Keiさんの日記
Keiさんが書いた日記の一覧を閲覧できます。
日記一覧
Kei | |
2024/12/13 03:30[web全体で公開] |
Kei | |
2024/12/09 20:23[web全体で公開] |
😶 スラッシャー系ホラー・コメディ TRPG、Die Laughing の募集をしていますの ご機嫌よう。 スラッシャー系ホラー・コメディ TRPG といえばまあだいたいファイナルガールですが、ファイナルガールが自由すぎて何をしたらいいのか分からなかったり、ファイナルガールでさえマンネリになっている方でも(おそらく)楽しく遊べそうな Die Laughing の募集をしております。 まあぶっちゃけ、よりシステマチックになったファイナルガールと申しましょうか。一方で 1PL1PC 制ですが、自 PC ロスト後に与えられる役割があり、それがまた楽しそうかと存じます。逆に Die Laughing を通じてファイナルガールの遊び方がわかることもあるでしょう。 わたくしも参加している海外のコミュニティで最近何度か目にしていて個人的に気になっておりまして、遊んでくださる方を大募集しておりますの。おそらくですがファイナルガールと同様にB級未満のホラー映画を楽しんで見れるようになるという人生の特典もあるかと存じます。興味がおありの方がいらっしゃいましたらお気軽にご参加くださいまし。 https://trpgsession.click/session/173304937155kei29br2l
Kei | |
2024/12/08 17:21[web全体で公開] |
😶 お腹が空く冒険のお話 ご機嫌よう。 せかいじゅごはん、遊んでまいりましたの。お店の名前は医食同源亭、そんなお店を経営するのは人間の貴族と花人の踊り子という凸凹コンビ。行ったダンジョンは最初から最後までほぼ森。できたお料理はこんな感じでしたの。 グリフォンの鳥頭カレー ~夜空瞬く望月カブを添えて~ レッドハムのフルーツ添えとマロンクリーム さて。 せかいじゅごはんはダンジョンで得た食材で料理を作って食堂を経営するゲームですが、得られる食材はカードで決まりますし、食材の質や料理の出来や集客などなどはダイスで決まります。ダンジョン内での戦闘は決められた数だけ。正直なところ、この「ゲームの仕組み」の部分は(成長ルールも含めて)だいぶ粗があるというのが(同人ゲームに対する評としては酷でしょうが)実際に遊んでみた感想かしら。戦闘シーンでは GM が連続でクリティカルを出してヒヤッとする場面もございました。それでも、どの食材で何を料理するかなどという話をするのは面白かったですし、というか正直なところダンジョンを出た後の何を作るかというお話の部分だけで十分に面白く、遊んでいてお腹が空いたのですわ。 ご一緒くださった皆さまありがとうございましたっ。
Kei | |
2024/12/01 20:31[web全体で公開] |
😶 笑って死んでまだ生きている人にもっと笑える死に方をさせましょう ご機嫌よう。 先日ホラー・コメティ映画を作る TRPG、Die Laughing の紹介をさせていただきましたが、早速募集しておりますの。訳はルール部分に関してはほぼ完了、あとはプレイブック的なものとモンスターデータを残しておりますが、ともあれ、1月の土日祝開催目標で、興味がおありの方はいらっしゃいますかしら? https://trpgsession.click/session/173304937155kei29br2l
Kei | |
2024/12/01 00:00[web全体で公開] |
😶 笑って死ぬお話 ご機嫌よう。 おそらく世界で唯一「ない」ことをテーマにした TRPG、Glitch: A Story of the Not を訳し始めたのですが、いきなり意味不明なポエムで始まる上に全体として気絶するほど分量が多く、魂がどこか遠くに、それこそ「ない」に引き寄せられそう……世界は間違ってる、そんな時にすることといえば、そう現実逃避ですわ。 というわけで(B級以下)ホラー映画を作る TRPG、Die Laughing をサクッと読みましたの。この分野にはファイナルガール(以下 FG)という偉大な先達がありまして、FG はびっくりするほど軽量なシステムでびっくりするほどファイナルガール(映画ジャンルです)できてとても面白い神システムなのですが、Die Laughing はどうかしら? FG とは異なり1PL1PC制ですが、FG と同様に GM なしシナリオなし、PC は途中で死んでしまうこともあり、というか面白おかしく死ぬことが推奨されています。PC が死んでも物語に関わる別の方法が用意されていますが、個人的に面白いと思ったのは「自キャラが死んだからって不貞腐れてるくらいならご飯を食べるなり寝るなりしてれば?」(超訳)というくだりかしら。これがまあ冒頭に書いてあるあたりで、雰囲気をお察しいただけるかしら。 一方 FG とは明確に異なる部分もございます。PC にはアーキタイプ(クラス的なもの)があり、ステータスもあります。また、シナリオなしといってもシーンはゲーム側で指定されていて、それが物語のフックにもなる形式です。シーンには主役があり、GM なしのゲームですが、主役の右隣に座っている PL は監督役になります。 シーンは最初に判定してしまう形式で、プレイする前に成功するか失敗するかを決めます。この時どのステータスを使うかは自由で、シーンは使ったステータスに関連した内容になります。失敗したからといって即座に死ぬわけではありません。ともあれやがてモンスター(怪物とは限りません)に襲われ、HP 的なものがなくなり、魅力的で記憶に残りそうな面白おかしい死に際を演出します。 加えて、映画の撮影現場的なハプニングを描写する仕組みもございます。 死ぬとどうなるかですって? プロデューサーですとか、PC(つまり俳優)のマネージャーですとか、脚本家ですとかの役割が回ってきて、いらん指示や演出をしたり好き放題……(それは言い過ぎです。 面白そうじゃないかしら。何をいえば必要 PL 数が最低4人とちょっと多いことですが、早速遊んでみたいゲームのリストに入れましたわ♪
Kei | |
2024/11/30 16:51[web全体で公開] |
