Keiさんの日記

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日記一覧

Kei
Kei日記
2025/05/06 20:52[web全体で公開]
😶 拗れた家族関係のお話
ご機嫌よう。

Vampire: the Masquerade 5e の続きでしたの。わたくしの PC は父親との関係を拗らせていまして、まあそれ自体はね、ほんのフレーバー程度に考えてキャラシに書いていたことなのですけれど。語り手様が完全に拾ってくださいまして、驚いているのですわ。ありがとう存じます。
それは別として、また飢渇でやってしまいまして、というのはつまり V5 ですからね、ちょっと血をいただきすぎてしまいまして、何と申しましょうか。もう飢渇いやですの(。
まったく語り手様には「誰がそこまでやれと言った」と言わせていただきたいですわ(褒めています。

一方で、お話は見えてきたような見えてこないような。ずっと焦らしプレイをされているような。この先にどんなカタルシスがあるのか期待で胸を膨らませておりますわ。

ともあれ、ご一緒くださった皆様ありがとうございましたっ。
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2025/05/04 18:00[web全体で公開]
😶 石炭の価値のお話、後編
ご機嫌よう。

The Price of Coal の後半を遊んで参りました。どんなゲームかは先日のエントリをご覧いただくとしまして、後半部分を一言で言えば「石炭にそんな価値があるのか」に尽きるかしら。状況はさらにどんどん悪化し、最後には暴動、それを鎮圧するために……。
炭鉱では通算2回の事故があり、病気が蔓延し、職業性疾患が起こり、企業は団結しようとした労働者に対してひとつひとつ希望を潰すような対応をしてきました。しんどかった。ほんの100年ほど前の十分に想像がつく社会での出来事というのがしんどさに拍車をかけたでしょうか。8人の登場人物(PC)の半分以上が死亡することになりました(死はそれぞれの PL の意思による選択です)。
正直なところ、始めるまでモンセギュール程度のゲームと思っていましたが、そんなものではありませんでした。
でも神ゲーかと存じます。わたくしの卓では史実テーマの TRPG も引き続き取り上げていくつもりです。
ともあれ、ご参加くださった皆さまありがとうございました。RP がとても素敵で、それぞれの個人の物語も、パートナーとの物語も素敵でした。
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2025/05/03 19:05[web全体で公開]
😶 石炭の価値のお話、前半
ご機嫌よう。

The Price of Coal 前半部分を遊んで参りました。石炭戦争、特に1920〜1921年にかけてのウェストバージニア州での出来事とブレア山の戦いを取り扱った TRPG で、状況がどんどん悪化していく中で労働者としてどうするか、みたいなお話を描きます。ベースシステムはモンセギュール、GM なし、PC は選択制で 1PL あたり二人の PC を担当、ステータスや判定の類はありません。
これがもう序盤からしんどくて。何も救いがなくて。まだ前半ですが終始悲鳴の絶えない良いゲームでしたわ。PC は選択制ですがプロンプトの妙でそれぞれに温度差があり、それでも助け合ってなんとか生きて権利を主張していく中、シーンで指示される状況は締めた首をさらに真綿で締める感じ……。もちろんモンセギュール系のゲームですから、この戦いは労働者側が敗北することは最初から分かっています。そんな状況で何を求め、何を諦めるのか、出来事にどう対処するのか、どう戦うのかが物語になっていきます。
前半部分を遊んだ印象では、炭鉱労働者と石炭戦争というテーマは想像しやすく、その点ではモンセギュールよりも「遊びやすい」のかしら。一方でちょっとした準備の不手際があって急遽ホワイトボードを準備したりとバタバタした点は反省かしら。
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2025/04/26 17:41[web全体で公開]
😶 超能力で新宿がめちゃくちゃになりましたの
ご機嫌よう。

突発で Dear Great Cthulhu Please Stop Giving Me Superpowers!(以下 DGC)を遊んできたんですの。こんなゲーム突発で遊ぶことありますの?!という感じがありますが、これまでの活動の成果でしょうか。お集まりいただいた方々には感謝しても仕切れませんの。

