森 翡翠(dx)(ダブルクロス3rd用キャラクターシート)

s.yazimaが作成したTRPG「ダブルクロス3rd」用のキャラクターシートです。

本作は、「矢野俊策、F.E.A.R.、KADOKAWA」が権利を有する「ダブルクロス The 3rd Edition」の二次創作物です。

森 翡翠(dx)の詳細

キャラクターID: 163439604923SC02

キャラクター情報  NPCでの使用可(使用後はコメントください)
TRPGの種別: ダブルクロス3rd
森 翡翠(dx)

いいね! いいね! 0

キャラクター名: 森 翡翠(dx)
 / 
 / 
外部URL:
メモ:
モリ ヒスイ
詳細A:
《基本情報》
【名前】森 翡翠 
【コードネーム】ホワイトフォレスト 
【消費経験点】191(-2)

【年齢】?? 
【性別】女性 
【星座】水瓶座
【身長】158cm 
【体重】50kg 
【血液型】師管液
【ワークス】RB 
【カヴァー】研究者(内科医 兼 薬剤師)
【ブリード】クロス 
【シンドローム】エグザイル/ブラム=ストーカー

《ライフパス》
【出自】リンカーネーション
【経験】仕合せな出会い
【邂逅】自身(森)
【覚醒】誕生 (侵蝕値:17)
【衝動】殺戮 (侵蝕値:18)
         (基本侵蝕値:43)

《能力値・技能》
【肉体】5 〔白兵:Lv3〕
【感覚】3 
【精神】1 〔意志:Lv1〕〔知識:Lv1〕
【社会】1 〔調達:Lv1〕

【HP】31 
【常備化ポイント】4
【財産ポイント】 
【行動値】7
【戦闘移動】12 
【全力移動】24

《ロイス》 ※関係性:対象名  P: N: 備考(タイタス)
 D:復讐者  P: N:   ( )
 D:無疵なる石  P: N:   ( )
詳細B:
《エフェクト》 
※No:名称(Lv):タイミング:技能:難易:対象:射程:侵蝕:制限:効果

00:リザレクト(Lv:1):オート
        技能:ー
           難易:ー
               対象:自身
               射程:至近
               侵蝕:効果
               制限:ー
               効果:(LV)D点HP回復、侵蝕値上昇

00:ワーディング(Lv:1):オート
                 技能:ー
                 難易:自動
                 対象:シーン
                 射程:視界
                 侵蝕:0
                 制限:ー
                 効果:非オーヴァードをエキストラ化

01:ヒューマンズ ネイバー(Lv:1):常時
                          技能:ー
                          難易:自動
                          対象:自身
                          射程:至近
                          侵蝕:ー
                          制限:RB
                          効果:人間を装う。衝動判定+10

02:オロジン:コロニー(Lv:1):マイナー
                       技能:ー
                       難易:自動
                       対象:自身
                       射程:至近
                       侵蝕:3
                       制限:RB
                       効果:バッドステータス回復

03:擬態の仮面(Lv:1):メジャー
               技能:ー
               難易:自動
               対象:自身
               射程:至近
               侵蝕:ー
               制限:ー
               効果:自然な物に擬態できる

04:コンセントレイト(Lv:2):メジャー
                     技能:ブラム=ストーカー
                     難易:ー
                     対象:ー
                     射程:ー
                     侵蝕:2
                     制限:ー
                     効果:クリティカル値 -(Lv*1)

05:赫き剣(Lv:1):マイナー
           技能:ー
           難易:自動
           対象:自身
           射程:至近
           侵蝕:3
           制限:ー
           効果:Lv*2以下のHPを消費して武器作成

06:渇きの王(Lv:1):メジャー
             技能:白兵
             難易:対決
             対象:単体
             射程:至近
             侵蝕:4
             制限:ー
             効果:装甲無視/Lv*4 回復

