【ダブルクロス】短縮改変『Crumble Days'』の内容【TRPGシナリオ・セット】
基本情報
肴シナリオ・セット 3 | |
登録日:2020/01/22 00:50最終更新日:2020/01/22 08:54 |
タイトル: | 短縮改変『Crumble Days'』 |
TRPGシステム: | ダブルクロス |
適正プレイ人数: | 3~4人 |
適正レベル: | なし |
目次・解説など及びシーン情報
目次・解説など:
【世界観】 (固有名詞や細かい設定は改変自由) (場所) ■ 馴染(なじめ)市 東京近郊に存在する中規模都市。基本的には基本1記載の『N市』と同じ。 ■UGN馴染市支部 馴染市を主な担当地域に持つUGN支部。拠点ビルの1階にアニマルカフェ『Familiar』を開いている。 (NPC) ■桃杜 鏡佳 馴染支部の支部長を務める女性で、オルクス×ソラリスのオーヴァード。足が悪く車椅子に乗っており、本人が前線に出ることはほとんどない。しかしオルクスの能力で契約した動物たちを介して(《ハンドリング》使用)、PCたちを補助することができる。(後述ハウスルール参照) ■チュン太郎 桃杜が契約してる雀。力は弱いが本人(本鳥?)もオーヴァードであり、自分の身は自分で守れる強い子。 ■火神 旭 改変にあたってPC1と矢神くんが融合合体した姿。FHの計画によるバス事故に綾瀬と共に巻き込まれてサラマンダーに覚醒、今シナリオではUGNより先に差し伸べられたFHの手を取ってしまう。 ■綾瀬 真花 ご存知ヒロインの女子高生。バス事故で(無意識の)火神に助けられ、唯一の生き残りとしてUGNの病院に運ばれる。事故当時一緒にいたクラスメイトの火神を心配している。 ■春日 恭二 みんな大好き春日くん。マッチポンプで火神に手を差し伸べ、見事FHに誘いこんだ。新たに目覚めたブラム=ストーカーの能力を駆使して年の功ともいうべきこともしてくるが、今度こそPCたちに勝てるのだろうか……! 【ハウスルール】 (使わなくてもよい) ■NPCカード アイテムのように使用を宣言することで、NPCに手を貸してもらえる特殊ルール。効果内容は基本的に実際のエフェクトやアイテムを参考にするが、エフェクトではないので効果の重複などは考えなくて良い。同タイミングでの発動順や射程などは、宣言したPCの行動値及びエンゲージ位置に準じる。 PCが3人の時などにバランス調整として入れると役に立つ。 例:桃杜 鏡佳 ▼ノウブルスノー ・タイミング:イニシアチブ ・対象:3体 ・射程:視界 ・効果 ラウンド1回、シナリオ3回まで。 対象の次のメジャーアクションのダイス+6個、C値-1(下限6)、達成値+4する。 (参考:《要の陣形》+《狂戦士》+《導きの華》) ■エネミーのDロイス(「上級」使用環境時) 今シナリオの重要な要素として、シナリオボスである火神はまだジャーム化していない。(バックトラックを行えば帰ってこれる) よって「上級」サプリを使用する場合でも彼にジャームの証でもあるEロイスを積むことは推奨しないため、代わりと言ってはなんだが『エネミーの所持しているDロイスも、Eロイスと同様にバックトラック時に1d10の侵蝕率減少を行える』としてDロイスを積むとよい。 ----- 【ストーリー進行】 基本的にはPC全員が登場する共通シーンで進行する一本道シナリオである。各シーンごとの簡単な流れを以下に示す。 ◆オープニング1(マスターシーン) バス事故が起き、覚醒した自分自身に混乱する火神に春日が差し伸べる。 ↓ ◆オープニング2(共通シーン) 支部長に集められたPCの合流。事故の概要を話し、PCたちにその解決を依頼する。 ↓ ◆ミドル1(共通シーン) 病室で目を覚ました綾瀬に話を聞きに行く。 ↓ ◆ミドル2(共通シーン) 病室を後にし、綾瀬の話を元に情報を集める。情報&調達シーンでもある。 ↓ ◆ミドル3(共通シーン) 病室に現れた火神に綾瀬を拉致される。間一髪遅かったPCたちはそれを追いかける。 ↓ ◆クライマックス(共通シーン) 追いついた屋上で火神たちとの決戦。戦闘後PCたちが諭すことで、火神がジャーム化を免れる。 ↓ ◆エンディング(共通シーン) 屋上での戦いからしばらくあと。再び支部に集められたPCたちは、新たに支部所属となった火神と再会の挨拶をかわす。 シナリオ終了! シナリオ報酬の経験点は「火神がジャーム化を免れた場合」は10点、「火神がジャーム化(もしくは討伐)してしまった場合」は5点である。 ----- ◆オープニング1/崩壊 シーンPC:なし(マスターシーン) 【解説】 火神と綾瀬の乗っていたバスがFHの作戦によって事故に遭った直後、無意識に綾瀬を守って一度死亡(《リザレクト》)した火神が目を覚ました場面から。 周囲を見渡す最中に燃える自分の身体に気づき混乱、自分が炎上事故の原因だと思い込んでその場を離れる。 その後春日に接触され、差し伸べられた手を取ってしまう。 【描写】 ■マスターシーン(火神のモノローグ調) (火神)(???表記でも面白い) 燃える、燃える、燃える。 ついさっきまでいつも通りだった日常が、炎に呑まれて消えてゆく。何が起こったのかわからない。肌がベタついて気持ち悪い。 俺はあいつと一緒にバスに乗っていた、はずだ。 そうだ、あいつは! 無事なのか!? 急いで周囲を見渡して、そして違和感。 『熱くない』 これだけ燃えているのに、息苦しくなることもない。不思議に思って自分の身体を見下ろす。 そこにあったのは、『炎』 熱くない? 当然だ。だって、燃えているのは俺自身なのだから。 なんてことはない。この現状を、この惨状を、この炎上を生み出したのは俺だった。 喉が干上がる、心臓がドクドクと急にうるさい。いますぐ離れなければ。これ以上『炎(俺)』がここにいてはならない。 自分でも驚くスピードで駆け出す。それがまた、自分がヒトでなくなったようで心を削る。 なんでだ、どうなってる、これはなんなんだ。誰でもいい、教えてくれ。 ぐちゃぐちゃの思考で人気のない路地を駆け抜け、そして-- (春日) 「自分が何者か知りたいか、少年?」 「こちらへ来い。真実を教えてやろう」 (GM) 運命が狂いだす 【結末】 火神が春日に出会い、手を差し伸べられたところでシーン終了。 ----- ◆オープニング2/始動 シーンPC:全員 【解説】 支部長室にて、集められたPCたちが支部長から依頼を受ける場面。バス事故のことや、その際《ワーディング》が展開されたこと(レネゲイド事件であること)を伝える。なおバス事故自体については、PCたちもニュースなどで知っていることにしてよい。(昨日の夕方5時ごろに市バスが突如爆発炎上、乗員乗客のほぼ全員が即死だったと思われ、現在も遺体の身元確認が行われている。また大きな事故であったにもかかわらず、目撃者がいないことで警察は首を捻っている) PCたちが了承した後、事故の生き残りである綾瀬が目を覚ましたという報告が入り、PCたちは病室に向かう。 【描写例】 ■シーンイン (GM) 繁華街から少し外れたところにある雑居ビル。1階にアニマルカフェ『Familiar』を開いているそのビルこそ、この街を陰から守るUGN馴染市支部の拠点である。 支部長である桃杜鏡佳の声を受けて、馴染支部の一室に呼び集められた4つの人影。今日もまた世界の均衡を保つため、彼らの暗躍が始まろうとしていた。 【セリフ】 (桃杜) 「よく来てくれた、4人とも。また少しばかり厄介そうな事件が起きてね」 「昨日のバス事故は知っているかい?」 「その事故なのだが、事故当時一瞬だけ《ワーディング》が張られた形跡があった。当然うちの人間が張ったものではない」 「FHか、突発型のジャームか……。