ともあれ DGC はグレート・オールド・ワンに選ばれて超能力を与えられ(身体に変異が生じ)てしまった PC たちが身体や精神の変化にどのように関わり、適応し、どのように他者の助けを得て生きているかを描くみたいなゲームです。欲しくもなかった余計な力が自分や他者の人生に影響し、その力で問題を解決することもありますし、トラブルを生むこともあります。その過程で余計な追加の変異がついてきます。ベースシステムは BOB、つまり GM もシナリオも判定もなく、問題を解決するような強いムーブ(アクションや行動)にはトークンが必要で、トークンを得るためには追加のトラブルを起こす必要があります。これら全てはプロンプトで表現されます。

というわけで今回の舞台は新宿、最終的には新宿中央公園の木が動き出してパークタワーをめちゃくちゃにするみたいな感じになりました。ともあれわたくしの PC は他の PC とちょっと距離を取ろうとしているところもある感じのプレイブックでしたが、そうできたのは最初だけ。みんなで変異に合わせた服を買いに行くのを仕事を理由に断ったり、新宿中央図書館で怪しげな本を見つけて黒山羊に祝福されし者になったり、その結果気絶して山手メディカルセンターに連れていかれそうになったところを大暴れして拒否したり、新宿パークタワーに監禁されたりまして、その過程で手が紙になったり頬から余計な顎ができたり髪が勝手にうねうね動くようになったり常に毛先から何かが滴っている髭が生えたりしましたの。思ったよりもハチャメチャなことになって楽しかったですわ♪

ご一緒くださった皆さまありがとうございましたっ。
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2025/04/19 19:20[web全体で公開]
😶 情報の整理に必死ですの
ご機嫌よう。

一年以上続いている Vampire: the Masquerade 5e キャンペーンの続きでしたの。
わたくしとしては、物語に糸口が見えるどころか、この後に及んで疑念と疑惑がさらに深まり……。登場人物がどんどん増え情報も増え、けれど個人的に欲しい情報というわけでもなく、関係を若干?抉らせている血の親も久しぶりの登場でしたが(ゲーム内時間ではつい先日「野良犬はその辺でのたれタヒねばいい」と言われたばかりですが)、むしろなぜこのタイミングでこの内容なのかと疑わしいばかり……。
というか登場人物も情報も非常に多く、しばらく以前から把握できる範囲を超えており、楽しくもぐるぐる目になっているのですわ。
ともあれご一緒くださった皆さまありがとうございましたっ♪
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2025/04/14 00:05[web全体で公開]
😶 予想外のハッピーエンドに落ち着いたお話
ご機嫌よう。

灰色城綺譚「望嵐館事件」遊んでまいりました。灰色城は好物ですが望嵐館はまだ訪れたことがなく、どうなってしまうのかドキドキでしたけれど、楽しかったのですわ。
ともあれわたくしの PC は新興貴族の末娘となりまして、事前のキャラクター作成時には髪を巻いておりましたが、ゲームは葬儀の準備から始まりますので、それに相応しいようにアップにしたところ……どなたにもお気づきいただけませんでしたのでご機嫌ナナメでのスタートですの。まったく男たちときたら。ぷんすか。
それは冗談ですけれど。
ともあれ途中でどうやったら囁き(初期秘匿)を公開できるか分からなくなる展開もございましたが、あちこちに……というか PC2(婚約者)に疑心暗鬼の種を植え付け、灰色城らしく真っ黒になりましたの。ですが一方で PC1 が終始驚きの白さでして、結果まさかの全員ハッピーエンドでしたの。
灰色城でハッピーエンドなんて都市伝説とばかり思っておりましたので、驚き楽しかったですわ。

お誘いくださった方、ご一緒くださった皆さまありがとうございました♪
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2025/04/12 20:00[web全体で公開]
😶 秋の夜長の廃工場探検のお話
ご機嫌よう。

Kids on Bikes をようやく遊べましたの。1960年代から90年代くらいの人里離れた田舎町に暮らす住人になって何かしらの怪奇事件に遭遇するみたいなゲームです。上記の条件を満たす範囲で舞台設定は自由というかセッションの最初に全員で作成で、今回は70年代のロードアイランド州、繊維産業が衰退した海沿いの町、魔女がいるみたいな設定となりましたので、これを元に色々調べたり AI に尋ねたり地図を作ったりしながらシナリオを作りまして。シナリオといってもナラティブ系らしく、PL の方々に決めていただいた設定をもとに場所や主要 NPC、そして開始時の状況を決めるだけですけれど。

