温森おかゆ(まんじゅう)さんの日記
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日記一覧
温森おかゆ(まんじゅう) | |
2024/03/09 14:34[web全体で公開] |
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2024/03/06 00:39[web全体で公開] |
😶 積み(罪)ルルブ 未使用のまま放置しているTRPGシステムのルールブックを、「積み(罪)ルールブック」と言うのだという。 ある程度TRPGを楽しんで、TRPGシステムには多くの種類があることを知り、自分が最初に所持していたルールブックとはシステムの違うTRPGルールブックを購入するようになれば、「積み」ルールブックというものにも否応なしになじみが深くなっていくのだろう。 TRPGをするには結局のところ労力も時間も必要だ。ルールブックを購入したりポチる瞬間は一瞬ではあるが、ルールブックを使ってゲームを一回するのにはどうしても、少なくとも30分~1、2時間ほどの時間がかかる。 さて、それはさておき「積み」とはいったいどの程度放置していることを言うのだろう。「買ったはいいが読んだことすらない」ことを言うのか「読みはしたが使ってゲームをしていない」ということなのか、「ゲームもしたが、その一冊、あるいはサプリメントも含めてかけた金額に見合うほどの体験量とは感じていない」ということなのか。 そのあたり、実は結構曖昧なのではないかと思っている。別段、確固たる基準を定めるべきとも思っておらず、ルールブックにかけた金の重みをどう思うかが人によって違うのと同じ程度に、その基準も人によって左右していいとは思っているが。 参考までに私の中での「積みルールブック」の基準は「読みはしたが、まだそのルールブックを使用してゲームを行っていない」状況のことを指す。 だが積んでようがなかろうが自分の持っている大体のルールブックに関して、自分が満足するまでゲームを行ったという実感はない。もしも一般の「積み」の基準が「かけた金に見合うほどのゲーム体験を量、質ともども達成していない」ということなのであれば、私の持つ全てのルールブックは未だ「積み」の領域を出ない。 ひとまず「積み」というのが「ルールブックを使用してゲームをしていない」ということなのであれば、私の手元にはすでに3冊の積み(罪)ルールブックがある。 ヒーローを演じるデッドラインヒーローズの姉妹作にして、ヴィランを倒すヴィランとなって、アウトローを演じる「ブラックジャケットRPG」、基本的にGMとPLの1on1でのセッションにて、二人のキャラクターの協力で襲い来る異世界からの脱出を目指すうちよそ系TRPG「アンサング・デュエット」、公開ハンドアウトもので、キーワードを使って物語を紡いでいく正統派ナラティブ系TRPG「ストリテラ」……。 この間改めてふと「そういえば、ゲームやったことがないけどルールブックだけ持っている状態のシステムって何個あったっけ……」と思い返して数えてみると、正気に戻って頭を抱えてしまった。 ひとまず私はいつか「積み」を解消することを目標に、これからしばらく「積んでいる」ルールブックの消化にあたろうと思っている。 聞かれたくない方もおられるだろうが、ここであえて、読者諸氏に参考までにお聞きしたい。 「あなたにとっての積みルールブック、今何冊?」
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2024/02/28 23:13[web全体で公開] |
😶 アンサング・デュエット【郷愁の都、幻のあなた】ソロ回し アンサング・デュエットが随分と積みルールブックになっているので、ソロ用シナリオ【郷愁の都、幻のあなた】をプレイ。とはいえ購入費用の元を取るには流石に短いので、今後立卓を志していきたいTRPGである。 ざっと簡単に体験した分には「微ホラー×うちよそ×脱出」というイメージ。 危険な異世界のような存在として「異界」という空間があり、その空間は人間を取り込んでしまう。PCたちはその異界に囚われてしまうが、二人それぞれの力を合わせて脱出を目指す……と言ったもの。 PCは異界の真の姿を見極め、その綻びである、現実世界への脱出口を見つけ出す力を持つ「シフター」、シフターを大切に思い、危険な異界にあっても諦めない心を持つ「バインダー」の二人組となり、つまりはヒーローとヒロインのような関係で共に協力し、脱出を目指すことになる。 バインダーは特にこれと言った能力は持たないが、シフターに触れることで、シフターが見ている異世界の真の姿を一緒に見ることができる。なので、「触れる」以上のことができる程度の友好的関係が望ましい。要するにそもそもうちよそ用である。ご多分にもれずこれもいちゃいちゃしろと言う設計である。 別に最近うちよそに凝っているわけではないが、最近積んだルールブックが軒並みうちよそ系なのである。 それはともかくこのシステムの特筆すべきところは、「変異」だろうか。人は異界に存在しているうちに異界に影響され、その心身を書き換えられていく。その人をその人たらしめている特徴……身体的特徴や得意なこと、大切なものや記憶など(キャラクターシートのデータでは6つの「フラグメント」という名前で表される)が、別のものに変化するのである。 例えば、単純に大きなけがを負ってしまったり、記憶の混乱を起こしてしまったりといったものから、身体の一部がガラスや陶器のようなものに変わっていったり、羽毛や植物などが身体から生えてきたりといった幻想的な変異もありえる。 脱出を目指し、異界を駆けまわる中で、次第に“壊れていく”自分や相方のロールプレイが捗るというわけだ。変異は現実世界に戻ってもそのまま残ってしまう場合もあるため、“壊れてしまった”相方と過ごす日常を描写する……なんていうのも楽しいだろう。 かといえ、この変異のあたりは少々アブノーマルで人によって好き嫌いの分かれるところでもあるため、相方プレイヤーとの意見のすり合わせは重要である。
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2024/02/25 14:19[web全体で公開] |
😶 銀剣のステラナイツ:デュエット形式について タイムラインの流れをガン無視していちゃらぶうちよそTRPGの色に染め上げていく。それが温森クオリティ。 そもそもデュエット形式しかまだやっていないという残念監督(GM)の身ではあるが、デュエット形式はその性質上、とても楽しそうな公式シナリオが沢山あるのでお勧めしたい。 ◆銀剣のステラナイツとは 剣を持って戦うブリンガーと、ブリンガーの武具へとその身を変身させる能力を持つシースの二人で一つのニコイチペアを作成し、ステラバトルで世界の崩壊を招く敵と戦うテーブルトークRPG。 その性質上、プレイヤーたちによるシーン描写によって進行するナラティブ色と、必然的に二人ペアの関係が深くなるため、「うちよそ」色も強くなっていく。また、他のペアが演出している時に「観客(シーンに登場しないプレイヤーたち)」側から素晴らしいロールプレイに対しての感想をリソース化するルールがあるため、ロールプレイ重視のものでもある。 また、2巻、3巻に収録されているデータを使用すれば、ブリンガーとシースという関係のみならず、モールドとレジン、ダスクナイトとオリジンなど、関係性の異なる二人組を作成できる世界観設定(ワールドセッティング)も存在する。 ◆【薄暮の星花】 公式ダウンロードページに行くと、先行収録の特典として、3巻を入手しなくても無料でデュエット形式のセッションが楽しめるようになっている。その付属シナリオセッティングがこれだ。 敵がステラナイツ(PCたち)を狩るために生み出した、二人の恐怖の体現者“トワイライト”との戦いを描くシナリオセッティングである。パートナーに対する迷いや葛藤、あるいは自分のトラウマに苦しむペアを描き出せるという時点で沸き立つ者がある人はいらっしゃるだろう。それは私でもある。 実際、途中まで進行中の卓ではこのシナリオセッティングを行っているが、各々のトラウマや迷い、葛藤、恐怖を前に、二人が迷い、苦しみながらもパートナーを思い遣る過程がたっぷり描き出せるのでとても楽しい。 苦しみや悲しみの中で想い合う美しさと言うものがあるよな。これはそんなシナリオセッティングである。興味がおありの方は、以下の公式サポートページから「ミニデータブック&シナリオセッティング」の【薄暮の星花】をご覧いただきたい。 ↓【薄暮の星花】 https://fujimi-trpg-online.jp/event/trpgfes2020/fes_scenario_stellar.pdf ◆【記憶のかなた、空白の街】 銀剣のステラナイツ3巻の「星屑のリヴラガーデン」収録となるワールドセッティング【紫弾のオルトリヴート】で繰り広げられる、ブリンガーとその心身をブリンガーの弾丸として使い果たしたフォージの、「最期の瞬間」を描くもの。 これの話をする前に、まずワールドセッティング【紫弾のオルトリヴート】に関する簡単な説明からしなければなるまい。ワールドセッティング【紫弾のオルトリヴート】では、絶望し、化け物となってしまった人を処分するため、都市捜査官(ブリンガー)は相棒となるフォージのもつフラグメント(フォージの心身の特徴を表したもの。これをブリンガーの弾丸として消費することによってのみ、化け物を倒すことができる。もちろん不可逆のもので、消費された分のフォージの心身はもどらない)を使い、戦っている。しかし、1年の稼働限界が訪れるか、フォージのフラグメントが消費され尽くしたら、フォージもまた都市を脅かす化け物と化してしまう。そうなる前に、フォージをその手で「処分」する義務がブリンガーにはある。 要するに「いつかロストしてしまう運命をもつPC」がいるわけだが、それもカタルシスとして楽しもう、と言うコンセプトの世界観設定となっている。もちろんこれを遊ぶ場合は相手の地雷とか、世界観に対する心情的反応をちゃんと確認してからやらなければならないが……いつか来たる終わりを前に、物悲しくも優しいうちよそを描きたい場合は、楽しい要素になること請け合いである。 このシナリオセッティングは、「これまで一緒に戦ってきた相棒を、その手で『処分』しなければならない」という、最初から決められた終わりに向けてを二人で描き出すものとなっている。 フラグメントが残り一つになる状態まで使い続けた思い入れのあるPCで最後の瞬間をたっぷりと演出したいペア用のシナリオセッティングだろうが、やろうと思えば初期作成段階で残りフラグメントを1にした贅沢な状態で終わりを楽しんでも構わない。