😶 ベースシステムのお話(第三回) ご機嫌よう。 主に海外インディーズ/ナラティブ界隈で使われているようなシステムを主に判定の面から紹介する会、思ったよりも長くなってしまっていて困っているのですけれど、今回で一旦最終回です。前回断りを入れ忘れましたが、前回も今回もわたくし遊んだことのないシステムが含まれ、誤りがあるかもしれませんので話半分程度にどうぞ。 ■ Year Zero Engine YZE は二つのシステムの選択制になっていて、一方はダイスプール、もう一方はステップダイスでスキルやステータスに d6 から d12 のダイスを割り振ります。いずれにせよステータス/スキル制のシステムです。 まずダイスプールですが、判定はスキルと関連するステータスを足した数の d6 を振り、6が一つ以上出れば成功で、6の出目の数が成功数となります。 ステップダイスの場合、ステータス/スキルに割り当てられたダイスを振り、どちらか一方の出目が6以上なら成功です。この時10以上の出目があれば、2成功として数えます。 どちらの判定でも2成功以上なら追加のボーナス効果が得られます。逆に6以上の出目が一つもない場合は目標を達成できず、何かしらのトラブルや悪影響に繋がります。YZE では判定に失敗することで物語の進行を止めてはならず、何かしら先に進めなければなりません。原則として一つの状況に対して判定のチャンスは一度だけです。一方で、プッシュという1以外の失敗の出目を一度だけ振り直す仕組みもあります。 判定には難易度があり、ダイスプールの場合はダイスの数が減り、ステップダイスの場合はより小さいダイスでの判定となります。 日本語版が発売されているザ・ループ TRPG では、ダイスプール制が採用されています。 ■ Powered by Lancer ナラティブプレイにも対応したロボットバトルもの TRPG で、ベースとなるシステムは D&D4e 時代の D20 SRD を元にしたものです。通常の判定は D20 + 修正値(スキルや難易度によって単純な値ではなく nD6 の最大値になることがあります)で、10 以上の出目で成功です。攻撃判定の場合目標値は対象の防御力以上で命中、20以上でクリティカルです。判定せずに失敗を選ぶこともできます。 戦闘時のターン行動は移動+アクションで、アクションはターンごとにフルアクション1回かクイックアクション2回かを選ぶことができます。 ■ Cairn Carn は D&D のような剣と魔法ファンタジーを極限まで軽量にしたルールで実現するという、システムとしては MörkBorg のような志向の TRPG で、クラスやレベルといった概念はありません。一応、単純なハクスラよりもキャラクターの背景や能力、環境などを活用した課題解決が推奨されています。あとルルブを読んでいて面白いのは「首ナイフ? 死ぬに決まってるだろ」みたいなことが書いてあったり。 複数のステータスがあり、判定は d20 でステータス以下の値なら成功です。ダメージ表現は HP とステータスの両方にあり、HP がなくなるとステータスが減少したり、HP がちょうどゼロになると特殊なことが起こったり(ステータスが上昇することもあります)します。 ■ QuestWorlds QW はかつて日本語版も発売された HeroWars の第三版に当たり、背景世界を限定しない汎用ルールとなっています。PC がどんどん強くなるマスタリーのシステムはそのまま残っています。ステータスは上限なしで成長しますが、20を超えるたびにマスタリーとしてカウントされます。例えば、7M(または7M1) なら27、13M4 なら93です。 判定はステータスの目標値に対して d20 です。 - 1:クリティカル - 2〜目標値:成功 - 目標値より大きく19以下:失敗 - 20:ファンブル ですが、マスタリーがあると判定結果の段階がマスタリーの数だけ上昇します。つまりステータスがnM1 ならファンブル以外で失敗することはありませんし、nM2 だと 20 以外の出目はクリティカルになります。加えて QW にはヒーローポイントがあり、消費することで判定結果の段階を一つ上げることができます。 ■ Hints and Hijinx H&H は TRPG というよりもソロジャーナル向けのルールなのですが、参考までに。 キャラクターには二つのスキルがあり、初期段階では d12 と d10 が割り当てられます。判定は以下のようになります。 - 1〜2:失敗、手掛かりなし、スキルのダイスを一段階下げる - 3〜4:騒動、手掛かりなし、スキルのダイスを一段階下げる - 5〜9:成功、一つの手がかりを見つける - 10以上:成功、二つの手がかりを見つける 判定結果によってスキルの段階は最終的に d2 まで下がりますが、ゲーム中に一回だけ、両方のスキルを全快することができます。 得たヒントによって仮説ダイスが d0 から d12 まで上昇し、最終的に仮説が正しいかどうかも判定で決まります。 - 1〜2:間違った仮説でひどい悪影響をもたらす - 3〜4:間違った仮説でいたずらな結果になる - 5以上:正しい仮説で事件は解決する というわけで三回にわたって長々と書いてきましたが、面白そうなものはありましたでしょうか。楽しいタイトルに出会えるといいですわね。
Kei | |
2024/11/28 00:00[web全体で公開] |
😶 代償を伴う成功のお話 ご機嫌よう。 多くの TRPG には判定がございまして、まあだいたいその結果は行動の成否を表します。時にはクリティカルやファンブルのようなものもございますが、それにしてもだいたい成功は成功で失敗は失敗です。 ところで、ナラティブ系の TRPG の中には「代償を伴う成功」というものがございます。先日紹介していた(長文ですので読んだ方は数少ないでしょうが)システム群にも同種の表現がよくありました……代表的なものですと、Powered by the Apocalypse、Forged in the Dark、Breathless、まきびしなど。広く考えると、事前にトラブルを起こすことで後の判定を成功に導く FATE や Belonging Outside Belonging などもこの一種とみなすこともできるでしょう(BOB には判定はありませんが、成功を描くためにはトラブルの描写が必須です)。 それではは代償を伴う成功とは何でしょうか。 