07:不死者の恩寵(Lv:3):クリンナップ
                 技能:ー
                 難易:自動
                 対象:自身
                 射程:至近
                 侵蝕:5
                 制限:ー
                 効果:HP(Lv+2)D 回復

08:災いの剣(Lv:4):メジャー
             技能:白兵
             難易:対決
             対象:単体
             射程:至近
             侵蝕:2d10
             制限:100%
             効果:HPを1にする 攻撃力+失ったHP

09:融合(Lv:1):セットアップ
         技能:ー
         難易:自動
         対象:単体
         射程:至近
         侵蝕:2
         制限:120%
         効果:自分を対象に融合エフェクトを使わせる

10:異形の刻印(Lv:10):常時
                技能:ー
                難易:ー
                対象:ー
                射程:ー
                侵蝕:ー
                制限:ー
                効果:HP+100

《武器》 ※名称:種別:技能:命中:攻撃力:ガード値:射程:常備化:解説
      :    :    :    :      :        :    :      :

《防具》 ※名称:種別:ドッジ:行動:装甲値:常備化:解説
      :防具:      :    :      :      :

《一般アイテム》 ※名称:種別:技能:常備化:解説
      :      :              :      :

《コンボ》
※名称:条件:組合:タイミング:技能:難易:対象:射程:侵食
       :ダイス:クリティカル:攻撃:解説
   :  :  :  :  :  :  :  :
   :  :  :  :
詳細C:
宇宙には、始まりはあるが、終わりはない。
”無限”
星にもまた、始まりはあるが、自らの力をもって滅びゆく。
”有限”
無限たる時間を紡ぐ歯車は煌々と輝き、回転は恍惚とし、
有限たる一刻を生む勢車は燦然と輝き、回転はまるで興ざめである。
叡智を持つ者こそ最も愚かであることは、歴史からも読み取れる。
たった一人の、たった一つの選択が、幸と辛の明暗を分ける。
そんな0と1の境界線。
仮想の無限が織りなす、フィールドとレコードは、2^34と決まっている。
領域の有限が導きだす、ニューメリックとバリューには、限界があると知った。
これは、抗えるものたちに対する、神からの最後通告といえよう。

~無限有限のバイナリー~


気づけばいつも森の中にいた。
疲れたときに私はここに帰ってきた。
表では製薬会社に研究員、
裏では特務機関の諜報員として活動する私に、
ある日、国が出した命令は、
“闇医者 森鴎内を調査せよ” だった。
理由は聞いてはいけない。
まぁ、検討はつく。
このところ、皇太子殿下の容態が厳しいと聞く。
そのことだろう。
国はクラスD職員に病原体E-1764Zを注射し、病人を作った。
EはENDのE、打ったら死ぬことを表す。
末尾は製作進行度。
Zはアルファベットの最後、つまり完成を表す。
この病原体は私が作った。
私の子供だ。
打ったら死ぬ。
タイムリミットは1年。
治療法は存在しない、、、はずだった。
彼と私はそれを治した。
そして、国には適切な報告を回し、
上司に不適切な報告を回した。
「翡翠君、今回もよくやってくれた。
だが、彼には渾身のEを破られたそうだね。」
「そのことですが、長官。
この組織を抜けることはできますか?」
「それはできない。」
「そうですか。残念です。」
「だが、きみのやりたいことは許可する。
条件は2つ。
1、頻度と危険度は減らすから仕事はこなしてくれ。
2、式には呼んでくれ。」
「長官…………
それ、パワハラですよ?まぁ、呼びますけど。」
「”雁金翡翠”で戸籍を用意した。早く行け。」

私は鴎内にプロポーズした。
彼は私のために病院内に研究所も作ってくれた。
幸せな日々だった。
事は上手く運び、結婚してからすぐ子も授かった。
問題はここからだった。
妊娠3ヶ月、私はいきなり倒れた。

気が付くと私は森の中にいた。
そして気がついた。
これは私だ。
常緑樹の生い茂るこの森が私だ。
—レネゲイドビーイング—
そう、私は森だ。
木々が私に問うてきた。

我は己に問う 汝は何ぞや!!