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2024/02/25 13:24[web全体で公開] |
😶 銀剣のステラナイツ【バレンタイン・チャレンジ!】 2月といえばバレンタイン。バレンタインと言えばいちゃいちゃ。というわけで、ひっそりと銀剣のステラナイツ【バレンタイン・チャレンジ!】の応募ページを打ち立てて誰も来んやろガハハしてたら、ロウブリさんが応募してくださったので無事立卓と相成った。 正直、こう、恋愛系統のロールプレイというのはすすんでやってこなかったのもあり、ナラティブ系に関する拭えない不安と苦手意識のせいでおめめぐるぐるになりながらやっていたが、俳優(プレイヤー)の方がキッチリこちらのテンションに合わせてロールプレイしてくださったので、全てが事なきを得たのだと思う。あれで一人変なイケメンロールプレイのテンションだったらお布団で悶え死んでいたので、良い俳優さんに巡り合えたことを感謝せねばなるまい。 ◆銀剣のステラナイツとは 剣を持って戦うブリンガーと、ブリンガーの武具へとその身を変身させる能力を持つシースの二人で一つのニコイチペアを作成し、ステラバトルで世界の崩壊を招く敵と戦うテーブルトークRPG。 その性質上、プレイヤーたちによるシーン描写によって進行するナラティブ色と、必然的に二人ペアの関係が深くなるため、「うちよそ」色も強くなっていく。また、他のペアが演出している時に「観客(シーンに登場しないプレイヤーたち)」側から素晴らしいロールプレイに対しての感想をリソース化するルールがあるため、ロールプレイ重視のものでもある。 ◆【バレンタイン・チャレンジ!】デュエット形式 「公立陽下学園」、通称「スポーン・オブ・アーセルトレイ(SoA)」。異なる文化、あるいは異種族を擁する他の階層群からの転入生(隣人(ネイバー))が多いこの学校では、日々異能を持った生徒による問題が起きていた。 そんな問題を解決するため、SoAでは、主に同じく異能を持つ生徒で構成された数個の「風紀委員」が組織され、この問題の鎮圧にあたっている。(※オリジナル設定) その中で、黒墨ナギサ(ブリンガー)が所属する第Ⅳ風紀委員は珍しく、異能を持っていない一般人である白垣ミギリ(シース)が委員長を務め、パトロールや掃除など、小さな活動を細々と続ける小さな風紀委員だった。 バレンタインも近づいたある日、ナギサが委員室に行くと、第Ⅰ風紀委員の副委員長の女性が、ミギリに親しげに話しかけているところに出くわす。 彼女はあの手この手でミギリに近づこうとしている。それを見たナギサは自分の魅力に迷いを抱くが、ミギリも、大きな力を持った彼女が弱小委員会に留まることに同じく迷いを抱えていて……? ◆今回の振り返り ●ステージコンセプト・シナリオコンセプトの面 銀剣のステラナイツは、シナリオなど「あってないようなもの」である。もちろん、「こういった演出を各シーンでやったらどうだろうか」という枠組みが用意されていることもあるが、大抵は「各々自由な相手との生活(いちゃいちゃ)を演出して、戦いに臨んでくれ」という方式となる。 今回決まっていたのは、「バレンタイン」を元にしたエネミーというだけ。シナリオはある程度の案はあったが、あまり最初に決めすぎると作成するPCとの噛み合いが悪くなる可能性もあるので、細かいところは決めなかった。 これが後で一番苦労した点とも言えるかもしれない。「バレンタインを元にしたエネミーなので、バレンタインを意識したロールプレイを組もう」程度しか決まってない中、PCたちの設定を元にシーンを捻出した。 事前に「こういったシーンを投げます」と言った計画を送ったらすぐにOKを頂けたので、セッション中も比較的安心して臨むことができた。 ●タッグコンセプトの面 応募ページに来ていただいた時に「砂糖が吐き出るほどの恋愛RPがしたい」という「コンセプト」を話していただいた時点で、「シースは異性で、ブリンガーに好意を抱いている」まで決定することができた。 これからは応募時点で、どのようなタッグがやりたいかが俳優側の希望としてあるのなら、俳優とすり合わせても良いかもしれない。 ●キャラクターコンセプトの面 立卓が決定してから、ペアそれぞれの性格をどうするかなどを話し合う「悪だくみ」の時間を設けた。ルールブックに書いてある通り、こうして相手と希望をすり合わせる時間は、セッション中にいかに相手と息を合わせ、楽しくプレイするかを決める。 ブリンガーのキャラクターシートを見て、相手の希望を聞いて、二つ三つシースの性格について案を送ったら、具体的に「やさしく、ヤンデレではない」「この案の男性版はできますか」など具体的な意見を頂けたので、これがシース作成を大きく助けてくれた。 ●セッションの面 いくらシーンをあらかじめ決めて、いくらキャラクター造形を詰めたって、「こうしてもいいのかな?」「こうしたら相手は嫌がらないかな?」「どういった言動がふさわしいかな?」という疑問は尽きない。毎秒そんなことを聞くのも興ざめなので、自分なりにあらかじめしっかりと聞き出していたキャラクターとペアの希望から想像して行った。何とか好評を頂き、胸をなでおろしている。 ●バトルパートの面 今回は“黒”色の“キキョウ”に合わせて、エネミーのセッティングを、公式にあるデュエット形式のエネミーセッティングからまぜまぜして作成。結果、No.1のアクションルーチンは全く当たらなかったし、1回くらいフラワースタンドの戦闘不能回復効果を使わせるつもりが、見事に“黒花の頂点”でシースをギリギリ耐久値1で守り切られ、ブリンガーは回復スキルで耐久値は初期値を越えるという結果に。中級向けデュエット形式エネミーだったが、リソースを十分残した状態で終わった。 とはいえ、途中まではなかなかスリリングだったのではないだろうか? 初めてにしては上手くやれた気がする。そういうことにしておくとする。
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2024/02/23 18:46[web全体で公開] |
😶 CoC【リボルバー】 リボルバー銃を盛り込んだシナリオ、【リボルバー】に参加させていただいた。 いつもながらKPつぎのさんの細やかなキーパリングとサポートには頭が上がらないと思いつつ何とか8時間程度でこれをクリアした。 とあるギミックのクリアに恐らく人手が必要だったのだろう。今回もKPCで補助を入れて下さった。KPCの従順さと可愛さと、見え隠れする芯の強さに癒されつつの冒険であった。 今回はSAN値がのっけから大ピンチなKPCをセッションクリア後のSAN値回復で黒字にするぞ! と意気込んでいたが、損失の大きいSANチェックポイントを見抜けず見事に赤字にしてしまったのが悔やまれる。KPCを癒したかった! 癒されて帰っただけだった!(五体投地)CoCでは結構なあるある事故だ……。 シナリオ所感としては、順当に進めていけばクリアはできるが、「心優しい」キャラクターやプレイヤーの方には少々向かない要素が1点含まれているので初心者向けか、と言われると疑問符が浮かぶところである。 結論、初心者に回すとしたら【水没電車】か【絶望の孤島】あたりが鉄板というところに変化はなかったが、【ロッカー】も【リボルバー】もKPCとの掛け合いを非常に楽しませていただいた。どちらのKPC、NPCも魅力的なキャラクターばかりなので、ロールプレイがはかどる。 PC:ザック・トンプソン PL:おかゆ 鏑木探偵事務所の社長で、オーナーである覡(かんなぎ)廉(れん)に借金をして探偵事務所を立ち上げた代わりに、謎の多い(主にクトゥルフ関係の背景を持つ可能性のある)事件調査をたびたび依頼されている。 かつてはアメリカ陸軍に所属していたが、民間に目を向けたいと日本に渡って探偵をやっている。苦労人気質ゆえに眉間のシワがデフォルトで、人相の悪さとトレンチコートからマフィアだのヒットマンだの悪い想像ばかりされがちだが、根は優しい。【ロッカー】の探索者、覡(かんなぎ)優悧(ゆうり)に探偵事務所に入り浸られていて、苦労ばかりしている。 KPC:狗橋 依生(イヌハシ イオ) 怪を扱うニュース配信企業・怪々日報社に所属する、新卒の取材記者。小学生の頃、肝試しに行った後行方不明になった兄の慧(サトル)を探すため、怪しい話に首を突っ込んではひどい目に遭っている。 「怪」を引き寄せる体質で、金縛り、狐憑き、心霊現象、UMA目撃…などなど、体験談は数知れず。だが、駆け出しで文章が拙く、上からボツを食らう毎日である。 低STR、POW、DEX、SIZ、高CON、INT、EDUという、分かる人が見ると「危ない」ことがよくわかるキャラクターシート。それでも数々のシナリオを生還してきた「猛者」である。 奇妙な白い部屋の中で、人相の悪いザックと出会い、最初こそビビリ散らかしていたものの、ザックの不器用ながらまっすぐな信頼を向けられて一生懸命ついて来てくれた芯の強さをちゃんと持っている青年。色々と頼もしい。 ……そのせいで、SAN値をさらに危険に晒してしまったのは申し訳ない……守りたかった! 純粋に守りたいタイプのキャラクターだったのに!! 可愛かった! でも発狂して縮こまっている姿は私としては大変おいしゅうございました、ありがとうございます……(拝)(二律背反)
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2024/02/21 23:37[web全体で公開] |