先に進む前に、なぜ判定するのかというお話をしましょう。なぜ判定するのかしら? 試みた行為が成功するかどうかを確かめるためだと考える方もいらっしゃることでしょう。でも違います。知りたいのは行為の成否そのものではございません。これが理解できないと、先に進むためには情報が必要で情報を得るためには判定に成功する必要がありその判定に失敗したので先に進まない(成功するまで判定し続ける)というロックを容易に生み出します。そうではなくて、確かめたいのは物語の行く末です。結果がどのようであれ(たとえ判定に失敗したとしても)物語は先に進む、けれど、どのようにして? これが代償を伴う成功の正体です。つまり物語の行く末は PL が意図したものになるかも、意図しなかったものになるかもしれず、その間に無限のグラデーションがあり、意図したように進行するにしても完全にその通りではなく、何か予想外のことが起こるということです。言い換えれば、プレイヤーが何を望んでいたかに着目してそれが中途半端にしか達成できない(ので問題が起こる)か、望んでいたことはできたけれど別の問題が発生するということです。 もちろん、そんなことを言われてもどうしていいのか分からない、シナリオに書かれているとおりに遊ぶ方がいいという方もいらっしゃるでしょう。それが良くないということではございません。どちらが好みか、どちらが楽しいかは人によって違うでしょう。このエントリは単に「代償を伴う成功」という概念があるという紹介に過ぎません。もちろん、わたくしは「代償を伴う成功」が好きなので、こちらよりの文章にはなっているかと存じますけれど。 ともあれ、あの長たらしいベースシステムのお話(次回があります)は、ほんとうはこれを書きたくて始まったのでした。
Kei | |
2024/11/27 21:24[web全体で公開] |
😶 ベースシステムのお話(第二回) ご機嫌よう。 主に海外インディーズ/ナラティブ界隈で使われているようなシステムを主に判定の面から紹介する会、先日の続きに参りましょう。 ■ Lost & Found (L&F) キャラクターではなく特定の物に秘められた物語に焦点を当てたシステムで、PC という概念もありません。物は製作者に作られ、利用者に使われ、特性を記述し、その見た目を実際に描き、プロンプトに答える形で詳細を描き、変化し、最後に破壊されます。 L&F には判定はなく、ステータス等もありません。 基本的に GM なしシナリオなしで遊びます。 ■ Caltrop System (まきびし) 振る機会の少ない d4 をフィーチャーしたシステムで、1〜数個のステータスまたはリソースがあり、ステータスの値の数、もしくはリソース消費に応じた数の d4 を振って最大値を採用します。 - 1:大失敗。物事が悪化しリソースを失います - 2:失敗 - 3 :部分的な成功。代償を伴うか中途半端な成功 - 4:成功 ■ Emerge8 こちらは d8 をフィーチャーしたシステムで、複数のステータスがあり、その値(または組み合わせの合計)の数だけ d8 を振って難易度以上の出目の数を数えます。 - 0:失敗 - 1:代償を伴う成功 - 2:成功 - 3以上:クリティカル ■ Breathless 複数のステータスがあり、そのステータスに応じたダイス(d4〜d12)を振って判定します。判定するたびにそのステータスのダイスは一段階悪化します。判定結果は以下のようになります。 - 1〜2:失敗 - 3〜4:代償を伴う成功 - 5以上:成功。出目が高いほど成功度合いも高い スタント(離れ業や特殊能力)があり、スタントを使用した判定は d12 になります。ですがスタントは一度使うと「一息つく」まで再使用できません。つまり次から次へと物事が起こり、判定はどんどん難しくなっていき、一度だけ逆転技が使えるというような状況の表現に特化しています。 基本的に GM ありで、PbtA と同様に特定の物語的状況に特化していて、システムによってシナリオがなかったり、その状況に合わせたシナリオを用意して遊びます。 ■ Charge SRD FitD の派生で、基本的な判定方法は同じ(指定された数の d6 を振って最も大きな出目を採用する)です。加えて、FitD の結果に加えて、上位二つの出目が共に6の場合はクリティカルとなります。 また、判定に成功するたびに「勢い」を得て、これを消費することで判定のダイスを増やすことができます。「勢い」を「チャージ」する、つまりそういうことですね(「勢い」にはその他の使い方もあります)。 Charge SRD 自体軽量ですが、さらに軽量化した派生版 Dash もございます。このエントリで記載した判定の基本は同じです。 ■ Firelights Creator Kit カードをシャッフルして2枚を引き、2d6 + 修正値と比較します。結果は以下のようになります。 - 合計が両方のカードの数字以上なら成功 - 合計が一方のカードの数字以上なら部分成功 - 合計が両方のカードよりも小さければ失敗(行動によって特殊な効果がつく場合があります) また、Firelights は判定以外でもカードを使用します。例えば探索のために引いたカードは世界の一部となります(数字によって接続方向の指示があります)。そうして世界を広げながら旅をして目的を達成するというテイストになります。 PbtA のようなプロンプトはありませんが、デザインが世界=物語のあり方を記述する形式になり、基本的に GM やシナリオはなしで遊びます。 ■ Songs and Sages Creator Kit D&D のセービングスローのような、ステータス(STR、DEX、WILL、HEART の四種類)の修正値 + D20 で目標値に対して判定するシステムです。ステータスの修正値はトランプを引いてスートで決まります。目標値は基本12ですが、シーンの危険度に応じた数のカードを引いてスペードかクラブの枚数の二倍だけ難易度が上昇します。目標値以上の出目で成功となります。 PC は判定に成功するとカードを一枚得て、必要な時にリソースとして消費することができます(例えば、判定に +2 の修正を得ることができます)。 ■ Push SRD 判定するのはその成否が物語を左右するようなことで、判定は一種の「賭け」です。