我は森、森翡翠。

森(forest)のレネゲイドビーイングなり。

ならば森よ 汝に問う 汝の根で守るものは何ぞや!!

この森と神仏なり。

ならば森よ 汝に問う 汝の枝葉で守りたいものは何ぞや!!

夫子供と国家なり。

ならば!! ならば森よ 汝は何ぞや!!

人を守り、土地を守るのは林の仕事。
我は海にして海にあらず、
生物にして生物にあらず、
概念にして概念にあらず、
教徒にして教徒にあらず、
神仏にして神仏にあらず、
逆徒にして逆徒にあらず!!
我は森なり 森の使徒なり
我は、ただひたすらに地に従うもの
ただ伏して神仏に許しを請い、
ただ神仏として神仏を信仰する者なり
大地に根を張りて地を固め、悠久の時を刻む者なり
我は枝脚なり 枝脚(the outside woods)の森(forest)なり!!
時至らば 我は己が影に家族を匿い、
膨大な記憶をもって国家に添うなり
さらば我は己が意思をもって大地を動き、
木々を組みて方陣を布き、
守るべき四つを己が力にて守護するものなり、、、
・・・・・・・
この大 馬 鹿 者、何を突っ立って黙っている。
お前は大木か?
早く行ってこい。

—————————————ありがとうございます。

起きたら病院だった。
彼が、すごい顔で見ていた。
「どのくらい寝てた?」
「3時間。生命力を疑ったよ。」
「この子は大丈夫?」
「うん。」
「そっか。ありがとう。」

~開始端子のフォレス~

--------------------------------------------------------------

<α-クトゥルフ>
起きたら病院だった。
彼が、すごい顔で見ていた。
「どのくらい寝てた?」
「3時間。生命力を疑ったよ。」
「この子は大丈夫?」
「うん。」
「そっか。ありがとう。」

心配事が無かったわけではない。
でも、彼なら受け入れてくれると思った。
どんな私であっても。
梟外もいい子に育ってくれている。
私たちの自慢の子供だ。
私は森。
森 翡翠。
私は私だ。
私は、幸せだ。

~永久機関のスタグナント~

--------------------------------------------------------------

<β-シノビガミ>
起きたら病院だった。
彼が、すごい顔で見ていた。
「どのくらい寝てた?」
「3時間。生命力を疑ったよ。」
「この子は大丈夫?」
「うん。」
「そっか。ありがとう。」

しばらくして、私は長官に呼び出された。
局長室に入ると、仲間4人立っていた。
左から、電算長、医連長、防衛長、技師長。
技師長の隣にはイスが用意されていた。
「森君、座り給え。妊婦に私の長話は辛いだろう。」
「ありがとうございます。」
「13年前、私は内閣情報調査室にいた。
米英仏独ロ中と、様々な国が日本を狙う中で、
この国を守るためには、
霞が関を横に貫く組織が必要だと思った。
だが、霞が関にいる人間を集めてもいがみ合うだけ。
だから、私は君たちを集めた。
それが、正解だったと言えるかどうかはわからない。
この組織は、日本政府を常に守ってきた。
それは感謝している。
だが、同時に君たちは自分自身を捨てていた。
それが、この結果だ。
森君に至っては、重要な時期にこれだ。
だから、私は決めた。
私は決めたぞ君たち、私は決めた!」
「長官、くじで決めなくていいんですか?」
「電算長、このように大事なことをくじで決めていいんですか?」
「大事なことだからくじで決めるのだ。」
「電算長、技師長。ふざけない。」
「失礼しました。長官。」
「させん。」
「私は、、、、、、、、、決めた。
我々の機能の全てを比良坂機関 公安隠密局に委嘱する。
今後は、公安隠密局のシノビとして活動する。
ただし、休みは多いからな。
しっかり休みなさい。
以上だ。」