😶 アドリブ苦手勢のナラティブ系所感 最近は、「ナラティブ系」(ダイスロールなどでの判定ではなく、プレイヤー自身がプレイヤーキャラクターの物語をセッション中に考えて、演出を繋げて作っていくシステム)をやっている。 いつもお世話になっている方がナラティブ系統を好む人だったのがきっかけだが、初めてナラティブ系のお誘いをしていただいた時、失礼にも「アドリブ苦手だから向かない気がする」と敬遠していたので大きな進歩である。進歩したというのか、食わず嫌いをこじらせていた物の美味さに気付いたと言えるのか。 ともあれ、アドリブ苦手勢の私がナラティブ系を始めて見て、最近感じた所感をまとめていこうと思う。 ◆条件を満たせば演出は自由 先達は「判定がないから、ここぞというタイミングで判定に失敗して『今カッコつけたかったのに!』と思うことがない。自分の望む通りにシーンを作ることができることが魅力でもあり難しさでもある」と仰っていた。 ナラティブ系は自分の趣味が全開にできる。やろうと思って、システムの世界観とも齟齬がなくて、GMがそれを認めたのなら、「ぼくのかんがえたさいきょうのキャラクター」をやっても良いわけである。ナラティブ系には判定がない。これがなにを意味するかと言うと、CoCじゃ「ではあなたの目の前には強盗が立っており、此方に銃を向けて発砲した。〈回避〉をどうぞ」と言われるところ、「ではあなたの目の前には強盗が立っており、今まさにあなたに銃を向けて発砲したところだが、あなたはここで望むように場面を作り上げてよい。音速の速さで銃弾を躱し、その足で強盗を抑え込んでも良いし、サイキックパワーで止めてみせても構わない」となる。もちろん、ナラティブ系にもシナリオが順当に進むためのある程度のシーンの落としどころというやつがあるので、キャラクターシートと決められたシーンの流れには沿う必要があるものの、そこにさえ辿り着ければ、その間の演出は基本的に自由なのである。 ナラティブ系はほとんど判定がないことが特徴と言える。シナリオも最低限の骨組みを与えられるだけのものが多い。なぜかというと、物語を決めるのはシナリオでもGMでもなくあくまで「プレイヤー」である、という扱いになるからだろう。 シナリオという、大まかなストーリーラインに沿って、その中で自分がどのような物語を紡ぎたいかを決め、そこまでの仮定を自由に描き出していく。そのプロデュースが、ナラティブ系システムの大半を占める。 ◆難しい 大まかなストーリーラインに沿って、紡ぎたい物語を描き出す……その作業の繰り返しが、ナラティブ系システムの大半の醍醐味を占める。 「ここぞっていう大一番で判定に失敗して、カッコ悪いことになるかも」という心配はほとんどない。やりたければ華麗に決めても良いし、逆に悪運だらけのダイハードを泥臭く演出したってかまわない。 それが楽しいのだが、一方で最高に面倒なところでもある。自由に描き出せる分、そこには自分なりのビジョンが必要だ。そのセッションでどのようなシナリオを描き出したいのか。例えば群がるゾンビの軍団を相手に華麗に無双するバ〇オハ〇ードがしたいのか、それともゾンビの軍団から隠れ逃げ回りながら脱出を目指すウ〇ーキング・デッ〇がしたいのか。それが決まっていないと、GMがゾンビの軍団が群れ成して襲って来る迫真の描写を読み上げる間、頭が真っ白になること必定なのである。 私はそういうビジョンをとっさに組み上げる「アドリブ」というものが非常に苦手だから、特にナラティブ系に関しては食指が動かなかった期間が多い。最低でも今回のセッションではB級ホラー映画をやるのか、Z級シャーク映画をやるのか程度は決めておかないと間違いなく頭が真っ白になってしまう。 なので毎回、出来る限りその辺りの方針は定めて、最悪相手に自分のキャラクターの言動を「台本」にして送って確認してもらいながらやっている。それだけ補助輪をつけてやらないとできない程度には、私にとっては難しい。 ナラティブ系をやっていると、世に敬遠されがちな「一本道シナリオ」のいかにありがたいかが分かる。 ◆趣味が合えば天国、合わなければ地獄 ストリテラ、アンサングデュエット、銀剣のステラナイツ、ケダモノオペラあたりのナラティブ系ルールブックをざっと見たが、どれも「自分のやりたいことは相手の地雷でないかちゃんと確認しましょう」「悪だくみ(やりたいシーンの打ち合わせ)の時間を十分に取りましょう」「セッション中に相手との好みの違いで進めづらくなった時は、一旦ストップをかけましょう」と、「相手の『嗜好』を最大限尊重するように」という旨のことが書かれている。 昨今のネットが生み出した名言のひとつに「誰かの好きは誰かの地雷」という言葉がある。それと同じで、やりたいからと言ってひとり突っ走るゲームでは決してないというのがミソだ。少々難しいが、演出が自由だからと言ってセッションは「交流の場」であることに変わりはなく、自分のアブノーマル趣味を全開にするとか、R18発言を垂れ流すとかはしてはならない。ただでさえ貴重なナラティブ系システムの遊び相手を失うことになる。 趣味が合うとカッチリハマって感動するほど楽しいのがナラティブ系であり、逆に相手と趣味が合わないと見たくないものを延々と流される苦痛の時間に早変わりするだろう。
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2024/02/18 20:09[web全体で公開] |
😶 CoC【ロッカー】 昨日から今日にかけて実は腹痛でほとんど寝込んでいた。しかし、内服薬を増やしたことによる胃腸への負担だと分かっていたので、卓はノリノリでやっていた。セッションをやっているとロールプレイを考えているだけでそうとう頭を使うので、いつの間にか腹痛は忘れていた。勿論、終わってからはオフトゥンの中で悶絶していたわけだが。 読者諸氏においては、体調不良の時は周囲に迷惑をかけないようにちゃんとリスケジュールや中止を判断いただくとともに、日頃の健康管理もしっかりと大事にしていただきたく思う。健康な心身があってこそ、楽しいセッションができる。 いつも大変お世話になっているKPつぎのさんの【ロッカー】にタイマンで参加させていただいた。 初心者向けの【ロッカー】と【リボルバー】というシナリオに大変興味があると話したら、すぐにやって頂ける運びになった。本当にいつも大変恐縮というか、ありがたいというか、いつもご厚意に最大限甘えさせていただく形になっている。 はて、この恩は何で返せばいいのだろうか…… お互い久しぶりのCoCで、「あーCoCってこういうゲームでしたね」と謎の郷愁を覚えながらやっていた。CoC以外であらかた人外やら人を超越した超人をやっていると、CoCの方では「一般人」をオーソドックスに楽しむことが本当の意味で楽しめるようになってくる。あとはCoC特有の謎解きとか、初めて出会ったNPCへの多少の疑心暗鬼やNPCの生死の心配とか。 シナリオはCoCではよくある白い部屋閉じ込められ系である。見つけたものから地道に推理していくものとなっている。柔軟な思考というか、IQ2くらいにならないとRTAはできないが、初心者向けのそう難しくはない易しい難易度だ。 PC 覡 優悧(かんなぎ ゆうり) 高校生の「自称」名探偵見習い。最低限の〈目星〉、〈聞き耳〉、〈図書館〉を持っている以外は特段特徴のないステータス。素早い以外はちんちくりんで非力。 高校生ながら、名探偵ドラマに影響されて知り合いの私立探偵事務所に出入りしている少年。オーナーの息子という微妙な立場から、雑用ばかりを言いつけられ、悶々としつつただ遊びに来る近所の子供の地位に甘んじている。 遊びに来ては雑用したり探偵社のおやつをつまんだりしながら、探偵社に舞い込んでくる話を盗み聞きしたりしている。 自分の推理力(並)になぜか絶対的な自信がある。それを面白がられてか、よく奇妙な事件(シナリオ)に巻き込まれる不遇体質でもある。 おかゆお気に入りの超一般人。中世的な見目をした男の子。「この名探偵(自称)にお任せください!」と自信満々に言っておいて、アホやらかすのが実はCoCだと一番楽しいということに気付く。 KPC 四月一日 りつ (わたぬき りつ) こちらは立派なライター/探偵助手。中世的な見た目をした女性で、25歳の頼れるお姉さん。 いつの間にか立ち絵が本人自作のものに一新され、ベスト&ネクタイ&タイトパンツという大変魅力的なお姿に。 非力で貧弱なHPを補う〈回避〉に、探索技能は最低限のものを持ち合わせている。〈精神分析〉や〈医学〉などの知識もあり、いざというとき頼りになる。しかし、アイデアの高さ(発狂のしやすさ)が若干不安。 英文翻訳やライターをしていたが、幼馴染の探偵事務所へちゃっかり転がり込んで助手を名乗っている。 好奇心旺盛で、興味を持ったことには公私損得関係なく積極的に首を突っ込んでいこうとする。 前回の【死にたがり電車】にて、その高い探索技能で優悧を無事生還へ導いてくれた。今回も優悧を出したら、KPから出したいと打診があり、「会いたい」と答えて続投。また会えてうれしいのと、笑った時の八重歯がキュートになった立ち絵がカワイクなっていて驚きと嬉しさがあった。 今回は途中からファンブラーな出目をいかんなく発揮していたが、結局彼女の7しかない耐久値を危険に晒したのは優悧の推理力(並)だった。 それでもフォローしてくれる頼りがいのあるお姉さんである。 NPC 犬塚 大裕(いぬづか だいすけ) 謎の空間で出会った謎の人物。優悧は最初警戒していたが、彼の穏やかな性格に次第にほだされていく。 ……穏やかというか、カワイイというか、ワンコというか、天然というか。 のんびり天然さんな男性が私は一番好きなんだぞ! 色々と癒されてしまった。
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2024/02/10 21:48[web全体で公開] |
😶 アッパー系魔王とダウナー系勇者のステラナイツ〜相談編〜 ナラティブ系のGM(監督)なんぞやるのは初めてだったので、今後改善できそうなところや、今後引き続き使えそうなことがあるかもしれないので、記録しておくことにした。 ◆キャラクター作成~コンセプト決め~ 銀剣のステラナイツはペアを作成して遊ぶもので、要するにキャラクター作成段階から「どのようなペアにするか」という話し合いは重要となってくる。それぞれが自由に作って、完全にちぐはぐなペアにしたのでは正直動きにくいのだ。 そのため、とりあえず俳優(PL)がブリンガーを作成して、そのキャラクターシートを見ながらシースを作っていくのが基本的な流れとなる。 ここで俳優の方から「やりたいコンセプト」という形で二つのコンセプトが提案された。 キャラクター(ブリンガー)のコンセプトではなく、「パートナーとなる二人の」目的や特徴をまとめたものだ。 これがシース作成には非常に役立ってくれた。そこには俳優の「やりたいこと」が大体詰まっていたので、俳優側の希望を踏まえつつ、シースをさらりと作ることができた。 パートナーのコンセプトを打ち合わせるというのは今後も使えるかもしれない。 コンセプト案に関しては、俳優さんが作成したブリンガーのオンセン共有キャラシートに記録されている。 ◆助監督 銀剣のステラナイツに触れるのすら初めてな監督(GM)と俳優で行うことになったため、俳優の方のありがたい提案で(ナラティブ系においては俳優の方が経験が多かったのだ)、俳優に助監督を任せることに。ナラティブ系のようなほとんどアドリブ力がモノを言う形式はまだまだ経験が浅かったため、シーン作成が上手く進まないのをフォローしていただく形になった。 