Keiさんの日記
Keiさんが書いた日記の一覧を閲覧できます。
日記一覧
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2024/12/30 00:00[web全体で公開] |
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2024/12/22 20:32[web全体で公開] |
😶 キャンプ場の怪物のお話 ご機嫌よう。 怪物の出るサマーキャンプ場で子どもたちを怪物から守る TRPG、Sleepaway を遊んでまいりましたの。といっても Sleepaway では直接的に怪物と戦うのではありません。怪物は神出鬼没で、PC たちが目撃するのはその爪痕です。本来は3〜4回のキャンペーンになりますが、今回は一回限りのプレイで、キャンペーンで遊ぶ場合の第二回の始まりあたりまでを取り扱いましたかしら。 今回キャンプ場の職員となる PC たちは、魔法もできる職人、無愛想なアスリート、怖がりのソングリーダー、そして最近キャンプ場にやってきたばかりの新人かしら。これらのキャラクターに加えて、Sleepaway では物語の舞台や要素は(森や野原、怪異やキャンパー、怪物さえも)PL 持ち回りで、それぞれに物語を進めるためのフックがあり、そうしたフックから話を広げていきます。 というわけで森の中をハイキングし、洞窟で悪ガキども(原文のニュアンスに沿っています)を怖がらせ、雨が降り始める中焚き火台の周りで悪ふざけを始めた悪ガキども(原文のニュアンスに沿っています)の相手をし、夜にいなくなった悪ガキ(原文のニュアンスに沿っています)を探しに森に行ったりすることになりました。その間怪物は3回出現してその爪痕を残し、不気味な雰囲気がいや増す終演になったかしら。これらの要素はすべて PL が語り、原理的には何度遊んでも同じ物語にはなりません。 また Sleepaway では設定要素の役はコロコロと入れ替わりますし、プレイの進行に従って実際に地図を作成し、その地図に登場人物等を記入したり関連を繋げていきます。このため今回は Canva を採用してみたのですが、割といい感じでしたかしら。 一方でゲーム自体は難しく感じることも多く(ルールが難しいわけではありません、というかむしろルール自体は非常に簡単です)、上手にはできなかったと反省するところもたくさんございますかしら。 とまれ、ご参加くださった皆さまありがとうございました。
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2024/12/21 18:50[web全体で公開] |
😶 アリスのすべて、シーズン4 ご機嫌よう。 3日前に行方不明になった友達アリスを巡って彼女に何があったのかを解き明かす TRPG、Alice is Missing(以下アリミス)を遊んでまいりましたの。ゲームは冬休み初日の土曜日から始まり、時期的にもまさにぴったりな開催となりました。 今回のアリスは、わたくしの視点では、料理が好き(でも作るものはちょっとアグレッシブ)なちょっとおとなしい女の子だと思っていたのですが、どうやらそんなことはないらしく、恋愛がらみ?のとんでもないトラブルに巻き込まれていたのかしら。個人的に途中で推理したことは悉く外れ(とはいえアリミスはシナリオで決まった答えなどはなく、ナラティブに進行します)、思っていたよりもぐちゃぐちゃな関係が浮かび上がってきたかしら。 最初の方は一体何が起こっているのかと右往左往していましたけれど、最終的にはうまく纏まって、この辺りのゲームデザインも素敵ですわ。 日本語版のないナラティブ系 TRPG ともなればご一緒くださる方も限られますが、アリミスはご参加くださったどなたにも満足いただけるようなタイトルですし、一定の体験が保てるルール的な仕組みがあり、しかも本編のプレイ時間が90分で終わるので(事前の準備とプレイ後の振り返りがありますので全体として4時間程度の時間がかかりますが)、わたくし本当に推しですしもっと多くの RP 好きの方に遊んでいただきたいですわ。 ご参加くださった皆さまありがとう存じます。
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2024/12/21 02:26[web全体で公開] |
😶 サンタクロースを題材にしたゲームのお話 ご機嫌よう。 皆さまのところにはサンタさんはいらしてかしら? サンタなんていない? そんなつまらない大人になってしまったあなたには、サンタさんを題材にした TRPG をご紹介しましょう(中には TRPG ではないものも混じっているかもしれません)。ほとんどが無料で入手可能なものですが、ゲームの出来については保証できません。当然全て英語です。 Congratulations! You’re the New Santa Claws! 北極はクリスマスを憎む敵に支配され、前のサンタは戦死しました。あなたが新しいサンタとなってクリスマスまでに敵を打ち負かすのです(でないと前のサンタと同じ悲惨な運命になります)……みたいなゲームです。 Dead of Night: Night of the Santa Claws Dead of Night という TRPG 用のシナリオですが、他のホラー TRPG にも簡単に変換できるそうですので。舞台はサンタクロウスという殺人鬼が現れる街、彼は一度も捕まったことがなく、生き延びた被害者もほとんどいません。そしてクリスマス前夜のリゾートで、新たな事件が起こります……PC たちはリゾートのスタッフまたは客となってサンタクロウスの犯行を止めなければなりません。 Dip, Spawn of Santa! サンタがプレゼントを配るために旅立った後の北極をモンスターが襲い、夜明けにサンタが戻ってくるまでこのモンスターを食い止めるみたいなゲームで、ベースシステムは24XXです。 Escape from Christmas Land サンタの奴隷からなんとか抜け出し、北極に戻るためにクリスマスランドの戦いを起き抜くみたいなゲームです。多分一人用。 For Your Elf Eyes Only Honey Heist という熊になって蜂蜜強盗になるゲームのハックで、エルフのスパイになってセガの最新ゲーム機を強奪するみたいなゲームで、舞台となる世界はドリームキャストがゲーム機戦争に勝ってセガは生き残り、クリスタル・ペプシも作られ続けている魔法の世界です。 