Keiさんの日記

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日記一覧

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Kei日記
2022/01/19 22:47[web全体で公開]
😶 セカイ
ご機嫌よう。

わたくし自身プレイヤーが集まるとは到底思っていないのですが、Dream Askew の卓を立ててみました。

プレイヤーは「役割」と「設定要素」を受け持ちますが、「設定要素」はあとで変更可能です。PCは全員クィアです。

文明が崩壊した世界を舞台に、私たちは、生活し、できれば癒される場所としてのクィア社会を形成するために団結しました。かつてないほど、私たち一人ひとりが、私たちのコミュニティの存続と運命に責任を負っています。瓦礫の中に何があるのでしょう?

黙示録的な舞台を共同で作り上げましょう。暴力、抑圧、偏見、クィアなどのコンテンツにご注意ください。

というTRPGです。システム的には、Belonging Outside Belonging という、ストーリーゲーム方面でも結構新しいものかと存じます(PbtAからGMも判定も無くしたものです)。通常のTRPG的な体験からはかけ離れたものになるでしょうし、面白いかどうかさえわかりませんが、興味がありましたら、ぜひ(最低でもクィアに対する敬意をお持ちください)。

https://trpgsession.click/session-detail.php?s=164259683670kei29br2l

それと、レディ・ブラックバードの募集をしております。こちらも興味がおありでしたら、お気軽にどうぞ。

https://trpgsession.click/session-detail.php?s=164198751665kei29br2l
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2022/01/19 17:26[web全体で公開]
😶 レディ・ブラックバードの募集をしておりますの
ご機嫌よう。

レディ・ブラックバードの募集をしているのですが、あと1〜2名のプレイヤーの方が集まった方がいいな、というところですの。

レディ・ブラックバードは、帝国での政略結婚から逃れ、かつての恋人の元に向かうレディ・ブラックバードと、彼女を助ける仲間たちの物語を紡ぐTRPGです。捕えられた状態からスタートとなりますが、一行が捉えられている戦艦は全長550mという巨大なもので、イメージとしてはラピュタのゴリアテだと思うのですが、ゴリアテの全長でも310mやそこらですので、だいぶ大きい、頭悪そうな()、そんな戦艦から脱出するところから始まります。
どうやって脱出するのでしょう? 脱出したその先はどうなるのでしょう?

ナラティブ系ですので、スチームパンク風冒険活劇を自ら演出いただけます。ここで語られるのは、シナリオという枠組みのない、ほんとうに参加者だけの物語です。

ナラティブ未経験でも問題ございません。日程は確定してしまっておりますが、興味とお時間ある方は、ぜひお気軽にどうぞ。

https://trpgsession.click/session-detail.php?s=164198751665kei29br2l
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2022/01/14 00:18[web全体で公開]
😶 Night Witches を訳しました。
ご機嫌よう。

第二次大戦のソ連に実在した女性だけの航空隊を描いたTRPG、Night Witches を、とりあえず自分で遊べる程度に訳しました(つまり、deeplに突っ込んで出てきたのものを調整しました)。

一応一セッションでの遊び方などもあるのですが、このTRPGが真価を発揮するのはやはり開戦直後から終戦までのキャンペーンかしら? という印象も受けました。PbtAものとして一回で遊ぶには……個人的には他のタイトルを選ぶでしょうか。

ともあれ、当時としても既に時代遅れの低性能だった飛行機に乗り込み、夜は夜間爆撃任務、昼間は昼間で機体の修理やら必要なものを入手するためのあれこれや報告などに翻弄され、もちろん性差別もある中を生き抜くというか駆け抜けるTRPGです。つまり、注意を要するテーマを扱います。

……いつ遊ぶんでしょう、これ。プレイヤー集まるんでしょうか。という気もしますが、とにかく、自分で遊べる程度の状態にはなったということが大事なのですわ。

因みに、Night Witches の作者、ジェイソン・モーニングスター氏は、「フィアスコ」の作者でもあります。公式に日本語訳されているものとしては、他に「スケルトンズ」と「青灰のスカウト」があります。
「青灰のスカウト」も史実を題材にしたナラティブ系TRPGでして、こちらは第二次対戦中のワルシャワ蜂起を題材に、少年兵というこれまた物議を醸しそうなテーマを扱っています。そして、何をどう頑張ろうが、史実を覆すことはできません。
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2022/01/12 21:01[web全体で公開]
😶 レディ・ブラックバードのお話
ご機嫌よう。

レディ・ブラックバードというTRPGがございまして、CC BY-NC-SAライセンスで公開されております。

このタイトルは、スタート時点での状況が示されているタイプのナラティブ系TRPGです。主人公(いわゆるPC1)たるレディ・ブラックバードは、帝国での望まない政略結婚から逃れ、かつての恋人で今は海賊王となっているユライア・フリントの元へ向かいます。彼女と旅を共にするのは海賊船オウル号の乗組員たち。ですが、その途上でオウル号は帝国の巡洋艦に拿捕されてしまい、海賊だということが白日の元に晒されるのも時間の問題です。
という状況から始まります。まずは、どのように脱出するのでしょうか?

PCはルールから選ぶ形式ですが、割と設定に隙間があり、物語の幅が広くなるようになっているという印象です。

また、世界観はスチームパンク風で、影響元としてジョージ・ルーカスやジョス・ウェドン、宮崎駿や小玉理恵子といった名前も挙げられており、イメージの参考になるでしょう。

そして、このTRPGにはシナリオはありません。レディ・ブラックバードをはじめとする一向にどんな危険が待ち構えているのか、彼女はユライア・フリントのもとに辿り着けるのか、それが望ましい結果なのかさえも、決まっていません。どのようになるかはGMとプレイヤー間の質問、その答え、さらにはPC間でのやり取りによって変化します。

一応、PCたちはそれぞれ非常に有能な人物であり、冒険活劇の主人公のように、リスクを厭わない行動をすることが求められます。判定はありますが、判定に失敗することでヒーローポイント的なポイント(ダイス判定を有利にすることができます)が貯まる仕組みで、一発逆転などを描く仕組みです。

面白そうじゃないかしら?