ところでゲーム中に現実の地図データを使いたい場合、国内でしたら国土地理院の地理院地図をお使いになられる方もいらっしゃることでしょう。なにしろ道路・鉄道・地図記号・ラベルの表示非表示を自由に制御できてスタイルも自在、画像として出力してゲームに合うように加工すれば一気に本物感ある地図ができるのですから。これの海外版が欲しい……それがございますのよ。Open Street Map を元に道路やラベルを自在に出したり消したりできるサービスが。Open Street Map ですので世界中のどの場所の地図も利用でき、操作できます。素敵。複数のサービスがあるようですが、今回使用したのは Maputnik で、作成したスタイルを保存して別の地点で再利用できるほか、スタイルやレイヤーの定義次第でいろいろできるようですわよ。ともあれ今回は選んだ場所の地勢と州道以外全部消しまして、出力した画像に Affinity Designer で道路・主要建築物・ラベルを書きながら町を「建設」したのですが、楽しい♪ あっという間に8時間くらい溶けましたわ(わたくし設定厨のところがございまして、こういう作業は大好きです)。

ともあれそんなわけでセッションですが。

秋の夜長に廃工場に忍び込んだ悪ガキたちの無線のただならぬ様子をたまたま聞いた PC たち(子どもから大人まで幅広い年齢層です)はさっそく廃工場に出かけて行ったのでした。工場に入って懐中電灯に照らされる中を横切ったのは黒猫。PC たちは魔女絡みだと言い出しましたので、まあ黒幕は魔女ということにしまして(環境保護団体や地上げ屋はては宇宙人など何でもあり得たのですけれど、設定にも魔女というワードは出ていましたので黒猫だけで誘導しました)。あとはジュブナイル冒険ものらしいお約束びっくり要素をいくつか出しまして。この最中にもトランシーバーを持っている PC が悪ガキたちが歌っているのが聞こえるなどという要素を加えてくださいましたので、それなら彼らとご対面させてあげましょうということにしまして、悪ガキたちがちびりながら必死に歌っているところに PC たちは颯爽と?現れることになりました。PL の方々はただ子どもたちを助ける雰囲気ではなさそう、つまり魔女と戦いたそうでしたので、魔女も登場させまして。けれど遊んでいるのは Kids on Bikes(戦闘は一撃死の可能性があります)、事前に決めたトーンは怪奇コメディ、暴力的戦闘シーンはノーサンキュー、ですので超能力持ちキャラクター(全 PL が共同で操作します)を上手く使ってケリをつけ、魔女は捨て台詞を残して飛んで行きましたの。

ワンショットのセッションでしたので、最後に PC たちのエピローグを自由に語っていただきまして。

なおゲームのタイトルは Kids on Bikes ですが、今回は PC に裕福な大人がいましたので、普通にクルマで移動しました。まあね、子どもが自転車で行ける程度の冒険の物語にはなったかしら。

さて、Kids on Bikes は近年のナラティブ系システムとしては珍しく判定が多く、それらの判定は失敗が前提で、失敗することによってポイントが貯まり最後に逆転するみたいな(ちょっと FATE ぽくもある)味付けのデザインなのですが、(わたくしが温情 GM だという点を除いても)意外と思ったよりも失敗せず、今回遊んだ印象では状況や難易度をもっとプッシュした方が良さそうでしたかしら。といった反省もございますが、とまれご参加くださった皆さまありがとうございました♪
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2025/04/08 21:48[web全体で公開]
😶 魔法少女もの TRPG のお話
ご機嫌よう。

