二階さんの日記
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日記一覧
二階 | |
2024/02/29 21:04[web全体で公開] |
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二階 | |
2022/04/19 02:19[web全体で公開] |
😶 学園キャンペーン(実験卓)完結 感想(▼ ネタバレを含むコメントを読む。 ▼)楽しかったー! 1年と約半年かけてずっと続いていたCPがついに終わりました! この気持ちをしっかりと胸に刻み付けるためにとりとめのない感情を文字へと落とし込んでいきます! 正直人に読ませるような文章ではないのであまり読むことは推奨しません。 さぁ、後は想いを吐き出すだけです。もう配慮とかはどぶに捨ててひたすら書き連ねていきますよ! 実は私は抽選に一度落ちて、ちょっと都合の合わなくなったメンバーの代わりに途中参加という形でした。 実はちょっと怖かったんですよ。ある程度仲が良くなっているところに入っていくそれはまるで5月辺りの中の良いグループが出来た辺りの時期に転校してくるようなそんなちょっとした恐怖がありました。 排他的な雰囲気0だったから杞憂でしかなかったんですけども。 後はGMから全体的に闇が深いって聞いてそれなら光のPCを作った方がいいかなっとも最初は思ったんですよ。 だけど、大惨事表と思い付きの結果カニバリア聖女という負けず劣らず深い闇を生み出してしまいました。 完全に立ち位置がダークヒーローのそれなせいで、NPCとか蛮族の方がまだ光サイドではってネタはもう天丼ネタとしてすっかり定着してしまっていました。わかってても楽しいですよね、ヒールロール。 ヴィラン連盟みたいなパーティになってしまったせいでまず、お互いに関わり合いにならないのも笑いましたよ。笑い事じゃあないとはわかってますし、結局PCほぼ全員を攻略したGMには頭が下がりますが。 私の子も割と事なかれ主義だったのを捻じ曲げて他の人に関わることにした程度には交流がなかったですし。人族に紛れ込んだ蛮族のスパイを見逃す理由が倒す理由がないってのがくるPCパーティがどれほどいる事か。 後、蛮族の件で言えば1話目でバニッシュを使ったせいでスパイがばれてしまったのも不謹慎ですが笑ってしまいました。あれに関してはバニッシュ対策してない上に、問題ないなら使うのを控えるといったのに許可したGMが悪いと声を大にして言いたいです。5話目あたりに想定していたらしいスパイメインのシナリオがつぶれてしまったのは正直申し訳ないですけども。 3話目の敵討ちのシーンと幼馴染を救い出したところは最高でした。 敵もよくヘイトを稼いでくれる何の呵責もなくやれるタイプでしたし、王道的なヒロイックファンタジーをしていました。 まぁ、この時最高にヒロインしていた幼馴染が正妻ポジに収まるだけでなく自重というものをかなぐり捨て始めるとはこの時は思ってもいませんでしたがそれはそれで面白かったですよね。 4話目の体育祭は終始楽しかったです。 なにせSWの世界で高校生クイズみたいなもんが始まりましたからね、純然たるGMの悪ふざけの塊みたいなイベントでしたしめいっぱいこちらもハッチャけさせていただきました。 5話目は確か貴族没落の回でしたっけ。 PCもそうですが周りのNPCの設定も掘り下げられた良い回でした。劣等感と敵意と歪んだ愛の混ざった二人の関係が話し合いを通じて大きく進んだ良い回でした。 (やっぱりNPCの方がヒーローやってるんですよねー) 後個人的にうちの子とNPCの子がくっついたという意味でもとても印象に残る回でした。 確かに愛着を持って餌付けしていたけど敵の幹部が懐柔できるとは…… 6話目はスパイの子が人質にされた回ですね。 この卓ではスパイはポンコツしかいないジンクスの片棒を担いだ子が人質に成っちゃいましたね。