初めて読んだ時は、わたくしはどうやって遊ぶのか分かりませんでした。ですが、いまなら遊べると思いますので、セッションの募集をしております。興味がおありの方は是非どうぞ。

https://trpgsession.click/session-detail.php?s=164198751665kei29br2l
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2022/01/11 18:48[web全体で公開]
😶 我らが王の身罷りてってPbtAでしたの?!
ご機嫌よう。

ルールブックを見返してみたら、後ろの方にPbtAロゴがあってびっくりしました。PbtAっぽさを感じておりませんでした。でも作者の方が仰るので……。もちろん、PbtAの方が後から知ったということもございますが。
我らが王の身罷りては、PbtAの大元の大元、Apocalypse World と同じ作者の作品です。AWのシステムがハック自由(ハックして作られたタイトルがPbtAになります)だと宣言して、ご自身でハックのひとつとして作られたのがこれということに感服いたしましたわ。
ということは、ミニゲームがムーブにあたるということですね。ムーブを促すような描写や演出を排除してしまってもムーブが次のムーブにつながればゲームとして成立するので、描写や演出のためのGMが不要になった……あまりにも自然にGMなしで成立するようになっているので、そして判定がPbtAは2d6、身罷りはカードということもあって気づきませんでしたが、わたくしの中で、近年のストーリーゲームの流れが一つ整理されましたわ。判定や裁定という点では、元々PbtAには疑問の余地がない超軽量な判定ルールしかありませんでしたし、個人的には非常に納得しておりますし、感動しております。また、いかに表面的なところしか見ていなかったかということにも気付かされまして、恥つかしい限りですの。
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2022/01/06 20:46[web全体で公開]
😶 ナラティブ系のコミュニティを作ってみましたの
ご機嫌よう。

タイトルの通り、コミュニティを作ってみましたの。ナラティブやストーリーゲームに興味がおありの方は、どしどしご参加くださいまし。
https://trpgsession.click/community-detail.php?i=commu164146916627
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2022/01/06 01:03[web全体で公開]
😶 ファイナルガール、はじめましたの
ご機嫌よう。

そういったわけで、ファイナルガールも募集することにしました。ファイナルガールは究極に軽量なナラティブ系TRPGでして、GMなし、シナリオなし、自分のPCすらありません。事前に何かを準備する必要もなければ(判定のためにトランプが一組必要です)、配布資料もありません。

はい、わたくしが現在絶賛推している Girl Underground の参加者が集まらないので腹いせに立てました。興味がおありの方は是非どうぞ。
https://trpgsession.click/session-detail.php?s=164139802759kei29br2l
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2022/01/04 20:14[web全体で公開]
😶 セヴァストポリで私がしたこと
私は毎日あの悪夢を見る。セヴァストポリ。私は永久に赦されないのだろう。
戦争が何もかも変えてしまった。私はもう笑わない。鏡に映るのはただ空虚な表情。
あの戦争で、私は男になりすました。異教徒になりすました。感情を殺し、ユダヤ人であることを隠した。隠し通せなかった仲間たちが受けたあの刑。けれど、そうなってた方が良かったのかもしれない。戦争で、あんなことをするよりは。
そして、あの人の記憶。
シュテットルに帰っても、街のことはもう、ほとんど覚えていなかった。唯一の肉親だった兄弟たちも私を責め、一緒に暮らすことができなかった。この小さな町では、誰もが私を、私の罪を知っているかのよう。
あなたはどうして、私が戻ってこなければ良かったと言うんだろう?

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ご機嫌よう。

Dream Apart の役割(クラス的なもの)のところまで読んで、試しにキャラクターを作ってみたのですが、選択肢を選ぶだけでこういうキャラクターができる感じですの。これからお話を始める前に、なんか重いお話ができてしまっていて、これ大丈夫かしら? とビクビクしております。ともあれ、彼女は戦争で何をしたのか、どうして帰ってきて責められるのか、というところがお話につながりそうですね。はい、お話は、最後の部分の質問を、左隣のプレイヤーにするところから、始まるかもしれません。秘匿ハンドアウトとかの類はありません。

そう、質問されたプレイヤーに決定権があるという恐ろしい……けれど、これは昨今のストーリーゲームではよく使われる手法でもあります。

というわけで、Dream Apart で使われているゲームエンジン、BOBの前身となったPbtAのゲームの一つ、Girl Underground 卓、絶賛募集しておりますの(こちらはGMありシナリオなしです。キャラクター作成も含め、Dream Apart よりも色々な意味でずっと軽いです)。
https://trpgsession.click/session-detail.php?s=164103510060kei29br2l
素性の知れない人、素性の知れない洋ゲー、しかも注意書きが……ともなれば参加ボタンを押せないのも当然かと存じますが……でも、怖くないですよっ。
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2022/01/04 00:01[web全体で公開]
😶 Dream Askew を訳しましたの。
ご機嫌よう。

ストーリーゲームの歴史をお話しした際に最後の方で触れた Belonging Outside Belonging を採用したおそらく最初のタイトル、Dream Askew / Dream Apart を自分で遊べる程度に訳しているのですが、その前半の、Dream Askew の部分をひとまず終えました(校正などはしていません)。

BOB はGMなしシナリオなし、判定すら存在せず、ルールに書かれた状況から全員でお話の舞台を作り、他のプレイヤーにルールで指示された質問をすることが引き金になって物語が語られていくというシステムのTRPGです。PCは、そういった社会で暮らす間違いを犯しがちな人々です。

Dream Askew は、文明が崩壊した世界、その文明の残滓のなかで困難と共に生きるクィアの人々の社会とその生き様を描きます。もちろん、その外側にはストレートの人たちの世界が広がっています。このルールを読むことは、わたくしにとっては、いかにわたくしがクィアの多様性を知らずにいたかということを思い知るものでもありました。おそらく日本にはそんなに紹介されていない概念も含め(架空のものも含まれていますし)、いろいろと調べて、それは勉強になりました。

後半の Dream Apart は、19世紀の東欧におけるユダヤ人の共同体であるシュテットルを描くもので、こちらもわたくしが全く知識のない分野を扱います。読むのはこれからですが、読み進めるのが楽しみです。

こうしたテーマは決して番人受けするものではないでしょうが、わたくしは好きですし、もちろんテーマだけでなく、ストーリーゲームが目指すゲーム性というものにも興味津々です。
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2022/01/03 13:06[web全体で公開]
😶 ファイナルガールのお話
ご機嫌よう。

ファイナルガールというホラーのジャンルがございます。登場人物が次々と死んでいって、最後に生き残った一人が、という類型のものです。悪魔のいけにえ、13日の金曜日、エルム街の悪夢、あるいはエイリアンといった作品が該当します。最後に残る一人が「ガール」である必要はありません。

さて。

そんなファイナルガールものですが、そのものずばり、ファイナルガールというTRPGがございまして、昨年末に日本語訳も発売されました。びっくりするほどシンプルに、びっくりするほどファイナルガールものを再現できる、びっくりするようなTRPGです。

まず、どんなホラーなのかを決めます。どんなホラーというのは、ファイナルガールものだということは決定事項ですので、例えば、舞台がどこで、登場人物たちを次々と殺していく殺人鬼あるいはモンスターは何かということです。殺人鬼は人でなくても構いません。ゾンビかも、エイリアンかも、何かの疫病かも、相手を滅ぼすことを目的とするような戦争かも、その他どんなものであっても、無差別に次々と犠牲者が出るものなら何でも構いません。