Mission: Present Pursuit クリスマスイブの夜、世界中にプレゼントを配るために大忙しのサンタですが、荷物がソリから落ちてしまいました! PC はプレゼントを全て見つけサンタに届けなければなりません。クランプス(悪い子にお仕置きする悪魔)がイタズラする前に。 Rindeer Games トナカイとなってサンタのソリを引くのが誰になるかを決めるレースをするゲームです。レースでは様々な不正行為や妨害行為が行われますが……。 Reindeer Wranglers これまた Honey Heist のハックですが、クリスマス前夜に行方不明になったトナカイを探します。見つけられなければプレゼントを届けられません。 Santa’s Helpers サンタの助手となって、クリスマス直前の北極で工作や配達、整理整頓などの得意分野を活かして、子どもたちにクリスマスを届けられるようにサンタの手伝いをするゲームです。 Santa’s Security: Beta Squad またしても Honey Heist のハックです。クリスマス後、サンタが休暇に出かけた後の北極を守るゲームです。 Santa vs Santa サンタは高度な訓練を受けやる気に満ちた妖精を使って子どもたちにプレゼントや夢を届けます。でも、その仕事は予想以上に危険です。クリスマスを無くそうとする悪のサンタが戦争を仕掛けてくるからです。みたいなゲームです。 Shit, Let’s Kill Santa クリスマスにプレゼントを貰えなかった腹いせにサンタクロースを罠にかけるというゲームです。なぜか100種類のプレゼントの表がついています(とゲームの紹介ページに書かれています)。 The Blood on Santa’s Claws なんと Troika! のシナリオかしら? 冬至を間近にした街で宝物の一割が盗まれてしまい、というゲームです。 The Santa-Cide Squad さらに Honey Heist のハックかしら。12月23日の北極を舞台に、なくなったアイテムまたは人物を探し出しすゲームです。PC にはクリスマス精神を広めるいい子の面と、それ以外の悪い子の面がありますが、とにかく反クリスマス勢力を打ち負かさなければなりません。 This Thing about Santa’s Body これは多分ソロジャーナルかしら? サンタのお気に入りの妖精となって、クリスマス前の数週間にサンタの身に起こったことを記録していくゲームです。成人向け、不快な話題についての警告、サンタが体に生やしているもの……ちょっと下品なゲームかもしれませんわね? Zombieees! in Santa’s Village ゾンビの仲間と共にサンタ村を乗っ取ろうとするネクロマンサーを見つけて倒すゲームです。 面白そうなタイトルはありましたかしら? どれもこれも微妙と思われる方もいらっしゃるかもしれませんけれど。 それにしても Honey Heist のハックが意外と多くて驚きですし、元の良さが伺えますわね。
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2024/12/13 03:30[web全体で公開] |
😶 Glitch を読み進めていますので軽く紹介しましょう ご機嫌よう。 Glitch の訳を少しずつ進めていて、まあやっと15%くらい訳した程度なのですが、これが大変に面白そうなのですわ。 まあ訳すのは骨が折れて、超長文な上に不完全な文というのが連続しますので、機械翻訳を使ってさえ1ページ読むのに一時間とか平気でかかってしまいまして(わたくし英語は得意ではございません)、そんな感じですのでこれから書くことは全て間違っているかもしれません。 とまれ。 わたくしの個人的印象では、これは M:tA で言うところの昇華に達し(最早人間ではなくなっ)て、戦う理由すら失ってからのお話かしら。 とにかくゲームの舞台となる世界(現実世界でも未来を含む現実の歴史上の何処かでも遠い星でも異世界でもなんでも構いません)には不具合があり、この不具合に感染した存在(人間を含む)は壊れ、未来永劫、天国に昇っても地獄に落ちても輪廻転生しても、たとえ別世界に、異世界に転生したとしても、生物でないものに生まれ変わったとしても壊れ続けます。でも、不具合に感染しても生き残る人がいます。そうした人々は世界は間違っている、こんな世界は壊さなければならないと信じ、実際に世界を壊すために戦ってきましたし戦っています。戦いは世界の仕組みであり、現在進行中です。世界を壊すために? うぅん、世界が存在する前の世界に戻すために。戦いの相手は世界の不具合、世界を創造した力、世界の法則そのもの。その化身としての神や天使たち。そのための力を身につけて。PC たちもその一人でした。 でも、PC たちは戦いを止めました。不具合から生き延びたホンのわずかな人々、さらにその中でたった16人の戦いを止めることができた人。それが PC です。それでどうするのかというと……恐ろしいことに明示されていません(いくつかの提案は書かれています)。 力は失われていません。とんでもない現実改変能力を持ち、それはだいたい世界の法則を捻じ曲げ、書き換え、概念を壊すことができる程度なのですが、これまた恐ろしいことに判定がなく、コストさえ払えばそうなる仕組みのようです。もちろんコストはリソースですので、無尽蔵にできるわけではありません。ちなみにこのリソースの大半はプレイヤーが生み出します。「いいね」みたいな感じで。だからと言って、それでも無尽蔵に何でもできるわけではありません。 他のゲームではものすごく大変だったり不可能だったりすることができる一方で、他のゲームでは簡単なこと(宣言せずとも描写せずとも当然できるようなこと)が簡単ではありません。時には、歩いて信号を渡ることやコーヒーを淹れることさえ簡単ではありません。 そして面白いことに、ルールの対象はルールにまで及んでいます。あなたが遊んでいるのは Glitch ではありません。蛇足ですがルールには、このゲームは倫理哲学コメディである、みたいなことが書かれていたりします。あとルルブにはフレーバーのように色々な本からの引用があちこちに書かれているのですが、それら全てが実在しない本だったりするのも楽しいかしら。 わたくしのエントリを何度もご覧いただいている方でしたら、また何か訳の分からないゲームの話してると思われているかもしれませんわね? ともあれ、いまのところ是非とも遊んでみたいというモチベーションで少しづつですが進めていますの。