メインアタッカーだから戦闘は優秀だけどスパイにかけては本当にポンコツな子でした。まぁそこも含めてよいキャラをしていたと思いますが。 後これ以降定期的にさらわれることになったこの卓のピーチ姫枠。後半完全に忘れていたけど元敵サイドのくせにあっさり捕まりすぎじゃないすか? 7話目はついにクライマックス! セッションを通してちょくちょく話が出ていたラスボスとの戦いです。 ラストの割に悪ふざけが酷かったですね。中ボスとしてクソコラ軍団と戦わされることもありましたし、完全に格上のサキュバスナイト(やくざ)と戦うこともあって本当に血戦の敵が思い返してみればひどいですねこれ。 まぁ、もちろん真面目な奴もありましたよ。うちの子の幼馴染と敵の幹部を巡ったやり取りなんかがそうです。幼馴染のキャラが固まってないからって距離を置かずに正直もう少ししっかりRPしておけばよかったと後悔しました。それは少し心残りです。後、ラスボスに正論パンチをぶち込んで威厳を地に堕としてごめんなさい。 さてさぁて最後にすべてをまとめると、本当にもう楽しかったです! 1年半という長期間なだけあって終わった今としてはまるで心の一部が失われたかのような喪失感を覚えるほどに私と共にあったセッションでした。 キャラが個性的で魅力的ですし、キャラ達にちゃんと経歴と設定と思考がありますから本当に濃厚でした。 セッション中のガヤや無駄話にも反応してくれるPLもこちらの提案に対応してくれたGMにも万雷の喝采と感謝を! また同じメンバーでやりたいなって思えるくらい素晴らしい卓でした! いつかご縁がある日来ますように!
二階 | |
2021/01/12 23:58[web全体で公開] |
😆 感想:オリジナル学園キャンペーン(0話~1話の途中)(▼ ネタバレを含むコメントを読む。 ▼)長文につきたたんでいます。 GMさんから了承は得ていて、オリジナルシナリオというのは確認できているのでネタバレについては問題はないかと思います。 まずは感想を…… と言いたいところですが、感想だけ話してしまっては同卓した方にしかわかりません。 同卓以外の方が見ているのかは置いておいて分かりやすさは大切です。 先にシナリオを流れをざっくりと説明してから感想に移らせていただきます。 今回のセッションは最後のボス戦で終わったままになっていた0話の続きと1話の途中まで。さらには登場キャラクターを深堀する幕間が二つありました。 まずは0話のあらすじから。 PCたちはそれぞれの経緯から某イギリス文学の魔法学校のような雰囲気の冒険者学校に入学しにやってきました。 しかし、入学試験の途中で事故に遭い、見知らぬ迷宮に転移してしまいました。 迷宮の奥にいた蛮族を倒して曰くつき石を手に入れるた後、何とか学園に帰還。 入学試験は見事合格できましたが、多くの謎が残りました。 次は1話はサスペンス風のシナリオでしたね。 学校に慣れてきたころ、PCたちは学校の七不思議について知ります。 七不思議のうちの一つを調べることになったPCたちは夜中の旧校舎へと忍び込みます。 そこで見たのは、血まみれになって倒れた先生でした。 後から来た別パーティに疑われ、犯人を探し出すことに。 期限は次の日まで、果たしてPCたちは犯人を見つけ出すことが出来るのか!? 一つ目の幕間は新聞部長の取材を受けて、PC1人の過去が少し浮かび上がったというもの。 二つ目はパーティメンバーの一人の休日を描いた結果、別のPCのどうしようもない感じが浮き彫りになったという感じでした。 これでようやく本題、といいますか感想に入れますね。 全体の感想としてはやっぱりとても楽しいです。 王道の学園ファンタジー物の流れに沿ったシナリオで安定感があり、同時に学園物ならやっておきたい要所は踏まえてあってとてもワクワクしますね。 初めて参加したCPシナリオというのもあって、右も左もわからない身としては流れがわかりやすいシナリオはとてもありがたかったです。 また、セッションとは関係ない雑談タグでの他PLさんやGMとの掛け合いがとても楽しかったです。 基本的に野良卓でしか参加しない自分としては同じ人と何回もセッションをするのが新鮮で、これから仲良くなれるか不安であると同時に楽しみなところがあります。 ああ、早く来週になればいいのに。 こんなに月曜日が待ち遠しくなったことは今までにありませんよ。