助監督は『銀剣のステラナイツ 霧と桜のマルジナリア』P77に掲載されている選択ルールであり、二人で監督を分担すると言うものだ。現在は主にシーン作成の希望を出して、私の作成したシーンにどのようなロールプレイを加えるかを提案していただいている。 ◆ウッカリ手が滑る ウッカリ手が滑ってパートナーのデザインがちょっと(ちょっと?)……暗すぎる感じに。相談したらOKを頂いたので目のハイライトは帰還しなかった。 これではまずいような気がする……そんな時にも相談だ。そう、銀剣のステラナイツは、相手の地雷チェックを怠ってはならないのである。 ◆悪だくみ(相談)でやりたいシーンは全部決め打ち 前述したとおり、私はアドリブが大の苦手で、自由にシーンを演出してよいと言われると惑うタイプなので……一章までのシース側のシーンを全部決め打ちで台本を作成し、送っておいた。(ナラティブ系でそれはどうなのかという意見もあるだろうが、異論は認める) こういう進行のつもりでそちらのキャラクターのRPを考えておいてください! そちらのRP次第でこちらの反応も若干調整が入ります! 程度にほぼ完全な決め打ち。もはや一本のシナリオができていると言ってもよい。 とはいえこの悪だくみによる決め打ちは楽しんでいただけたようなので……できれば今後も決め打ちしていきたい。 決め打ちでシーンを作成したので、決定しているシーンの一部をスチルイラスト化することも出来た。 ステラナイツの片割れが絶望して目のハイライトが死んでいくまでの過程を、立ち絵とスチルでこれでもかとアピールすることが出来た。俳優さんにはサプライズで用意した悪巧みだったが、正直楽しかった。
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2024/02/07 18:58[web全体で公開] |
😶 雑文:オタク君に優しい書店の話 家から車で約30分といった距離に、私がいつも入り浸っている書店がある。 紙の本を好む私は、よくこの書店に立ち寄って本を吟味したり、この書店でわざわざ本を注文して購入したりしている。 この書店、表にはメジャーな話題書籍から、少し奥に進めば医学書、ホビー雑誌、誰が手に取るのか分からないニッチすぎる図鑑まで、多種多様な本を置いている。そしてなんなら、棚一本丸ごとTRPG関連書籍が置いてある。書店にTRPG書籍が置いてあるというのは、実のところ私の地元ではあまり見ない光景なのだ。なので、この書店の有能さに惚れ込んで足しげく通っているのである。 言うなれば、「オタク君に優しい書店」が家から通える幸運に恵まれている。 TRPG関連書籍を、あの地域で私以外に誰が買うのか知らないが、新しいTRPG書籍が出たと聞いて行ってみればすでに数冊棚に突っ込まれている。そして最近新しく出た新版ブレイドオブアルカナが、棚の横の壁に新入荷の顔として堂々と飾られているのである。 CoC6版は常に棚にストックされているのはもちろんのこと、CoC7版、カオスフレア、天下繚乱、ソード・ワールド、ダブルクロス3rd、いつも錚々たる面々が立ち並んでいる。 さて、そのようなオタク君に優しい書店で、私はちょっと前、自分への誕生日プレゼントに瀧里フユ/どらこにあん著の「銀剣のステラナイツ」を注文したわけだが それから数週間後、また性懲りもなく遊びに行き(ヒマさえあれば入り浸っている)、何気なくTRPG関連書籍の棚を見に行ったら……「夜のあしあと」、「逆転TRPG 天才軍師になろう」に並んで……「アンサング・デュエット(瀧里フユ/どらこにあん著))」「アンサング・デュエット リプライズ」「光砕のリヴァルチャー(瀧里フユ/宝井ロメロ/どらこにあん著)」「光砕のリヴァルチャー セカンドシーズン」が新たに並んでいた。 それを見た瞬間脳内に「オタクくんてこういうの好きなんでしょ?」という台詞が駆け巡ったし、今まで理解していなかったその台詞の良さに改めて気づかされてしまった。 何も言わなくてもオタクの「こういうのでいいんだよ こういうので」を理解してくれるスマートさとオタクを唸らせる用意周到さ、「好き」に最大限寄り添ってくれる包容力。これは惚れる。惚れてしまっても仕方がない。また貢いでしまう。 とはいえ、思わぬ幸福感に唸った後、私にもっと力(金)があれば……と思いつつ、その日は本をロックオンして帰るしかなかった。まあ、TRPG書籍なんてそうそう棚からなくなっていることもないので、書店で見つけると気が楽である。 そのせいで、書店に並んでいるルールブックは欲しくても購入を後回しにしがちという悪循環があるわけだが……。
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2024/02/04 19:09[web全体で公開] |
😶 DX3rd【ダイナソーハザード】 DX3rdのシナリオ集「インビジブル・ファクトリー」に収録の「ダイナソーハザード」を、GMはりなずみさんの卓で遊ばせていただいた。 『どっか』で見たようなシナリオコンセプトに、『どっか』で見たようなシナリオ運び。逆にこういうのでいいんだよこういうので。『どっか』の元ネタを面白くシナリオに落とし込んでいて、マスターシーンですら楽しく見られるシナリオでとっても好きだ。 ◆シナリオトレーラー “ダイナソーワールド” それは洋上に造られたテーマパーク。 最新の科学によって蘇ったという恐竜たちの楽園。 しかし、真実はレネゲイドの力によって生まれた怪物の島だった。 突如として起きる恐竜たちの暴走により逃げ惑う人々。 力を求め、進化を続ける最強の恐竜“オーレックス”。 惨劇の舞台となったこの島から、 キミたちは逃げ出すことができるか。 ダブルクロス The 3rd Edition 「ダイナソーハザード」 ダブルクロス── それは裏切りを意味する言葉 PC1:東雲 いすず PL:かみきた ウロボロスの大学生イリーガル。Dロイス【対抗種】を絡めた強力な射撃攻撃で、敵を屠る。 親戚の新藤ジュンを伴ってダイナソーワールドに来た折に巻き込まれて、他PCと共に解決に乗り出す。《異形の影》でミドルでの活動も安定した活躍を見せる。 PC2:黒風 創 PL:蒼クララ ブラックドッグ/ハヌマーンのレネゲイドビーイング。高い行動値をそのまま攻撃に流用し、敵を無差別に葬る。また、Dロイス【触媒】でセッション1回まで味方に再行動をさせられる。 一種の座敷童のような存在だろう。近くに存在しているうちは当然のものとして周囲は認識するが、認識外へ離れると何故か彼の存在を誰もが忘れてしまうという性質を持つ。少々寂しい別れになってしまったが、再びどこかで会うことができれば、また思い出すのだろう。 PC3:ジャック・アカノ PL:ロウブリ ウロボロスの情報屋。漆黒の大太刀を音速で振り回し、強力な範囲攻撃を扱う。こちらも《無形の影》によるミドルでの活躍は十分。 ハンサムを自称するイギリス人で、多数の養子をもつ実質ハンサム。最後に黒風に対するロイスを取得し、彼だけは黒風と共に居た記憶をちゃんと覚えているというロールプレイが映えた。 PC4:花守 千昭 PL:おかゆ サラマンダー/バロールのUGNエージェント。今回は射撃攻撃にはあまりリソースを割いていないが、その代わりに《氷盾》と《炎陣》、《孤独の魔眼》や《時の棺》を持ち出して味方の守護にあたるキャラクターを作成。敵の範囲攻撃を受け止め、味方を守り切った。 恐竜のポップコーンバケットを後生大事に持ったまま戦闘し、勝利の後はポップコーンで祝杯を挙げた。楽しかったです。 PC5:早世 瀬名 PL:誠也 オルクス/ハヌマーン/ノイマンのUGNエージェント。花守の先輩で、花守と共にダイナソーワールドに視察に来た折に事件に巻き込まれる。基本的にUGN支部の事務員で表舞台で戦うことは避けたい性質だが、今回はなぜか引きずり出されイヤイヤ視察に訪れていた。しかし、最終的には頼れる先輩として味方全体を優秀に補佐する。 恐竜に襲われてけがをした花守に、応急手当キットを使っていただいたことは忘れない。嬉しかったです。
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2024/02/04 07:35[web全体で公開] |
😶 SW2.5【魔剣の迷宮:フェアリーギフト】 GMさちさんのSW2.5「魔剣の迷宮:フェアリーギフト」。前回は同じGMのもとで“奈落の魔域”探索だったが、今回は魔剣の迷宮を探検。今回も不思議で楽しい冒険だった。結果的に、武器に記念として属性をつけてもらった。ひとりにひとつずつ魔剣をくれるのは結構大盤振る舞いの迷宮だ。 まだまだ初心者である。今回もhariboさんや伊黒さんから的確なアドバイスをもらって何とか厳しい戦場をしのぐことができた。さちさんGMのセッションはいつも楽しい。システムで初めてお世話になるGMに恵まれているな、となんとなく思うのである。 ◆シナリオ概要 冒険者たちは薬草採取の依頼の帰り道で、崩れかけた遺跡を発見する。遺跡には大きな扉がついており、そこにはこう書かれていた。『我は魔剣《フェアリーギフト》 我が力を求めるならば 扉を開けて進むがいい』と。 ◆アレクサンダー・グリュンヴァルト PL:おかゆ リルドラケンの前衛プリースト。高い防御力とHPを持つ重戦士でありながら、回復魔法を使いこなしパーティーの経戦力を保つ。……が今回に至っては弱点である魔法に翻弄され、主にプリーストとしての仕事の方が多かった。 私の中で結構お気に入りのギャル語ドラケン。魔剣の迷宮踏破記念として、武器に属性をつけてもらった。属性を発動させる合言葉は「いでよ氷冷のちから」ではなくなぜか「あざまる水産」になってしまったが、自分らしくていいとアレクもPLの私も満足している。 ◆ナターシャ PL:伊黒陽常 アルヴのヴァグランツ(放浪者)であり、バトルダンサー。攻撃的な練技と賦術を豪勢に使い、強力な薙ぎ払い攻撃で活躍するほか、セッション中ではスカウト能力で大活躍。一般技能である踊り子の技能も活躍し、妖精と通じ合い、仲良くなるという離れ業までやってのける。 深い泉を渡るのに全裸になったり、男どもに自分の裸を見られることをあまり躊躇しないなど、一歩間違えればフワァオ(はぁと)なことになりそうだったが、パーティーの男所帯が揃いも揃ってウサギとドラゴンという異種族だらけだったので、魅惑は通じなかった。まともなのはアリアさんだけか!? ◆アリア PL:haribo ダークドワーフのマギテックシューター。黒炎の遣い手が最大限に活きた強力な射撃攻撃で、後衛から敵を撃ち払う。ここぞというときに1000Gの腕輪を破壊することで攻撃を命中させ、敵の強力な攻撃にやられかけていたパーティーを救った。 普段は舐められないように鎧を着こんでいるが、その下の素顔は実際カワイイ。ただ、種族的にも人族社会で鎧を脱ぐのは少々憚られるところなのだろうか? パーティーの仲間は信用したようで、ちょくちょく兜を脱いでいた。ヴァグランツなのにパーティーの中では結構な常識人枠となる。 ◆ライ PL:そうちゃん タビットのソーサラー。強力な魔法を《魔法拡大/数》で敵全体に撒き、取り巻きの処理に大活躍。今回取得していたアルケミスト技能で【ヒールスプレー】を使わせるようなことにならなくてひとまず良かったと思う。まともに回復しようと思ったら緑マテリアルカードA二枚分……400G分の損失である。 お金を温存したいのなら、アルケミスト技能は結構……特に【ヒールスプレー】は……扱いに注意されたし。