次に登場人物を10人強作ります。PL4人で遊ぶならそれぞれ3人の合計12人ですね。PL4人ですと、各PLが3人のキャラクターを作りますが、このキャラクターはPCでありながら、従来のTRPGにおけるPCの概念とは少し違います。作ったPCは、まあ名前と簡単な特徴しか持たないのですが、全て混ぜて中央に出してしまいます。こうして作成したキャラクターは、誰でも自由に選ぶことができます。気に入ったキャラクターを順番に選んで、他のキャラクターとの関係を決めます。

こうしてホラーの舞台が出来ました。

舞台が整ったら、他のキャラクターとの関係が少ないキャラクターから、順に殺されていきます(実際には生き残るかどうかトランプを使った判定があります)。殺される前に何をしていたのかを、そのキャラクターを選んだPLが、寸劇で演じます。演じるキャラクターが自分が作ったキャラクターである必要も、自分が関係を決決めたキャラクターである必要もありません。即ち、このシーンで死ぬキャラクターを関係性の少ない順に選んで、その直前に何をしていたのかを演じます。殺人鬼も、各プレイヤーが順番に演じます。誰がどのような最後を遂げたのかは、殺人鬼役のプレイヤーに任されます。つまり、このゲームにはGMはいませんし、当然シナリオもありません。

あらかたみんな死ぬと、ついに、残ったキャラクターは殺人鬼と対峙します。先に述べた通り、殺人鬼の設定はゲームのはじめにみんなで決めています。さあ、残ったキャラクターはどうしますか? どんな結末になりますか?

という内容で、ルールはものすごく軽量、トランプ一組以外に事前の準備すら必要ありません。それでいてきっちりと「ファイナルガール」ものを描くことができます。面白そうじゃありませんこと?
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Kei日記
2022/01/02 17:30[web全体で公開]
😶 Girl Underground 募集しておりますの
ご機嫌よう。

不思議の国のアリス的な世界観を通じて、主人公の少女が「女性らしさ」という社会的規範に向き合い、自分自身の信念を獲得するという成長を描くナラティブ系TRPG「Girl Underground」のPLを募集しております。

https://trpgsession.click/session-detail.php?s=164103510060kei29br2l

Girl Underground で採用されているPbtAというシステムは、2010年に発表された Apocalypse World というゲームのエンジンを元にしたもので、現代的ストーリーゲームの代表的なゲームエンジンでもあります。単にナラティブ系というだけでなく、ナラティブなゲームの手法を学ぶにも非常に良い例かと存じます(わたくしのマスタリングが追いつくかどうかは別ですが)。

ルルブをお持ちになる必要はございませんし、PbtA未経験、ナラティブ未経験でも問題ございません。興味がありましたら、是非ご参加くださいまし。
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2022/01/01 16:57[web全体で公開]
😶 OSRについてのお話
ご機嫌よう。

明けましておめでとうございます。年が明けましたが、今年も、世の趨勢などとは関係なく、わたくしの興味関心で遊んで参りますわよ。

そんなわけで。

長くTRPGを続けている方の中には、ドラゴンに立ち向かう戦士的なものが描かれた赤い箱や、怪物に魔法を浴びせる戦士的なものが描かれたこれまた赤い文庫本とかをお持ちの方がいらっしゃるかもしれません。
箱を開けたり本を手に撮ったりすると、むっとするような古本屋の匂いがしたりして、本は手垢にまみれていたり、当時遊びながら食べていたポテチの油のシミですとか、こぼしたコーラのシミですとか、あるいはもしかして、プレイ中に投げたりして折ったり破いたりした跡さえあるかもしれません。そうしたノスタルジーに触れると、ふっと、こんなことを思ったりしないでしょうか?

こういうので十分だった。

けれど、いまどきこんな古臭い本を一緒に囲む人がいなかったり、あるいは今風でない可愛くもなければ凝ってもいない本を人に見せるのが憚られるかもしれません。

あーあ、もう少しOSR(オサレ)だったらな……。

まさにいまそういうムーブメントが密かに流行していまして、そのものずばり、OSRといいます。実際、初期のd20ルールで、クラスすらオプション扱い、できることといえば、そう、ダンジョンハック。
それでいて装丁やレイアウトが異様に凝っていて、訳そうとして本文を取り出すのが大変……こほん、いまどきのタイトルに引けを取らないどころではありません。

さて。

そうしたOSRなシーンを牽引するTRPGの一つに、Mörk Borgがあります。
名前も表も持ち物も何もかもダイスで決め、お好みならクラスとかもダイスで決めたら、もうダンジョンの入り口です。ここまでの所要時間、5分(GMの方は、事前に訳すなどの準備もありますし、もっと時間が必要でしょう)。更にその5分の間、ルールブックに書かれているメタルバンドの曲を適当に流しておけば、ゲームの説明になるでしょう。

モンスターを倒したら死体を漁ることもできますし(当然表がありますし、なつかしの反応表や、彷徨うモンスター表もあります)、何なら死体を売ってお金に変えたりして、そうしてゲットした僅かな金額の分け前を巡って議論を交わし、……ご存知でしょうが、まあだいたい、できることはそれで全てです。誰か死んだですって? そりゃあ、誰か死ぬでしょう。分け前が増えてよかったですね。

そう、どんなにOSRに蘇っても、本質的には当時のまんまです。そして、大切なことですが。そんなダンジョンハックなんかすぐ飽きると思っている、そんな方のための素敵なルールがあります。
ずばり、飽きる頃に世界が滅びます(。
なんの後腐れもありませんし、何ならもう一回世界が滅びるまでダンジョンハックしても(。

もちろん、その気になれば初期のDnDなんかと互換性があります。最新のDnDのように複雑ではありませんし(詳しく存じませんが、いまどきのDnDといえば無駄に複雑怪奇なのでしょう?)、最近話題になった面倒な政治的配慮とやらとも無縁です。すべてダイス神がお決めになりますので、最適ビルドやらロマンビルドやらで揉める心配もありません。

どうでしょう。楽しそうじゃないでしょうか? これで十分そうじゃないでしょうか?

でも英語に尻込みしてしまう、そんな方でも大丈夫、deepl でも十分遊べる訳が出てきます。お試しあれ。

注:真面目過ぎる方のために補足しますが、OSRはほんとうは、オサレではなく Old School Renaissance(つまり古典復興)の略です。そのナカミと、そういうムーブメントがあることは本当です。また、OSRなゲームで利用される初期のd20システムはOGLライセンスによって正当にライセンスされているもので、権利を侵害するものではありません。
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2021/12/30 15:00[web全体で公開]
😶 GMがいないTRPGについてのお話
この一年くらいで学んだストーリーゲームについてのわたくしの解釈です。話半分未満のつもりでお読みください。他の資料をご参照ください。また、個人的な事情により、海外システムの話がメインとなりますのでご了承ください。