二階 | |
2021/01/10 17:15[web全体で公開] |
💀 怪談:天野さんの家(▼ ネタバレを含むコメントを読む。 ▼)皆さん、あけましておめでとうございます。 あれよあれよと過ごすうちにもう一週間が過ぎてしまいました。 皆さんは新たな一年をどのように過ごされましたか? 今回は新年最初の怪談を話そうと思います。 これから記す話は完全にフィクションです。 後、全国の天野さんごめんなさい。 それでは話しましょう。 これは私が小学生の頃のお話です。 私の住んでいた町の外れには古びた屋敷が立っていました。 人の手から離れてかなり時がたっているようで、道から見える範囲でもひどい状態でした。 幼い時のことなのでよく覚えてないのですが、子供ながらにとても人が住めるような建物じゃないと感じたのが印象的です。 その屋敷は『天野さんの家』と呼ばれていました。 「天野さんの家には近寄るな。どうしても近づかないといけない時でも、絶対に中に入ってはいけない」 大人たちはみんなそのようなことを口をすっぱくして子供に諭していました。 少し話は変わりますが、私の家は『天野さんの家』に比較的に近くて、窓から見下ろせばあの屋敷に向かう人の姿を見ることが出来ました。 だからこそ私は月に一回くらい、夜遅くに大人たちが『天野さんの家』に行っているのを知っていました。 その時は幼かった私は一度好奇心でその大人たちがいつ帰ってくるのかを探ってみました。 しかし、結局母親から寝かしつけられるまで戻ってくることはありませんでした。 またある時、教室で『天野さんの家』に肝試しにいくという話が持ち上がりました。 ほとんどの子たちは大人が血相を変えて注意していたこともあって行こうとはしませんでした。 しかし、全ての子がいうことを聞く良い子というわけではありません。クラスの悪ガキ二人がいじめっ子を連れ添って『天野さんの家』に行くという話をしていました。 次の日、二人の生徒が転校したと先生が言っていました。件の肝試しに行った悪ガキです。 いじめっ子は普通に登校していましたが、その日はずっと顔を青くしてうつむいたまま、ただ謝り続けていました。 これらが私の知る『天野さんの家』にまつわる話です。 中学生に上がるときに引っ越したので何処にいたのかを私は知りませんし、両親も話してくれません。 ただ『天野さんの家』がどこかにあること。そこは何かが存在することだけがわかっています。 もしも、廃墟を訪れることがあったら気を付けてください。 そこには『天野さん』がいるかもしれません。
二階 | |
2021/01/01 00:50[web全体で公開] |
😊 明けましておめでとうございます 謹賀新年。あけましておめでとうございます。 今年もよろしくお願いします。 今年もまた素敵な人と出会えますように。 今年もまた素晴らしいセッションに参加できますように。 自分と皆に祈りを込めて、ささげます ……ところで、皆さんはお参り課金はどれだけします?
二階 | |
2020/12/31 20:57[web全体で公開] |
😊 2020年お世話になりました 2020年お疲れさまでした。 今年からこのサイトに入会して3か月。 セッション回数はGMをしたのとPLをしたのを合わせて21回。 オンセに入っていっぱいセッションに参加できるようになったのもありますが、SWなどの新しいシステムを始めたりと挑戦したことの多い一年でした。 今年はPLばかりやっていたので来年はGMの回数を増やしたいと思います。 一緒に卓を囲んでいただいたかた皆さんに感謝を! そして、また来年も素敵なセッションと出会いがありますように!