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2024/12/09 20:23[web全体で公開] |
😶 スラッシャー系ホラー・コメディ TRPG、Die Laughing の募集をしていますの ご機嫌よう。 スラッシャー系ホラー・コメディ TRPG といえばまあだいたいファイナルガールですが、ファイナルガールが自由すぎて何をしたらいいのか分からなかったり、ファイナルガールでさえマンネリになっている方でも(おそらく)楽しく遊べそうな Die Laughing の募集をしております。 まあぶっちゃけ、よりシステマチックになったファイナルガールと申しましょうか。一方で 1PL1PC 制ですが、自 PC ロスト後に与えられる役割があり、それがまた楽しそうかと存じます。逆に Die Laughing を通じてファイナルガールの遊び方がわかることもあるでしょう。 わたくしも参加している海外のコミュニティで最近何度か目にしていて個人的に気になっておりまして、遊んでくださる方を大募集しておりますの。おそらくですがファイナルガールと同様にB級未満のホラー映画を楽しんで見れるようになるという人生の特典もあるかと存じます。興味がおありの方がいらっしゃいましたらお気軽にご参加くださいまし。 https://trpgsession.click/session/173304937155kei29br2l
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2024/12/08 17:21[web全体で公開] |
😶 お腹が空く冒険のお話 ご機嫌よう。 せかいじゅごはん、遊んでまいりましたの。お店の名前は医食同源亭、そんなお店を経営するのは人間の貴族と花人の踊り子という凸凹コンビ。行ったダンジョンは最初から最後までほぼ森。できたお料理はこんな感じでしたの。 グリフォンの鳥頭カレー ~夜空瞬く望月カブを添えて~ レッドハムのフルーツ添えとマロンクリーム さて。 せかいじゅごはんはダンジョンで得た食材で料理を作って食堂を経営するゲームですが、得られる食材はカードで決まりますし、食材の質や料理の出来や集客などなどはダイスで決まります。ダンジョン内での戦闘は決められた数だけ。正直なところ、この「ゲームの仕組み」の部分は(成長ルールも含めて)だいぶ粗があるというのが(同人ゲームに対する評としては酷でしょうが)実際に遊んでみた感想かしら。戦闘シーンでは GM が連続でクリティカルを出してヒヤッとする場面もございました。それでも、どの食材で何を料理するかなどという話をするのは面白かったですし、というか正直なところダンジョンを出た後の何を作るかというお話の部分だけで十分に面白く、遊んでいてお腹が空いたのですわ。 ご一緒くださった皆さまありがとうございましたっ。
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2024/12/01 20:31[web全体で公開] |
😶 笑って死んでまだ生きている人にもっと笑える死に方をさせましょう ご機嫌よう。 先日ホラー・コメティ映画を作る TRPG、Die Laughing の紹介をさせていただきましたが、早速募集しておりますの。訳はルール部分に関してはほぼ完了、あとはプレイブック的なものとモンスターデータを残しておりますが、ともあれ、1月の土日祝開催目標で、興味がおありの方はいらっしゃいますかしら? https://trpgsession.click/session/173304937155kei29br2l
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2024/12/01 00:00[web全体で公開] |
😶 笑って死ぬお話 ご機嫌よう。 おそらく世界で唯一「ない」ことをテーマにした TRPG、Glitch: A Story of the Not を訳し始めたのですが、いきなり意味不明なポエムで始まる上に全体として気絶するほど分量が多く、魂がどこか遠くに、それこそ「ない」に引き寄せられそう……世界は間違ってる、そんな時にすることといえば、そう現実逃避ですわ。 というわけで(B級以下)ホラー映画を作る TRPG、Die Laughing をサクッと読みましたの。この分野にはファイナルガール(以下 FG)という偉大な先達がありまして、FG はびっくりするほど軽量なシステムでびっくりするほどファイナルガール(映画ジャンルです)できてとても面白い神システムなのですが、Die Laughing はどうかしら? FG とは異なり1PL1PC制ですが、FG と同様に GM なしシナリオなし、PC は途中で死んでしまうこともあり、というか面白おかしく死ぬことが推奨されています。PC が死んでも物語に関わる別の方法が用意されていますが、個人的に面白いと思ったのは「自キャラが死んだからって不貞腐れてるくらいならご飯を食べるなり寝るなりしてれば?」(超訳)というくだりかしら。これがまあ冒頭に書いてあるあたりで、雰囲気をお察しいただけるかしら。 一方 FG とは明確に異なる部分もございます。PC にはアーキタイプ(クラス的なもの)があり、ステータスもあります。また、シナリオなしといってもシーンはゲーム側で指定されていて、それが物語のフックにもなる形式です。シーンには主役があり、GM なしのゲームですが、主役の右隣に座っている PL は監督役になります。 シーンは最初に判定してしまう形式で、プレイする前に成功するか失敗するかを決めます。この時どのステータスを使うかは自由で、シーンは使ったステータスに関連した内容になります。失敗したからといって即座に死ぬわけではありません。ともあれやがてモンスター(怪物とは限りません)に襲われ、HP 的なものがなくなり、魅力的で記憶に残りそうな面白おかしい死に際を演出します。 加えて、映画の撮影現場的なハプニングを描写する仕組みもございます。 死ぬとどうなるかですって? プロデューサーですとか、PC(つまり俳優)のマネージャーですとか、脚本家ですとかの役割が回ってきて、いらん指示や演出をしたり好き放題……(それは言い過ぎです。 面白そうじゃないかしら。何をいえば必要 PL 数が最低4人とちょっと多いことですが、早速遊んでみたいゲームのリストに入れましたわ♪