ご機嫌よう。

いわゆるストーリーゲームについての最終回(のつもり)です。当初はこんなに長々と書くつもりはなかったのですが、ここまでお読みくださった皆さまありがとう存じます。

さて、90年頃からTRPGはGMがいなくてもプレイできると考えられてきたことはこれまでに触れた通りです。GMがいなくても遊べるという議論はその後も細々と続いていました。当初は全員がGMの役割をシーンなどで分けて行うという風に考えられていましたが、最終的に到達したのは、全員にGMの権限と責任を委譲するということでした。

そのためにまず必要だったのは……そう、プレイ中のルール裁定を不要にすることでした。ですが、GMには他の役割もあります。物語を牽引し、ゲームを運営することです。では、残るこれらの役割は、GMがいないとできないのでしょうか? 全員が等しくそうした役割を負えば良いのではないでしょうか? 一方で、適切な質問さえできれば良いという重大な発見もありました。

その意味では、GMなしという言い方は適切ではなく、全員がGMと言った方が正しいかもしれません。

ともあれ、09年になるとフィアスコが登場しました(作者のジェイソン・モーニングスター氏はこれに先立つ07年にもGMなしのタイトル「青灰のスカウト」を発表していました)。フィアスコは三流の小悪党が穴だらけの犯罪計画を立てて失敗し人生から転落するというTRPGですが、それに至る登場人物の人間関係や舞台を最初に全てダイスで決めるという特徴がありました。対してゲーム中に判定は一切なく、必要なのはプレイヤーの同意であって、ルールの裁定というGMの役割は不要となりました。フィアスコにはシナリオネタ帳に相当するプレイセットがありますが、どんな物語になるかは(最後に全員が痛い目に遭うかどうかも含めて)プレイヤー次第で、予測不能です。

10年代後半になると、基本的な物語の進行方針が与えられ、詳細はカードの指示に従って共同体の終わりを描く「ダイアレクト」(こちらもゲーム進行中に判定が一切ありません。どのような物語であってもカードは共通で、それで十分に機能します)や、ルールに記載されている選択肢を選び質問しあうことで王位継承をめぐる争いを描く「我らが王の身罷りて」が登場しました(判定は最小限で、それもトランプの大小という疑問の余地のないものです)。
ダイアレクトにはシナリオネタに相当するバックドロップがありますが、ゲームの開始時に全員でその質問に沿う形で舞台を作成しますし、(最後に自分が属する共同体が滅びる以外)何が起こるか分かりません。我らが王の身罷りては次の王家をめぐる貴族の陰謀や争いを描きますが、必要なことは全てルールに書かれていて、このルールを運用するだけで王位継承をめぐる争いを完全に描くことができます。それでいて、具体的にどんな物語になるのかは毎回想像がつきません。

また、先日ご紹介したPbtAからも、判定に関するルールを排除し、プレイヤー間でルールに記載された質問をしあって他のキャラクターとの関係を深めることで物語が進行する Belonging Outside Belonging というシステムが派生しました。

このように、シンプルなルールやランダマイザで示された指示や状況や質問からプレイヤー自身が物語を駆動する手法が確立されていきました。そこではもはや、GMもシナリオも必要なくなりました。

一方その頃、日本では秘匿ハンドアウトやダブルハンドアウトといった仕組みがいよいよ完成形となったり、銀剣のステラナイツのような「超RP重視システム」が産声を上げ、また、鵺鏡のようなストーリー展開を重視したシステムも独自に生まれていました。これらも、もちろん楽しいものですし、物語の描き方の地平を拓きました。

とまれ。わたくしが初めてTRPGに触れた頃からは想像もできなかった遊び方がどんどん発展していくのに触れるのはとても楽しいことです。普段決まったタイトルしか遊ばない方や、GMやシナリオという概念に慣れ親しんでいる方も、こんなTRPGもあるんだなって興味を感じていただければ幸いです。

このシリーズで触れたゲームたち
クトゥルフ神話TRPG (1981):特定の状況を描くシンプルなルールが物語になることが発明されました。ご存知のとおり、最新版を日本語で読めるだけでなく、日本国内で最もプレイ人口の多いゲームとなりました。
Pendragon (1985):PCの感情を物語に反映することが発明され、その後のライフパスにつながりました。順調に版上されていて、最新版は公式サイトから購入可能です。日本語訳はされていません。ごく近い将来に改版されるという噂があります。
Prince Variant -- the Storytelling Game (1989):GMを他のプレイヤーに任せる発明がされました。絶版ですし日本語訳されていません。eBayなどでデッドストックまたは中古を見つけることができますが、今更入手する価値はないかと存じます。
Beyond Roads to Lord (1989) / Far Roads to Lord (1993):複数GMやGMなしの提案がされました。遊演体から発売されていましたが、絶版です。特にFarには大変なプレミアがついてしまっているようです。
World of Darkness (1991):ステータスの描写と物語性の関係が完成形となりました。シリーズの一部はアトリエサードから日本語訳されていました。後継のChronicles of Darkness シリーズは新紀元社からごく一部のみ発売されましたが、共に絶版です。WoD シリーズはその後版上げされ、最新版は公式サイトから購入可能です。当然日本語訳はされていません。
Fudge (1992):どのようにプレイヤーに物語を語らせたらうまくいくか発明されました。公式サイトからダウンロードできます。日本語訳はありません。
FATE (2003):Fudge で発明された方向性が完成形となりました。公式サイトからダウンロードできます。日本語訳はありません。
Powered by the Apocalypse:これに先立つ Apocalypse World で、適切な質問が物語を駆動し、その質問はルールで決めることができることが発明されました。これを利用して様々なテーマと質問の組が発表されて百花繚乱の様相となりました。シナリオは不要になりました。ルールの裁定についてよく議論の元となる難易度設定も不要になりました。DrivethruRPGでさまざまなPbtAタイトルを購入できます。日本語訳されているものはありませんが、近日中にPbtAタイトルの一つ、Dungeon World 日本語版が発売予定という噂があります。インディーズということもあって、ジェンダーや戦争など通常のTRPGでは深く踏み込みにくいテーマを題材にしたタイトルも多いことも特徴です。
Belonging Outside Belonging:PbtAで発明された質問と答えで物語を駆動する方法がさらに押し進められ、判定もGMも不要になりました。DrivethruRPGやItchでさまざまなBOBタイトルを購入できます。公式に日本語訳されているものはありませんが、BOBタイトルの一つ、Wanderhome は有志による非公式日本語版プレイキット(公式許可済み)が無償公開されています。PbtAと同様に、ジェンダーなどに踏み込んだタイトルなどがあります。
フィアスコ (2009)、青灰のスカウト (2007)、ダイアレクト (2017)、我らが王の身罷りて (2018) では、GMやシナリオや判定を不要にするさまざまなアイディアを現実のものとしています。それぞれ日本語版が発売されています。
Wonder Roads to Lord (2010):全てを言葉で描き解決するという一つの方向性が示され、GMもシナリオもないプレイの方法が提案されました。エンターブレインから発売されましたが、現在は絶版のようです。
鵺鏡 (2016)、銀剣のステラナイツ (2018) については触れ直すまでもないでしょう。

