千駄ヶ谷 恭二（クトゥルフ神話TRPG用キャラクターシート）

せんだがや きょうじ

大事なもの：自らの作風は死守する。→若い頃に編集者に言われるがままに売れる漫画を描いたことがあり、それが苦痛だった。

大事な考え：常識を疑え。→人の認識は脳によって修正される。些細な違いなど意図して見なければ気付くこともできない。だから、彼は少しずつ物事をずらした作品を作り出す。

弱点：年上の女性が苦手で無駄に反感を持ってしまう。→浮気を繰り返し、酒に溺れ、パチスロで借金を作って離縁された母に嫌悪感を抱きながら育ったため。

キイロイアオというペンネームで10年以上活動しているホラー漫画家。

『甘き迷妄』『笑い袋の中身』『喜びの水仙』などの代表作を持つが、描かれるシュールでナンセンスな世界は万人受けせず、知る人ぞ知るマニアックな漫画家である。

彼の作画は意図的にすべてが少しずつ歪んでおり、微かに傾いているため一見すると上手い絵には見えない。しかし、それは見た者に漠然とした不安感や生理的嫌悪感を抱かせるために意図的に行っていることで、彼なりの工夫である。

緻密で写実的な絵も描けるのだが、すべてが歪んだ作中で違和感を与えるワンポイントとして取り入れるのみで、真っ当な絵はなかなか描こうとしない。流行りの萌え絵も描けるが、それに関しては後述の理由により絶対に描こうとしない。

作風は前述の通りシュール・ナンセンスであり、根底にオカルティックな題材があるものの、全体的に意味のわからない不条理さを持つ。

彼の描く生き物はよく見ると生物学的に正しく、正しいがゆえに歪んだ様が不気味であると評判だ。インタビューでは多くの動植物を実際に解剖して観察したと答えているが、これは気味の悪さを助長するためのパフォーマンスであり、実際には図鑑などを丹念に調べた賜物である。

人の心理を上手く突いた手法には説得力があり、わけのわからない世界観の中に奇妙なリアリティをもたらしている。クスリをやっているのではないかと噂されるほど、彼の描く漫画は常人の理解を拒む。もちろんクスリなどやっていないし、酒もあまり好まない。タバコも吸わないが、コーヒーを飲みすぎるきらいはある。

マイペースで温厚。人当たりは良く、シェアハウスの同居人たちともトラブル無く過ごしている。

女性と付き合っても長続きしないのだが、それは大嫌いな母を思い起こさせる何かを毎度見つけてしまうためだろう。そのせいか母性を想起させない年若い少女を好む傾向があり、ロリコン疑惑が絶えない。

マニア向けの売れ筋とは言えない彼の漫画を掲載し続けてくれる月刊サイクロンをはじめとした各雑誌の編集部に恩義を感じており、謙虚に創作活動に励んでいる。

単行本はあまり売れないのだが、過去に編集者に強要され売れるものを目指して描いた『戦闘少女人形リリー・アゲイン』はアニメ化までし、今でも人気が高いため、それなりの収入がある。その時のペンネーム祭矢神路は封印しており、彼のことであると知る者は少ない。自分の描きたいものが描けなかったこの時の苦痛がトラウマになっており、美少女を描くことがない。

作品のための投資はケチらず、最新型のタブレットを常備し、デジタル環境で作業をしているが、コンピューターに強いわけではない。

尊敬する先輩漫画家の香取穿坑が自画像で常にサングラスをかけていることに憧れ、いつも度付きサングラスをかけている。一応普通の眼鏡も持っているが、サングラスが失礼に当たる場面以外では使用しない。著者近影には写真を使う。

イカれた作風と温厚な作者のギャップが微妙に人気があるため、雑誌のインタビューによく呼ばれる。妙な発言が少なくなく、黄青語録と呼ばれて作品ファン以外もネットスラングとして使用する。「500円か500円かと訊かれたら、やはり500円でしょうね」「ハンバーグのバーグの部分は優しさかもしれないじゃないですか」「錆びた鉄には錆びていない鉄以上の価値があるんですよ」など。

本人は今の境遇をすこぶる気に入っており、若者たちと共に暮らすことに満足している。新しい刺激が得られ、頭が古く凝り固まらなくていいと嬉しそうに語る。