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2024/11/30 16:51[web全体で公開] |
😶 ベースシステムのお話(第三回) ご機嫌よう。 主に海外インディーズ/ナラティブ界隈で使われているようなシステムを主に判定の面から紹介する会、思ったよりも長くなってしまっていて困っているのですけれど、今回で一旦最終回です。前回断りを入れ忘れましたが、前回も今回もわたくし遊んだことのないシステムが含まれ、誤りがあるかもしれませんので話半分程度にどうぞ。 ■ Year Zero Engine YZE は二つのシステムの選択制になっていて、一方はダイスプール、もう一方はステップダイスでスキルやステータスに d6 から d12 のダイスを割り振ります。いずれにせよステータス/スキル制のシステムです。 まずダイスプールですが、判定はスキルと関連するステータスを足した数の d6 を振り、6が一つ以上出れば成功で、6の出目の数が成功数となります。 ステップダイスの場合、ステータス/スキルに割り当てられたダイスを振り、どちらか一方の出目が6以上なら成功です。この時10以上の出目があれば、2成功として数えます。 どちらの判定でも2成功以上なら追加のボーナス効果が得られます。逆に6以上の出目が一つもない場合は目標を達成できず、何かしらのトラブルや悪影響に繋がります。YZE では判定に失敗することで物語の進行を止めてはならず、何かしら先に進めなければなりません。原則として一つの状況に対して判定のチャンスは一度だけです。一方で、プッシュという1以外の失敗の出目を一度だけ振り直す仕組みもあります。 判定には難易度があり、ダイスプールの場合はダイスの数が減り、ステップダイスの場合はより小さいダイスでの判定となります。 日本語版が発売されているザ・ループ TRPG では、ダイスプール制が採用されています。 ■ Powered by Lancer ナラティブプレイにも対応したロボットバトルもの TRPG で、ベースとなるシステムは D&D4e 時代の D20 SRD を元にしたものです。通常の判定は D20 + 修正値(スキルや難易度によって単純な値ではなく nD6 の最大値になることがあります)で、10 以上の出目で成功です。攻撃判定の場合目標値は対象の防御力以上で命中、20以上でクリティカルです。判定せずに失敗を選ぶこともできます。 戦闘時のターン行動は移動+アクションで、アクションはターンごとにフルアクション1回かクイックアクション2回かを選ぶことができます。 ■ Cairn Carn は D&D のような剣と魔法ファンタジーを極限まで軽量にしたルールで実現するという、システムとしては MörkBorg のような志向の TRPG で、クラスやレベルといった概念はありません。一応、単純なハクスラよりもキャラクターの背景や能力、環境などを活用した課題解決が推奨されています。あとルルブを読んでいて面白いのは「首ナイフ? 死ぬに決まってるだろ」みたいなことが書いてあったり。 複数のステータスがあり、判定は d20 でステータス以下の値なら成功です。ダメージ表現は HP とステータスの両方にあり、HP がなくなるとステータスが減少したり、HP がちょうどゼロになると特殊なことが起こったり(ステータスが上昇することもあります)します。 ■ QuestWorlds QW はかつて日本語版も発売された HeroWars の第三版に当たり、背景世界を限定しない汎用ルールとなっています。PC がどんどん強くなるマスタリーのシステムはそのまま残っています。ステータスは上限なしで成長しますが、20を超えるたびにマスタリーとしてカウントされます。例えば、7M(または7M1) なら27、13M4 なら93です。 判定はステータスの目標値に対して d20 です。 - 1:クリティカル - 2〜目標値:成功 - 目標値より大きく19以下:失敗 - 20:ファンブル ですが、マスタリーがあると判定結果の段階がマスタリーの数だけ上昇します。つまりステータスがnM1 ならファンブル以外で失敗することはありませんし、nM2 だと 20 以外の出目はクリティカルになります。加えて QW にはヒーローポイントがあり、消費することで判定結果の段階を一つ上げることができます。 ■ Hints and Hijinx H&H は TRPG というよりもソロジャーナル向けのルールなのですが、参考までに。 キャラクターには二つのスキルがあり、初期段階では d12 と d10 が割り当てられます。判定は以下のようになります。 - 1〜2:失敗、手掛かりなし、スキルのダイスを一段階下げる - 3〜4:騒動、手掛かりなし、スキルのダイスを一段階下げる - 5〜9:成功、一つの手がかりを見つける - 10以上:成功、二つの手がかりを見つける 判定結果によってスキルの段階は最終的に d2 まで下がりますが、ゲーム中に一回だけ、両方のスキルを全快することができます。 得たヒントによって仮説ダイスが d0 から d12 まで上昇し、最終的に仮説が正しいかどうかも判定で決まります。 - 1〜2:間違った仮説でひどい悪影響をもたらす - 3〜4:間違った仮説でいたずらな結果になる - 5以上:正しい仮説で事件は解決する というわけで三回にわたって長々と書いてきましたが、面白そうなものはありましたでしょうか。楽しいタイトルに出会えるといいですわね。
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2024/11/28 00:00[web全体で公開] |
