第3話(慶)第3.5部 1
小慶美(シャオ・チンメイ)幕間[web全体で公開] 0 | |
登録日:2023/01/30 16:53最終更新日:2023/01/30 16:53 |
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コメント一覧
39. アイン | |
2023/01/31 16:17 |
ダニエル「…話は以上ですか?では、失礼いたします。」 アストラ「あっ……」 呼び止めようとするも、彼が席を立ち、背を向けてあとにするのが早かった。 疑問は無くなるどころか、増えていくばかりだった。 依頼を受ける彼は、どんな心象を持っているのか。過去の彼に、一体何があったのだろうか。 …だが、これ以上は、彼に介入し、彼の口から聞くことはできないのだろう。 アストラ(…どうか、貴方の意思と選択の先に、意味のある未来がありますように) かすかにそう祈りつつ、アストラは手続きを続ける二人の元へと戻っていった。
38. アイン | |
2023/01/31 16:15 |
ダニエル「………っ」 アストラは、こちらの緊張を解すために、穏やかな口調で、こちらに微笑んでくれている。 …だが、ダニエルはやはり、自分の胸の内を明かそうとはしなかった。 ___明かしたところで、お前はその結末を、すでに見てきただろう? ___誰も信じようとしない。誰も受け入れようとしない。寧ろこちらに糾弾してくる。 ___自分の身の方が可愛いから。その世話だけで、精一杯だから。 ___あぁ。この世界は、「自由」なのだから。 ___抱え続けるんだ、ダニエル。 ___お前の唯一の味方は、もうここにはいないのだから。 ___罪を抱えて、穢れきって、誰の手にも差し伸べられることなく、誰の目にも向けられることなく、苦しみ続けろ。 ___それがお前に課せられた、唯一の贖罪なのだから。 ダニエル「……こんな私を拾ってくださったのは、あなた方しかいませんでした。犯した罪しか無かった私に、唯一の場所を与えてくださいました。」 ダニエル「あなた方には、感謝しています。ここで活動し続けることで、名誉を得ていくことで、私の悲願を叶えられそうですから。」 アストラ「…ダニエルさん………」 ”虚構”。にこやかに微笑む彼の顔。感謝の意を述べる言葉。だがそこに、本心からの感情が、こもっていなかった。 まるで、得体のしれない何かを中に詰め込んだ人形と話しているようだと、彼女は感じた。 彼がこの島に上陸する少し前、私は彼の資料を目に通した。 そこに、彼の出生に関する情報も載っていた。 商標権を支配し、一国の乗っ取りを企て、協力していた友すらも始末しようとした罪で捕まった大罪人。 犯行に対し、彼は強く否定し続け、最後まで最後まで反省する素振りはなかったという。 故にアストラは、いつも疑問に思っていた。 そんな彼が、なぜここまで従順なのか。恨み言一つ言わないのか。討伐も、先の言葉も、何も思うことはないはずなのに。 そして、”彼にはまだ、帰る場所が残っているというのに”、なぜいつも孤独で、どこか寂しそうにしているのか。
37. アイン | |
2023/01/31 15:30 |
アストラ「…あぁそうだ、ドークス、パーダ。彼にまだ、もう少し話しておく必要があるので、先に二人で手続きを進めてください。」 そう言ってアストラは二人を行かせて、部屋に残るのはダニエルとアストラの二人きりとなった アストラ「…こうして話すのは初めてですね、ダニエルさん……いえ、『執行人』。」 その言葉を聞いた途端、ダニエルは苦虫を噛み潰したような表情になる ダニエル「……その二つ名で呼ぶのはやめてください、アストラさん…。」 アストラ「資料には目を通しました。”罪の刻印”を刻まれているのに、礼儀正しく、従順で、今まで依頼を失敗したことがないのだとか。」 アストラ「そして、向こうの大陸では、例え討伐対象が蛮族であれど、人族であれど。彼らが謝罪し、命乞いをしてきたとしても。その剣で表情一つ変えず、全て斬り伏せてきたのだと。故に、殺しの「執行人」なんて二つ名が、自然と広まったのだと。」 ダニエル「……。」俯き、拳を作り出します。 アストラ「…ですが。資料にはこうも書かれていました。」 アストラ「『彼には、我々にとって想像もつかない”なにか”を隠し持っている。いや、抱いているといったほうが正しいか。』」 アストラ「『報告に戻る彼の表情は、疲弊するかのように次第に薄暗くなっていき、足取りも重くなっているように見てとれる。』…と」 アストラ「ダニエルさん。私達は、あなたを無理に依頼に向かわせているわけではありません。冒険者ギルドでは、冒険者一人一人の要望に答えることも、大切にしています。」 アストラ「ですから…もしよろしければ、私たちになにか至らない点があれば、遠慮なく仰っても、構いませんよ。」
34. アイン | |
2023/01/31 15:02 |
はい、そのとおりですね。最初にダニエルが言ったとおり、この情報の流出は混乱を招きかねないと思ったので、このような対処を行いましたね。 …あっそうだ(唐突)、このまま何事もなく帰されるのなら、アストラさんの操作権を少しの間だけ貸してくれませんか? いい感じの一人RPを思いついty、しまったので
33. 小慶美(シャオ・チンメイ) | |
2023/01/31 14:58 |
では冒険者ランクの更新も特にトラブルなく済みました そう言えばこれは素朴な疑問ですが、さっきまでのギルドマスターとの会話ってダニエルさんとギルドマスターだけが部屋にいるで認識合ってます?