詳細は不明だが、レネゲイド事件であることに変わりはない」 「つまり私たちの出番というわけだ」 「すでに警察にはこちらから話を通してある。あとは私たちが事件の真相を突き止めるだけだが」 「その協力を君たちに頼みたい。引き受けてくれるかい?」 「ありがとう、助かるよ」 「件の事故だけど、生き残った子がいてね」 「いまうちの病院で治療と診察を受けているんだが……」 (コツコツと一羽の雀が窓を叩き、それを見た支部長が窓を開け招き入れる) 「お疲れ様。ちょうどいいタイミングだ」 「その子が目を覚ましたらしい。まずは彼女に話を聞いてみるといい」 ※以下"桃杜鏡佳"のNPCカードを使う場合 「それと、この子を一緒に連れて行ってくれ」 (雀がパタパタとPCたちの方に飛んでいく) 「私と契約してる雀のチュン太郎だ。この子を通せばここからでも私が手を貸せる」 「この子はA(アニマル)オーヴァードだから、自分の身は自分で守れる。必要以上に気にすることはないから安心してくれ」 「チュン太郎、みんなをよろしくね」 【結末】 支部長に促されたPCたちが、綾瀬の病室に向かったところでシーン終了。 ----- ◆ミドル1/少女 シーンPC:全員 【解説】 綾瀬の病室にて、彼女から事故当時のことを聞く場面。ほとんど覚えてはいないものの、隣に乗っていた"火神旭"というクラスメイトに助けてもらったのだと思っており、彼を心配している。 なお病院で行われたUGNの検査では綾瀬はオーヴァードに覚醒しておらず、また現在確認されている生存者は彼女ひとりだけであるが、火神旭の遺体はまだ見つかっていないため生死不明の行方不明となっている。 ちなみに綾瀬が未覚醒のためUGNの名前は出さないことを推奨する。あとで記憶処理は施されるので絶対ではないが、警察に話は通しているため、『事故原因を調査している警察関係者』などとするのがよい。 【描写】 ■シーンイン (GM) 桃杜支部長に教えられた病院へ向かった一行。部屋の前に立っていたUGNのエージェントに声をかけたのち、病室に入ったあなたたちはベッドに座る1人の少女と目が合いました。 【セリフ】 (綾瀬) 「こんにちは。警察の人……ですか?」 「綾瀬真花です。すみません、事故のことはあんまりよく覚えてなくて」 「そうだ、彼は。火神くんは無事ですか? 一緒にバスに乗っていたんですけど」 「……事故が起きて、目の前が真っ暗になる前、火神くんと目があった気がしたんです」 「そのあと、なんだか凄く優しい……優しい暖かさに包まれて」 「次に目が覚めたのがここでした」 「あの時、たぶん火神くんが私を助けてくれたんだと思います」 「……こんな大事故で、何かできるわけがないと私も思いますけど」 「でも、そんな気がしたんです」 「まだ彼は見つかってないんですよね? それなら、きっと火神くんは生きてる」 「そう、思います……」 【結末】 一通り話したのち、綾瀬は疲れたようにふぅと息をつく。話を聞いたPCたちが病室を去ったところでシーン終了。 ----- ◆ミドル2/真実 シーンPC:全員 【解説】 情報収集と調達判定のシーン。シナリオからは特にこれといったイベントは用意していないため、RPをするなり思い切って時間短縮にさくさく進めるなり自由にしてほしい。 【描写】 ■シーンイン (GM) 綾瀬の話を聞き、病院を後にしたあなたたち。 何者かに張られた《ワーディング》、無事だった少女綾瀬、行方不明の少年火神。 まだまだ事件は闇の中で、その全貌は掴めず。ひとつずつ真実を手繰り寄せていくしかないだろう。 【セリフ】 特になし 【情報収集】 ・綾瀬真花が助かった理由…〈情報:UGN/警察〉7 7→20人以上いた乗員乗客、その全員がほぼ即死であったとされる今回の事故。 そんな大事故の中で、綾瀬は擦り傷程度の怪我しかなく、事故直後UGNは彼女が覚醒しているとして検査を行なった。 しかし結果は未覚醒。