二階 | |
2020/12/14 21:28[web全体で公開] |
😶 セッション告知:シノビガミ 昨日の夜に降ってわいたアイデアを一気にまとめ上げました! 対立型シナリオです! クズ野郎を殺した犯人を捜しましょう! 2サイクルだし、NPCもいないから多分さっくり楽しめると思います。 『乙村隆は誰が殺した?』 https://trpgsession.click/session-detail.php?s=160794814258double2ethile
二階 | |
2020/11/30 01:23[web全体で公開] |
😢 後日談:「庭師は何を口遊む」(▼ ネタバレを含むコメントを読む。 ▼)霊竜さんの日記を見て後日談を書きたい欲があふれてきて突発的に始めました。 この日記はCoCシナリオ「庭師は何を口遊む」のネタバレがあります。 まだプレイされていない方は読むことをお勧めしません。 PC2『嵐山 凪人』のその後。 空だった彼女の墓にようやく遺骨が納められる。 その光景を見て父さんと母さんは泣きじゃくっていた。 2人はとっくの昔に諦めていた。 10年前には妹の墓が立て、彼女のことを過去にしようとした。 このまま期待し続けるのも辛いから、それになによりも僕に未来を歩んでほしいから。 そんなことわかっていた。分かっていても、諦められなかった。 諦めようと思っても、彼女が連れされられるときに何もできなかった無力感と罪悪感が僕の心を焼き続ける。 妹が生きているわけがないと頭で分かっていても、彼女を探すのを止める権利は僕にはなかったんだ。 あるべきものがあるべき場所へと収められて土がかけられる。 それを見ていても僕の目には涙が浮かばない。 むしろ、もう彼女を探さなくていいという安心感が胸にわいてくる。そんな自分の気持ちが嫌で手をきつく握りしめた。 これは3年前の一番つらい時にマインドコントロールされたせいだろうか。 そんな思考に陥って、考えを止めた。 的場は言っていた。 庭師など罪を押し付けたい僕たちが作り出した偶像に過ぎないと。 3年を通して自分の身勝手さを知ったというのに今また同じことをしようとするなんて、全く成長がみられない。 口元に手をやってみると自嘲の笑みが浮かんでいた。 結局葬式では涙を流すことがなかった。 さめざめと泣き続ける母をなぐさめるようと声をかけると、僕の顔を見てまた悲しそうな顔をした。 父親と母親を実家に送って、自分の部屋に戻るとただひたすらぼーっとしていた。 何だっていうんだ。どうしろっていうんだ。 妹が死んで悲しいはずなのにそんな気持ちがこれっぽっちも沸き上がらない。自分がひどく薄情に感じられる。 何もする気が起きなくてただただ、沈んでいく太陽を見つめていた。 懐かしい夢を見た。 僕も妹も小学生になってかくれんぼをしている夢だ。 僕が鬼になって妹を探しているけど中々見つからない。 ずっとずっとずっと探していてようやく、木の上に隠れている妹を見つけた。 「見つけてくれてありがとう」 妹は見つかったくせにどこか嬉しそうで僕に抱き着いてきた。 それを不思議に感じながらも抱きしめ返した。 不意に目が覚めた。 外はもう真っ暗だった。 葬式から帰ってきて、着替えることもしていなかったからスーツにしわが付いてしまうかもしれない。 洗おうかと思ってポケットのものを出すと自分のデスクの棚に入っていた妹の顔写真があった。 それを見つけて、ようやく涙があふれてきた。
二階 | |
2020/11/30 00:14[web全体で公開] |
