ヘンリー・ウェイト(DLH)（デッドラインヒーローズ用キャラクターシート）

「活きのいいヴィランですねぇ。
　ですがね、そのやり方は実にヌルい。

　私なら……あそこで市民を殺したりせずに
　盾として使いますがねぇ。
　悪としての覚悟が足りないのでは？」

ヘンリーはかつてヒーローに憧れる少年だった。

ただし、どんな苦難にも立ち向かう彼らに
どういった試練が訪れれば
より素晴らしい活躍を見せてくれるか、
そんなことを考える屈折したファンだった。

その根底には自分は超人ではないから
ヒーローにはなれないという諦めがあった。

そんな彼の転機は事件に巻き込まれ、
自分を守ろうとしたヒーローが
死に至ったことだ。

ヴィランはヒーローを倒したことに慢心し、
単なる一般市民である彼を
一切警戒していなかった。

落ちていた拳銃で無防備なヴィランの
後頭部を撃ち抜いた時、
自分の天性に気付く。

悪党が何を考え、どういう行動をとるか。
それを考え続けた彼には
ヴィランの動きは常に予測できたのだ。

ヘンリー青年は犯罪心理学を学び、
体を鍛えてジャスティカとなる道を選んだ。

犯罪心理学の教授ヘンリー・ウェイトは
ヒーロー、プロフェッサー・トーメントとなる。

彼に正義の心はほとんど無い。
言うなれば、ヴィランにとってのヴィラン。
トーメント(苦痛)を与える者である。

ヴィランを苦しめるために様々なことを試したが、
最も効果的だったのはヒーローの育成だ。

彼は多くのヒーローにヴィランとの戦い方を教え、
名だたるヒーローたちの師となった。
インペインもその中のひとりだ。

しかし、どうしても不満なことがある。
少年の頃に夢想した完全無欠の最高のヒーローは
いつまで経っても現れない。

どのヒーローもどこかに弱さを抱え、
人間としての脆さを克服できない。

もちろん、一時的に一線を超える者は多い。
その姿を特等席で見るために
彼自身ヒーローをしているし、
ヒーローの育成も諦めはしない。

なお、ヒーロー歴が長く、
ヴィランの研究家でもあるため
因縁を抱えている相手も少なくない。

ヴィランのボスたちは彼をこう呼ぶ。
最低最悪のヒーロー。