判定のあるすべての TRPG において確率に委ねる=賭けということができるでしょうが、Push はその要素が強くあるというか二段階になっています。ステータスの類はなく、修正値などもなく、1d6 の出目によって以下のようになります。 - 4以下:代償を伴う成功。1d6 を振り足しても良い - 5〜6:成功 - 7以上:失敗。望んでいなかった(たいていは良くないこと)が起こる つまり、代償なしの成功にしたかったらダイスを振り足さなければならず、振り足すと失敗の可能性があるという仕組みです。 通常の TRPG であれば GM にするような設定やルールや物語の真相に関する質問も、同様に判定で結果を決めます。というか Push SRD はキャラクターの特徴からクエストの内容、個々のチャレンジに至るまでダイスで決定する仕組みで、基本的に GM なしシナリオなしで遊びます。 ■ 24XX SRD 基本は d6 で、スキルがあればより良いダイスを使用できます。スキルの評価は成長で d8 → d10 → d12 と上昇します。怪我していたり不利な状況では d4 になります。判定結果は Breathless と同様に以下のようになりますが、判定によってステータスが変化することはありません。 - 1〜2:失敗 - 3〜4:代償を伴う成功 - 5以上:成功。出目が高いほど成功度合いも高い ■ Mark of the Odd ステータスは STR、DEX、WIL の3つがあり、それぞれ 3d6 で決めます。判定は危険を回避する場合のみ行い、 d20 で 判定に使うステータスの値以下が出れば成功です。この際 1 の出目は常に成功、20 は常に失敗となります。 さて。この会は二回で終わるはずだったのですが、まだいくつか残っておりまして、次回に続くのですわ(もういいかげんダイスの振り方のお話はお腹いっぱいかしら?)。なお、d4 や d8 をフィーチャーしたシステムがあるように、d12 をフィーチャーしたシステムもあるようなのですが、今回は紹介するほどの情報を得られませんでしたの。
Kei | |
2024/11/27 00:10[web全体で公開] |
😶 ベースシステムのお話(第一回) ご機嫌よう。 ベースシステムといえば BRP、D20、SRS や サイコロフィクションなどがありますが、これらの有名どころ以外で海外に目を向けますと、さまざまなものがございます。そこで今回は中でもマイナーな海外インディーズ/ナラティブ界隈で使われるようなものを主に判定の面からまとめて紹介しましょう。とても長くなりましたので、本日は第一回です。これまでわたくしのエントリでは触れてこなかったシステムもございますし、遊んだことのないシステムもあり誤りがあるかもしれません。 ■ FATE すべてをアスペクトという短いフレーズで表現するシステムです。PC のステータスやダメージの状態もアスペクトですし、場面の状況もアスペクトです。PL は描写に対してアスペクトを追加することができますし(要判定)、場面にあるアスペクトは判定の際に全て利用できます。判定は何か面白い障害があり目標の達成を拒んでいる場合です。単なる探索行動に判定はありません。実際の判定は FATE ダイスという特殊な6面ダイスを4個振り、結果に自分のスキル評価、または運命点というリソース(自らトラブルを起こすと得ることができます)を消費して振り直しか +2 かを選びます。結果は必要な成功段階とロールの結果から求めます。判定結果は以下の四通りです。 - 失敗(深刻な代償と引き換えにした成功も含まれます) - 引き分け - 成功 - スタイリッシュ FATEではゲームシステム的な行為のアクションは4つにまで削減されていて、それぞれ克服する、優位に立つ、攻撃する、防御する、です。克服が大抵の一般行動をカバーするもので、優位に立つはアスペクトを追加またはアスペクトから利益を得るアクションです。攻撃と防御はそのままですが、FATE では PC のロストはありません。単に戦闘に負けてシーンから脱落するだけです。負傷段階によるダウンタイムの後(ダメージに関するアスペクトでボロボロでしょうが)再登場できます。 そして。FATE はそのじつ RPG ツクールからセッションが始まります。すなわち、舞台の設定等は参加者全員が協力して行います。ゲーム中に使用するスキルやスタント(特殊能力)もここで決めます。これをもとに GM は(もしかしたらシナリオという形で)舞台を整え、PL はキャラクターを作成します。 FATE には FATE Accelelated という簡易版システムがありますが直接の互換性ありません。Accelerated にはスキルがなく代わりに固定のアプローチがあり、アプローチの評価がダイスの修正になります。また、成長ルールなども異なります。 基本的に GM なしシナリオありで遊びます。 ■ Powered by the Apocalypse (PbtA) FATE がアスペクトのゲームだとすれば、PbtA はムーブとプロンプトのゲームです。ムーブというのは物語を駆動するしかた、もっといえば物語の進め方の選択肢です。ムーブが表現しているのは特定のスキルではありません。 PbtA ではキャラクター作成時に与えられたプロンプトに答えますが、自分の PC でも他の PL に決定権がある事項があります。たいてい 3〜4 個前後のステータスがあり、判定するのはムーブで指示されている場合のみ、2d6 + ステータスで結果は以下のようになります、 - 6以下:失敗 - 7〜9:代償を伴う成功 - 10以上:成功 加えて、ムーブあるいは判定結果にはプロンプトがあり、ムーブを選んでプロンプトに答えることで物語は進行します。プロンプトは自分で答えるほか、他の PC が答える、GM が答えるなどのバリエーションがあります。 PbtA 系のタイトルはそれぞれ特定の物語的状況に特化していて、基本的に GM ありシナリオなしで遊びます。 ■ Belonging Outside Belonging (BOB) PbtA の派生ですが、判定はなくステータスもありません。ムーブに強弱があり、強いムーブ(物事を解決する)にはリソースが必要で、リソースを得るためには弱いムーブ(トラブルを起こす)をする必要があります。強いムーブや弱いムーブは複数与えれ、望む物語の進行によって選択します。 