😶 代償を伴う成功のお話 ご機嫌よう。 多くの TRPG には判定がございまして、まあだいたいその結果は行動の成否を表します。時にはクリティカルやファンブルのようなものもございますが、それにしてもだいたい成功は成功で失敗は失敗です。 ところで、ナラティブ系の TRPG の中には「代償を伴う成功」というものがございます。先日紹介していた(長文ですので読んだ方は数少ないでしょうが)システム群にも同種の表現がよくありました……代表的なものですと、Powered by the Apocalypse、Forged in the Dark、Breathless、まきびしなど。広く考えると、事前にトラブルを起こすことで後の判定を成功に導く FATE や Belonging Outside Belonging などもこの一種とみなすこともできるでしょう(BOB には判定はありませんが、成功を描くためにはトラブルの描写が必須です)。 それではは代償を伴う成功とは何でしょうか。 先に進む前に、なぜ判定するのかというお話をしましょう。なぜ判定するのかしら? 試みた行為が成功するかどうかを確かめるためだと考える方もいらっしゃることでしょう。でも違います。知りたいのは行為の成否そのものではございません。これが理解できないと、先に進むためには情報が必要で情報を得るためには判定に成功する必要がありその判定に失敗したので先に進まない(成功するまで判定し続ける)というロックを容易に生み出します。そうではなくて、確かめたいのは物語の行く末です。結果がどのようであれ(たとえ判定に失敗したとしても)物語は先に進む、けれど、どのようにして? これが代償を伴う成功の正体です。つまり物語の行く末は PL が意図したものになるかも、意図しなかったものになるかもしれず、その間に無限のグラデーションがあり、意図したように進行するにしても完全にその通りではなく、何か予想外のことが起こるということです。言い換えれば、プレイヤーが何を望んでいたかに着目してそれが中途半端にしか達成できない(ので問題が起こる)か、望んでいたことはできたけれど別の問題が発生するということです。 もちろん、そんなことを言われてもどうしていいのか分からない、シナリオに書かれているとおりに遊ぶ方がいいという方もいらっしゃるでしょう。それが良くないということではございません。どちらが好みか、どちらが楽しいかは人によって違うでしょう。このエントリは単に「代償を伴う成功」という概念があるという紹介に過ぎません。もちろん、わたくしは「代償を伴う成功」が好きなので、こちらよりの文章にはなっているかと存じますけれど。 ともあれ、あの長たらしいベースシステムのお話(次回があります)は、ほんとうはこれを書きたくて始まったのでした。
Kei | |
2024/11/27 21:24[web全体で公開] |
😶 ベースシステムのお話(第二回) ご機嫌よう。 主に海外インディーズ/ナラティブ界隈で使われているようなシステムを主に判定の面から紹介する会、先日の続きに参りましょう。 ■ Lost & Found (L&F) キャラクターではなく特定の物に秘められた物語に焦点を当てたシステムで、PC という概念もありません。物は製作者に作られ、利用者に使われ、特性を記述し、その見た目を実際に描き、プロンプトに答える形で詳細を描き、変化し、最後に破壊されます。 L&F には判定はなく、ステータス等もありません。 基本的に GM なしシナリオなしで遊びます。 ■ Caltrop System (まきびし) 振る機会の少ない d4 をフィーチャーしたシステムで、1〜数個のステータスまたはリソースがあり、ステータスの値の数、もしくはリソース消費に応じた数の d4 を振って最大値を採用します。 - 1:大失敗。物事が悪化しリソースを失います - 2:失敗 - 3 :部分的な成功。代償を伴うか中途半端な成功 - 4:成功 ■ Emerge8 こちらは d8 をフィーチャーしたシステムで、複数のステータスがあり、その値(または組み合わせの合計)の数だけ d8 を振って難易度以上の出目の数を数えます。 - 0:失敗 - 1:代償を伴う成功 - 2:成功 - 3以上:クリティカル ■ Breathless 複数のステータスがあり、そのステータスに応じたダイス(d4〜d12)を振って判定します。判定するたびにそのステータスのダイスは一段階悪化します。判定結果は以下のようになります。 - 1〜2:失敗 - 3〜4:代償を伴う成功 - 5以上:成功。出目が高いほど成功度合いも高い スタント(離れ業や特殊能力)があり、スタントを使用した判定は d12 になります。ですがスタントは一度使うと「一息つく」まで再使用できません。つまり次から次へと物事が起こり、判定はどんどん難しくなっていき、一度だけ逆転技が使えるというような状況の表現に特化しています。 基本的に GM ありで、PbtA と同様に特定の物語的状況に特化していて、システムによってシナリオがなかったり、その状況に合わせたシナリオを用意して遊びます。 ■ Charge SRD FitD の派生で、基本的な判定方法は同じ(指定された数の d6 を振って最も大きな出目を採用する)です。加えて、FitD の結果に加えて、上位二つの出目が共に6の場合はクリティカルとなります。 また、判定に成功するたびに「勢い」を得て、これを消費することで判定のダイスを増やすことができます。「勢い」を「チャージ」する、つまりそういうことですね(「勢い」にはその他の使い方もあります)。 Charge SRD 自体軽量ですが、さらに軽量化した派生版 Dash もございます。このエントリで記載した判定の基本は同じです。 ■ Firelights Creator Kit カードをシャッフルして2枚を引き、2d6 + 修正値と比較します。結果は以下のようになります。 - 合計が両方のカードの数字以上なら成功 - 合計が一方のカードの数字以上なら部分成功 - 合計が両方のカードよりも小さければ失敗(行動によって特殊な効果がつく場合があります) また、Firelights は判定以外でもカードを使用します。例えば探索のために引いたカードは世界の一部となります(数字によって接続方向の指示があります)。そうして世界を広げながら旅をして目的を達成するというテイストになります。 PbtA のようなプロンプトはありませんが、デザインが世界=物語のあり方を記述する形式になり、基本的に GM やシナリオはなしで遊びます。 ■ Songs and Sages Creator Kit D&D のセービングスローのような、ステータス(STR、DEX、WILL、HEART の四種類)の修正値 + D20 で目標値に対して判定するシステムです。ステータスの修正値はトランプを引いてスートで決まります。目標値は基本12ですが、シーンの危険度に応じた数のカードを引いてスペードかクラブの枚数の二倍だけ難易度が上昇します。目標値以上の出目で成功となります。 PC は判定に成功するとカードを一枚得て、必要な時にリソースとして消費することができます(例えば、判定に +2 の修正を得ることができます)。 ■ Push SRD 判定するのはその成否が物語を左右するようなことで、判定は一種の「賭け」です。