最後に、このシリーズで取り上げにくかったタイトルに触れておきましょう。Paranoia です。Paranoia とナラティブとの関係はわたくしには掴みかねるところがございましたが……

■■■■■ 警告!:これより先はセキュリティクリアランス紫外の情報が含まれます ■■■■■

……楽しませている間は生き残ることができるというルールなど、実はこっそり影響を与えたのではないかと感じていますし、最新版のリブーテッドではGMは判定しないというルールが導入されていたり、よりナラティブを感じさせる気もしております。識者の方による解説などお待ちしています。また、Traveller など一部の旧来のタイトルは、ストーリーゲームの手法を積極的に取り入れた方が上手くいくのではないかという印象を受けております。
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2021/12/30 00:13[web全体で公開]
😶 プレイヤーが物語を描き進めるTRPGについてのお話
この一年くらいで学んで解釈したことをもとに書いています。話半分未満のつもりでお読みください。他の資料をご参照ください。また、個人的な事情により、海外システムの話がメインとなりますのでご了承ください。90年代におけるストーリー志向の国産TRPGとして深淵を思い出す方もいらっしゃるでしょうが、わたくし深淵に触れておりませんので、識者の方の解説お待ちしております。

ご機嫌よう。

前回は、特定のルールに従うことで特定の物語が生まれるという発明について書きました。今回は、特定のルールを超えて、どうしたらプレイヤーが物語を描くのか、という発見についてお話しします。

90年代中頃に、Fudge というゲームが生まれました。わたくしは寡聞にして存じませんでしたが、後の FATE に繋がるゲームだったようです。そして、Fudge は、プレイヤーが物語を描くことを意図したゲームだったようです。そう。プレイヤーが物語を描くということが、ついに発明されたのです。

前々回では、プレイヤーに語らせたらシナリオがめちゃくちゃになると思われたと書きました。それでは、どうしたらめちゃくちゃにならないのでしょう。その答えの一端が、ついに見つかりました。

ですが、Fudge について語ることができませんので(さきほど、95年版とSRDをDLしたばかりでまだ未読です)、ここでは FATE についてお話ししましょう。

Fudge の後を受けてゼロ年代に登場した FATE にはいわゆる能力値がなく、キャラクターの特徴を自由記述の文章で記述します。というか、キャラクターが何者なのか、シーンがどんな状況なのか、特徴的な要素は全て短いフレーズや文章で表現されます。FATE ではこれをアスペクトといい、そしてアスペクトは、プレイヤーが描いたり利用したりすることができます。

TRPGなので言葉で表現されるに決まってるとお思いでしょう。GMが描いた要素は利用できるともお思いでしょう。でも、違うのです。

FATE の最初の章は「ゲームを作る」です。そこには、全員が協力して舞台設定を作り、全員が設定について同意しなさいと書かれています。その後のゲームプレイは、すべてこの同意を前提とします。舞台について同意したのだから、プレイヤーは他の全員が納得できるPCを作ることができるはずです。しかも、PC作成は担当するPL一人では完結しません。そうして作ったキャラクターは、全員が納得できる行動をして、その結果に至るはずです。それは、言葉によって表現され、言葉によって制限されます。同じように物語そのものも、プレイヤーが描けるはずです。シンプルなルールに従うだけで。そう、厄介な目に遭い、それを克服して、ついに目的を達します。それでは、どんな厄介な目に遭いますか? どんなことが起こったら、全員が楽しめる物語になりますか?

同意した前提の上で厄介な目に遭うキャラクターの姿、その厄介ごとさえもプレイヤーに描かせるという形で、ついにプレイヤーが物語を直接語り、それでもゲームになるようになったのです。

そしてもちろん、プレイヤー判定に成功することで、物語を進める要素をもっと直接的に描くことができます。たとえば、条件を満たして判定に成功すればアスペクトを自由に描くことできす。そのものズバリ「優位に立つ」というルールで要素を積み重ね、誰もが思いもよらなかったような勝利に、誰もが思いもよらなかった方法でつなげることといった具合です。もちろん、それも持っていたんですよ!(これは、それ以前のTRPGにおけるヒーローポイントに近いかもしれませんね)

プレイヤーは自分のPCに有利になるように好き勝手するのではないか、という疑問を感じる方もいらっしゃることでしょう。ですからGMがいるのです。GMはプレイヤーの提案を拒否したり、うまく物語に誘導します。いずれにしても明白だったのは、ロールプレイではなく、物語を面白くすることが第一だということでした。物語志向ということが明示されたのです。

それでも、これではあまりに自由すぎるでしょうか? そこで、そこにハンドアウトが発展して合体しました。物語の舞台をあらかじめ決められたものにし、自由度をある程度制限し、特定の方向へのモチベーションを与え、それでもプレイヤー自身に「厄介ごと」を語らせる……こうして、10年頃になるとPbtAのような現代のストーリーゲームが生まれました。さらに、PbtAは物語を駆動するための質問を選択肢としてルールで提示することにも成功しました。その上、別の進化もありました。GMはもうダイスを振らず、難易度設定も不要になり、それどころかシナリオすら不要になったのです。

こうして、ゲームの焦点はあらかじめ書かれたシナリオでもキャラクターの運命でもロールプレイでもなく、全員が物語を語ることになりました。そうしてついには、GMさえも不要になっていきます。

ところで、言葉で全て表現するという方向性は、日本でも Wonder Roads to Lord のようなタイトルで試されましたが、こちらはそれほどプレイアビリティの高いものではなく、プレイヤーの獲得には至りませんでした。
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Kei
Kei日記
2021/12/29 17:20[web全体で公開]
😶 特定の状況を描く特定のルールが物語を生み出すお話
老害昔話シリーズです。記憶をもとに書いています。話半分未満のつもりでお読みください。当時の他の資料をご参照ください。また、個人的な事情により、海外システムの話がメインとなりますのでご了承ください。いわゆるFEARゲーのようなシステムがどのように生まれて発展したのかについては、識者の方のエントリをお待ちしております。

ご機嫌よう。

先日、最初期のストーリーゲームについて触れた際に「特定の状況を描く特定のルール」が物語を生み出すと書きました。今回はこのお話をします。というのも、TRPGと物語の関係の軸は、これがその後主流になっていったからです。いまでも、これがTRPGの主流かと存じます。

さて、抽象的な表現ではピンとこないかと存じますが、特定の状況を再現できるルールさえあれば良いことは、クトゥルフの呼び声によって発明されました。そう。正気度です。世界を描くことで物語を描くという方向性を鮮明に打ち出した RuneQuest に続いて、単純な一つのルールがあれば良いことが、同じ Chaosium によって示されました。

正気度という単なる数値の上下が特定の意図した物語を描くということは大変な大発明でした。探索者が正気度を失うことは、英雄がHPを失うこととは決定的に異なるものとして受け入れられたのです。