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2024/02/03 08:58[web全体で公開] |
😶 感動的ロストは悲しみを雪ぐか ありがたいことに最近は多くのTRPGに触れる機会を得て、さまざまなルールブックを読んでいる。 それで気付いたのだが、ひとくちにPCが使用できなくなるロストと言っても、システムによってその扱いは様々であり、一旦『死亡』となったキャラクターもある条件を満たせば復活することができたり、『死亡』と『戦闘不能』のデータ上扱いが全く別だったり、そもそもPLが自ら望んでPCを死亡させた扱いにしなければロストはしないというルールであったりする。 システムによって、またあるいは人によって、ロストの考え方は違うということだ。 数多のシステム、数多の遊び方、その多様性と同様、ロストに対するそれぞれのプレイヤーの忌避感の大小も、また別だろう。 このことに関しては、私の中ではCoCのプレイヤー間でのロストへの考えの違いを顕著に感じている。CoCはシナリオによってPCを失ってしまう確率が全く違うものが多く、少しでも無茶をすると一気に耐久力か正気度を持っていかれてロストが近くなってしまうこともままあるので、それに慣れた人はCoCではロストはあり得るものであり、いかに死に花を華々しく咲かせるかのゲームとまで言い切ってしまう人までいる。それもまた楽しかろう。しかし、それとは逆に、CoCであっても愛着のあるキャラクターを使い続けることを好む人もいる。 これはシステムの本来のコンセプトどうこうというよりかは、日本におけるCoCに対するあまりに多様化した考え方、楽しみ方が生み出した、嗜好の違い、とでも言うべきだろうか。CoCというシステムの本来想定された楽しみ方がこうだから、という話で片づけるには、少々クトゥルフ神話TRPGは多様化しすぎているというのが私の考えであり、その辺りの嗜好はもはや甲乙つけがたいところまで違いが出ているのではなかろうか。 私も多くのシステムに触れてきたわけではない。比較的最近のシステムに好みが偏っているので、このあたりをTRPGの変遷も交えて解説、論じられるほどではないことはご了承いただきたい。 例えば私がこれまで触れてきたシステムでは、ロストに対してこのような扱いの差があったということだけ、簡単に説明させていただこうと思う。 ◆無慈悲ロスト(クトゥルフ神話TRPG、ダブルクロス3rdなど) ロストになる条件を満たした時点でキャラクターシートが使えなくなる、というものだ。結局はこれが一番多いのではないだろうか? ◆ロストが確定した時点でボーナスがある(デッドラインヒーローズなど) 最後に死に花咲かせて逝け、とあるのかないのか分からない慈悲をくれるシステム。デッドラインヒーローズでは、キャラクターのロストが確定した時点で「スパーク」と呼ばれるルールが適応され、いかなる代償も払うことなく好きな行動を最後に一度だけできるようになる。その行動が終わった時点で、ロストし、キャラクターシートは使えなくなる。ただし、演出的にもデータ的にも最後の活躍ができるというのは、初めて見た当時衝撃だった。 ◆PLが望まないとロストしない(マモノスクランブルなど) 比較的最近のTRPGシステムに導入されているルールだと思う。ナラティブ系に近いほど多い印象だろうか。キャラクターが戦闘不能などになっても、PLが「ここでロストすると美味しい」と納得づくでロストを望まない限り、ノックアウトで終わると言うもの。ロストでモメるくらいなら、PLが納得しない限りロストなんてないことにしてしまえ、というのは、確かに上手い手かもしれない。 ◆救済措置あり(銀剣のステラナイツ、アンサング・デュエットなど) 一度キャラクターシートが使えない状態に陥ったとしても、その後何らかの条件付きで復活できたり、取り戻すことができるというもの。ともあれ、愛着のあるキャラクターをどうしてももう一度使いたい、そんな想いに応えるルールがあってもいいじゃないか、そんな優しさと理解を感じる。 さて。本題に移るが、PCのロストを簡単に受け入れられる人もいれば、簡単には受け入れられない人もいるというのは先ほども話した通り。これはどちらが悪いとか、どうするべきというよりかは、TRPGという『娯楽』である以上、いかに『ロストまでをも』楽しんで見せるか、というのがキモではないのか、と私は考えているのだ。 要するに、どんなシステムでも、いかに納得できるようなロストを飾るか、という話でもある。 最後に強大な敵にトラックごとぶつかって、中指を立てながら大往生していくか。大好きなパートナーや仲間に見守られながら、穏やかに逝くか。それが選べる状況にいざ立てるか否かというところは一旦捨て置くとして、キャラクターのロストが目に見えてきた時点で、プレイヤーなりに納得いくロストの仕方ができるというのは、もしかしたら、プレイヤーがその現実を飲み込むために重要な要素となり得るのではないか、と思うのだ。 というのも、私が初めてPCをロストした時、仲間のPCを守るために自ら自爆特攻して大満足だった記憶があるからなのだが。ダイス運が絡んでいたとはいえ、初心者KPには申し訳ないことをしたとも思っているが。 銀剣のステラナイツを見ていると、条件を満たせばロストするワールドセッティング(世界観設定)もあるものの、そのロストをいかに感動的に飾るかを提案している文が散見される。「紫弾のオルトリヴート」セッティングでは、Ifストーリーとして、ブリンガーが相棒であるフォージをその手で「処分」するまでを描いたシナリオまであるのだ。 もしも参加者がそういったものを嫌いでないならという条件付きで、「PCのロストまでをもTRPGのロールプレイのひとつとして楽しむ」遊び方を提案しているのである。 これはもう一種の「そういう楽しみ方」が確立されていると見ていいのではないだろうか。 本音を言うと、実感を持って上記の疑問を解消したいので、ロストするまでを丸ごと楽しむこと前提の「リコレクト・ドール」や「紫弾のオルトリヴート」が非常に気になっているところである。
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2024/02/02 18:15[web全体で公開] |
😶 銀剣のステラナイツ雑記2【3巻のワールドセッティング】 銀剣のステラナイツ雑記第二回目は、長くなったので別の日記に続きを書くことにした3巻に収録されているワールドセッティングについてだ。 3巻は2巻に収録されていたレターセッションに加えて「デュエット形式(監督(GM)と俳優(PL)が1on1で遊ぶことのできるセッション形式)」という、新しいセッションの遊び方を提案しているものが収録されている。 ◆墜星のナヴィガトリア(3巻:P130) ここに至ってはすでに世界の崩壊を招く敵、ロアテラに敗れた世界となっている。 大いなる敵ロアテラに敗れ、古い世界が「新たな世界」に書き換わる世界の中で、物語の配役のように新世界の登場人物を演じつつ、書き換わる前の世界を取り戻すための戦いに挑むステラナイツを描くことができる。 このワールドセッティングでは敵側となるキャラクターは「新たに生まれるはずの世界」の住人であり、どちらかの世界の存在を証明するための戦いをすることになる。どちらもれっきとした「世界の住人」であるため、どちらが悪者とも言い切れないところが少々難しい。だがそれゆえに、敵との掛け合いは味わい深いものとなるに違いない。 ◆紫弾のオルトリヴート(3巻:P166) ステラナイツとなるための加護を与えるふたりの女神の力すら及ばない世界で、人工的に作られたシースの肉体や魂を削って、世界を滅ぼさんとする尖兵を倒すための戦いが描かれる。 私は個人的にこのワールドセッティングが大好きだ。で、この世界でも霧と桜のマルジナリアのように「疑似ステラナイツ」は作成できるのだが……片や普通の人間、片や一年の活動限界時間と、さらに敵に撃ち込む弾丸として自らの魂を捧げ切ったら自分が世界を滅ぼす怪物と化してしまう運命を背負った人工シース(フォージ)である。 人工シースの作り方だが、世界を守るために命を落とした守護者の血液と唯一無二のパートナーであるブリンガーの血液、そして理不尽な滅びを迎えた人の魂の残滓を培養槽でまーぜまーぜして作る。だからちょっとした偶然で、ブリンガーがかつて失った配偶者や友達や家族なんかにそっくりの、下手すりゃ生前の記憶までしっかり持っているシースが作れちまうことになるんだ。ハァ人権ねぇ 救いもねぇ 人の心なんて残ってねぇ たとえそんなことになろうが一年の活動限界は変わらないし、ブリンガーは活動限界を迎えたフォージをその手で「片付けなければならない」という義務を負う。だから心が折れてブリンガーとしての立場を捨ててしまったり、フォージを守るために世界を敵に回すブリンガーもいる始末。ついでにそれを片付けるのも別のブリンガーの役目だ。 この世界、延命するだけ絶望しかなかったのではないだろうか。 ◆灰壁のフォートヴラッド(3巻:P210) 二人の女神やロアテラの力も未だ及んでいない世界で、人外と人間のペアを作り、人外を追って来る敵から逃亡し、この世界からの脱出を目指すというもの。 人外は自らが隠し持つその強力な力ゆえに狙われている。その人外を救おうと立ち上がった人間は、一時的に人外から力を貸し与えられ、ダスクナイトとなって戦うことになる。しかしその代償は大きく、人智を越えた力を行使した結果は魂の崩壊だ。心、肉体、そのどちらかが失われ、悲惨な結末を迎えることになる。 そうなる前に勲章を集めて外の世界に脱出するか、魂の損傷を修復して生きながらえるかを選ぶ。 人外と人間のペア萌えが分かる人には垂涎の的ではなかろうか?