判定のあるすべての TRPG において確率に委ねる=賭けということができるでしょうが、Push はその要素が強くあるというか二段階になっています。ステータスの類はなく、修正値などもなく、1d6 の出目によって以下のようになります。 - 4以下:代償を伴う成功。1d6 を振り足しても良い - 5〜6:成功 - 7以上:失敗。望んでいなかった(たいていは良くないこと)が起こる つまり、代償なしの成功にしたかったらダイスを振り足さなければならず、振り足すと失敗の可能性があるという仕組みです。 通常の TRPG であれば GM にするような設定やルールや物語の真相に関する質問も、同様に判定で結果を決めます。というか Push SRD はキャラクターの特徴からクエストの内容、個々のチャレンジに至るまでダイスで決定する仕組みで、基本的に GM なしシナリオなしで遊びます。 ■ 24XX SRD 基本は d6 で、スキルがあればより良いダイスを使用できます。スキルの評価は成長で d8 → d10 → d12 と上昇します。怪我していたり不利な状況では d4 になります。判定結果は Breathless と同様に以下のようになりますが、判定によってステータスが変化することはありません。 - 1〜2:失敗 - 3〜4:代償を伴う成功 - 5以上:成功。出目が高いほど成功度合いも高い ■ Mark of the Odd ステータスは STR、DEX、WIL の3つがあり、それぞれ 3d6 で決めます。判定は危険を回避する場合のみ行い、 d20 で 判定に使うステータスの値以下が出れば成功です。この際 1 の出目は常に成功、20 は常に失敗となります。 さて。この会は二回で終わるはずだったのですが、まだいくつか残っておりまして、次回に続くのですわ(もういいかげんダイスの振り方のお話はお腹いっぱいかしら?)。なお、d4 や d8 をフィーチャーしたシステムがあるように、d12 をフィーチャーしたシステムもあるようなのですが、今回は紹介するほどの情報を得られませんでしたの。
Kei | |
2024/11/27 00:10[web全体で公開] |
😶 ベースシステムのお話(第一回) ご機嫌よう。 ベースシステムといえば BRP、D20、SRS や サイコロフィクションなどがありますが、これらの有名どころ以外で海外に目を向けますと、さまざまなものがございます。そこで今回は中でもマイナーな海外インディーズ/ナラティブ界隈で使われるようなものを主に判定の面からまとめて紹介しましょう。とても長くなりましたので、本日は第一回です。これまでわたくしのエントリでは触れてこなかったシステムもございますし、遊んだことのないシステムもあり誤りがあるかもしれません。 ■ FATE すべてをアスペクトという短いフレーズで表現するシステムです。PC のステータスやダメージの状態もアスペクトですし、場面の状況もアスペクトです。PL は描写に対してアスペクトを追加することができますし(要判定)、場面にあるアスペクトは判定の際に全て利用できます。判定は何か面白い障害があり目標の達成を拒んでいる場合です。単なる探索行動に判定はありません。実際の判定は FATE ダイスという特殊な6面ダイスを4個振り、結果に自分のスキル評価、または運命点というリソース(自らトラブルを起こすと得ることができます)を消費して振り直しか +2 かを選びます。結果は必要な成功段階とロールの結果から求めます。判定結果は以下の四通りです。 - 失敗(深刻な代償と引き換えにした成功も含まれます) - 引き分け - 成功 - スタイリッシュ FATEではゲームシステム的な行為のアクションは4つにまで削減されていて、それぞれ克服する、優位に立つ、攻撃する、防御する、です。克服が大抵の一般行動をカバーするもので、優位に立つはアスペクトを追加またはアスペクトから利益を得るアクションです。攻撃と防御はそのままですが、FATE では PC のロストはありません。単に戦闘に負けてシーンから脱落するだけです。負傷段階によるダウンタイムの後(ダメージに関するアスペクトでボロボロでしょうが)再登場できます。 そして。FATE はそのじつ RPG ツクールからセッションが始まります。すなわち、舞台の設定等は参加者全員が協力して行います。ゲーム中に使用するスキルやスタント(特殊能力)もここで決めます。これをもとに GM は(もしかしたらシナリオという形で)舞台を整え、PL はキャラクターを作成します。 FATE には FATE Accelelated という簡易版システムがありますが直接の互換性ありません。Accelerated にはスキルがなく代わりに固定のアプローチがあり、アプローチの評価がダイスの修正になります。また、成長ルールなども異なります。 基本的に GM なしシナリオありで遊びます。 ■ Powered by the Apocalypse (PbtA) FATE がアスペクトのゲームだとすれば、PbtA はムーブとプロンプトのゲームです。ムーブというのは物語を駆動するしかた、もっといえば物語の進め方の選択肢です。ムーブが表現しているのは特定のスキルではありません。 PbtA ではキャラクター作成時に与えられたプロンプトに答えますが、自分の PC でも他の PL に決定権がある事項があります。たいてい 3〜4 個前後のステータスがあり、判定するのはムーブで指示されている場合のみ、2d6 + ステータスで結果は以下のようになります、 - 6以下:失敗 - 7〜9:代償を伴う成功 - 10以上:成功 加えて、ムーブあるいは判定結果にはプロンプトがあり、ムーブを選んでプロンプトに答えることで物語は進行します。プロンプトは自分で答えるほか、他の PC が答える、GM が答えるなどのバリエーションがあります。 PbtA 系のタイトルはそれぞれ特定の物語的状況に特化していて、基本的に GM ありシナリオなしで遊びます。 ■ Belonging Outside Belonging (BOB) PbtA の派生ですが、判定はなくステータスもありません。ムーブに強弱があり、強いムーブ(物事を解決する)にはリソースが必要で、リソースを得るためには弱いムーブ(トラブルを起こす)をする必要があります。強いムーブや弱いムーブは複数与えれ、望む物語の進行によって選択します。 BOB ではムーブによって指示されるプロンプトは必ず他の PC への問いかけです。加えて PC にはトークンを得ることのできる特定のフック(BOB ではルアーと言います)があり、他の PC の行動によってトークンを得ることができます。 