その後 Pendragon では(これも Chaosium でした)、PCの感情をルールとして表現しました。これは、特定の状況で特定のボーナスを与えることで物語を駆動する試みで、後にライフパスのような方向性に発展していくことになります。感情のルール化は、日本では Far Roads to Load のようなシステムがありました。

決定的な一撃になったのは、90年代を牽引した World of Darkness かと存じます。WoDの最初の作品となった Vampire: the Masquerade には人間性というステータスがあり、そして、ステータスの数値をRPで表現するようにルールで示しました。その後の作品ではこの方向性を推し進め、更なる展開さえ生み出しました。WoDは一時はDnDを凌ぐほどの人気を博し、アンダーワールドのような映画さえ生み出すことになりました。

こうして、ステータスを物語性と直接結びつけるという方向性は、物語を志向するシステムの成功例となりました。

一方で日本では、映画的な物語の構造を「シーン」としてシステムで規定するようになっていきました。そうして、その構造を支えるために、ハンドアウトという発明がされました。ハンドアウトも、TRPGの物語性を決定的に変える大発明でした。

その影で、メジャーなものではありませんでしたが、システムとストーリーの関係を変えるような発明がされていました。そう、ついに、プレイヤーの役割に「物語を描き進める」ことが追加されるようになったのです。
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Kei
Kei日記
2021/12/29 00:00[web全体で公開]
😶 とても初期のストーリーゲームについてのお話
老害昔話シリーズです。記憶をもとに書いています。話半分未満のつもりでお読みください。当時の他の資料をご参照ください。

ご機嫌よう。

皆さんは当然ながら、TRPGで物語が語られるとお思いでしょう。ですが、初期のTRPGは、少なくともシステムとしては、それほど明確にストーリーを志向しているわけではありませんでした。

もちろんシナリオはありましたし、このシナリオのストーリが良いという評価もありました。ですが、これはとてもとても初期のTRPGシーンに限ったお話ですが、市販されたいわゆるストーリー志向のシナリオというものは必ずしも評価が高かったわけではありませんでした。プレイの結果たまたま生まれた物語をそのままシナリオにしたから、のように評価されることもありました。このようなことがあって、TRPGは小説ではないことが徐々に鮮明になっていきました。

一方で、そういった「たまたま生まれる物語」が楽しいことも知られるようになりました。それなら、どうしたら物語が生まれるのでしょう? 当時の答えは、世界設定だったり、特定の状況を描く特定のルールだったりしました。

さて。

物語の楽しみの一つに、「物語を語る楽しみ」がありました。そう。ナラティブな楽しみです。わたくしが知る限りでは、80年代終わり頃から「物語を語る楽しみ」をシステムに取り入れる動きがありました。

例えば、Prince Variant -- the Storytelling Game というゲームがありました。作者はあの RuneQuest のグレッグおじさまで、あのクトゥルフの Chaosium から発売されました(Chaosium はもともと、RuneQuest を販売するためにグレッグおじさまが興した会社です)。これが、ストーリーテリングを銘打った最初期のゲームではないかと存じます。そして、今のナラティブにも通じるようなルールが搭載されていました。

Prince Variant では、GMがプレイヤーを指名して、このシーンでのGMを代行するように指示することができるとルールに記載されていました。同時に、プレイヤーも自ら「このシーンのGMをする」と手を挙げることもできました(プレイヤーが自ら挙手する場合はGMの許可が必要でした)。そのシーンに適したプレイヤー、というような記載がありましたが、それでも、プレイヤーがPCの視点を超えて物語を語ることができることが、こうして示されました。

こうした流れは90年頃に日本にも紹介されました。門倉直人氏がウォーロック誌上で考察を展開し、その成果は Beyond Roads to Lord というゲーム(のサプリメント)に反映されました。複数GM、さらにはGMなしプレイの提案すらありました。

ですが、ほとんどのプレイヤーはこう思いました。そんなGM役を投げられても困る。

そして、GMもこう思いました。プレイヤーに投げたらシナリオがめちゃくちゃになる。

どちらも共通して、うまくいくはずがないと考えました。

いまから振り返ってみれば、単に遊び方の例が圧倒的に不足していただけのようにも思えます。門倉氏の説明は概念的なものに終始して実践的な例がありませんでしたし、追従する人もいませんでした。そうして、実践を試みた人々は、だいたいこのような結論に至りました。リレーキャンペーンと同じじゃない? 物語を描き進めるというプレイヤーの役割が「発見」されるのは、まだまだずっと先のことでした。
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Kei
Kei日記
2021/12/28 15:11[web全体で公開]
😶 Powered by the Apocalypse についてのお話
ご機嫌よう。

最近、個人的にPbtAに触れることが多くなりましたので、軽くご紹介しますわ。現時点では日本語で遊べるPbtAタイトルはありませんが、近日、あのハロウ・ヒルさんから Dungeon World というファンタジー系のPbtAタイトルが発売される予定だそうです。

PbtAはもともと、Apocalypse World というTRPGのルールでした。ポストアポカリプスの世界を舞台にしたナラティブ系TRPGで、判定は2d6上方、PCはクラスとスキルを選ぶ形式です。そう、これだけですと、一見何の特徴もなさそうに聞こえますね。
一方で、このルールは再利用もハックも自由とされていました。そうして海外インディーズシーンでは多くのタイトルに使われることになりました。

とまれ、PbtAはGMありシナリオなしのナラティブ系TRPGです。シナリオはありませんし、不要です。

まずはPbtAのキャラクターについて簡単におさらいしましょう。PCには以下の要素があります。

- プレイブック(いわゆるクラス。選択式です。ない場合もあります)
- ムーブ(いわゆるスキル。選択式です。ない場合もあります)
- 能力値(またはステータス。3〜5個くらいあります)
- PCへの質問と答え(答えは自由記述または選択式、GMによる追加の質問がある場合もあります)
- 他のPCやNPCとの絆(自由記述)
- ダメージなどの状態
- 加えて、ゲーム中のメカニズムに関する状態がある場合があります

プレイブックは可能な限りPC間で重複しないように選ぶという原則ですが、これは物語とどう関わるか、物語中どんな役割を担うかを表すもので、有利不利とかは一切ありません。データ量も少なくシンプルです。NPCにはプレイブックはありません。
ムーブは基本的にプレイブックで指示されたものから選択します。皆さんがおそらくよくプレイされているようなものと異なり、これは多くても10個はないくらいの選択肢から選びます。更に、ムーブはいわゆる「探索技能」や「戦闘技能」のように問題に対処する能力を表すのではなく、どのように物語を進めるかを表すものです。NPCにムーブはありません。
また、PbtA系システムといっても、いろいろなものがあり、中には Wise Women のようにプレイブックもムーブもないものがあります。Blackout のようにサブクラス的なものがあり、プレイブックを二種類から一つずつ選ぶものもあります。ムーブも、タイトルによって固定だったり、選べる数が違っていたりいます。Girl Underground は選択したプレイブックのムーブは全て利用可能ですが、青髭の花嫁なら3つから1つを選びますし、Dungeon Bitchesなら6つから2つに加えて別の2つから1つを選びます。