💀 怪談:誰かのライト(▼ ネタバレを含むコメントを読む。 ▼)今日も思いついた怪談を語らせていただきます。 1500字程度の簡単な内容です。 苦手な方はご注意を。 ちなみに、これからの話は全てフィクションです。 今日はこの会談を思いついた経緯を話しましょうか。 身近なアイテムが呪われているというのはよくある怖い話ですよね。 車や電話はもちろん、一昔前は『呪いのビデオ』『着信アリ』(携帯電話の怪談)なんかもあります。 これに関しては推測ですが、恐らく身近にある道具というものは多くの人が共感できるのでよく怪談の話題にあがるのです そういうことを考えるうちにある道具の怪談を聞いたことがないことに気が付いたのです。 その道具は使う機会はそうはありません。 しかし、怪談にはとてもよく出てきますし、知らない人がいないといえるほどありふれた道具です。 今日はそんな道具を題材にしたお話をします。 私は大学生の時、オカルトサークルに顔を出していました。 単純に好きだというのもありますが、創作の参考資料にするのにちょうどいい場所だったからです。 そのオカルトサークルで一度、肝試しをするという企画が立ち上がりました。 ルールは簡単。皆でいわくつきの廃墟に行って、一人ずつ探索しては適当なものを拾ってくるというものです。 これは面白そうだと思って私も参加しました。 私たちが向かった廃墟はコンクリートがむき出しのまま放置された田舎のショッピングモールでした。 周りに家がなくざわざわと木の揺れる音が不穏な予感がするのを覚えています。 私たちはライトを片手に一人一人廃墟の中に入っていきました。 廃墟に入った私はまず持ち帰るためのものを探しました。 最初にノルマを達成しておいて、心置きなく探索を楽しむためです。 そう時間がかかることなく、入り口付近にライトが落ちているのを見つけました。 そのライトは小ぎれいで、スイッチを入れれば少し暗いですが明かりが点くほどでした。 廃墟のものとしては少しオカルト色が物足りないですが、私はそれをバッグに詰めてまた歩き始めました。 その後も廃墟を歩き回っていたのですが、ちょっとした段差に足を取られて転びました。 幸い怪我は大きくありませんが、転んだ拍子に手に持っていたライトを地面にたたきつけてしまいました。 ライトは見事大破。 代わりの明かりが必要になった私は妙なことを思いつきました。 さっき入り口で拾ったライトを使えるんじゃないかと。 当時の私にはそれが素晴らしい名案のように思えて、よせばいいのに廃墟で拾ったライトを使い始めました。 うすぼんやりと照らされた廃墟は何処か寒々しく、いかにも出そうな雰囲気です。 周りを照らしていると今度は何かの影が映りました。 冷たい汗が背筋を伝うのを感じながらも、よく目を凝らすとそれは徐々にライトに照らし出されて行きます。 それは黒く大きな犬でした。 1m程のその犬は、だらしなく開いた口からよだれをしたたらせながら、獲物を見定めるかのように少しずつ少しずつ歩み寄ってくるのです。 私は一目散に駆け出しました。 犬から逃げられるわけもない、というような冷静な考えは脅威を目の前に吹き飛んでいたのです。 ただひたすらに両足を動かして、ライトが照らす心もとない道をかけていきます。 それでも逃げ切られなくて肩を掴まれました。 「おい、どこに行く気だ!? そっちに床はないぞ!?」 それは、私を誘ってくれた先輩の声でした。 振り返るとそこに犬はいなくて、先輩が鬼気迫る表情で肩で息をしていました。 もう一度前を見るとそこは床が抜けていて、3階下のフロアが窓から入った光に照らされていました。 あれほどしっかり握りしめていたライトもいつの間にかなくなっていました。 ぞっとした私は先輩に話してイベントを中止してもらいました。 あの時見た犬が私の恐怖が生んだものなのか、それとも拾ったライトが見せた物なのかはかわかりません。 ただ、いわくがある場所にあるもの手にするのはそれ相応の危険があるのだということが身に染みてよくわかりました。
二階 | |
2020/11/15 22:30[web全体で公開] |