また、BOB にはゲームのテーマに従った設定要素があり、設定要素の役割は各 PL に分担します。分かりやすく言えば設定要素ごとに GM 持ち回りです。一方、設定要素は特定の PL に割り当てるものではなく、交代制です。 基本的に GM なしシナリオなしで遊びます。 ■ Forged in the Dark (FitD) FitD は PbtA の影響を受けたシステムで、ムーブに相当する属性と複数のステータスがあります。 判定をするのは指定された条件に当てはまる場合のみです。基本的に行動の判定はその達成に危険を伴う場合のみ行い、加えて行動のリスク評価によって結果の描写が変わります。判定そのものは属性等で指示された数だけ d6 を振り最大値を採用します。 - 1〜3:失敗 - 4〜5:代償を伴う成功 - 6:成功 FitD では PL は描かれた状況に対して後出しで自分に都合の良い要素を追加することができます(代償として無茶さ度合いに応じたストレスを受けます)。 基本的に GM ありシナリオなしで遊びます。 ■ Lumen 判定そのものを見れば FitD と同じですが、リスク評価等はありません。Lumen は基本的に戦闘重視のシステムですが PC 側の攻撃や回避そのものには判定がなく、そこに至るまでの(ドラマチックな)行動に判定があります。 また、キャラクターの能力や装備等によって特殊効果があり、この効果はコンボ的に繋げることができたり、超強力な自爆攻撃などがあったりします。 ■ Montsegur モンセギュールのシステムは正確にはベースシステムとして扱われているわけではございませんが、採用されている例が複数ございますのでこちらで。 といってもステータスなし判定なしのシステムです。PC にはプロンプトが与えられ、それらのプロンプトと物語の進行に応じて与えられた情報がフックとなって PC 間の関係ひいては物語に作用するという仕組みで進行します。ゲームが扱うのは特定の物語的な状況で、GM もシナリオもありません。 ゲームシステムから物語に繋げるにもいろいろなやり方があり、判定一つとっても特徴がございますわね♪
Kei | |
2024/11/26 00:07[web全体で公開] |
😶 愛のために何ができるかしら ご機嫌よう。 deepl のファイル翻訳数がリセットされるまでの繋ぎとして購入またはダウンロードしたままディスクの肥やしになっていたタイトル群からページ数の少ない(文字数の少ない)ものをを漁って、For Her Lady’s Hand(以下 FHLH)をサクッと自分で遊べる程度に訳しましたの。 タイトルは、FHLH の導入の文です。 FHLH は、中世後期くらいの時代を背景に、女性どうしの禁じられた愛がバレて修道院に入れられてしまった恋人を解放する GM あり PL 1人の二人用ゲームです。ベースシステムはまきびし。ステータス等で指示された数だけ d4 を振って最大の出目を採用するというシステムです。FHLH の場合ステータスは3つ、加えてHP やリソースなどの概念があり、リソース消費でダイス目に修正がついたりします(複雑!)。まきびしシステムはソロジャーナル、ナラティブ系からオールドスクールまで幅広いインディーズゲームで採用例がありますが、FHLH はゲームの作りとしてはオールドスクールに近い構成です。 ルルブには修道院のフロアマップ(各部屋は空白)と修道院で遭遇する相手や部屋のリストが掲載されていて、それぞれマップ上のどこで出会うかは卓に任されています。加えて、遭遇等の解決方法やどのように恋人を助け出すかや、いつの時点からプレイを開始するのか(修道院を目前にした状態から始めるのか、それとも恋人が修道院に送られてしまった直後から始めるのか)も卓次第です。 読んでみて思ったよりもオールドスクールな作りだったことには個人的にちょっと残念な感じもあったのですが、とりあえず PL 一人にお声がけすれば遊べるので、ちょっとしたタイミングで遊ぶタイトルとしては良さそうかしら。これくらいの内容からどうやって盛り上げるのかを考えるのも楽しそうですわ。 以下宣伝ですが。 せかいじゅごはん試食会は 12/8(日) 13:00 開演であと一人募集しています。 https://trpgsession.click/session-detail.php?s=173192720976kei29br2l
Kei | |
2024/11/24 17:16[web全体で公開] |
😶 魔法少女のお話のお話 ご機嫌よう。 deepl のファイル翻訳数が上限に達していて大物の訳に取り掛かれないので、この機会にもう一つ気になっているタイトル、Girl by Moonlight(以下 GbM)の本文を取り出しがてらサラッと眺めてみましたの(30万文字ほどありますので、こちらも後でファイル翻訳にかけます)。そこで今回は GbM のお話をしましょう。 GbM はいわゆる魔法少女もの TRPG で、まあ国産 TRPG にもたくさん……軽く調べたところ商業作品は意外とないようですわね? ともあれ、GbM はわたくしもたびたび紹介している FATE や Thirsty Sword Lesbians でおなじみ EvilHat から出版されています。ベースシステムは Forged in the Dark。抑圧的な社会に立ち向かう魔法少女たちの悲劇と苦悩、自分自身を否定することによる心の痛み、本当の自分を受け入れながら人間関係を築いて得た力といったあたりのテーマがフォーカスされています。ちなみに魔法少女というのは立場であって「少女」あるいは「女性」でさえある必要はありません。はい、わたくしの卓ではお馴染みのジェンダー/クィアテーマですわよ。 ゲームは以下のように進行します。 - キャラクターが日常で期待されることを処理する - 物語に現れた破壊的な要素に反撃する(戦闘ルールというものは実質的にありません) - その解決がキャラクターの目標や日常にどのような影響を与えたかを処理する PC は条件を満たすと「魔法少女」になることができ、特別な力が使えるようになります。ただし、そうできる時間は限られています。そのほか様々なキャラクターと絆を結んで特別な効果を得たりもします。 そして、PC はストレス(ダメージ)が溜まると普通ではない精神状態になって、自分自身を傷つけたりします。この状態は仲間が助けるまで続きます。 判定はございます。