BOB ではムーブによって指示されるプロンプトは必ず他の PC への問いかけです。加えて PC にはトークンを得ることのできる特定のフック(BOB ではルアーと言います)があり、他の PC の行動によってトークンを得ることができます。 また、BOB にはゲームのテーマに従った設定要素があり、設定要素の役割は各 PL に分担します。分かりやすく言えば設定要素ごとに GM 持ち回りです。一方、設定要素は特定の PL に割り当てるものではなく、交代制です。 基本的に GM なしシナリオなしで遊びます。 ■ Forged in the Dark (FitD) FitD は PbtA の影響を受けたシステムで、ムーブに相当する属性と複数のステータスがあります。 判定をするのは指定された条件に当てはまる場合のみです。基本的に行動の判定はその達成に危険を伴う場合のみ行い、加えて行動のリスク評価によって結果の描写が変わります。判定そのものは属性等で指示された数だけ d6 を振り最大値を採用します。 - 1〜3:失敗 - 4〜5:代償を伴う成功 - 6:成功 FitD では PL は描かれた状況に対して後出しで自分に都合の良い要素を追加することができます(代償として無茶さ度合いに応じたストレスを受けます)。 基本的に GM ありシナリオなしで遊びます。 ■ Lumen 判定そのものを見れば FitD と同じですが、リスク評価等はありません。Lumen は基本的に戦闘重視のシステムですが PC 側の攻撃や回避そのものには判定がなく、そこに至るまでの(ドラマチックな)行動に判定があります。 また、キャラクターの能力や装備等によって特殊効果があり、この効果はコンボ的に繋げることができたり、超強力な自爆攻撃などがあったりします。 ■ Montsegur モンセギュールのシステムは正確にはベースシステムとして扱われているわけではございませんが、採用されている例が複数ございますのでこちらで。 といってもステータスなし判定なしのシステムです。PC にはプロンプトが与えられ、それらのプロンプトと物語の進行に応じて与えられた情報がフックとなって PC 間の関係ひいては物語に作用するという仕組みで進行します。ゲームが扱うのは特定の物語的な状況で、GM もシナリオもありません。 ゲームシステムから物語に繋げるにもいろいろなやり方があり、判定一つとっても特徴がございますわね♪
Kei | |
2024/11/26 00:07[web全体で公開] |
😶 愛のために何ができるかしら ご機嫌よう。 deepl のファイル翻訳数がリセットされるまでの繋ぎとして購入またはダウンロードしたままディスクの肥やしになっていたタイトル群からページ数の少ない(文字数の少ない)ものをを漁って、For Her Lady’s Hand(以下 FHLH)をサクッと自分で遊べる程度に訳しましたの。 タイトルは、FHLH の導入の文です。 FHLH は、中世後期くらいの時代を背景に、女性どうしの禁じられた愛がバレて修道院に入れられてしまった恋人を解放する GM あり PL 1人の二人用ゲームです。ベースシステムはまきびし。ステータス等で指示された数だけ d4 を振って最大の出目を採用するというシステムです。FHLH の場合ステータスは3つ、加えてHP やリソースなどの概念があり、リソース消費でダイス目に修正がついたりします(複雑!)。まきびしシステムはソロジャーナル、ナラティブ系からオールドスクールまで幅広いインディーズゲームで採用例がありますが、FHLH はゲームの作りとしてはオールドスクールに近い構成です。 ルルブには修道院のフロアマップ(各部屋は空白)と修道院で遭遇する相手や部屋のリストが掲載されていて、それぞれマップ上のどこで出会うかは卓に任されています。加えて、遭遇等の解決方法やどのように恋人を助け出すかや、いつの時点からプレイを開始するのか(修道院を目前にした状態から始めるのか、それとも恋人が修道院に送られてしまった直後から始めるのか)も卓次第です。 読んでみて思ったよりもオールドスクールな作りだったことには個人的にちょっと残念な感じもあったのですが、とりあえず PL 一人にお声がけすれば遊べるので、ちょっとしたタイミングで遊ぶタイトルとしては良さそうかしら。これくらいの内容からどうやって盛り上げるのかを考えるのも楽しそうですわ。 以下宣伝ですが。 せかいじゅごはん試食会は 12/8(日) 13:00 開演であと一人募集しています。 https://trpgsession.click/session-detail.php?s=173192720976kei29br2l
Kei | |
2024/11/24 17:16[web全体で公開] |
😶 魔法少女のお話のお話 ご機嫌よう。 deepl のファイル翻訳数が上限に達していて大物の訳に取り掛かれないので、この機会にもう一つ気になっているタイトル、Girl by Moonlight(以下 GbM)の本文を取り出しがてらサラッと眺めてみましたの(30万文字ほどありますので、こちらも後でファイル翻訳にかけます)。そこで今回は GbM のお話をしましょう。 GbM はいわゆる魔法少女もの TRPG で、まあ国産 TRPG にもたくさん……軽く調べたところ商業作品は意外とないようですわね? ともあれ、GbM はわたくしもたびたび紹介している FATE や Thirsty Sword Lesbians でおなじみ EvilHat から出版されています。ベースシステムは Forged in the Dark。抑圧的な社会に立ち向かう魔法少女たちの悲劇と苦悩、自分自身を否定することによる心の痛み、本当の自分を受け入れながら人間関係を築いて得た力といったあたりのテーマがフォーカスされています。ちなみに魔法少女というのは立場であって「少女」あるいは「女性」でさえある必要はありません。はい、わたくしの卓ではお馴染みのジェンダー/クィアテーマですわよ。 ゲームは以下のように進行します。 - キャラクターが日常で期待されることを処理する - 物語に現れた破壊的な要素に反撃する(戦闘ルールというものは実質的にありません) - その解決がキャラクターの目標や日常にどのような影響を与えたかを処理する PC は条件を満たすと「魔法少女」になることができ、特別な力が使えるようになります。