💀 怪談:エレベータは何処にある?(▼ ネタバレを含むコメントを読む。 ▼)久々の怪談投稿です。 今回は少し長くなりました、1900文字程度です。 このお話はフィクションですので、あまりお気になさらず。 皆さん、もっとも身近な密室って何だと思いますか? 私はエレベータこそが人々の生活の中に紛れこんだ密室だと思います。 階を移動している間は小さな部屋の中でどこにも行くことが出来ず、緊急時に取れる手段も電話をかけるだけ。 なんとも頼りないとは思いませんか? もしもエレベータを吊るしているケーブルが切れてしまったら? もしも凶悪犯と同じエレベータに乗ってしまったら? そう考えるとエレベータに乗るのが少し怖くなってしまいます。 エレベータの怖さはそれだけではありません。 今のエレベータの多くは電光表示で今自分が何階にいるかがわかります。 しかし、少し古いものだとその表記もなく、ただ静かに上り降りをするのです。 さらに扉がガラス張りになっていなかったとしたら、もう私たちに外の様子をうかがう手段はなくなってしまいます。 微かな浮遊感で上下に動いているかが、動いた秒数で大体の移動距離は推測できますがそれ以上のことは分かりません。 暗闇の中にいるのとほとんど同じようなものだと私には思えます。 臆病だと思いますか? 貴方もこんな経験をすれば同じような気持ちになりますよ。 これは、私の大学時代の話です。 バイト先を探していた私は、とある小さくて少しぼろっちいビルへと面接を受けに来ました。 面接の会場は4階とのこと。 階段を上るには少し大変な距離だったので私はエレベータを使って上りました。 上るときは問題なく4階で降りて、面接会場へと向かうことができました。 その後、面接はつつがなく進んで、もうそろそろ終わろうとする頃に面接官は奇妙なことを言われました。 「帰るときはエレベータを使わない方がいい。少し遠回りになるけど階段があるからそっちから降りなさい。」 その時は面接の一種かと思いました。 でも、エレベータの前まで戻ってきたときに確認してみましたが、そのビルのエレベータにはエレベータが何回にあるかを表示する部分がありませんでした。 監視カメラがあることも考えましたがそんなものがあるようなビルとは思えませんでした。 それに、面接で気疲れしていた私はとてもじゃないけれど階段を下りる気分にはなれませんでした。 私は面接官の言うことを無視してエレベータで降りることにしました。 エレベータの中は両手を広げることが出来ないほど小さくて、扉の上にあるうすぼんやりとした古めかしいライトが階を表示していました。 私は何となくそのライトをジーっと見つめていました。 ライトは順番に光りほどなくして1階のライトが点きました。 しかし、エレベータは止まる様子を見せません。 あれ? 階のボタンを間違えたかな。 そう思ってボタンを見ますが、確かに1階のボタンが点灯していてそれを押していたことがわかります。 不思議に思って、また階の表記を見上げていみるとB1、B2のライトが順番に灯ったかと思うとついにどのライトも消えてしまいました。 それでもまだエレベータは止まりません。 前身に感じる小さな浮遊感と外から聞こえるモータ音で下っていることだけは分かりますが、このエレベータが何処へ行こうとしているのかもわかりません。 焦りと訳の分からない事態への恐怖で自然と呼吸が浅くなっていました。 降り始めてから5分後、ようやくエレベータが止まり扉が開きました。 外は真っ暗でエレベータの照明が照らす範囲しか見えませんでした。 しかし、外から聞こえる獣の唸り声、ひたひたと何かが這いずってくる音。 そして何よりも照らされ地面が茶色い地面だったことでそこが異常な場所だってことは分かりました。 急いで扉を閉じると、がんと何かがぶつかってくる音と荒い獣のようなうなり声が聞こえました。 私はあわてて全ての階のボタンを押しました。 軽く地面に押し付けられる感覚と共にエレベータが上っていきます。 そして、扉が開き古ぼけたビルの姿が見えると同時に転がるように飛び出しました。 幸い、私はまた元のビルの4階に戻ってこれたようでした。 その後、階段を下って帰った私は普段と同じような日々を過ごしました。 ただ、例の日に受けた面接の結果が来ないため問い合わせてみたところ、そんな面接はしていないという答えが返ってきました。 私は今でもたまに不安になります。 あの面接官は人間ではなかったのか。 それとも、あのエレベータは本当に元の世界に戻ってきていたのか。