これを推します
Kei布教[web全体で公開] 2 | |
登録日:2022/01/06 20:42最終更新日:2022/01/06 20:42 |
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コメント一覧
15. Kei | |
2023/11/27 21:22 |
Don’t Walk in Winter Wood を遊んで素敵でしたのでご紹介しましょう。 DWiWWは足を踏み入れてはいけないと言われる場所に足を踏み入れてしまい、やっぱりここに足を踏み入れてはならなかった、というお話を描くホラーゲームです。ルールに目標として記載されているお話は、「ブレアウィッチ・プロジェクト」「ヴィレッジ」「ジェヴォーダンの獣」「紙葉の家」といった作品。 ルールはものすごく簡単で、ステータスは一つだけ。このステータスがどんどん上がっていて判定がどんどん失敗しやすくなっていくことによって、追い詰められていく恐怖を再現する仕組みになっています。個人的に遊んだ印象としても、ブレアウィッチをTRPGとして楽しく遊べるゲームかしら。 ゲームには中世〜近世を舞台にしたような設定がついていますが、これにとらわれる必要はございません。現代の都市伝説に語られるビルの廃墟でも、神秘に満ちた辺境の星を舞台にしたSFでも、古い文献に誘われるクトゥルフものとしても、もちろんヤバ森ものとしても遊べます。ちょっと工夫すれば、巻き込まれ系としてお話を描くことも、やんちゃながき大将が人が変わってしまうお話だってできるでしょう。 このゲームでは、焚き火を囲んで話す怪談話として、描写は全て三人称過去形にすることが求められています。これがゲームのデザインとしてうまくいっていて、実はとても簡単にロストしてしまうシステムなのですが、それを他人事として描くことができますし、ナラティブに入門する一歩としてもテーマが定まっていて遊びやすい印象ですわ。実際に焚き火を囲んで遊べるくらいに簡単なシステムですし、ゲームの導入として幾つか簡単な怪談話をプレイヤーに語っていただいて、本編に繋げるとうまくいくかしら。
14. 聖岳生馬 | |
2023/11/20 17:24 |
ああ、読んだだけの方には内容が伝わらないかもしれないコメントをしてしまいましたねw いやもう最高ですね。 (キャラクターが)選んだ行動が物語にダイレクトに反映されるのですから! TRPGのさまざまな可能性を探る作品がたくさん出ているんですねぇ。 プレイヤーのマインドセットが(適切に)出来ていないと、意図した傾向になりにくい (というか明後日の方に進みそうな)のが難しいところでしょうか。
11. ポール・ブリッツ | |
2023/11/19 19:40 |
つらくてしんどい……(;^ω^) アリストテレスが「詩学」でギリシア人がなんで悲劇を好むのかについて分析したのを思い出します。 しかしつらくてしんどいのか……(;^ω^)
10. Kei | |
2023/11/19 17:26 |
青灰のスカウトを、短縮版(一回のセッションでの遊び方もルールに記載されています)と全話通しての両方で遊び終えたのですが、全話通して遊ぶことを強く推奨しますわ。 神ゲーでしたの(つらくてしんどいという意味で)。 ダイスの目神様の気まぐれも、さすがに神でしたし(つらくてしんどいという意味で)、それに介入するシステムも神でしたの(つらくてしんどいという意味で)。 PCは成長せざるを得ないし(システム的にも)、成長したくないし(PLのお気持ち的にも)、成長が必ずしもいいこととは限らないんですの(結果として描かれる出来事的にも)。 ゲームを通じての判定の回数は少ないですが、ただの判定、たかが判定がその後の物語に直結していて、ほんとうに悩ましいですし、その結果も、そういう行動をするPCの立場も、そうしようとするPLの意思も、全てが刺さってくる凄いゲームですわ。 短縮版だとこの辺りがあっさり風味になり、確かにはじめて遊ぶにはいいのでしょうが、全話通した時に受ける印象の強さときたら……! つらくてしんどくて、(PCの)その後の人生全てを変えてしまうような出来事を経験できるタイトルかと存じます。
9. Kei | |
2023/10/30 22:40 |
わたくしがたびたび言及している「青髭の花嫁」が DriveThruRPG ハロウィン・プレゼントで無料になっておりますわよ! 加えて Vaesen も! https://preview.drivethrurpg.com/en/featured_promotions?promotionId=Halloween_Treats_RPG_23
8. Kei | |
2023/08/29 21:11 |