~国家安寧のインテリジェンス~

--------------------------------------------------------------

<γ-ダブルクロス>
起きたら病院だった。
彼が、すごい顔で見ていた。
「どのくらい寝てた?」
「3時間。生命力を疑ったよ。」
「この子は大丈夫?」
「うん。」
「そっか。ありがとう。」

彼には言わなければいけないことがあった。
それが一つだけ気がかりだった。
私は森だ。
子供はどんな姿をしているだろう。
ザイクロトルの悪魔のような姿かもしれない。
そもそも、できないんじゃないかと思うが、
現にできている。
レネゲイドウィルスとやらは恐ろしいようだ。
この病気は彼には治せない。
いや、治せるのかもしれない。
だが、その瞬間、私は消える。
彼には言わなければならない・・・・・
言わなければ・・・・・・・・・・・
結局、言えなかった。
私は彼から逃げた。
生まれた梟外は人間のようだ。
レネゲイドは持っているかもしれないが、
どうもパパに似ている。
私は、梟外からも逃げた。
教会に預けて、逃げた。
彼らを守るために。
これが私の幸せだと信じて。

~幸福指数のパラノイア~


たった一つ、また一つと過ぎてゆく時と、
たった一つ、また一つと消えてゆく思い出が、
私の視界を邪魔するように、
私の中で風船のように膨らんでゆく。
たった一本の棒が視界から消えてゆくのだ。
私の家族は、、、、
いや、家族だった人たちは、
今はもういなくなってしまった。
結局、息子と話すことはできず、
影から見ることしかできなかった。
私の幸せは、今はもうない。
彼の幸せも、きっとないだろう。
私の選択が、
この世界を混沌へと導いたなどとは思わない。
でも、私の選択は、私に関わった人の世界を
混沌へ導いてしまったのだろう。
それが、、、、、
それを私は、私の幸せだと信じて、
信じ続けて、結局、私まで、、、、、、
いや、自分のことしか見えていなかった時点で、
私の未来は決まっていたのかもしれない。
今、、、、、、
今、目の前にある装置は、記憶を過去に送る装置。
私の未来が確定した未来だったならば、それはしかたのないこと。
でも、もしあの日、あの場面で、
私が選択を変えていれば、
未来は変わるのかもしれない。
だったら、、、、、、、、

「お願いします。」
「わかったわ。
時間は、1994年の7月16日でいいのよね。」
「ええ。」

ヘッドホンのような読み取り装置を頭にはめる。
いまとなっては懐かしいでは済まされないような機械が、大量につながり、そのうちの10台程度が青白い光を放つ。

私は、、、、、、
私の世界を、、、、、、、

~幸福時間のアーキテクチャ~

--------------------------------------------------------------

<γ[one]-ダブルクロス>
ヘッドホンのような読み取り装置を頭にはめる。
いまとなっては懐かしいでは済まされないような機械が、大量につながり、そのうちの10台程度が青白い光を放つ。
エンターキーに重なる指。
今まさに力をかけて押さんとしているのがわかる。

私は、、、、、、
私の世界を、、、、、、、

「この大 馬 鹿 者、何を突っ立って黙っている。
お前は大木か?」
「私は、、、、、、、、、私は森です。」
「知っている。」
「あの、、、、この子は、、、、
どんな子に育つんでしょうか。
人間の子供でしょうか。
植物の子供でしょうか。
鴎内は、認めてくれるでしょうか。」
「知らない。どうでもいい。」
「え?」
「貴様、馬 鹿 野 郎、この大 馬 鹿 野 郎め。
貴様が選んだ男はその手度の男なのか?
もし、その程度の男だと思うのであれば、
過去の自分の選択が間違っていたと思うのなら、
ここに帰ってきなさい。
早く、行け。
お前の選んだ男と、お前たちの選んだ未来が待っている。
いずれ土壌(limbo)で、、、」
「あの!」
「どうした?まだ何かあるのかね?」
「あの、、、あなたは、あなたは何者なんですか?」
「それは愚問というものだ。森に決まっているではないか。」
「それは違います。森とは概念。
私たちはそれを構成する全ての集合意識。
あなたが集合意識ならば、個人の意見のようなものは出ないはず。
仮に集合意識だったとしても、今のあなたをの中核となる意識が存在するはず。
あなたは、、、何者ですか?
私を助けてくれるあなたは、、、」
「わたし、、、わたしはね、、、雁金翠、、、。」
「雁金、、、」
「あなたの素、、、」
「もと、、、」
「だから言っているでしょ?
いずれ土壌(limbo)で、、、」
「あっ」