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2024/02/02 18:13[web全体で公開] |
😶 銀剣のステラナイツ雑記【ワールドセッティングまとめ】 銀剣のステラナイツは1巻だけでも遊ぶことはできるが、2巻である『霧と桜のマルジナリア』、データ集となる3巻の『星屑のリヴラガーデン』を導入しても遊ぶことはでき、しかもそれらに載っているワールドセッティング(世界観設定)次第で、さまざまな形態、性質の二人組が作成でき、さまざまな世界背景を体験できるようになっている。 だがひとくちに「霧と桜のマルジナリア」などといっても、ルールブックを読んだところで「何のワールドセッティングだったっけ?」となる事多数なので、雑記としてまとめておくことにした。 ◆まず「銀剣のステラナイツ」とは? 世にも珍しい「一人2キャラ作って演じ分け、うちよそするTRPG」。キャラクターは基本的に剣をもって戦う「ブリンガー」、ブリンガーの剣や武具へと姿を変える「シース」となって、それぞれがニコイチペアを作成して世界を守るため、願いを叶えるための戦いに挑む。世界を崩壊させようと企む敵との戦いを描く以外は基本的にシナリオはあってないものであり、戦いが始まる前のパートナーとの関係や日常を描くのが主体のナラティブ系の側面もある。 ロールプレイに対して他のプレイヤーが感動したときに「ブーケ」と呼ばれるリソースを投げられることでも有名。 たっぷり濃厚なロールプレイしようぜ! でも地雷チェックは怠らずにな! というのがこの作品のコンセプトだ。 ナラティブ系にありがちではあるが、気の合う相手と遊ぶとメチャクチャ楽しいが、好みが合わないところでムリヤリすると地獄と化す危うさも持ち合わせている。 ◆霧と桜のマルジナリア(2巻:P115) ヴィクトリア朝時代の英国を思わせる都市世界である「霧の帝都」、大正時代の日本を思わせる都市世界である「桜の帝都」。 二つの世界は間近にあり、衝突寸前となっている。それというのも「誰かさん」が、いずれ来る崩壊の時の前に自らこの二つの世界を衝突させ、大規模な「終末」を迎えようと決めてしまったからという「手の込んだ心中」のためである。 これはいずれ来たる崩壊を前に、ふたつの帝都を延命させるための戦いだ。 ──という世界観は一応あるのだが、このワールドセッティングでは基本的に「誓約生徒会(カヴェナンター)」と呼ばれるキャラクターが作成できることの方が特徴と言えよう。 誓約生徒会は一度夢破れたステラナイツ、あるいは同じ願いを持てない者同士だが、それでもパートナーになる資格を有する者たちがなる「疑似のステラナイツ」である。 「歪みの共鳴が溜まってしまって敵側になってしまった(実質ここで一旦ロストとも言える)が、まだまだパートナーとの願いは終わってない! まだこのキャラクターを使いたい!」というプレイヤーの切実な願いの受け皿としての存在意義が一番大きいと思われる。 ◆手紙よ、この思いを届けてくれ(2巻:P176) 敵に喰い尽くされ、修復不可能なところまで崩壊した世界。そこにはなにもなく、ただ、自らの証明を書き記し続けることで僅かな延命をすることができる世界。その世界で離ればなれになってしまったステラナイツが、お互いに文通し、互いの存在を感じ、世界を存続させていく、といったもの。 世界観は物悲しいが、これは新たなセッション形式「レターセッション」と呼ばれるものを提案する形でのワールドセッティングになる。簡単に言ってしまえば今どき流行りの「置きレス卓」というものとなる。 集まる時間を確保することが難しい監督(GM)と俳優(PL)同士で遊ぶためのもので、何とか数時間の時間が取れればステラバトルの時間を作って、そこで初めて肉体を得たステラナイツたちは合流することになる。 時間がないけど合間の時間に激エモなセッションがしたい! という願いに応えたセッション形式となる。 ◆リコレクト・ドール(2巻:P196) とうに人類が滅亡してしまった世界で、その世界の人類の記憶を収集し、保管し、いつの日か人類を蘇らせることを使命とした人形「リコレクト・ドール」になって終末世界を味わうことができる。 このワールドセッティングで遊ぶ以上は作成キャラクターは必ず球体関節人形を作成することになる。球体関節人形萌えの人にとっては何か琴線に触れる話ではなかろうか。しかし注意して欲しいのは、このワールドセッティングで遊ぶと、基本的に3回までしか同じキャラクターでセッションができないことである。 最終章が終わり、セッション終了と同時に、モールド(このワールドセッティングにおけるブリンガー側の役)は人類の記憶を一つ会得する。それが3つ溜まると、モールドの役目はいったん終わり、機械の塔へと収拾した記憶をおさめに行かなければならない。これが実質的なロストとなる。 いつか訪れる別れ、偽りの生命を持つ球体関節人形で、人類の記憶を追い求める終末旅行。そんな物悲しさが好きなら、このワールドセッティングはお勧めである。 ◆シトラ女学院(2巻:P224) 「え? シトラ女学院って基本ルールブック1巻にも載っていた学園都市にある学園のひとつのことなんじゃ?」と思われた方は詳しい。そのとおりで、学園都市の中でも「シトラ女学院」にフォーカスを当てて、さらに掘り下げたものである。ズルいぞ。 徹底した閉鎖環境と高水準の教育スタッフにより、純粋培養のお嬢様が量産される由緒正しい女学院。……という既存の設定に加え、新入生と上級生が「姉妹(トゥリーブ)」というペアを作る制度や、歪みを蓄積したステラナイトや、敵によってゆがめられかねない心の闇を持つ生徒を、闇堕ちする前に救出するための「決闘裁判」などがある。 実際の所あんまり読んでいないが、濃厚な百合と濃厚なお嬢様寄宿学校のロールプレイがしたいのなら、このワールドセッティングを読み込むと楽しいと思われる。
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2024/01/30 10:19[web全体で公開] |
😶 謝罪の上手い使い方 私はいつも「毒にも薬にもならないまでも、毒にはならないような日記を書こう」と思っているが、いつもの題材が題材だけに、誰に対しても毒にならない日記というものは案外難しいものである。 いたずらに人を傷つけたくて書いているのではなく、誰かを傷つける前に一旦一呼吸がおけるような情報を書いているつもりだ。 だからこそなるべく具体的に「やった方がいいこと、やらない方がいいこと」を書き記してある。この辺りボヤかして投げたのでは勿体ないし、いたずらに不特定多数を傷つける可能性を秘めているからである。 ……謝罪、と言うのは、いざ危険な状態になった人間関係を修復するために最も心強く便利に使える手段ではあるが、時と場合と私情次第で、最も難しい手段となり得る。 1にも2にも誰が悪いか悪くないかはとりあえず置いておくとして、とりあえずいの一番に謝って、そこからまた互いの意見をすり合わせよう……ということは結構ある事例だろうと思われる。 クレーム対応だと思えば少々納得も行く。ひとこと謝れば話ができる相手であれば、だが、「謝罪」というのは何かの過ちで人間の信頼関係が窮地にさらされたとき、最も手軽で確実な対話のきっかけを作ってくれる言葉である。 昔から「ケンカ両成敗」と言う言葉はあって、要するに「お互い冷静になれずにケンカをしてしまったなら、まずそのことをお互い謝って、改めてお互いの意見の相違点や妥協点なんかを冷静に話し合いなさい」と言ったことなのだろうと思う。 そう思っているので、私はまず人間として最低限第一印象で信頼できる相手の条件に「『感謝』と『謝罪』が適切に行える人」という項目が常にのっかっている。実際この判断基準は結構間違いがなく、常に適切なタイミングで謝罪と感謝を述べられる人ほど、誠実であることが分かるため信頼に足るのである。 だが、感謝も謝罪も、人同士の距離が狭まってくると、忘れがちというか、言いにくい言葉になっていくのだ。 時と場合により理由は千差万別ではあるが、厄介なのは謝罪である。感謝なら言い忘れたってその時の信頼を破壊しはしないだろうけれど、謝罪を控えていると崩壊はまぬかれない事態に発展することもありえよう。 私も感謝と謝罪を適切に用いることができる誠実な人間であると自負できるわけではなく、寧ろ時折、相手に対する腹立たしさのせいで謝罪を忘れてしまうことがある。平時には、自分が全て悪いわけではなくともとにかく謝って、議論を軌道に戻すことが最も良い手段と分かっていても、私はいまだ、怒りに震えた自分の心すら一人で上手く扱えた試しは無い。気恥ずかしいやら、腹立たしいやらで煮え立った自分の頭をいくら冷やそうとしたって、少なくとも一時間は収まらない。 懺悔はこのくらいにしておくとして、そう言ったこともあるから、平時ではいくら偉そうなことを言っても、結局怒りに我を忘れた時の人間ほど、誠実さが強く出るのだろう。 怒りに節度を忘れてしまった後の「謝罪」は当事者にとっては非常に困難なことであるから。 だからこそ、私は重ねて、「『感謝』も『謝罪』も適切に行える人ほど、誠実である」と思うのだ。 加えて、実際にケンカに発展したときは、何があったにしろその時点で双方謝るべきであると私は考えている。人間、完璧なことは無いのだから、そこに年功序列も吹っ掛けた方ももはや関係ない。 どちらかというとこの場合の『謝罪』は、お互いに歩み寄る姿勢があることを示す合言葉の役割を担うため、謝罪する気があるだのないだのの話はとりあえずゴミ箱にでもダンクして、後で手打ちでも何でもすることにして、どちらからともなく謝っておけばいいと思っている。 だが、これができる人と言うのも、案外あまりに少ないのである。