今年はワルプルギスの廻天が公開予定ですので、魔法少女もの TRPG でも……というわけで、Last Hope の訳に取り掛かっておりますの。デザイナーはカナダの方かしら。本来なら Girl by Moonlight といきたいところなのですが、あちらは分量が多く、他に取り掛かっているものもございますし、これくらいの分量ならと。
Last Hope は魔法少女(便宜上魔法少女と呼びますが性別やジェンダーは問いません)となって、彼方の世界からやってきて人々を苦しめる堕天使やシャドウと戦う、みたいなゲームです。ギフトという力を説明なしに与えれれて魔法少女になり、その力を使い続けると魂が堕落して堕天使になってしまうという、どこかで見たことがあるようなシチュエーションが再現されています。
ベースシステムはまきびし、つまり d4 を n 個振って最大値を採用します。加えてダウンタイム概念などが追加されていて、ちょっと FitD ぽさもあるのかしら? 用意されている魔法少女のアーキタイプは6種類(常時発動の能力など少し Lumen ぽさも感じます)でレベル概念もあり、レベルに応じて必殺技のようなものも使えるようになります。

ルルブによると抵抗がなければ実在の日本の都市を舞台にして遊んでも良いようですが、幌原市という架空の都市設定がついていて、海外の方が見る日本が垣間見えてちょっと面白いかしら。
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2025/04/07 21:54[web全体で公開]
😶 敗北すると定められているゲームのお話
ご機嫌よう。

最近連続してモンセギュール系の TRPG を訳しておりましたが、たぶんおそらく現時点でわたくしが所有する中では最後の Red Carnations on a Black Grave を自分で遊べる程度に訳しましたの。時は1871 年、パリ・コミューンに参加したモンマルトルの労働者や国民衛兵となって、彼らが何故、何のために闘ったのかを描く、みたいな TRPG です。現実の歴史と同様にゲーム中のパリ・コミューンもヴェルサイユ政府軍の攻撃で何千もの犠牲者を出して崩壊します。PL は二人の登場人物を演じますが、その一方はヴェルサイユ政府軍の攻撃で命を落とします。もう一方は攻撃自体は生き延びますが、エピローグで命を落とす可能性があります(例えば処刑されるなど)。
PC は選択制(貧困や喪失といったテーマが含まれ、子どもや性労働者もいます)で数値的なステータスや判定はなく、エピローグまで生き残った PC の運命は最後の選択に対応したカードで(そこに示された問いにどう答えるかによって)決まります。

モンセギュールも、そのアイディアの元となった青灰のスカウトも、先日訳していた The Price of Coal も、そして今回訳した Red Carnations on a Black Grave も敗北が決定付けられているゲームです。PC が属している集団の目的即ち超目標を達成することは決してできません。青灰のスカウトには判定がありますが大きな代償を伴いますし、それ以外のゲームには判定すらなく、歴史の流れに翻弄されます。

どうかしら。面白そうじゃないかしら。
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2025/04/03 21:19[web全体で公開]
😶 TRPG に関する賞のお話
ご機嫌よう。

海外の TRPG で面白そうなものを探す際の一つの一つのやり方に、賞を受賞した作品というものがございます。そこで今回は TRPG に関する賞のお話をしましょう。

おそらく現在最も権威があるのは(様々な問題が指摘されてはいるようですが)オリジン賞とENNIE 賞でしょう。ENNIE 賞は2002年から開催されていて、授賞式は GenCon の看板イベントとなっています。出版社が自社作品をノミネートし、審査員による審査を経た作品から一般投票で競います。システムのほかシナリオ、プレイエイド、アートなどの分野があります。

ENNIE 賞に近いものとして、CRIT 賞もあります。こちらは2023年からと新しく、よりオープンなノミネート方法になっているほか、ベスト公式 GM やベスト Youtube、Podcast などといった部門があるのが特徴です。

特にインディーズゲームを探す場合は、IndieCade もあります。独立系ゲーム全てを対象に2005年から開催されていますが、部門の一つに TRPG があり、アメリカでは IndieCade Festival も行われています。インディーズ作品を対象とした賞には、IGDN による Indie Groundbreaker Awards などもあります。また、2017年までは Indie RPG Awards もありました。

The Awards はヘンな TRPG を対象としたもので、2022年から開催されています。残念ながら2025年は非開催だそうですが、主催者は2026年に再始動すると宣言しています。