—————————————ありがとうございます。

起きたら病院だった。
彼が、すごい顔で見ていた。
「どのくらい寝てた?」
「3時間。生命力を疑ったよ。」
「この子は大丈夫?」
「うん。」
「そっか。ありがとう。」


我々は森なり。
森は己に問う。
我々は何か。
我々は、
人の形をして、人ならざる物たちは、
人に愛されなければ生きてゆけない。
そして、人を愛した自分を信じて、
それをもって自分を形成する。
彼女の中の森という概念に対し、
我々、残った木々は、
彼女を支え、生きてゆく。
たった、それだけのこと。

~原点回帰のランデヴー~

--------------------------------------------------------------

<γ[two]-ダブルクロス>
ヘッドホンのような読み取り装置を頭にはめる。
いまとなっては懐かしいでは済まされないような機械が、大量につながり、そのうちの10台程度が青白い光を放つ。
エンターキーに重なる指。
今まさに力をかけて押さんとしているのがわかる。

私は、、、、、、
私の世界を、、、、、、、

「まって!」

指が離れる。

「どうしたの?」
「私は、、、、、、、、、、、、、、、
私はやっぱり、、、、」

私はやっぱりだめなのだ。
あの時もそうだった。
その一瞬、ほんの一瞬の勇気が足りない。
いや、まったく無いから、
その一瞬まで先送りになってしまうのか。
それでも、先送りで何もかも失ったとしても、
私は私には、変わらぬ灯台がある。
今、目の前で薄れてゆく光よりも、
もっと明るい光と、
もっと眩い笑顔が私の行く末を照らしてくれる。

「翡翠さん?いいの?」
「いいの。私には、大切なものがあるから。」

きっと、、、きっと、この光は、
どんな恒星より明るくて、
どんな恒星より熱くて、
どんな恒星より大きい。
有機化学をもってしても、
宇宙物理を応用しても、
分離することはできない。
私もそんな光になりたい。

私も誰かを照らしたい。

~不変記憶のアークライト~


私は、、、、、、
私はまたやってしまった。
自らの行為を正当化し、
決断しないことを、何も変えないことを決断した。
いつでも、そうなのだ。
かといって、今からまた過去に戻る勇気もない。
過去に戻ったところで、変える勇気もない。
確定した過去と確定しない未来。
どこにもない今。
今は常に過ぎ去り、過去となる。
たとえ、今の一瞬を写真として切り抜いても、
それは今を模った光の遊びに過ぎない。
私たちは、神のおもちゃに過ぎないのだ。

~停滞記憶のスターダスト~

--------------------------------------------------------------

<γ[three]-ダブルクロス>
ヘッドホンのような読み取り装置を頭にはめる。
いまとなっては懐かしいでは済まされないような機械が、大量につながり、そのうちの10台程度が青白い光を放つ。
エンターキーに重なる指。
今まさに力をかけて押さんとしているのがわかる。

私は、、、、、、
私の世界を、、、、、、、

収束し、収まる光。
変わらない意識、変わらない視界。
それは、実験の失敗を意味する。

「そんな、今までは成功してたのに」
「もういいんです。
私は過去に行けなかった。
それはそれで一つ、世界の選択なんだと思います。」
そう言った手前、悔しかった。
反面、安心した。
白衣を纏った女性が機械を分解する。
夢中になる姿に鴎内を重ねると、
懐かしさと焦燥に襲われる。
それが、悔しさと安心をオルタネートさせる。

あれ?オルタネートってなんだっけ?

