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💀 「俺は悪党だ。」(私のPCをもっと知ってもらおう企画第二弾) (▼ ネタバレを含むコメントを読む。 ▼)ベールだと思った?残念南雲でしたーーーー!!()金目のイケボでCV中村悠一のダークヒーローなんて、もてないはずがないのだ!! 意識が、没んでいる。ここは……どこだ?どうやら俺は情けなく床をペロペロしているらしい。見上げる空は鉛のように重い。辺りを見回してみる。……人?人か?その割にはピクリとも動かない。顔色も随分悪いみたいだ。……いや、違う。アレは…… 「ハッ。なんでぇ。いつものことかよ。」 またやってきたお決まりのパターンに、思わず失笑が漏れる。俺の周りにいるのは、いや。その表現は的外れだな。俺の周りにあるのは、かつて人間だったモノの成れの果て。喋らなくなり動かなくなったタンパク質の塊だ。 あそこで穴あきチーズみたいになってるのはジャック。中東の紛争地帯で一緒になって、とっとと戦争を終わらせて国で待ってる彼女にプロポーズするって話を俺にウッキウキに報告し、案の定その1時間後に鉛玉の熱烈なラブコールを受けてあっさり死んだ。 あっちの首なしは……服装からすると多分フランソワか?アメリカの郊外で、確かコービットとかいうクソジジイの屋敷で起きた怪事件を解決した時に一緒になった探偵の卵だった。気配り上手な明るいいい子だったがいささか考えなしなところがあり、俺が止める間もなく二階への階段を駆け上がり、猛スピードで突っ込んできたベッドに首から上をふっ飛ばされた。 向こうの……なんかよくわからないことになってるのは……多分バーナードだろう。あのヒゲは間違いない。ナイアルポテトだかなんだかってどこぞのカミサマがいきなり現れて、なんだかわからないうちにバーナードがなんだかよくわからないことになっていた。まぁ、今ではアレが俗に言う『無貌の神』って存在だってのがわかるんだが。……要するにコレは「オーヴァードなんてチートを使ったって出来ることなんて大してないですよー。」ってことを懇切丁寧に教えてくれる夢なワケだ。 「ぶ……う!!」 「し……ょ!!」 「支部長!?」 「おわっとぉ!?……あいて!!」 呼ばれて思わず跳ね起きる。勢いで机の上に置いてあったアル・アジフが鼻っ柱に直撃する。結構な厚みのあるヤバい魔導書の、しかも背表紙が。 「大丈夫ですか南雲支部長……。だいぶうなされてましたけど……。」 虹色の瞳を不安そうに揺らしながら、この世のものとは思えない美女が俺の顔をのぞき込んできた。 我が支部の誇る優秀な秘書官にしてNo.2エージェント!!支部の男性職員は言わずもがな、同性までをあまねく虜にしてしまう魔性の女!!三位一体【トライフォース】こと東雲 響(しののめ ひびき)ちゃんだッ!!ちなみに銀髪だったり瞳が虹色だったりするのはサイボーグだから。目に当たる部分には、特殊偏光レンズのカメラアイが組み込まれてるわけね。つ……っつーか東雲ちゃん!!今日もNice!!クレバス!俺が珍しくガチの本気モードで仕上げたファイル束が挟まってんじゃん!? 「あ〜、東雲ちゃんには俺がうなされてるように見えたのかぁ〜、!……若いな!!若すぎる!!人生における経験値が全くもって足りていない!!これからの日本を担う若者がこのような体たらくでは、俺は一体どーしたらいいのかぁ!!」 「えぇ…?だってうんうん唸ってたし、顔真っ青で冷や汗かいてたし……。」 銀の眉を八の字に曲げ、どうしたらいいのかわからないって顔をする。……これこれ。これよ!!ピュアな娘をからかうのはこれだから楽しいんだ。妙な知恵付けた擦れた奴じゃあ、こんなリアクションは見れないからネ☆ 「あれはなぁ。うなされていたんじゃあないんだよ。楽しんでたのさ。」 「楽しんでた?とてもそうは見え」 「夢のまどろみの中で!!俺とあの子ががっぷりよっつとウフン♡アハン♡と!!あは……?」 「…………。」 ついさっきまでかわいい困り顔を浮かべていた東雲ちゃんの表情はみるみる鬼の形相に変わり、周囲が熱に包まれたかと思うと爆発を起こす。……真面目なのはいいことだけど、もっと頭柔らかくしようね東雲ちゃん!! なーんておちゃめなアクシデントもありつつ、コーヒーブレイクのお供に無名祭祀書を読んでいると、だ。 「B-12地区にジャーム反応!!35……いえ40です!!」 唐突にアラートが鳴り響く。普段はめっちゃ不真面目な俺が、めっちゃイケてるモテ男になる舞踏会の開幕を告げる鐘の音が。 「おっとぉ?またぞろどっかでDQN共が暴れてますってか?」 「急がないと!!被害が出る前に対処しましょう!!」 「カタギのみなさんが笑って過ごせる一分一秒がどれだけ大事なモノか、懇切丁寧に教えてやるとしましょうかねぇ。堕ちるとこまで墜ちたちくせう共の命じゃあ授業料には安すぎるが、ま、それしか払えないならそれを貰うまでよ。」 いつものように華麗に左手にコルト・パイソンを生成すると、それに素早く弾を込めた。 どっちが正義でどっちが悪なのか、なんてのはひどく曖昧で、俺にとっちゃあどうだっていいことだ。大事なのは、安寧を享受すべき人たちにキッチリそれがもたらされているかどうかってこと。それを邪魔するロクデナシにはさっさと退場してもらう。道端に落ちてるゴミを掃除するくらいなら、バケモノにだってできるからね。俺は俺でこの最ッ悪に楽しい終わらない人生を謳歌させてもらおう。 俺は悪党だ。だけど、悪党には悪党のやり方ってのがある。どうやら俺の周りにはお人好しの甘ちゃんしかいないらしいから、俺がちょっとだけ頑張るとしますかね……。 【UGN支部長『悪の敵【ヴィラン・ハンター】』南雲正義のとある1日。】
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