ボドゲ関連の賞で TRPG 関連の部門もあるものとしては、Golden Geek Awards がありましたが、2020年から RPG 部門は消滅しています。

ディアナ・ジョーンズ賞はゲーム開発における卓越した功績に対して与えられる賞です。製品だけでなく企業や個人、イベントなども対象で、人気や売上は考慮されません。過去に TRPG がノミネートされたこともあります。受賞は審査員による審査で決まり、GenCon で発表されます。1980年代半ばに TSR UK がインディ・ジョーンズ TRPG のライセンスが切れた際に、売れ残った一冊を燃やしてアクリル封入したのが始まりで、その時に燃え残った表紙から読めた文字が「dianna Jones」だったことに由来するそうです。
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Kei
Kei日記
2025/04/01 23:56[web全体で公開]
😶 ヨーロッパ産 TRPG のお話(R18の内容を含みますので畳みます)
(▼ ネタバレを含むコメントを読む。 ▼)
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Kei
Kei日記
2025/03/31 20:47[web全体で公開]
😶 疫病とともに生きるお話
ご機嫌よう。

The Price of Coal を訳して卓まで立ちましたので、晴れて Glitch の訳に戻……るかと思ったのですが、なぜか A Plague Among Us に取り掛かっておりますの。
A Plague Among Us は1665〜1666年にかけてのロンドン大疫病(ペストの流行)を舞台に、老齢で独り身の女性となって(生活のために)ペスト患者を見分け隔離するという仕事をしながら(当然ながらこの仕事は誰にも歓迎されません)、彼女たちが何を恋しく思い、何を失い、その体験が生き方にどう影響を与えるかを描く、みたいな TRPG です。PC にはささやかな夢がありますが、それが叶うことはまずありません。
ベースシステムはモンセギュール、すなわち数値的なステータスや判定の類はなく、ルールで示された状況を描写することで物語は進行します。
楽しそうじゃないかしら?
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Kei
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2025/03/30 15:32[web全体で公開]
😶 訳から立卓まで最短記録でしたの
ご機嫌よう

昨日書いていた The Price of Coal ですが、気絶している間に自分で遊べる程度の訳どころかココフォリアの部屋までできていて、その上卓まで立っておりましたの。たいへんに重めな社会派 TRPG とも言えるタイトルですが、このようなゲームにも興味をお持ちいただき、ご参加くださる皆さまありがとう存じます。
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Kei
Kei日記
2025/03/29 21:42[web全体で公開]
😶 訳に行き詰まって別の訳を始めるお話
ご機嫌よう。

Glitch を訳しているのですが、もう全然進まなくって。分量が多い上に文章が訳しずらく、独自の意味を与えられた用語もとても多く、疲れましたの……。Glitch は間違っている世界を舞台に世界を間違わせている力(その象徴としての神や天使など)と戦う……ことをやめた PC たちの物語を描く、コストさえ支払えば概ね何でも……は言い過ぎですが他の TRPG では到底不可能なことができる、その代わりに非常に簡単なことが決してできなかったりする、そして意味がだんだんぐしゃぐしゃになっていくという TRPG かもしれません。数値的なステータスはございますが判定はないという一風変わったシステムで、基本的に PC に奇跡的な強い能力を与えれば与えるほど普通のことができなくなっていき、普通のことができるようにするとコストが重くのしかかってくるという仕組みです。

ともあれ今年中に自分で遊べる程度の訳をしようと思ってはいるのですが、ちょっと疲れ……。

そんな時にすることといえば、そう現実逃避ですわ。というわけで The Price of Coal の訳を始めましたの。The Price of Coal はブレア山の戦いというアメリカ史上最大の労働者蜂起を題材にした TRPG で、PC たちはこの蜂起で立ち上がった鉱夫とその家族ですが、蜂起は何をどうしても絶対に失敗し、必ず悲劇で終わります。ステータスや判定などは一切なく、カードに書かれた状況からシーンを描くことで進行するというモンセギュール1244に似た形式のシステムです。楽しそうでしょ?
ともあれわたくし通常は本文を取り出してエイっと訳すのですが、今回はルルブのカードの形式のまま本文を日本語に置き換えて、カードとして出力して遊べることも目指しておりますの。
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Kei
Kei日記
2025/03/28 22:19[web全体で公開]
😶 ネガティブなエントリでも良いのではなくて?
ご機嫌よう。

正義の名の下で暴力を振るう、それがどんどんエスカレートしていくという TRPG を探したのですが、わたくしが所有する中ではすぐに見つかりませんでしたの。それはともあれ。