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2024/01/27 11:44[web全体で公開] |
😶 SW2.5【蛮族を駆逐せよ】後編 今回も魔物いっぱいお宝いっぱいの冒険を体験していただいた。公式シナリオ、結構楽しいかも知らん……。 「倒した魔物」ぶんの経験点に、ルールブックには「上手くやり過ごしたり、交渉によって戦わなかった敵の経験点も入れる」と書いてあったので道中戦わなかった魔物の分まで大量に入ったわけだが、その是非やいかに? 公式シナリオは結構派手に報酬を出すのだな……と思った。その代わり、けっこう本気で殺しには来るようだ。 SWは先制が取れるか否かで戦況が決まる点もあるので、先制判定に有利がとれるスカウトというのは本当に重要だ。 お寝坊さんにより、レンジャー不在の恐怖と戦うかと思ったらとっても安定した戦場だったのでそうでもなかったよ。レンジャー技能無しの魔香草がいかに使えないかは学ぶことができました。ドラクエのやくそうでも一応回復はするというのに……。 安定した戦況だったので、魔晶石を割ることもなかったのは僥倖と言えよう。次の冒険でも使えるので、大事に取っておいていただきたい。溶ける戦場では石もMPもドロドロ溶けるので。冒険中に魔晶石が拾えたらPLが反応する程度には重要なアイテムである。 ◆ミド・リホーン PL:だーさん3 口数少ないナイトメアのファイター。魔法戦士。基本的にコンジャラー部隊だったので、先制を取って最初に敵の前衛を【スパーク】で薙ぎ払うのが基本戦術になっていた。敵の攻撃によって気絶寸前までHPが削られたが、運よくその後の攻撃が来ず、最後まで立ち続ける。 ◆レンカ・フロローレス PL:なごみ レプラカーンのグラップラー。強力な追加攻撃で敵のHPをどんどん削り取っていく。今回のMVPではなかろうか。グラップラーの強さをいかんなく発揮した。なお、スカウトとしての働きも十分だった。流石レプラカーン、隠密作戦においては右に出る者はいないようだ。 ◆ユリス PL:マット 「勝てばよかろう」がモットーの結構血の気が多いエルフのプリースト。キュアウーンズによる回復で、パーティーの戦闘継続力に大きく関わる。キルヒアさまは本当にそんな啓示を与えたのだろうか? ◆せろたる PL:せろり タビットのソーサラー。スパークによって敵を焼き払い続けた。今日の動きを見る限り、結構慣れてきているように思う。GMはどんなシステムにせよそれほど難しいものでもないので(諸説あり)、これからも頑張ってご友人を沼に引き入れて頂きたい。
温森おかゆ(まんじゅう) | |
2024/01/24 19:58[web全体で公開] |
😶 SW2.5【遺跡にロマンを求めて】 私にもあんな頃があったなあ……(1カ月前くらい)と思いつつ、ちゃっかり経験者面して参加した初心者歓迎卓【遺跡にロマンを求めて】。ダイスの神様も味方してくれて、GM、シマエナガ三銃士さんの温情もあって冒険の楽しさをイイ感じに体感できる良いセッションだった。 冒険の間に睡眠回復を取ったのは今回が初めてだ。消耗していない二人で半分ずつ見張りに立って野営し、食糧をみんなで分け合った。行動宣言だけだったものの、そんなことが何となく冒険味があって楽しかったなあ……。 一応ルールとしてはあるのだが、基本的に使われないものではある。大体睡眠回復なしで一気に踏破する前提でシナリオが組まれるのもあり、まあ、大体片付いた遺跡ならまだしも、奈落の魔域や魔剣の迷宮なんかでガチ寝こけるものではないので……。 ◆ストーリー ひょんなことからドーデン地方を訪れていた冒険者たちは、ゴブリン退治の依頼の最中、遺跡を発見する。 入り口はすでに開いていたため、誰かがすでに探索した後かもしれない。 そう思いつつも、まだまだ駆け足である冒険者たちは、好奇心を抑えられなかった。 都合のいいことに、依頼目的のゴブリンのものと思われる足跡も遺跡の中へと続いている。 もしかしたら、内部にはまだ見つかっていないお宝が残っているかもしれない。 ゴブリンを倒すついでに、ちょっとした遺物でも見つかれば、どんちゃん騒ぎができる! ご馳走も食べ放題だ!! 駆け出しゆえに金欠気味で、ここしばらくお酒も美味しいものも食べられていなかった冒険者たちは、意を決して遺跡へと足を踏み入れるのだった。 ◆ライ PL:そうちゃん タビットのソーサラー/セージ。PL本人も初々しい初心者。拡大リープスラッシュで敵をなぎ倒す。 ゴブリンに晩飯扱いされてマジギレするなど、結構血の気の多いうさぎ。タビットの[第六感]による危機感知や、探索でもしっかりと活躍していた。 クトゥルフ神話TRPGからさっそくSWの世界に足を踏み入れられたとのことで、アレと比べるとガッツリ剣と魔法の冒険モノなので戸惑いも多いだろうが、ルールブックを片手にこれからも頑張って頂きたい。 ◆アルト PL:すぱいす 人間のファイター/スカウト。【マッスルベアー】と【ヴォーパルウェポン】、特技は《全力攻撃》という、やられる前にぶっ飛ばす構成で前線で大活躍。ゴブリンミンチを作り上げていた。地味に赤髪金目の好青年の立ち絵は自作だという。巨大な楯とメイス、そしてチェインメイルがしっかり書けている。いやぁ並ぶとお恥ずかしいですね。 さらりとパーティーのツッコミ役をやってのけるスマートさにシビれるし憧れる。 ◆ジェハン PL:ばる 名状しがたき本によって正気度をすり減らして最近シャバに出て、かつて持っていた名状しがたき本を探し求めるアブないコンジャラー/スカウト。後衛で味方に【ヴォーパルウェポン】による支援を行い、前線に出したゴーレムでダメージを稼ぐなど、二人分の活躍をやってのける。 お探しの本、見つかるといいですね。 ◆エミール・ゲーリング PL:おかゆ ナイトメアエルフのファイター/コンジャラー/レンジャー。ゴブリンがエルフ好きだったため、あわやくっころ要員と化しかけた男の子。よく分からなかったのでとりあえず【スパーク】で敵前線を多少は片付けながら、アールシェピース(槍)でちくちくしていた。レンジャー技能は今回お役目がなかったけれど、そんなこともあるよね。いつもは忙しいくらいなので安心してください。 SWは言語があるので、「~であります」とか変な語尾つけていいものかちょくちょく迷うが、まあ、海外のものだって地方訛りを日本語の訛りに変換することもあるし。それとこれとは話が別か? 迷惑かけないんだから良いじゃないか! の精神でやっている。俺は雰囲気でSWをやっている……
温森おかゆ(まんじゅう) | |
2024/01/22 18:46[web全体で公開] |
😶 SW2.5【皇帝酒(ボースハフト)】 「おじさん限定セッション」の話題が沸いていた時、はるるんさんが葬送のフリーレンを元ネタにした「酒好きのおっさん限定卓」を立てるとおっしゃっており、それにおじさんPC好きの私が「いいですねえ!」と反応したらすぐにお誘いを頂いた。 というわけで、酒好きのおっさん限定卓【皇帝酒(ボースハフト)】に参加させていただいたので、感想を述べていこうと思う。 ドーデン地方中東部に位置する広大なフィノア草原にある《マグノア草原国》の首都《マグノア》 その《マグノア》からコハネ登山鉄道で揺られること半日…コハネ峠の中腹に、温泉と醸造で有名なコハネ村がある。 冒険者ギルドもない小さな村で簡単な依頼を解決したPCたちは、冒険者ギルドに戻りもせず居酒屋でたむろしていた。 その時、かつて皇帝に献上されたとされる最高の名酒「皇帝酒」の在処がわかったと語るおっさんドワーフと出会うのだった。 ◆ダーフド・サカワール GMPC:はるるん 126歳のドワーフのプリースト/セージ/アルケミスト。プリースト技能による回復とアルケミスト技能の【ヒールスプレー】を兼用して、パーティーの安定力を保つ。 80年をかけて【皇帝酒】を探し続けている無類の酒好き。今回、ついにその酒の在処が分かったと言って酒場に冒険者を派遣するよう頼みに行ったが、門前払いを食らっていたところに偶然「酒好きで」「ヒマで」「そういう話に目がない冒険者」一行と出会い、同行する。 スランと並んでパーティーの平均年齢を吊り上げている。