「母さん、これ見てよ!オルタネート回路だよ!」

そうか、梟外が、、、、、
私、、、、、梟外と話したことない、、、、、、、
まぁ、いいか。

そんな私の心の中に取り残された感覚は、、、、
まるで、、、、、
私の心と身の上を嘲笑うかのようにふるまう。
そんな今である。

~複製資源のホメオスタシス~


なぜ失敗したのか。
専門外の人間が考えても仕方のないことなのだが、
つい、考えてしまう。
成功していた過去、
確立された成功の上の未来。
それを退けるなにか。
ブラックボックスの中の二分木。
それが、私の未来であり、
世界の選んだ未来なら、
私に幸せは訪れない。
確定した未来と確定しない過去。
どこにもない今。
今は常に過ぎ去り、過去となる。
たとえ、今の一瞬を写真として切り抜いても、
それは今を模った光の遊びに過ぎない。
これは、神に逆らった者に与えられる、
神のおもちゃの副産物なのだから。

~確定世界のエミッション~

--------------------------------------------------------------

<γ[four]-ダブルクロス>
「叔母さん、風邪の具合どう?」
「もう少し寝てていい?」
「うん。お粥作ったら食べる?」
「作ってくれるの?」
「作るよ?」
「ありがとう。食べるよ。」
「じゃぁ、作ってくる。」
「ありがとう。鴎内君。」

私は、森翡翠。
今は、雁金翠。

~情報誤差のソリチュード~


昭和4年のことでした。
雨は降っていませんでしたが、嫌な雲が空いっぱいを覆っていて、光は差していませんでした。
私は森の中で一人ぽつんと立っていたのです。
何やら、焦げ臭かった気もしますが、あまり覚えていません。
とにかく、そこでぼーっとしていたのです。
それが、5分だったか、3時間だったか、あるいは日中ずっとだったか覚えていませんが、日が沈みかけた時、男の人が声をかけてきたのです。

「大丈夫ですか?」

その人は、動泰と名乗り、下に自分の病院があるから、ケガの手当をすると言いました。
私には何もありませんでした。
お金はもってのほか、身分を証明できるものすらなく、しまいには、自分自身の記憶もない問う始末でした。
道中、名前を聞かれても答えられず、何を聞かれても黙っていたのを覚えています。
下山しますと、病院の裏手に出まして、表に回ると、大きな玄関の右側に、森医院と書かれた木の板が打ち付けてありました。
後に気づくことになりますが、動泰さんは鷗内さんのお父様だったのです。
木の板は、その時見てから60年ほどたっていますが、今でも同じものが打ってあります。
みすぼらしいので変えようといっても、

「これがいいんだ。病院(ここ)を大きくするのは鷗内に任せてあるんだ。」

と言っていたのを記憶しています。
さて、病院に入りますと、動泰さんの奥様に診察服を渡されまして、私は服を着替えました。
診察でも一度名前を聞かれますと、私は、雁金翠と答えました。
着ていたワンピースには雁金、ハンカチには翠とあったのです。
その後、私のこと重大な病気だと思った動泰さんは、私を住まわせてくれるというのです。
記憶喪失は重大な病気でしょうから、間違ってはいないのでしょう。
私は、病院のお手伝いをしながら、住まわせてもらうことにしたのです。
その時は記憶が無かったのですから、仕方のないことですが、今思えば、この判断は大きな間違いだったと思います。
6年くらいたった頃だったと思います。
森翡翠という宛先で電報が届いたのです。
動泰さんは、翠というのは、本当は翡翠だったのではないかと言って、私に渡してきました。

