マーテラ・ロシード配下のエージェント達は、ヤンマスでのトラブルを無事解決して商人理事会の支持を得て、またカリウス皇子(?)の救出に成功した。 ヤンマスの市民達はユートロピア皇女が申し出た支援に圧倒されると同時に、マキシラール・ピタレウスの裏切り(ヤンダー太守による種々の策謀)に嫌悪の念を抱き、そのため彼らは(そしてエイヴィン県のほとんどの住民達も)王冠戦争においてユートロピア皇女に公の支持を与えることとなった。 エージェント達はカリウス皇子(?)を連れて、バードソング宮殿へと戻った。 マーテラはすぐに、皇子の子供時代に関する詮索めいた質問をし、皇子が生きていた頃の様々なスケッチや描写と彼を比較するなどして、カリウス皇子を自分自身で調べた。 この若い男性は何もかもを思い出すことは出来なかったが、しかし彼が覚えていることはこれらの証跡と大きな隔たりは無かった。 彼女は、皇子の真偽を確認するため高位の信仰呪文の使い手の力を借りることとし、ロシーダーにいるレディ・ペイリルを呼び寄せることとした。 マーテラは、オフィスに彼女の配下のエージェントを集め、自らお茶を手渡しながら現在の状況を語った。 「私達はレディ・ペイリルが私のお願いした家族の記録を街から持って到着したらまた皇子(?)の調査を始められるでしょう。 「たとえ現時点では何を成し遂げたのか正確には分からないとはいえ、あなた達がしたことはとても素晴らしい仕事だったのだということをわかってもらいたいです。 「もし他に何もなければ、我々はピタレウスがただ単に卑劣な行いをしただけではないことを知っているのです;どうやら彼はカディーラへの憎しみという昔からの憎悪を煽ろうとしているようですね。恐らく、我々を新しい戦争に引きずり込むことさえするでしょう。 「ですが今のところは、家に戻り休んでください。大将軍について、あるいは皇子について何かわかればすぐに連絡をしますね」 その時、オフィスの頑丈な扉が開き、マーテラは現れた2人の女性を目にして言葉を呑む。 一人は、レディ・ペイリル。マーテラが招請したアーバダーの司祭 もう一人は、ユートロピア皇女。突然マーテラがアーバダーの高位の司祭を呼び出したことが目を引き、彼女に同行してきたのだった。 「マーテラ、何故貴女は、アーバダーの名において司祭をーー」 ユートロピア皇女は、同じくオフィスにいたカリウス皇子を目にして、言葉を詰まらせた。 皇女は弟を抱きしめるために駆けより、よして両者の目には涙が溢れるのだった。 ・・・・・・ それから1週間後のこと。 スターチスの屋敷に、一通の手紙とスタッフ・オブ・ヒーリングを携えてユートロピア皇女からの使者が訪れた。 手紙には簡単にこう書かれていた。 「姉上はあなた達に永遠に感謝するだろう。本当にありがとう。 カリウス・スタヴィアン」
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