わざわざ自分から刺しに行って、刺されるのは刺される側が悪く自分は正しい、言い換えれば正しければ暴力を振るっても良いという感覚が、わたくしには全く理解できません。多くの TRPG には正義の名の下での暴力が含まれていますが、これはゲームだから許されることです。ですが現実には誰もが様々な意見や感情を持ち、それを表現することができます。ネガティブな気持ちになることもありますし、そうした気持ち自体を表現すること自体には何の罪も問題もございません。自由にやればよろしい。誰かに聞いてほしい、共感してほしいんでしょう? そうせざるを得ないんでしょう? 誰が悪いと言っているわけでもないお気持ちを言う、たかだかその程度の人を殴る理由も殴って良い理由も分かりませんし、そうして良い理由が広く共感を集めるというのは、わたくしが好む世界のあり方ではございません。
わたくしに理解できるのは、そのようなお気持ちを表明するに至った人に対して「酷い目にあったね、じゃあウチの卓で遊ばない?」と手を差し伸べることです。あるいは「どうしてそんなことを言うの?」と尋ねることです。ここには当事者にしか分からない背景があり、表出した表現自体で判断することはできません。それができないなら、黙っていればいい。わたくしは、TRPG とはこういうものだ、コミュニティではこういう発言しかしてはならない、こうすべきだ、というような場所は求めておりません。モデレーターでない人のモデレーター気取りの発言が同意とみなされるようなコミュニティが健全だとも到底思えません。
もちろんわたくしとは異なった考えをお持ちの方もいらっしゃるでしょうし、そういったご意見は自由に仰ればよろしい。けれど、わざわざ暴力を振るって自己を正当化するという行為は、いささか「自由」からは逸脱していないかしら?
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Kei
Kei日記
2025/03/26 18:22[web全体で公開]
😶 マンチキンの歴史のお話
ご機嫌よう。思いかけずマンチキンというワードが飛び込んで参りましたので、今日は H. Tucker Cobey による「Tracing the Origin of “Munchkin”」の抄訳です。そもそもマンチキンというのは(悪い意味での)「お子様」「ガキ」という意味ですが、どんな意味で、どこから来て、どう広まったのでしょうか? 蛇足しておきますがマンチキンというのは猫の品種ではなく TRPG プレイヤーの品種です。

マンチキンという言葉は1970年代後半には D&D 界隈で用いられるようになっていました。そこには(まだ発売から5年しか経っていないにも関わらず)「古参」と「新参」の違い、特に新参とされた人々の年齢層が低かったという背景があるようです。1979 年には既に「新参のガキどもはゲームの邪魔や迷惑行為を楽しんでいる」という内容のテキストがあります(Dr. Gary Alan Fine’s Shared Fantasy, APA-DuD #23)。
James Desborough & Steve Mortimer の 1999 年の著作「The Munchkin’s Guide to Power Gaming」でも、マンチキンは9〜13歳のお子様で、ほとんどの人にこの傾向があるという記載があるほか「肉体的にも精神的にも幼い」という意味で使われていたという証言もあります。
1980年になると、Glenn Blacow による「Aspects of Adventure Gaming」で、プレイスタイルの分類がなされます。これがおそらくプレイスタイルの最初の分類と思われますが、この文中で「多くのキャンペーンはパワーゲームから始まるが、進行するについれてスタイルが変わっていく。一方で若者が新たにキャンペーンを始める際もパワーゲームから始まるので幼稚というレッテルが貼られる」と語られています。
そして1985年、Jeff Okamoto の手で「Real Men Don’t Play Fantasy Role-Playing Games」が書かれます。これがマンチキンテキストとして知られる文章ですが、その定義は他のスタイルを挙げた上で「これ以上何かいう必要ある?」というシンプルなものです。
それから40年経って、マンチキンという言葉は「好みでないプレイスタイルで遊ぶ人」として今でも使われていますが、本来はジェネレーションギャップから生まれたものです。