ただし、そうできる時間は限られています。そのほか様々なキャラクターと絆を結んで特別な効果を得たりもします。 そして、PC はストレス(ダメージ)が溜まると普通ではない精神状態になって、自分自身を傷つけたりします。この状態は仲間が助けるまで続きます。 判定はございます。物事を解決するための行動を選び、その行動に基づいて6面ダイスを複数個振り、最も高い出目を採用します(稀にダイスが0個になる場合があり、その場合は2つのうち低い方の出目を採用しなす)。6で成功、4〜5は代償を伴う成功、1〜3は失敗ですが、代償や失敗の厳しさは状況によって変わります。一方、フラッシュバックというルールで困難に対して事前に準備していたことを後付けで追加できたりします(代償としてストレスを受けます)。例えばオフィスに忍び込もうとして警備員に見つかった際に、その警備員と数日前に親しくなっていたことにすることができます。 加えてゲームには時間のルールがあり、即座に影響が現れない行動や結果を追跡し、PL は進行状況が一目でわかります。 ルールにはプレセットが4つ含まれていて、それぞれトーンが異なります。また記載された質問に答えることでゲームの準備をしますが、この際に要素をカスタマイズできます。カチッとしたシナリオとかの類はなく、フックから物語を駆動するナラティブ方式です。 ところで、掲載されている「崩れゆく空の下で」というプレイセットはまどマギに影響されていると記載されていますし、ちょうど来年「ワルプルギスの廻天」が公開されるようですし、これを機に遊んでみたいかしら(付属する中では最もダークなプレイセットのようです♪)。
Kei | |
2024/11/23 17:45[web全体で公開] |
😶 初めてのインセインでしたの ご機嫌よう。 インセイン初めて遊んでまいりましたの。インセインというかサイコロフィクションというか冒険企画局のタイトル自体現世では遊ぶのが初めてで、始める前は不安ばかりでしたけれど、難しくも楽しかったですわ。 インセイン自体の印象は、とてもシステマチックなゲームと申しましょうか。ふだんこのタイプのゲームを遊ばないので新鮮でしたわ。まあね、ゲームシステムがガチガチとも思いましたし、判定そのものに物語を駆動する要素がなく、判定に使う特技に関するフックもないので、最初のうちどうしたらいいのかとても迷いましたし、難しくもありました。それと今回の卓/シナリオでは問題ありませんでしたけれど、原理的に安全に対する配慮ができない仕組みだな、とも。 ともあれどういうわけかサムライの時代にタイムスリップし、悪霊を倒して帰ってきたのですわ。狂気カードは結構引きましたが顕在化することもなく、プライズを持つこともなく、クライマックスで活躍することもなく、メインシーンも調査しないとシーンが足りないという PL 的判断で調査に終始していました(一つだけとても気になった抜きたい秘密があったのですが、持っている PL に止められました)。 それでも秘密のせいで最初の方酷い目にばかり遭いまして、心配した PC に助けられたりと結構エモかったですし、ご一緒くださった方の RP も素敵で、シナリオ的な展開も面白かったですわ。 上手にはプレイできませんでしたけれど、ご一緒くださった皆さまありがとうございました。 以下宣伝ですが。 せかいじゅごはん の試食会の募集をしております。興味がおありの方はいらっしゃいましたら、是非。 https://trpgsession.click/session-detail.php?s=173192720976kei29br2l
Kei | |
2024/11/19 01:04[web全体で公開] |
😶 悪夢を消しに行って悪夢を生み出す(かもしれない)お話 ご機嫌よう。 昨日の DGC に続いて、別のタイトルを訳し始めましたの。また BOB タイトルですし、こんなに BOB に言及しているのは日本ではわたくしくらいかもしれませんが、(上手に遊べるかどうかは別として)推しですのでね。 そんなわけで、今回ご紹介するのは Psychodungeon ですの。物語の舞台は SF ファンタジーの世界ですが、人々のトラウマが限界に達すると、その悩みが悪夢でいっぱいのサイコダンジョンとして物理的に現れるという設定で、PC はサイコダンジョンを一掃して閉鎖する仕事で生計を立てています。 今年春頃に Kickstarter で資金調達していて、製品が出たのはつい最近ですが、割と好評なようですので早速見てみましたの。 ゲームの概要は先に書いた通りですが、まあ BOB ですから注意を要するタイトルですわよ。悪夢のサイコダンジョンの由来となる出来事はブラック労働、最悪の思春期時代、毒親、学校のつらい出来事、つらい恋愛、社会に馴染めないこと、孤独、性同一性障害、医療外傷、経済的困窮などで(はい、注意を要するテーマです)、もちろん詳細を描くのは PL です。こうした由来は怪物やら何やらの姿になって現れます。 ところで、Psychodungeon には BOB に珍しい固定された役割がございまして、一人はクライアント、というのはもちろんダンジョンを出現さえた本人ですが、としてその悪夢をダンジョンに反映させることに集中します。一方でダンジョンはクライアント以外の PL が交代で演じます。ダンジョンはクライアントの欲望によって、あるいは PC が逃げたり混乱したりするたびに強力になっていきます。 PC は最終的には出現したダンジョンを閉鎖しなければなりません。方法は PL に任されます。これは同時にクライアント、を立ち直らせることでもあります。そして、もう一つ BOB には珍しく、PC にはストレスメーターというステータスがあり、溢れると自分自身がサイコダンジョンを発生させます。 面白そうじゃないかしら。 ところで。 たまには?こういった注意を要するのではない TRPG を遊んでみましょうということで、せかいじゅごはん の募集をしております。興味がおありの方はいらっしゃいましたら、是非。 https://trpgsession.click/session-detail.php?s=173192720976kei29br2l
Kei | |
2024/11/17 23:13[web全体で公開] |