C17H21NO4

全くもって意味不明でした。
その意味が分かったのは、数か月後のことです。
足りなかった交感神経抑制剤を私が作りました。
C17H21NO4、コカインも同じですが、スコポラミンの化学式です。
1946年ぐらいに抽出されるはずのアルカロイド。
楽しいと思いました。
またやりたいと思いました。

あ、私は前にやっていたんだ。

と思い出した。
私は森翡翠。
それが、私が私を思い出すまでの話だ。

「お粥、おいていくね。」
「ありがと。」
「叔母さん、それ、日記?」
「そう、私の長い長い思い出。」
 
71年生きてきてた、今の人生より長い、、、、
数千年の思い出。
それが、私の記憶。

~長期記憶のダイヤリー~


驚いたことに、顔は森翡翠と瓜二つなのだ。
髪の色は緑じゃないけど、顔は同じだった。
それがなぜなのか、わからない。
もう一つ、なぜ生まれる前の世界に遡れたのか。
だが、それについては、、、、、、、

「ねぇ、母さん、これ見て!
 これはねぇ、1m%で地下以外の圏外にも電波を送れる装置でね、気象現象を利用してるから、天気次第では100%で送れるんだよ。
 衛星通信が発達した現代では無用の産物だけどね。」
「特許が取れそう?」
「取れるかもね。」

この記憶は誰の記憶?
でも、それが本当だとして、まさか、そんなことが。
だとしたら、あの装置には梟外が、、、、

落ちる雷。
それが、膨大なデータを有していると誰が思うだろう。
たった36byteの圧縮データを受け取った雲海が、32Tbyteまで解凍され、拡散し、電離層スポラディックE層に反射する。
電離層下層でも反射した電波は、一点に収束し、雷として落ちる。
下に人間がいることなど想定されていない。
しかし、仮に人がいたとして、
そして、そのデータが、対人を想定されていたとして、それが、どうなるか。
もう、わかりきっていることであろう。

「母さん、どうして笑ってるの?」
「どうしてかな。
私も、鴎内も、梟外もなんか自由にやってて、2人とも楽しそうで、私も楽しくて、、、、、、だからかな。」

夜、この景色には見覚えがあった。
しかし、すべて同じというわけではない。
記憶と視界、光と闇の風景の隙間に、
さみしさと、虚しさを抱えて、
一つも二つも何かがこぼれるのだった。

~螺旋記憶のノクターン~


「叔母さん、お粥食べれた?」
「うん。おいしかったよ。」

ここに至るまでいろいろあった。
6年も過ごしてしまったために、
不用意に森家を出るわけにもいかず、
動泰さんの意向もあって、奥さんの姉妹ということにした。
鴎内が生まれ、奥さんが亡くなり、動泰さんも亡くなって、鴎内と2人だけになった。
鴎内を育てるというほどのことはしていない。
言ってしまえば、お金を出しただけとも言える。
それでも、鴎内は好きなように、良い子に育ってくれた。
できることなら、将来、生まれる私に会いたい。
それは、無理な願いなのかもしれない。

「鴎内君、いい人を見つけるのよ。」
「叔母さん、まだ早いって。」
「そんなに早い話じゃないんじゃないかな。」
「でも、まだ高校も大学も受かってないのに。」
「大丈夫よ。あなたの知識は折り紙つきだわ。
 どんな状況でも医師としてやっていきなさい。」
「叔母さん、、、、」
「大丈夫よ。」

