気が向けば簡単に犠牲者が見つかる、素晴らしい住まいでした。 近所では、人を襲うスケアクロウがいるという噂をもとに歌まででき、彼自身その歌を気に入っていました。 ある日のこと。 お気に入りの住まいで、自分の歌を共通語から地獄語への翻訳を行っていたスケアクロウは、見慣れない一団に地獄語で話しかけられたのです。 アイアンブライアーの知り合いであると名乗る彼らは、なんだかうさんくさい感じがしたのですが、久しぶりに地獄語で話ができる相手に出会い、ついつい彼らに耳を傾けることにしてしまったのでした・・・・・・。
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