😶 大いなるクトゥルフよ、私に超能力を与えないでください ご機嫌よう。 先だって触れた Glitch の本文取り出しは(泣きそうになりながらも)無事終了しまして、機械翻訳に……いえ、文章量の関係でファイルが三分割になってしまい、今月はあと3ファイルの余裕がありませんので来月に回すことにしまして。 一方でインセインの卓を見つけて募集したのですが、わたくしインセインは所持しておりますが遊んだことはなく、というかルルブを読んでな……こほん。なので予習をしなければならないのですわ。 ところで、わたくし「しなければならない」というプレッシャーから逃避するのが得意ですので、ここぞとばかりにコミュ障陰キャになってパーティで嫌な思いをする This Party Sucks と、そしてこれから触れます Dear Great Cthulhu, Please Stop Giving Me Superpowers!(以下 DGC)をサクッと訳していたのですわ。 さて、DGC はわたくしのエントリでは何度も触れている Belonging Outside Belonging(以下 BOB)をゲームシステムとして採用しているゲームで、他の多くの BOB 作品と同様にクィアネスもテーマにしています。誤解のないように補足しておきますが、テーマにしかたというのはコレクトネスな方面ではなく、居場所のない人々という方面で、です。ですが DGC では他の多くの BOB タイトルとは異なり、シスヘテロなキャラクターで遊んでも構いません。 それではどんなゲームかというと、グレート・オールド・ワンの使者となって(信仰するといった意味ではなく、どういうわけかそうなってしまいます。選ばれてしまうのです)、その証に自分の身体が変異していくというゲームです。余計な腕が生えたり羽が生えたり触手が生えたりと色々なことが起こりますが、それで、どうやって生きていきます……? というゲームです。BOB ですのでムーブ(物語につながる選択制の行動)には強弱があり、厄介ごとを解決するには強いムーブをする必要があり、強いムーブをするためにはトークンが必要で、トークンを得るためには厄介ごとが発生する弱いムーブをしなければならず、さらに弱いムーブを選ぶともれなく追加の変異がついてきます。 そう、欲しくもない変異がどんどんついてきて、どんどん厄介ごとが起こるという、そういうゲームですの。 BOB らしく物語の終わり方は定められておらず(わたくしのエントリでは何度も触れているので蛇足ですが、BOB は GM なしシナリオなしステータスなし判定なしのシステムです)、つまり、PL の同意と語りによってのみ駆動しますので、どうにもならないという終わり方になるかもしれませんわね。 ともあれ、楽しそうじゃないかしら♪
Kei | |
2024/11/15 22:31[web全体で公開] |
😶 存在しないこと、もしくは存在についてのお話 ご機嫌よう。 というわけで Glitch - A Story of the Not に取り掛かったのですが、本文を取り出すだけで心が折れそうですの。 ゲームの初めに書かれた最初のルール。ルールゼロ。あなたが遊んでいるのは Glitch ではありません。 作者がインタビューで語った言葉。ルール通りに遊んだら失敗するでしょう。なぜならルールゼロを破ることになるから。 もう既にアタマがこんがらがってきましたが、存在しないことをテーマにしたおそらく唯一の TRPG で、PC は存在しない神の化身としての人間? かしら??? 文字数にして150万文字以上ありますので、おそらく何度もココロが折れて最低限遊べそうな訳に到達するのに一年くらいはかかるでしょうが、ともあれ現場からは以上ですわ。
Kei | |
2024/11/14 21:46[web全体で公開] |
😶 この中に犯人がいる……ことはたいして問題ではないお話 ご機嫌よう。 Wraith: the Oblivion の訳がとりあえず自分で最低限遊べそうな程度になんとかなりましたので(何度も何度も心が折れる長い戦いでしたわ)、早速次に取り掛かりましょう。 というわけで The Marquis of Ferrara を(こちらも自分で遊べる程度に)訳したのですわ。訳しながらなんとなくルルブに既視感を感じていたのですが、Witch: The Road to Lindisfarne の会社でしたのね。こうなると同社の別の TRPG、Sail the Stars なんかにも興味が湧いてくるところなのですが、それはさておき。 The Marquis of Ferrara はおそらく14世紀頃のイタリアを舞台にした TRPG で、ゲームシステムはモンセギュール1244のハック。つまり GM なしシナリオなしステータスなし判定なしでキャラクターは選択制のゲームですの。フェラーラ公爵が何者かに殺され、犯人は PC の中にいます。が、犯人を探すことはゲームの目的ではなく、自分が次の公爵に選ばれるための陰謀撃です。それを駆動するための幾つかのフックがあり、物語はロールプレイのみで描きます。 面白そうじゃないかしら。ぜひ遊んでみたいのですけれど、こうしてお声がけ予定のタイトルばかりどんどん溜まっていきますかしら。 まあね、ほんとうは Glitch - A Story of the Not が気になっていて訳そうと思ったのですけれど、分量があまりに多くって、短いものに逃避しているところはございますけれど。
Kei | |
2024/11/11 01:13[web全体で公開] |
😶 ネコの科学のお話 ご機嫌よう。 色々と本格的なゲームを私家訳していて疲れてきましたので、この辺りでちょっとおふざけなものを、ということで Cat Science をサクッと私家訳していたのですわ。 Cat Science はネコ(主に飼い猫)になって、ネコの視点で世界の謎を科学するゲームです。人間は毎朝どこに行くのか、ちゅーるはどこから現れるのか、お風呂の鏡の世界にいる猫の正体は、といった謎に取り組み、仮説を立てて検証します。 仮説が正しいかどうかは実験で確かめる必要があり、結果はダイスで決まりますが、仮説を立てた以外のネコは共著者として協力するか(仮説を立てたネコのプレイヤーが受け入れるかどうかを決めます)仮説を批判するかでき、判定に影響することができます。 十分に探究するか飽きるかしたらゲームは終わります。 どうかしら?