抄訳ここまで。ここから先は日本語版に関する蛇足ですが。

日本でマンチキンという言葉を広めたのはおそらく非常に高い確率で馬場秀和でしょう。今でもサイトは稼働していて、マンチキンテキストも読むことができますが、後に更に脚色された版の訳のようで、上記の原文にはない文章が含まれています。また一応個人的な思いで注意をしておきますと、馬場氏自身が非常に偏ったタイプのプレイヤーと思われますので、そう知った上でお読みいただくと良いかしら。
いずれにしても、日本ではマンチキンという言葉はちょっと違った方向の意味を持つようになりました(Wiki 自由研究によると日本における意味の変遷の過程に朱鷺田祐介氏が関わっているようですが、わたくしそのあたりは存じません)。

それはともかく、今回改めて原文を軽く眺めたりして「Real Men Don’t Play Fantasy Role-Playing Games」に挙げられたプレイスタイルの分類にサンディおじさま(CoC の作者)が関わっているという部分が新鮮でしたわ。ともあれ原文は少なくとも歴史的経緯からすれば怪文書ではございませんし、当時のサブカルチャーの状況を表したテキストですし、マンチキンの扱いも悪い意味でのお子様/ガキというニュアンスの方が強いかと存じます。

最後に、原文を読んでいないので紹介文からの推測ですが、日本でいう「我儘で聞き分けがない」という意味でのマンチキンを最初に大々的に取り上げたのは「The Munchkin’s Guide to Power Gaming」かと思われます。そうした遊び方としてキャラクターのステータスを不正に操作し、ルールを曲げ、不利な結果をやり直し、GM を買収し、NPC のアイテムを盗む方法などが書かれているそうですわ。もちろんジョークとして、パワーゲームというプレイスタイルを前提に。出版社が Steve Jackson Games、出版年がマンチキン・カードゲームの2年前ということから、これがマンチキン・カードゲームの元と考えられることもあるようですわね。
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Kei
Kei日記
2025/03/24 19:51[web全体で公開]
😶 娘が可愛すぎたので崇拝したお話
ご機嫌よう。

灰色城綺譚「剣よさらば」を遊んでまいりましたの。GM / PC3 として遊びましたが、灰色城らしからぬ難しさを感じましたし、灰色城でこんな葛藤もあるのかと新鮮なところもございました。プレイ中はいろいろな方向性を考えたのですが、上手にはできなかったこともございましたし、灰色城らしくないかもしれないところもございましたかしら。シナリオに書かれている部分の描写も弱く、それ以外の部分に焦点が当たった印象もございます。それでもご参加くださった方からは好評のお言葉をいただき、ありがとうございました。

ともあれ。

わたくし扮する PC3 の PC2 に対する愛情には疑問がなかった(というか娘を溺愛しすぎるダメ親だった)と思うのですが、それが狂信へと変わる過程を楽しめたという点は良かったかしら。わたくしとしてはそれを表現しただけなのですが、ご一緒くださった方々には PC3 が怖かったという感想を頂戴しておりますし、PC2 が(比喩的な意味で)天使だったのですが、その決断を導いたという点でもわたくし自身は満足しているところもございます。もちろん、PC1 と PC2 にもっと辛い決断を迫ることができれば、もっと良かったのですけれど。
物語そのものはバッドエンドでもメリーバッドエンドでもなく、誰も剣とさらばできず、この後のメリーバッドエンドを想像させるような終わり方になりました。

ご参加くださった皆さまありがとうございました。
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Kei
Kei日記
2025/03/21 20:31[web全体で公開]
😶 冒険者と経済のお話
わたくし経済は素人ですので、よくて話一割程度のつもりでご笑覧ください。

ご機嫌よう。

先日、中世ファンタジー世界の冒険者はそもそも数が少ないはずだという興味深いエントリがございました。
わたくしも似たような動機で、冒険者ギルドがなぜ存在できるのか分からないと考えていた時期がございます。そこで、今わたくしが思うとろころを書いてみましょう。