~記憶と遺伝のミーティング~

--------------------------------------------------------------

<収束点χ>
幸せとは何だろうか。
普通とはなんだろか。
私の選んだ0と1にはどのくらいの重さがあるのだろうか。
それが、、、、、、、
明日の朝食を変える程度か、
3年後の国境を変える程度か、
10万年後の宇宙を左右する程度か、
どれを選んでもほかの未来は見えない。
どれを選んでも確定した未来はない。
世界に影響を与える要因は一秒前後に一回は訪れ、
それを選択する原因は生命の数以上にある。
現在の世界を表す数値は選択おきにbitを増し、
現在のbit数をnとするならば、
世界線の数は2^nとなる。
手元の電卓は2^332,約8.75*10^99が限界である。
これでは、世界のオーバーフローが見え透いている。
そのために、ある程度の収束を用意する。
選択とは、選択者のビックデータを総括し、
一瞬でも最適だと思う答えを導き出すことである。
世界の収束はbitの減少を意味する。
収束を回避し、世界にオーバーフローを起こせば
ダイバージェンス1桁の壁を突破し、別の世界にたどり着く。
それが、しあわせかなど知らない。
知ってはいけない。
人は、選択を後悔し、それでも、前に進むのだ。

雨 潸潸と この身に落ちて
わずかばかりの運の悪さを 恨んだりして
人は哀しい 哀しいものですね
それでも過去達は 優しく睫毛に憩う
人生って 不思議なものですね

風 散散と この身に荒れて
思いどおりにならない夢を 失したりして
人はかよわい かよわいものですね
それでも未来達は 人待ち顔して微笑む
人生って 嬉しいものですね

愛 燦燦と この身に降って
心秘そかな嬉し涙を 流したりして
人はかわいい かわいいものですね
ああ 過去達は 優しく睫毛に憩う
人生って 不思議なものですね
ああ 未来達は 人待ち顔して微笑む
人生って 嬉しいものですね

何がしあわせかなんて知らない。
知ってはいけない。
人は選択に後悔しても、
その選択に幸を生み、そして、前に進むのだ。
そして、その幸を、人は未来と呼ぶ。
たった一つの未来を望む。


宇宙には、始まりはあるが、終わりはない。
”無限”
星にもまた、始まりはあるが、自らの力をもって滅びゆく。
”有限”
無限たる時間を紡ぐ歯車は煌々と輝き、回転は恍惚とし、
有限たる一刻を生む勢車は燦然と輝き、回転はまるで興ざめである。
叡智を持つ者こそ最も愚かであることは、歴史からも読み取れる。
たった一人の、たった一つの選択が、幸と辛の明暗を分ける。
そんな0と1の境界線。
仮想の無限が織りなす、フィールドとレコードは、2^34と決まっている。
領域の有限が導きだす、ニューメリックとバリューには、限界があると知った。
海に生ける魚は、陸の世界を知らない。
彼らが叡智を持てば、それもまた滅びゆく。
人間が光の速さを超えるのは、
魚たちが陸で生活を始めるよりも滑稽。
これは、そんな神からの最後通告に抗い、
神に敗したものたちの奔走のエピグラム。

~収束思考のプロトコル~

--------------------------------------------------------------

<γ[four]-ダブルクロス>
叔母さん、森が好きだったよね。

「ミーちゃん、森が好きなの?」
「いつか、鴎内君にもわかる日が来ると思うよ。」
「そーなの?」
「この森には私たちにとって、とっても大事な秘密があるの。」

秘密、、、、、
結局わからなかった。
叔母さんが亡くなって、もうすぐ一年。

「叔母さん、高校にはなんとか入れたけど、大学は難しいかも、、、」
「大丈夫よ。自由にやりなさい。」
「そうだね。それでも頑張って勉強するよ。」


「、、、、ここは、、、、」
「ここはあなた。あなたはわたし。
私は森。あなたの森。
あなたの名前は、、、そうね、、、
雁金翡翠、、、にしましょうか。」
「かりがねひすい、、、。それが私、、、。私は森、、、。」
「大丈夫。
あなたはここにいる。
わたしはここにいる。」

~遺伝複製のバース~
マクロ:

マクロはありません。

タグ:
(▼ タグを開く ▼)
転送: 転送  オンセンルームに転送する

データを出力する

出力設定

非表示設定:

出力先

キャラクターシートをテキストで出力

ユドナリウム用キャラクターデータで出力

ココフォリア用キャラクターデータで出力

マクロをチャットパレットデータで出力