ただし彼女の身体からはいくらかのレネゲイドウイルスが検出されており、なにかしらのオーヴァード能力が彼女に対して行使されたことが予想される。 〆 ※メタ的には火神が《閃熱の防壁》を使用して綾瀬をあらゆる衝撃やダメージから守り切った。 ・火神旭について…〈情報:UGN/裏社会〉8,11 8→綾瀬のクラスメイト『火神 旭(かがみ あさひ)』。事故当時、彼女と一緒にバスに乗っていた少年である。 現場には彼のものと思われる所持品や血痕は残っていたが、その遺体はどこにも発見されず。現状「行方不明」ということになっている。 しかし事故の規模からして普通なら行方もなにも動くことすらできないはずであり、彼こそが覚醒している可能性が高い。 〆 11→また火神について調べているうちに、『"ディアボロス"春日恭二』の存在が浮かび上がった。 今回のバス事故は、どうやらFHによる『危機的状況を作り出し、覚醒したオーヴァードをFHに取り込む』という計画の一環だったようで、火神はこれによって覚醒し、春日に接触されてしまったらしい。 そして厄介なことに、新たなFHエージェントが春日と行動を共にしているという報告も上がってきた。 コードネーム"イグニス"。炎を纏う、サラマンダーのオーヴァードである。 ⇒情報項目『・次の標的』解放 〆 ※火神=イグニス ☆解放項目 ・次の標的…〈情報:UGN/裏社会〉9 9→FHの目的が事故によって覚醒したオーヴァードの勧誘なら、この事件はまだ終わっていない。 なぜなら、そう。『今回の事故での生き残りがもう1人いる』からだ。 綾瀬が生き残っていることを知れば、適合者候補として連れ去りにくるだろう。急いで彼女の病室に戻らなければ。 ⇒ミドル3解放 〆 【結末】 ミドル3を解放し、全員が調達やその他希望の行動を済ませればシーン終了。 ----- ◆ミドル3/襲撃 シーンPC:全員 【解説】 火神が病室に急襲し、綾瀬を連れ去る場面。PCたちは逃げる火神を追いかけて行く。 ここではエフェクトを使ったいくつかの判定をこなしていく。時間短縮のためにシーンインが少ないため、この判定群で侵蝕率を上げようという魂胆である。 なお目標値は例として上げるが、PCたちの構成によって調整するとよい。 【描写】 ■シーンイン (GM) 日も落ち、裏の住人が動き出す時間帯。 一目散に綾瀬の病室に駆け込んだあなたたちが見たものは、火の粉が舞う病室の中、倒れ伏す護衛エージェントと……ぐったりした綾瀬を抱えたひとりの少年だった。 ※エージェントは死んでいない。場所が病院であることもあるため、放っておいても助かるのでPCたちには安心して追いかけてもらう。 【セリフ】 (綾瀬) 「…………」(意識を失いぐったりしている) (火神) 「ち、援軍か」 「でももう遅い。綾瀬は連れて行く」 「じゃあな」 「このっ、しつこいんだよ!」(追ってくるPCたちに攻撃しながら) (桃杜 inチュン太郎) 「く、一手遅かったかっ!」 「護衛は……よかった、息はあるようだ」 「いま治療班を呼んでおいた。みんなは奴を追ってくれ!」 【判定群】 ・逃すな! 綾瀬を拉致り、窓から逃げ出したイグニス。彼をこのまま逃すわけにはいかない、すぐに追いかけなくては! →【肉体+任意の能力値】判定9/成否問わず各自2回 ∟ 失敗するたびに距離を離される焦りで侵蝕率+1d10 ※身体を動かす(肉体)ことを前提に、身体能力にものをいわせる(肉体)か、直感で最短ルートを進む(感覚)か、追跡するための知恵を使う(精神)か、目撃証言などからその行先に先回りする(社会)かといったイメージ ※起点になるのはあくまで【肉体】とする ※追跡に役立つエフェクトや技能を固定値として使用可 例1:《EE:軽巧》や〈知識:追跡〉を所持していればボーナス付与 例2:《オリジン》系の達成値増加効果不可 ・妨害しろ! なんとか振り切られずに追いかけているが、距離を縮めないとこのままではジリ貧だ。 