ステータスの数や種類もタイトルによってまちまちなら、表現される数値の範囲もまちまちですが、大抵の場合は -1〜+2の範囲です。NPCにはステータスはありません。

そして、そのPCがどんな人物かは、質問とその答えによって決まります(もちろん、プレイブックにもこんな背景または性格の人物ですという指示があります)。
例えば Dungeon Bitches の「灯火の少女」なら、こんな質問をされます。「あなたは何から逃げているのですか?」「あなたの人生に欠けているものはなんですか?」「あなたが最も恐れるものはなんですか?」
例えば青髭の花嫁の「妖女」なら、「あなたの口元はどのような感じですか?」「あなたを黙らせたい時、他の人はどうしますか?」
といった具合です。
絆は、他のPC(NPCを含む場合もあります)2人とどのような関係かを表すもので、RPの指針として使うだけの場合もありますし、プレイ中に絆を得たり消費したりする場合もあります。

たいていのキャラ作成の順番は、プレイブックを選ぶ → 質問に答える → 2人との絆を決める → ステータスを決める → ムーブを選ぶという順番でしょうか。

とはいえ、ここまでだと、他のTRPGとそんなに変わらないようにも思えますね。

判定は2d6で、7〜9で部分成功(代償を伴う成功)、10以上で成功です。基本的には。
そしてまた特徴的な部分ですが、基本的に、判定するのは「判定を伴うムーブを行った時だけ」です。それ以外に判定することはありません。NPCは判定しません。
ところで、この判定は、確率的にはかなり渋い気がしますね。完全成功はたったの16.7%です。というか失敗確率が41.7%もあります。判定には関連するステータスを足すことができますし、それ以前にどんなムーブを使っていたかによって更にプラスの修正があることもあります。プラス2されたとしても完全成功は41.7%、失敗は16.7%です。
一方失敗は、どんな厄介ごとが起こって目標を達成できなかったのかを語ります。再挑戦できるかどうかは物語上の要請によって決まりまが、大抵は別のチャレンジにスムーズに移行します。いずれにしても物語はスタックしません。

また一方、ムーブによっては失敗/部分成功/成功のそれぞれに選択肢が示されていて、そこから選ぶことでお話が進むという仕組みになっています。
例えば、Dungeon Bitches の「灯火の少女」の「第六感」ムーブに成功した場合なら、「一番危険なのは誰ですか?」「最も安全な逃げ道はどこですか?」「脅威はどこからやって来ますか?」「敵は何に対して弱いですか?」「なぜこのようなことが起こるのですか?」「私たちが何もしなければどうなりますか?」といった質問のどれかを行うことができます。
これが Girl Underground の「ビースティ」の「知恵を授ける」ムーブに失敗した場合だと、「私の助言はどのように問題を引き起こしますか?」といった質問に答えることになります。
この簡単な例ですと、そんな質問なんか普段からするって思うかもしれませんが、PbtAにおけるムーブは確かにスキルのようなものなので、スキルと同じように使うのですが(条件を満たせば自動発動という場合もあります)、それでもスキルとは違い、物語を前進させるための仕組みです。
もちろん、ムーブを使った結果、自分の次のムーブにプラスの修正を得たり、他のPCのムーブにプラスの修正を与えたりすることもあります。また、これもタイトルによりますが、絆を消費することで判定時のダイスを増やす(その場合、上位2つの出目を使います)ことができる場合もあります。

そして。

初めにお話ししたように、シナリオはありません。ルールブックにはゲームの進め方の説明が書いてありますが、PbtAは(わたくしがこれまで読んだ範囲では、ですが)特定のテーマに結びついた特定の状況を演出することの連続で物語が進みます。そして、テーマはプレイブックやムーブで表現されています。物語とどう関わるか(プレイブック)と、物語をどう進めるか(ムーブ)は既に決まっているので、あとはキーとなる状況さえ描けばよく、それはプレイヤーに質問して決めても構いません。「あなたのプレイブックには○○と書いてありますが、これのせいで厄介ごとが起こるとしたら、どんなことですか?」のように。そうして初めのシーンさえ駆動してしまえば、あとは適切な質問を続けることで、何度でも違った物語を生み出すことができます。
初めのシーンを駆動できればって、それが難しいんじゃないか、適切な質問って、それが難しいんじゃないかと思われる方もいらっしゃるでしょう。そこで、PbtAでは、GMが何をすべきか、どのようなシーンを描くか、どのように質問するか、全て掲載されています。
例えば、青髭の花嫁では、「花嫁の人生を恐怖で満たすこと」のような要点、「花嫁の不安を掘り下げること」「暴力の気配を感じさせること」のような原則、「恐怖を仄めかすこと」「前の花嫁の苦しみを描くこと」「花嫁に自分の肉体的・社会的限界を思い知らせること」といった具体的指針が書かれています。
もちろん、これは見方を変えれば、システムとシナリオ(あるいはシナリオネタ)が一体になっていると考えることもできるかもしれません。

さて、こう読み返してみますと、この拙い文章では、わたくしがPbtAに感じている魅力を全く伝えることができていないように感じるのですが、興味を持っていただけた方がいらっしゃいましたら存外の喜びですの。
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Kei
Kei日記
2021/12/27 21:08[web全体で公開]
😶 今年を振り返ってみましょう
ご機嫌よう。

今年のTRPG関連の活動を振り返ってみますわ。

■ TRPGプレイ
GM15回、ナラティブ系PL2回とファシリテーション1回遊びましたの。思ったよりも遊んでいたのかしら。わたくしとしてはナラティブ系の波が来ておりまして、来年はもっともっとナラティブ系の比率を増やしたいですわ。ともあれ、ご参加くださったみなさまありがとうございました。

- CoCキャンペーン#1(全4話9セッションの後半)完走
- CoCキャンペーン#2(全4話8セッション)完走
- 灰色城綺譚 1回
- 我らが王の身罷りて 2回
- ダイアレクト 1回
- Broken Tales 2回

■ 翻訳など
青髭の花嫁がどうしても気になったことから海外インディーズ作品にも手出しをしまして、12タイトルほど自分で遊べる程度に訳しました。まだ遊べていないですし、こんなタイトルに興味を持っていただける方もなかなかいらっしゃらないのですが、遊びたいですわ。もちろん他にも軽率に購入してしまったタイトルがあり、それらも訳したいところですの。

- 青髭の花嫁
- Svalbard
- Soth
- ARC Quicstart
- FATE Core
- FATE Accelerated
- Mörk Borg
- Nighthawks
- Dungeon Bitches
- Wise Women
- Girl Underground
- Blackout

■ 購入したルールブックなど
サプリや電子書籍、海外作品のPDFなども含めて、おそらく80冊ほど購入しているようです(そんなに?)。大半を積んでいるのは言うまでもありませんわね。