31. 小慶美(シャオ・チンメイ) | |
2023/01/31 14:51 |
ドークス「養子を迎える前、というか……ユーバシャール家は一時期血縁が病気や事故で亡くなる、という不幸が相次いだことがあってな。それは当時の記事でも取り上げられたことがある」 ドークス「デウスデアでそのような不幸が相次いだことから、別の村にいた遠縁の彼を養子に迎えたとのことでな……まぁ、その辺の真偽は当事者でなければわからぬことだろう」 ドークス「何はともあれ、忠告感謝する。あとはそちらの冒険者ランクの更新だったか、そちらの手続きをしていこうか」
30. アイン | |
2023/01/31 14:42 |
ダニエル「…養子に迎える前に、何かが起こった、という事でしょうか……」 ダニエル「…それと。これも私の直感なのですが……」 ダニエル「先程、私は彼をラルヴァであると推測いたしましたが……あくまでその可能性があるだけなのです。」 ダニエル「というのも……彼からは、私達に対する怒りや悪意を、感じ取れなかったのです。あるとするなら…それはもっと、別の方に矛先を向けていると思うのですが……」 ダニエル「……すみません、私もまだ、詳しい事はよく分かりません……」
29. 小慶美(シャオ・チンメイ) | |
2023/01/31 14:27 |
パーダ「……!?」 明らかに動揺を見せるパーダの傍らで、ドークスとアストラは顔を見合わせますね ドークス「……その推測、疑惑だとしてもこちらがそれを払拭できる道理はないな」 ドークス「というのも、あのヴィルフリート卿には不明瞭な来歴が多すぎるんだ」 アストラ「先代当主・ノアベルト卿はユーバシャール家の遠縁にあたる彼を、後継ぎがいなかったことから養子に迎えた……という話があるのですが」 アストラ「彼の出身地とされる村にはそれらしい家が確認されなかったとか、噂にしても矛盾がちらほらあったのです」
28. アイン | |
2023/01/31 13:49 |
ダニエル「私のかつてのじゅ……知人が、教えて下さいました。」 そう言って、昔を思い出しながら、語ります。 ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー ????「私たちアルヴはね、吸血鬼が転生した姿だって言われているわ……その吸血鬼というのが、ノスフェラトゥよ。」 ????「ノスフェラトゥは人の生き血を啜り、それを糧として暮らしている。陽の光にも守りの剣にも弱いから、あまり表には出ないけれどね。」 ????「…でも、そのノスフェラトゥと人族から、新たな種族が産まれ出た。それが『ラルヴァ』。」 ????「ラルヴァは陽の光にも強いし、穢れも比較的薄いから、剣にあまり阻まれることも無いわ。オマケに呪われた血を持っているから、傷付けられたらとても苦しい思いをするでしょうね。」 ????「…ねぇ……何で私を、こんなに信頼してくれているの?」 ????「私がそのラルヴァである可能性があるのよ?あなたのお父様だって、どうして…」 ダニエル「どうしてって…うーん……」 ダニエル「…笑顔でいてほしいから、かな」 ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー ダニエル「……『ラルヴァ』。人族と吸血鬼から生まれた種族。」 ダニエル「彼らは外見だけはアルヴに近しく、護りの剣の影響を比較的受ける事はありません。」 ダニエル「ユーシャバール様の正体はこれであると、私は推測しております。」
26. アイン | |
2023/01/31 13:15 |
ダニエル「…ユーシャバール様は、アルヴではありません。アルヴの平均身長は少し低く、私の背丈を越えるはずがありませんから。」 ダニエル「恐らく彼は、人族ですらない……成り済ました”蛮族”である可能性があります。」
24. アイン | |
2023/01/31 13:03 |
ダニエル「…今から話す事は、私の憶測ではありますが……世間に混乱を招きかねます。」 ダニエル「先の方……ユーシャバール様は、種族はアルヴであると、公表なされているのですよね?」 ダニエル「先程の姿を見て…私は、彼はアルヴなどでは無い、それに成りすました”何か”なのかと感じました。」
22. アイン | |
2023/01/31 12:52 |
ダニエル「ありがとうございます。御三方に相談したい事でしたので……では、行きましょうか。」 人気の無い場所に移動したいのですが……先ほどパーダさんが行ってたギルドの奥側の一室を借りれませんか?
21. 小慶美(シャオ・チンメイ) | |
2023/01/31 12:47 |
パーダ「? あ、ああ……わかったよ」 というわけでパーダは一旦奥に引っ込んで、少し時間を取りましたが他の二人を連れて戻ってきました それで改めて個室に案内してもらえますね
本作は、「グループSNE」及び「株式会社KADOKAWA」が権利を有する『ソード・ワールド2.0/2.5』の二次創作物です。