前提として、商人が都市に集まるように、冒険者も都市に集まるのは自然な流れのように思われます。物資を求めて、冒険に必要な珍品を得るため、あるいは冒険で得た物品を換金するため、もちろん人の移動があるのなら当然情報も人が集まるところに集積されるでしょうから、そうした情報を求めるのかもしれません。
経済面から考えれば、一旦冒険者たちが集まれば、彼らに仕事を斡旋したり仲介したりすることで利益を上げようとする人も出るでしょう。殊更に冒険者によって富がもたらされるならば。これが組織されると恐らく冒険者ギルドになるのでしょうが、ともあれ、そうした人々が依頼を達成するには一つの冒険者グループだけに依頼するのではリスクが高すぎ、従って複数の冒険者グループに同じ依頼を任せて競争させるのも自然な流れで、ダンジョン探索の利益が大きいのなら、当然ダンジョンにより多くのリソースを割くと考えられるかしら。こうした競争の促進は冒険者のモチベーションにも大きな影響を与えるでしょう。

もちろんこれは、冒険者の存在を必要とするような危険が常にあり、かつそうした危険に挑み成功した冒険者が多くの富をもたらすという前提があってのことです。では、どうしたらそのような状況になるでしょう。ここに中世というワードが効いてくるのかしら。現代に比べて、そのような世界では権力は脆弱または限定的で、暴力装置としての軍事力も相対的に低いのでしょう(古代ローマみたいな例外はございますけれど)。そうした力がすでに他のことに使われているとすれば、代替として冒険者が存在する余地は十分にあるように思われます。次の疑問は富がどこからやってくるのかですが、これも中世のような未知なものが十分に存在する世界なら、前時代の文明の名残というような説明でも何でも良いのかしら。

これらが組み合わさると、冒険者というのはハイリスクハイリターンの職業として成立し、むしろハイリスクに進んで挑戦するような集団となると想像できるのですが、いかがかしら。
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2025/03/16 01:31[web全体で公開]
😶 街づくり TRPG のお話
ご機嫌よう。

アーキペラゴという TRPG がございます。奇跡的に有志の手による翻訳が公開されていますが、なぜか完訳ではございませんので、一部原書を当たる必要はございますけれど(原書も PWYW です)。感じとしてはまあ、マイクロスコープに近いと言えば近いかしら、GM なしシナリオなし数値的なステータスやデータや判定もなし(判定がない代わりにカードによる駆動ルールがございます)、物語の舞台も世界も自由です。
今回ご紹介するのは、そんなアーキペラゴのハック、I’m Sorry Did You Say Street Magic? です。街づくりストーリーゲームですが(蛇足しますがストーリーゲームは TRPG のサブジャンルであり、TRPG とみなすのが一般的な見解です)、街づくりというのは結果的に街の様子が描かれるという意味であって、都市建設シミュ的な意味ではございません。
とにかくも、ゲームは街の様子を描くことに特化しています。近所の様子や名所、住人の様子を語り、名付け、そしてイベントがあり、街の様子は変化します。これら全てを描くのは PL です(GM なしの TRPG です)。最終的に様々な側面のある活気ある街が描かれ、全員が納得したら終了します。
なお、I’m Sorry Did You Say Street Magic? では、アーキペラゴにあるカードによる駆動ルールは削除されています。
ともあれ、キャペーンの途中で、次に訪れる街の様子を決めるのにこうしたゲームを遊んでも良いでしょうし、魅力的な街ができたら別のゲームの舞台としても良さそうですわね。
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2025/03/16 01:15[web全体で公開]
😶 ダイナーから映画を撮りに行くお話
ご機嫌よう。

以前から遊びたいとは思いつつその機会がなく、自分で募集するにしても……と思っていた Nighthawks にお誘いいただいて、遊んでまいりましたの。Nighthawks はダイナーで孤独な夜を過ごす中年?男女になる TRPG です。一人孤独な夜を過ごしてもいいのですが、他の客(つまり他のPC)に話しかけたりすると、もしかしたら……。

というわけで、わたくしは拗らせた売れない映画監督となって、ワンプレートで提供される具なしオムレツ・チリビーンズ・ミートローフをつついているところからの開始となりました。他の客も一癖も二癖もありそうな人物ばかり。ですがちょっといい話みたいな展開あり、好き勝手に映画について話し、最終的に景色がいいらしい近くの港町にみんなで映画を撮りに行くみたいなことになりましたの。もしかしたら、ちょっと話してみるだけで人生というものは思いのほか変わったりするのかもしれませんわね。

ともあれ、お誘いくださったから、ご一緒くださった皆さまありがとうございましたっ。
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