それだけに感性や判断力が比較的マトモ。 ◆スラン・スターゲイザー PL:おかゆ 250歳のエルフのおじさん。ソーサラー/スカウト/アルケミスト。リープスラッシュを数拡大でばら撒きつつ、バークメイルで味方の防御を底上げさせたり、ヒールスプレーによる回復も請け負える。 商家生まれのエルフで、幼い頃は魔除けのために女の子として育てられていたことと、家に幼い自分のドレス姿を描いた巨大な肖像画があることが黒歴史。 終始マイペースでのんびりしたおじさんで、アレクシスに100ガメル貸したうえ導入で朝ごはんも奢ったが、働きで返してもらったので特に気にしていない。打算的なのか無欲なのかは謎。 ◆アレクシス・アンゲルス PL:ナギ 45歳の人間のファイター/スカウト/エンハンサー。高い生命力で前線を預かり、かつ《薙ぎ払い》によって前線の敵をまとめて薙ぎ払う、おじさんの貫禄を見せつけるタイプ。 アルショニア女王国貴族の長男として生まれ、女性が強い国で軍人としてそれなりに認められる程度には努力していたのだが、キングスフォールに向かう満員鉄道に乗っていた時に置換の冤罪で逮捕され、国外追放処分となってしまう。ショックのせいかそれ以来自堕落なおっさんへと変貌してしまい、酒を飲んで過ごし、金がなくなったら日雇い労働や冒険者家業をして何とか生活している。 ダメダメなおじさんなのだが戦闘ではきっちりと安定した働きを見せた。人間の「運命変転」が活きた場面もあり、グレイズと並んで人間のおっさんの底力を見せつける。 ◆グレイズ・スタンリー PL:タコ邪神 42歳の人間のフェンサー/レンジャー/エンハンサー。軽やかに敵の攻撃を搔い潜りながら、ピラーで刺していく。クリティカルを出しやすく、火力の貢献は十分だった。 若い頃は兵士だったが、傷をきっかけに引退し、以降は冒険者として日銭を稼いで暮らす生活をしている。魔物が身に着けている装身具をはぎ取って身に着ける算段をしていた程度には壊滅的なセンスをしている。流石に魔物の者を身に着けると社会的に危ないと止められたが、それ以外に名誉点の無駄遣いで購入している「粋な乗馬服(ダサい服)」に関しては残念ながら味方のスランとアレクシスもぼろ切れローブで済ますエルフとただの自堕落マダオなのでツッコミを入れる立場になく、魔物がイジるという奇妙な結果に。傷跡と派手な服も相まって見た目はただのヤのつくクザな人。
温森おかゆ(まんじゅう) | |
2024/01/19 17:30[web全体で公開] |
😶 いま手に持っているルールブックが、いま遊んでいるシステムだ 「日記に誹謗中傷する内容を書かないようにしようね!(戒め」 ……と、実は日記を書くフォームの上に「禁止事項」として記載されている。 なので大前提として、せっかく仲間内で楽しく遊んでいる人の気分を害するようなことを、わざわざこんな娯楽上のSNSに記入する人間の言うことは気にしないで遊んでいただきたい。 重要なことだが、TRPGというものは、ゲームマスター、プレイヤー、見学者含め、セッションに参加する人々が楽しむことができたということが何よりも重要なことであり、外野がどうこう言って、その楽しみをわざわざ削ぐのはお門違いも甚だしい。 言い逃げでアカウントを削除しているので、ミュートもブロックもできないという醜悪さには呆れる。 ……それはさておき。 私としても、システムが本来想定していた遊び方を少し外れた流行について、ひとつ真面目に考えてみようと思う。 結論として、私個人は現代の戦闘重視系、エモ系、タイマンなどのCoCシナリオ傾向に肯定的である、というところはご了承いただきたい。 私もCoC6版からTRPGの門をくぐり、今や新CoC、デッドラインヒーローズ、ダブルクロス3rd、マモノスクランブル、アリアンロッドRPG2E、ソード・ワールド2.5、銀剣のステラナイツ、ブラックジャケットRPGと、これまで消えていった金を思い返せば虚しくなるくらいは様々なシステムに触れてきた。 そんな私もまあ当初は「CoCでできるんだから、CoCでやれば良いのでは?」と、思っていた一人にすぎない。 実際のところは、システムごとにちゃんとPLが「どう遊ぶのか」を想定して作られた趣きというのがあって、例えばハイファンタジー世界を冒険するならソード・ワールド、PC間の掛け合いなどをみんなで楽しみたいなら銀剣のステラナイツ、現代日本で派手な異能力バトルを繰り広げたいのならダブルクロスと、ちゃんと特化したシステムを使った方が遊びやすいし、システム側のしっかりとしたフォローがあるため、安定して実現がしやすい。 CoCであえて再現しようと思えばできないことは全くないものの、やはり比較すると遊びにくさを感じることが多いのである。デザイナーですらない素人がオリジナルルールを持ち出して作ったのでは、やはり当たり外れが大きくなってしまう。 なので、やはりCoCではなくエモクロア、アリアンロッドRPG、ダブルクロス3rdと、私も自分の実現したい遊び方にあわせて手持ちのシステムを増やしていった。 コンシューマーゲームで例えるならば、やはりどうしてもどうぶつの森でドラゴンクエストは遊べない。カードゲームで例えるならば、トランプでUNOは遊べない。そう言ったことと同じだ。 CoCにはデータ上で影響を及ぼすスキル習得システムがない。銀剣のステラナイツや異界戦記カオスフレアのように、ロールプレイを評価し、有用なリソース化する楽しいルールがない。その「ない」ところをやりたいという話になった時に、CoCは選択肢から外れることになる。 「しかし」逆に言えば、小難しいスキルの組み合わせを考えるのが面倒であれば、ダブルクロスやアリアンロッドRPGのようなスキル制は「要らない」わけだし、ロールプレイがそのままリソースに変化して、ダイスロールに影響を及ぼすようなルールが「要らない」場合は、それらは一気に余計なものと化すのである。 その点において、ステータスと技能だけで構築されたCoCというゲームは、感覚的に分かりやすく、慣れたシステムで新しい遊び方を構築したい人々の需要を受け止める土壌として優秀なものになっていたのだと、私は考えている。 CoCの非公式シナリオには、戦闘に重きをおいたものから、カタルシスを重視した綺麗で物悲しいストーリーまで、多彩なタイプが用意されている。「日常をじわじわと侵蝕してくる恐怖(コズミック・ホラー)」を楽しむという、システムに本来想定されていた遊び方とは少々外れていることは確かなのかもしれない。 しかし、その中で、PC間のつながりを描き出し、物語の結末を掴む遊び方を肯定している現代のCoCの流行に関して、私は個人的に好ましく思っている。 私の中では、RPGをしている中で自分の拠点に家具を置いて飾り付けしたり、キャラクターの衣装を着せ替えて1時間ほど楽しんだりして脱線するのと同じ感覚だ。 小さい頃、ドラゴンクエスト4をプレイしていたことがあるのだが、武器商人キャラクターの章にて、始めの村からなかなか出ず、簡単なお店の経営シミュレーションゲームに夢中になっていた思い出がある。もちろんドラゴンクエストは本来経営シミュレーションゲームではないし、もちろんそんなことしてないで店をサボって近くの洞窟に潜り込まないと、いつまでも物語が進まないわけだが……私は本来のストーリーそっちのけで、飽きるまで経営シミュを楽しんでいた記憶がある。 本来想定されている遊び方をちょっと外れてゲーム世界を楽しむというのも、ゲームの楽しいところだし、ロールプレイのひとつだ。TRPGにおいては、セッションの仲間内で色んな楽しみ方を模索していけるというのが魅力ではないか。 そもそも、やろうと思ったシナリオを、指定されているシステム以外で再現しようとするとこれがけっこう難しい。シナリオ作者によってCoCを使用する想定で作られたものなら、「これなら別のシステムにコンバートしたほうが」とコンバート作業すると絶対にルールの違いとかシーン制かそうでないかとかでややこしくなって断念することになるので、CoCで作られたシナリオは、CoCにて想定された遊び方からどれほど離れていようが「CoC」なのである。そのシナリオを遊びたいと思ったのなら、CoCのルールブックが必要になる。 シナリオを遊ぶ時にCoCのルールブックを持っているのなら、その時点で遊んでいるのは間違いなくCoCである。 ここから最も重要なことをもう一度申し上げておくが、TRPGというものの“成功”を考えるのなら、使うシステムが何であろうが、使うシナリオが何であろうが、結論、それで全員で楽しいと感じられるセッションを作り上げることができたのなら、それこそが「正しい遊び方」だと思っている。 ……と、ゴタゴタ言ってきたが、本音を言うと「多少仲良くなれたプレイヤーとやるとどちゃくそ楽しいので、多少仲のいいプレイヤーを作って1回やってから文句を言ってほしい」と思っている。まあ言い逃げするようなことなので、その楽しみを知る由もない方なのであろうが。さもありなん。