Kei | |
2024/11/09 20:02[web全体で公開] |
😶 アリスのすべて、第四陣再募集中ですの ※ こちらの募集は終了しました。 ご機嫌よう。 以前から募集させていただいておりました Alice is Missing ですが、12/21(土) 13:00 開演となりましたので、あと1名の参加者を再募集します。 https://trpgsession.click/session-detail.php?s=172900317305kei29br2l Alice is Missing はキャラクターは選択制で事前の設定などはできませんが、RP が好きな方や灰色城が好きな方はきっと楽しめるかと存じます。ステータスも判定もなく、本編のプレイ時間が絶対に90分で終わるという特徴もあり(前後に準備と振り返りがありますので、全体としては4時間程度の時間がかかります)、ストーリー志向のゲームデザインとしても優れているかと。 英語のみのゲームですが、当方で私家訳済の日本語でご案内いたします。興味がおありの方はぜひ。
Kei | |
2024/11/08 01:20[web全体で公開] |
😶 田舎町ミステリのお話 ご機嫌よう。 Kids on Bikes(以下 KoB)を雑に私家訳しましたの。現在では二版が出ていますが、わたくしが訳したのは初版です。KoB は20世紀後半くらいの人里離れた田舎町を舞台にした、ストレンジャー・シングス的な、あるいはグーニーズ的な感じの TRPG で、ジュブナイル志向ではありますが大人のキャラクターでもプレイできます。2019年のENNIE賞でベストファミリーゲーム賞を受賞しています。 KoB は能力値に d4〜d20 のダイスを割り当てる方式で、一見 りゅうたま ぽいですが、判定に使う能力値はひとつで、最大値が出ると(目標値にとどかなければ)同じダイスを振り足せます。加えて、判定に失敗するとトークンが得られ、トークンは消費した分だけダイス目に加えることができます。ゲーム的な意図は明らかで、先にたくさん失敗して厄介ごとを起こし、後の見せ場をキチッとキメるという言わば FATE 方式ですね。 加えて、判定は計画して行動したのか、とっさの判断で行動したのかによって多少のメカニズムの違いがあり、恐怖に晒された状況では全ての判定がとっさの判断扱いになります。キャラクターには長所や短所があり、長所にはメカニクス的な効果がありますが、短所は基本的にフレーバーです(GM は短所に関連する判定にペナルティを与えるかもしれません)。 そして、KoB には体力のような概念がありません。勇ましくも愚かしく怪物と殴り合うようなゲームではなく、ルールには怪物的なもののデータなどは一切掲載されていません。ですが、戦闘がないというわけではありませんし、キャラクターが不死というわけでもなく、例えばもしも万が一 PvP 的な状況に陥って戦闘した場合、一撃死のリスクがあります。 加えて、KoB では超能力を持つ仲間が一人いて、PL 全員で共有してロールプレイします。 さて、KoB のルールのメカニクス的な面はだいたいこれで全てで非常にシンプルですし(いくつかの表はあります)、先に舞台について「20世紀後半くらいの人里離れた田舎町」と書きましたが、実際の物語の舞台は参加者全員で作りますし、この舞台設定とキャラクター作成の段階で物語的なフックが生まれるという形式です。つまりナラティブ系ですが、ナラティブ系の遊び方みたいなものもルルブに記載されています。 面白そうかしら。まあ、わたくしはリクエストがあったので訳したのですけれど(近いうちに遊ぶ予定です)、というか KoB の公式ハックで魔法学校の生徒になる Kids on Brooms を訳そうと思っていたのですけれど。
Kei | |
2024/11/04 00:40[web全体で公開] |
😶 BOB に再挑戦するお話 ご機嫌よう。 突然ですが、Belonging Outside Belonging(以下 BOB)という GM なしシナリオなし数値的なステータスなし判定なし(数値で表現されるリソースが一つだけございます)で、PC のほか物語の舞台なども役割として PL に分担というゲームシステムがございます。一般的な TRPG で言うところのクラス/スキル的な概念に相当するものとしてプレイブック/ムーヴがありますが、そのテイストもだいぶ異なっておりまして、プレイブックとして選ぶのはキャラクターの職業や能力ではなく生き方ですし、ムーヴは技術ではなく物語の進行方法です。そしてムーヴにはには強弱があり、ゲームの進行上弱いムーヴ(=トラブルを起こす)を行う必要があります。ゲームのテーマ部分を別にすれば、何が起こるかもどんなお話になるかもその時になるまで誰にもわかりません。 さて、既にだいたいの方は、そんなのゲームになるのかとか、意味がわからないといった感想ではないかと思いますし、わたくしも BOB には苦い思い出がございます。いえ、そのセッション自体は面白かったのですけれど……ゲームのテーマからは外れてしまったと申しましょうか。けれど、うまくいけばとんでもないことになるに違いないという予感がわたくしを BOB から離さず、いくつかのタイトルを入手したり訳したりしていたのですわ(すべて英語です)。 そんなわけで BOB 初挑戦から3年近く経って、BOB タイトルのひとつ Sleepaway を遊んでみませんか? とお声がけしたところ卓が立ってしまいましたの。 Sleepaway は怪物の出るキャンプ場でキャンプに来た悪ガキども(原文のニュアンスを汲んでいます)を怪物から守る TRPG です。PC たちはキャンプ場を運営する側で、かつて怪物に襲われたことがトラウマとなっていますが、子どもたちを同じ目に合わせたくないというモチベーションがあります。怪物以外の怪異も出現し、キャンペーンの最後まで遊ぶと必ず怪物と対峙することになります。 そして BOB を採用したタイトルのほとんどは注意を要するゲームなのですが(最初に発表された Dream Askew がジェンダーをテーマにしたたいへんに注意を要するゲームだったことは大きく影響しているでしょう)Sleepaway も当然のようにそうでして、ジェンダーのほか子どもに対する暴力などの要素がございます。 とにかく、こんども上手にできないのではないかといった恐怖と、あれから色々と経験したし今回は何度もご一緒している方なのでという期待と、訳を再確認したら訳し直したいところが色々とあって、などと情緒が大変なことになっておりますの。