攻撃を放って相手の足を止めなくては。 →任意の命中判定20/2人成功を2回 ∟ 2回成功するまでエンドレス ※範囲攻撃は達成値+5/シーン+10 ・反撃を蹴散らせ! 轟っ! と、邪魔な追手に痺れを切らしたイグニスが大規模な炎を放ってきた。 避ける? まさか! そんな暇はない!! →HP80を削れ/装甲5/ガード0 ∟ 失敗で全員に2d10+(残りHP)点のダメージ(装×,ガ○,庇○) ※範囲攻撃は与ダメージ2倍/シーン3倍 【結末】 全ての判定を終えればシーン終了。次のシーンはクライマックスなので、ロイス整理を忘れないように注意する。 ----- ◆クライマックス/決戦 シーンPC:全員 □戦闘まで 【解説】 火神と春日が合流し、PCを迎え撃つ場面。 火神は自分が綾瀬を助けたことを覚えておらず、自分と同じように生き残った綾瀬が仲間だと信じて(信じたがって)いるため説得は不可能。春日は綾瀬自体には興味がないものの、自分自身で助けたことを忘れて綾瀬を巻き込もうとする火神の欲望を肯定している。 自分の邪魔をするPCたちに業を煮やした火神が戦闘態勢に入り、目標値9の衝動判定を行なったら、クライマックスのボス戦闘に突入する。 なおこの春日はブラム=ストーカーの能力で生み出された従者(《不死者の人形》使用)であり、HPが0になった時点で崩壊し跡形もなく消え去る。本物の春日はPCたちの前には現れないので、捕らえることはできない。 ☆ボスデータ 参考のデータは巻末に記載しておくが、「火神がサラマンダーを所持していること」、「火神がジャームでないこと」、「春日が従者体であること」を除けば自由に設定してよい。 【描写】 ■シーンイン (GM) 街を駆け、ビルを跳び、火花を散らせた鬼ごっこは、イグニスがビルの屋上で立ち止まったことでようやく終わりを迎えた。 どうやら彼は、ここで決着をつけるつもりらしい。 ■春日登場 (春日) 「おいイグニス。余計なものまで連れてくるな」 (GM) 屋上の給水塔、その陰から一人の人物が姿をあらわす。 『"ディアボロス"春日恭二』 この事件の元凶にして、不屈のFHエージェントだ。 ■衝動判定 (火神) 「どうしても邪魔をするっていうなら仕方ねぇ」 「俺の炎で全部燃やしてやるよ!!」 (GM) 瞬間、溢れ出す熱気が肌を焦がす。 膨れ上がった気配に呼応するように、体内のレネゲイドが唸りをあげる! 【セリフ】 (火神) 「うるさいな。返り討ちにすれば問題ないだろ」 「手伝うつもりがないなら黙っててくれよ」 「綾瀬は生き残った。俺と同じなんだよ」 「だから一緒に来てもらう。邪魔はさせねぇ」 「く、そ……終わりかよ……っ!」(倒した) (春日) 「誰も手伝わないとは言っていない。ここまで来られては仕方ないからな」 「まぁ貴様がその女を手放せばそれで済むんだが……」 「くく、その自分勝手な欲望。それでこそFHだ」 「そういうわけだ。お帰り願おうかUGN諸君」 「ぐぅ、崩壊が止まらん。ここまでか……っ!」(倒した) 【結末】 火神、春日両名を倒せば戦闘終了となる。バックトラックを行い、『□戦闘後』へ進む、 □戦闘後 【解説】 春日の従者体が消え、火神が満身創痍で膝をついている場面。 敗北し、諦めた火神は活性化する侵蝕率のまま緩やかにジャーム化していく中、PCたちに最期の介錯を頼む。 しかしPCたちが火神に諦めず日常を望むように説得できれば、火神にもバックトラック現象が起きジャーム化を回避できる。 もちろんPCが望むならそのまま火神を討伐してしまってもよいし、ジャーム化しきってしまった火神が逃げ出したりしてもよい。なお当シナリオはハッピーエンドを想定しているため、その場合のエンディング案は特に用意していない。 【描写】 ■戦闘後 (GM) よろめき、ついに膝をつくイグニス。 その身から零れる炎は頼りなく揺らめくばかりで、もはや彼に戦う余力がないことを確信させた。 ■火神のバックトラック (綾瀬) 「火神、くん……?」 (火神) 「綾瀬……」 「俺はまだ……お前と……一緒に……」 (GM) その呟きを最後にイグニスは、いや火神は目を閉じる。 刹那。彼女の声に引かれたかのように、荒れ狂っていたレネゲイドが急激に沈静化していく。 バックトラックと呼ばれる現象、ジャームとオーヴァードを分ける境界線。自らの欲望ではなく、日常を願うその想いこそが、彼らを繋ぎ止める強固な楔となる。 【セリフ】 (火神) 「負けた……のか……」 「……突然怪物になって、訳がわからなくて。生き残った綾瀬なら、同じなんじゃないかと思ったんだ」 「賭けだったんだ。同じなら一緒になれる。そうでなくても、怪物ならお姫様を攫っていける」 「でも負けた。あいつはまだ人間で、俺は逃げきれなかった」 「そんな無様な怪物は退治されるのがお似合いだ」 「一思いにやってくれよ。UGNってのは、俺みたいなのを退治する組織なんだろ?」(軋む身体と上がる侵蝕率に顔をしかめながら) 「まだ、俺はそっちにいていいのか……?」(説得されて) 【結末】 バックトラック現象が起こり、気絶した火神の侵蝕率が安定する。それを見守ったのち、やってきたUGNの処理班とともに綾瀬の保護や火神の確保を行なってシーン終了。 ----- ◆エンディング/再起 シーンPC:全員 【解説】 屋上での戦いからしばらくあと、再びPCたちが支部長に呼び出される場面。そこで新たに馴染支部に配属された火神旭に再開する。 【描写】 ■シーンイン 屋上での戦いから1ヶ月。 流石にお咎めなしとはいかず、火神が日本支部預かりになったり、拉致られた綾瀬の再検査など諸々の後処理がひと段落した頃。 あなたたちは再び桃杜支部長に声をかけられ、いつかと同じように馴染支部に足を運んでいた。 【セリフ】 (桃杜) 「いらっしゃい。わざわざ呼んですまないね」 「あぁ、そう身構えなくてもいい。今日は別にたいした用事じゃないんだ」 「君たちにぜひ挨拶をしたいって言う子がいてね」 「まぁ会えばわかるさ。入っておいで」 (火神) 「失礼します」 「本日付けで馴染支部所属となりました、火神旭です」 「あの時は色々とスミマセン……ご迷惑おかけしました」 「今度は俺が、あの時やってもらえたように誰かの日常を護りたい」 「これからよろしくお願いします、先輩!」 【結末】 同僚となった火神とそれぞれ言葉を交わし、シーン終了。 エンディングが終了したらアフタープレイに進む。本シナリオの「シナリオの目的を果たした」は10点となる。(ただし火神がジャーム化、もしくは討伐されてしまった場合は5点) ----- 【巻末】 ■ボスデータ ※エンゲージはPCたちが同一のエンゲージ、火神と春日は別エンゲージに配置し、それぞれのエンゲージは「PC-春日-火神」の順で5mずつ離れているとする。 【"イグニス"火神 旭】 ◆データ(経験点+100+《閃熱の防壁》Lv5) ブリード:ピュア(サラマンダー) 能力値:肉体5/感覚1/精神7/社会2 技能:回避1/RC4/意志2/情:噂話2 HP:97 行動値:9 装甲:0 侵蝕率:100%(ダイス+3個) ◆取得エフェクト(侵蝕率B込み) 《コンセントレイト:サラマンダー》Lv3、《ブリザードブレス》Lv2、《結合粉砕》Lv5、《灼熱の砦》Lv6、《閃熱の防壁》Lv6、《生命増強》Lv2、《蘇生復活》、《リフレッシュ》Lv2、《加速する刻》Lv1 ◆コンボデータ(侵蝕率B込み) ▼プレゲトン 《コンセントレイト:サラマンダー》Lv3+《ブリザードブレス》Lv2+《結合粉砕》Lv5+《灼熱の砦》Lv6 技能:RC(固定値+4) C値:-3(下限7) ダイス:12個 射程:視界 対象:範囲(選択) 攻撃力:+20 解説:RCによる射撃攻撃。装甲を無視してダメージを与えるが、移動ラウンドは使用できない。