ハッピーガトリング（デッドラインヒーローズ用キャラクターシート）

ヴィランよりもヒーローになった方が自分にメリットがあると考えたサイボーグ。

「市民のみんなー？　美少女ヒーロー、ハッピーガトリングが来たからには悪ーいヴィランはやっつけちゃうよ？　応援してね！！」

朝霧 舞子(あさぎり まいこ)は改造人間である。

彼女は容姿は平凡、才能も凡庸、心身共に凡骨であった。超人種に生まれたわけでもなく、特別な家に生まれたわけでもない。

人並みに恋はしたが、いずれも実らず、二流の大学を出て、三流の企業に就職し、友人に乏しく結婚もできず趣味にも仕事にものめりこめなかった。

両親はどちらも還暦あたりで病没。兄弟姉妹は無し。親戚付き合いもほとんどない。深く付き合える友人も作れなかった。つまり、実質天涯孤独となる。

そんな折に、奇妙な広告を見かけた。聞いたこともないような木っ端ヴィラン組織が出したものだった。

「戦闘員募集中。改造手術であなたも超人種に！」

つまらない人生をこのままだらだらと死ぬまで続けるくらいなら、と彼女はヤケを起こしてヴィラン組織の扉を叩いた。

どうせなら、可愛く改造してほしいという要望をマッドサイエンティストは嬉しそうに叶えてくれた。全身義体のサイボーグ、ハッピーガトリングの誕生だ。

可愛らしい容姿、老いることのない力溢れる機械の体、薬物による思考力の活性化と恐怖心の抑制。素晴らしい万能感は彼女の意識を変えた。

ヴィランの首領に「気分はどうかね？」と尋ねられた彼女は、巨大なガトリングガンを軽々と構えると、首領を粉砕。「最っ高！」と答えた。

「君は最高傑作だ！」そう叫んだマッドサイエンティストとハイタッチをすると、彼女は彼にひとつの提案をした。

「貧乏ヴィラン組織なんかより、人気ヒーローになった方が儲かるんじゃない？」

かくして、貪欲な彼女はヴィランとして好き勝手に生きるよりも、多少窮屈でもヒーローとして賞賛を浴びる道を選んだ。

その後の彼女は完全無欠な正義のヒーローを演じ続けているが、実際には懸賞金の額の大きいヴィランを選んで倒しているし、メディア映えを常に意識している。

なお、相棒のマッドサイエンティストの名前はドクターG。戦闘の様子はすべてドローンで撮影し、専用の動画配信チャンネルで公開している。自分の最高傑作が人々に賞賛されることが生き甲斐の老人なのだ。