■ もちろん良いことばかりでなく
CoCキャンペーンを遊んでいた身内卓は解散することになりました。次のキャンペーン制作にも着手しておりましたが、こちらも放棄となりました。
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Kei
Kei日記
2021/12/26 00:56[web全体で公開]
😶 Wise Women と Girl Underground を訳しましたの
ご機嫌よう。

タイトルの通り、二作品ほど自分で遊べる程度に訳しましたので、ご紹介します。

Wise Women は産業革命前の東欧的な世界を舞台に、魔女ということを隠しながら生きる女性を描くゲームです。魔女は社会にうまく馴染んで(もちろん魔女であることは隠して)疑われることなく生活しているかもしれませんし、社会にうまく溶け込めずに、どうにか疑いの目を逸らしながら生活しているかもしれません。こういったことを描くために、社会的地位というステータスがあるのですが、下がると上げるのが大変な感じになっているでしょうか。
それでは魔女は社会にとって害を成すのかというと、そうでもありません。魔女は蒐集した植物の力を使って魔法を行いますが(これらの植物の力は実際の伝承や当時の書物をベースにしています)、それは社会を守るものの場合もありますし、誰かを傷つけるものもあります。ここで大切なのは、たとえ社会を守る魔法であっても、社会はそのようには見ないという点です。ですので、社会を守るために魔法を使ったのに、疑われ、人々と疎遠になり、やがて害をなす魔法に手を染めるということもあり得ます。
また、魔女が女性や性的少数者の助けになる、というような形でジェンダーをテーマにすることができます(というか、こちらがゲームのテーマかしら)。たとえば、産業革命前の保守的な社会では女性に権利などなく、中絶などもってのほかかもしれません。魔女の元を訪れることで安全に望まない子を産まないことができるとしたら、それは救いになるでしょう。あるいは古典的な男女の概念しか認められていない中で生きるLGBTQ+の人々が魔女の庇護を求めるかもしれません。それでも、そうやって助けた人々も、やがて社会の側から魔女を糾弾するかもしれません。というような葛藤も描くことができます。
あとは、ポーランドの伝承に登場する魔物や妖怪が紹介されていて、なかなか興味深いです。
システム自体はPbtAベースで、遊んだことがある方にはお馴染みの分かりやすいものですが、お馴染みのプレイブックやムーブがないというのが特徴的です。

次に。

Girl Underground は、不思議の国のアリス風な世界を舞台に、社会から押し付けられる「女性らしさ」という規範を打ち破って自分らしさを見つけるというゲームです。わたくしは、このタイトルは女性性をテーマに据えている割にプレイしやすそうという印象を受けました。
というのも、社会が押し付けてくる規範、たとえば「女性は笑顔を絶やしてはならない」「女性は自分のことよりも他人を優先しなければならない」といったものですが、それを最初にいくつか選び、シーンと結びつけて演出した上で、「そんなのは間違ってる」「わたしは○○と主張する」と宣言することがゲームの目的になっています。
シーンと結びつけるのが難しそうだったり、どんなシーンが良いか迷う場合もあるかもしれませんが、十分に遊べそうなシーンの例が、NPCや何を描くことができるかといった記述と共に12個紹介されていて、これらをつなぎ合わせるだけでも十分にセッションになりそうです。もちろん不思議の国ですから、夢渡りのような感じで進めるのが良いでしょう。
こちらもシステムはPbtAですが、主人公の少女は全員で持ち回り、加えて、各プレイヤーは彼女をサポートする不思議な生き物(しゃべる動物や人形、かつて少女と同じようにこの世界にやってきて元の世界に帰らないことを選んだ子どもなど)を演じるという一人二役が特徴かしら。彼/彼女たちは、少女を助けるようにデザインされていますし、演じ方のヒントなども書かれていて、お話が進むようになっています。
あと、わたくしが気に入ったのは、回想のルールです。少女は規範を打ち破る信念を胸に、少女を脅かす規範の権化たる存在(いわゆるラスボス)を倒して元の世界に帰るのですが、後からこの経験を振り返って語ります。その日の夜にママに話すのかもしれませんし、大人になってジェンダーについて語るのかもしれませんし、おばあちゃんになって孫に語るのかも、どんな形なのかプレイヤーにお任せで、いわゆる感想会の機能の一部がプレイの一部に取り込まれています。

それと。

どちらのタイトルも、PCは死なないし、死ぬような危険を演出してはならないことが明示されています(一見そう見えることを制限するものではありませんが)。もちろんPbtAらしく、判定の失敗が「失敗ではない」ことなどもキチンと書かれています。

最後に、これは個人的には重要ですが、どちらも短く、割と平易な英語で書かれていて、スッと読むことができました。
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Kei
Kei日記
2021/12/22 19:20[web全体で公開]
😶 女性性をテーマにしたTRPG
ご機嫌よう。

青髭の花嫁や Dungeon Bitches を読んで、女性性を主要なテーマにしたTRPGが他にないか興味を持ちましたの。それで、識者の方から以下のようなタイトルを教えていただきましたの(全て英語、クィアを扱ったゲームも含まれています)。

Night Witches
第二次対戦中のソ連に実在した女性ばかりの夜間空爆部隊の一員となるRPGで、夜はドイツのファシストと戦い、昼は赤軍内の性差別に直面するというゲームのようです。

Girl Underground
不思議の国のアリス的な世界にやってきた少女が、仲間たちと一緒に帰り道を探す過程を通して、少女が抑圧を打ち破り、新しく信念を抱くことことで彼女の成長を描くゲームのようです。

Monsterhearts 2
性的少数者のティーンエイジャーとなって、正体を隠しながら高校生活を送る、恋愛を含めた感情が大きな意味を持つ、パーソナルホラー志向のゲームのようです。

Thirsty Sword Lesbians
詳しくはわからないのですが、百合もの? のようです。

Blackout
1940年のロンドン空襲を舞台に、空襲下で人々を守ろうとする民間防衛に従事する女性の一員となって、救命活動に従事しつつも、戦時下を生きる女性としての日常の苦難もあるというゲームのようです。

A Cool and Lonely Courage
Blackoutのフランス版のような、枢軸国の占領下にあったフランスなどで、諜報活動やレジスタンス支援などに従事していた特殊作戦執行部の女性エージェントとなるゲームのようです。

Wise Women
産業革命前の東欧的な世界を舞台に、魔女ということを隠しながら生きる女性の姿を描くゲームのようです。

Dream Askew / Dream Apart
ジェンダーをテーマに含む、疎外されたコミュニティとそこに属する人々の物語を描くゲームのようです。

どのタイトルにも興味津々ですし、とりあえず全部購入しましたが、全部を訳せるかは……。ともあれ、どれから読むか悩みますね。

また、このエントリをご覧の皆さまもご存じの作品などございましたらコメントいただけますとです。
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