ようやく購入して、これは確かに素敵なアイディアと思いましたので、ALICE IS MISSING を紹介しましょう。 ALICE IS MISSING は、3日前から行方の分からない高校3年生のアリスと、彼女の共通の知り合いのPCたちとの物語です。PCたちの動機や人間関係はランダムに与えられ、場所や容疑者のキーワードが最初に提示されて、それについて話すことで舞台の準備(詳細でなくて構いません)をする仕組みになっています。 以前紹介した別のゲームと同じく、ALICE IS MISSING も、システム的に与えられたプロンプトに応える必要があります。ですが、他のタイトルと異なる特徴がございまして、本編は完全にテキセで、本編のプレイ時間は現実の時間で90分です。PCたちは現代の少年少女で、まさしく現代の少年少女のように、グループチャットと個別のメッセージ(だけ)で他のPCとやりとりします。そこに時間経過でヒントが提示され(ヒントは一度に一人のPCにしか提示されません)、そのヒントで示されたプロンプトにどう答えるか、それをどうチャットに流すかによって物語の進行が変わります。 DIscord で遊ぶためのサーバーテンプレートや Bot が公式に提供されていて(アクティベートに購入証明が必要です。もちろん英語で行う必要があります)、オンラインでもとても遊びやすいかと存じます。 そして、このエントリをご覧になって遊びたいと思った方がいらっしゃいましたら、自分で購入して自分で訳す(全部知っていて遊ぶ)か、ここに書かれた以外のことを何も知らずに遊ぶかをとても強く推奨しますわ。
7. Kei | |
2022/11/30 00:46 |
先だって日記の方にも書かせていただきましたが、いまだにこちらでは所持がわたくしだけですので、こちらでも紹介させていただきますわ。 システム的に与えられたプロンプトに応えることでキャラクターができるという方法については以前も書きましたが、今回紹介する「ルサウカ」もそうした方法のTRPGです。ルサウカでは、こちらも先に紹介したスケルトンズと同じく、プロンプトはキャラクター作成時に与えられるのではなく、プレイ中に与えられます。ルサウカは水霊となって人の子の願いを叶えるというTRPGですが、とても特徴的で面白く、そしてプレイもしやすいと思いましたの。 人の子の願いを叶えると書きましたが、ルサウカはシーン制で、願い事をする「嘆願者」の役は持ち回りです。そして、その願いの結末はそのシーンで完結します。つまり、嘆願者はシーンの数だけ登場します。シーン数も決まっていて、3人で遊ぶなら7シーン、4人なら11シーンになります( (PL人数-1) x 3 + (PL人数-2) がシーン数になります)。シーンが進むにつれて時代は移り変わり、嘆願者の願いの形も変わります。 一方でルサウカはPLの数だけで、PLが嘆願者役になったルサウカはそのシーンには登場しません。ルサウカは嘆願者の願いをどのように叶えるかを手札から選びますが、同時にその手札にはルサウカへの質問が書かれていて、それに答えることでキャラクターは形作られていきます。嘆願者はルサウカから提示された手札から、自分の願いを叶えるものがどれなのかを選びます(選ばなくても複数選んでも構いません)。 いずれ手札から選ぶなら、結局最初に配られた手札に対する答えがキャラクターになるのでは、という疑問をお持ちになられるかもしれませんね。そこでルサウカでは、手札はシーンごとに隣の人と交換してしまいます。加えてシーンごとに山札から引きます。自分が迷って使わなかった手札は次の人が使うかもしれず、あるいは自分のプレイでは掠りもしなかった手札が思いもよらない形で使われるかもしれません。 感覚としては、嘆願者という横糸とルサウカという縦糸で複数の物語が同時に語られて、最後には一つの織物になるという印象かしら。わたくしは感銘を受けましたし、しかも無償で公開されていますので、そのうえソロプレイも可能ですので、ぜひお試しあれという気持ちですわ。
6. Kei | |
2022/10/06 02:24 |
昨今のストーリーゲームでは、システム的に与えられたプロンプト(質問)に答えることでキャラクターができていくという方法が主流のようですの。こうしたプロンプトは、旧来のTRPGを遊んでいる方からすれば、キャラクター設定ができなければ答えられないと感じるようなものかもしれませんわね。ですが、ストーリーゲームでは手順が逆になります。プロンプトに答えることでキャラクター設定ができるのですわ。それ以外の設定は必要ありませんし、それ以外の設定が必要になった場合の手順も、隣のプレイヤーが決める、などとなっていることさえありますの。 さて、ここにスケルトンズというTRPGがありんす。こうしたキャラクター作成の概念を理解するのに、スケルトンズはとても良い入門かと存じます。なにしろスケルトンズでは、ゲーム開始時に決めることができるのはその外形だけですの。自分が何者なのか分かりませんし、自分が何者で、どうしてスケルトンになっているのかは、ゲームの進行に応じて質問に答えることでしか表現できません。共に戦うスケルトンとどんな関係だったのかさえ、ゲームの進行に応じて質問に答えることで語ることになりますわ。 そうして、ゲームの最後には、必ずスケルトンたちは破壊されてしまいます。思い出した過去は永遠に塵と消えてしまうのです。このような一回限りというのも、ストーリーゲームの特徴かしら。わたくしは一回限りというのは良いゲームのデザインかと思っておりますわ。