(《灼熱の砦》を抜けば攻撃力+2で使用できる) ■戦闘プラン 基本的には自分と同じエンゲージにPCがいればそのエンゲージ、いなければ一番人の多いエンゲージに向けて「▼プレゲトン」での攻撃を行う。 戦闘不能になった場合、一度だけ《蘇生復活》を使用してHP1で復活する。BSを受けていた際は、その直前に《リフレッシュ》を使用することで2つまで回復する。(特にBS重圧) 自身の一度目の戦闘不能回復直後のイニシアチブプロセスに《加速する刻》を使用し、攻撃してきたPCのいるエンゲージへ反撃する。 なお《閃熱の防壁》は取得しているが、特に使用する予定はないフレーバーである。また火神の頭に血が上っている演出として、リアクションは全て放棄してもよい。 【"ディアボロス"春日 恭二(従者体)】 ◆データ(経験点+140点) ブリード:トライ(キュマイラ×エグザイル×ブラム=ストーカー) 能力値:肉体7/感覚7/精神7/社会7 技能:なし HP:90 行動値:21 装甲:0 侵蝕率:120%(ダイス+3個) ◆取得エフェクト(侵蝕率B込み) 《破壊の爪》Lv2、《コンセントレイト:キュマイラ》Lv3、《獣の力》Lv5、《伸縮腕》Lv3、《ジャイアントグロウス》Lv2、《異形の祭典》Lv3、《渇きの主》Lv2、《夜魔の領域》Lv2、《イージスの盾》Lv2、《生命増強》Lv2、《混沌の宿命》(《ジャイアントグロウス》選択)、《赤色の従者》Lv4、《赤河の従僕》Lv4、《不死者の人形》 ◆コンボデータ(侵蝕率B込み) ▼不屈の惨撃 《コンセントレイト:キュマイラ》Lv3+《獣の力》Lv5+《伸縮腕》Lv3+《ジャイアントグロウス》Lv2+《異形の祭典》Lv3+《渇きの主》Lv2/素手(《破壊の爪》Lv2使用)/《混沌の宿命》 技能:白兵(固定値+4) C値:-3(下限7) ダイス:10個 射程:視界 対象:4体 攻撃力:+2d10+10 解説:《破壊の爪》によって変更された素手での白兵攻撃。1体にでも命中すればHPを8点回復し、装甲を無視してダメージを与える。シナリオ2回まで使用可能。 ▼不屈の一撃 《コンセントレイト:キュマイラ》Lv3+《獣の力》Lv5+《伸縮腕》Lv3+《渇きの主》Lv2/素手(《破壊の爪》Lv2使用) 技能:白兵(固定値+4) C値:-3(下限7) ダイス:10個 射程:視界 対象:単体 攻撃力:+20 解説:《破壊の爪》によって変更された素手での白兵攻撃。命中すればHPを8点回復し、装甲を無視してダメージを与える。 ■戦闘プラン マイナーアクションで《破壊の爪》を使用し素手のデータを変更。その場から移動はせず、PC全員に「▼不屈の惨撃」で攻撃を行う。 メインプロセス終了後に《夜魔の領域》Lv2を宣言し、1ラウンドに1回だけ行動値0で行動権を回復。PCたちに圧力をかける。(先に春日を狙ってもらうため) 《夜魔の領域》での再行動が発動し、2ラウンド目に突入した場合「▼不屈の惨撃」の使用回数が切れるので、かわりに「▼不屈の一撃」を使用して攻撃する。 ただし2ラウンド目まで生き残ってくると範囲攻撃によってPCたちのロイスが心配になるため、1ラウンド目中に(できればPC側の最後の攻撃で)倒されておいた方がバックトラックが安心だと思われる。 PCの攻撃に対しては基本的に《イージスの盾》を使用し、ガード値2d10(《破壊の爪》使用後は2d10+1)でガードを行う。
シーンNo. | 種別/発言者 | コマンド/説明 |
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シーンは設定されていません。 |
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本作は、「矢野俊策、ゲーム・フィールド」が権利を有する「ダブルクロス」の二次創作物です。