物事を解決するための行動を選び、その行動に基づいて6面ダイスを複数個振り、最も高い出目を採用します(稀にダイスが0個になる場合があり、その場合は2つのうち低い方の出目を採用しなす)。6で成功、4〜5は代償を伴う成功、1〜3は失敗ですが、代償や失敗の厳しさは状況によって変わります。一方、フラッシュバックというルールで困難に対して事前に準備していたことを後付けで追加できたりします(代償としてストレスを受けます)。例えばオフィスに忍び込もうとして警備員に見つかった際に、その警備員と数日前に親しくなっていたことにすることができます。 加えてゲームには時間のルールがあり、即座に影響が現れない行動や結果を追跡し、PL は進行状況が一目でわかります。 ルールにはプレセットが4つ含まれていて、それぞれトーンが異なります。また記載された質問に答えることでゲームの準備をしますが、この際に要素をカスタマイズできます。カチッとしたシナリオとかの類はなく、フックから物語を駆動するナラティブ方式です。 ところで、掲載されている「崩れゆく空の下で」というプレイセットはまどマギに影響されていると記載されていますし、ちょうど来年「ワルプルギスの廻天」が公開されるようですし、これを機に遊んでみたいかしら(付属する中では最もダークなプレイセットのようです♪)。
Kei | |
2024/11/23 17:45[web全体で公開] |
😶 初めてのインセインでしたの ご機嫌よう。 インセイン初めて遊んでまいりましたの。インセインというかサイコロフィクションというか冒険企画局のタイトル自体現世では遊ぶのが初めてで、始める前は不安ばかりでしたけれど、難しくも楽しかったですわ。 インセイン自体の印象は、とてもシステマチックなゲームと申しましょうか。ふだんこのタイプのゲームを遊ばないので新鮮でしたわ。まあね、ゲームシステムがガチガチとも思いましたし、判定そのものに物語を駆動する要素がなく、判定に使う特技に関するフックもないので、最初のうちどうしたらいいのかとても迷いましたし、難しくもありました。それと今回の卓/シナリオでは問題ありませんでしたけれど、原理的に安全に対する配慮ができない仕組みだな、とも。 ともあれどういうわけかサムライの時代にタイムスリップし、悪霊を倒して帰ってきたのですわ。狂気カードは結構引きましたが顕在化することもなく、プライズを持つこともなく、クライマックスで活躍することもなく、メインシーンも調査しないとシーンが足りないという PL 的判断で調査に終始していました(一つだけとても気になった抜きたい秘密があったのですが、持っている PL に止められました)。 それでも秘密のせいで最初の方酷い目にばかり遭いまして、心配した PC に助けられたりと結構エモかったですし、ご一緒くださった方の RP も素敵で、シナリオ的な展開も面白かったですわ。 上手にはプレイできませんでしたけれど、ご一緒くださった皆さまありがとうございました。 以下宣伝ですが。 せかいじゅごはん の試食会の募集をしております。興味がおありの方はいらっしゃいましたら、是非。 https://trpgsession.click/session-detail.php?s=173192720976kei29br2l
Kei | |
2024/11/19 01:04[web全体で公開] |
😶 悪夢を消しに行って悪夢を生み出す(かもしれない)お話 ご機嫌よう。 昨日の DGC に続いて、別のタイトルを訳し始めましたの。また BOB タイトルですし、こんなに BOB に言及しているのは日本ではわたくしくらいかもしれませんが、(上手に遊べるかどうかは別として)推しですのでね。 そんなわけで、今回ご紹介するのは Psychodungeon ですの。物語の舞台は SF ファンタジーの世界ですが、人々のトラウマが限界に達すると、その悩みが悪夢でいっぱいのサイコダンジョンとして物理的に現れるという設定で、PC はサイコダンジョンを一掃して閉鎖する仕事で生計を立てています。 今年春頃に Kickstarter で資金調達していて、製品が出たのはつい最近ですが、割と好評なようですので早速見てみましたの。 ゲームの概要は先に書いた通りですが、まあ BOB ですから注意を要するタイトルですわよ。悪夢のサイコダンジョンの由来となる出来事はブラック労働、最悪の思春期時代、毒親、学校のつらい出来事、つらい恋愛、社会に馴染めないこと、孤独、性同一性障害、医療外傷、経済的困窮などで(はい、注意を要するテーマです)、もちろん詳細を描くのは PL です。こうした由来は怪物やら何やらの姿になって現れます。 ところで、Psychodungeon には BOB に珍しい固定された役割がございまして、一人はクライアント、というのはもちろんダンジョンを出現さえた本人ですが、としてその悪夢をダンジョンに反映させることに集中します。一方でダンジョンはクライアント以外の PL が交代で演じます。ダンジョンはクライアントの欲望によって、あるいは PC が逃げたり混乱したりするたびに強力になっていきます。 PC は最終的には出現したダンジョンを閉鎖しなければなりません。方法は PL に任されます。これは同時にクライアント、を立ち直らせることでもあります。そして、もう一つ BOB には珍しく、PC にはストレスメーターというステータスがあり、溢れると自分自身がサイコダンジョンを発生させます。 面白そうじゃないかしら。 ところで。 たまには?こういった注意を要するのではない TRPG を遊んでみましょうということで、せかいじゅごはん の募集をしております。興味がおありの方はいらっしゃいましたら、是非。 https://trpgsession.click/session-detail.php?s=173192720976kei29br2l
Kei | |
2024/11/17 23:13[web全体で公開] |
😶 大いなるクトゥルフよ、私に超能力を与えないでください ご機嫌よう。 先だって触れた Glitch の本文取り出しは(泣きそうになりながらも)無事終了しまして、機械翻訳に……いえ、文章量の関係でファイルが三分割になってしまい、今月はあと3ファイルの余裕がありませんので来月に回すことにしまして。 一方でインセインの卓を見つけて募集したのですが、わたくしインセインは所持しておりますが遊んだことはなく、というかルルブを読んでな……こほん。なので予習をしなければならないのですわ。 ところで、わたくし「しなければならない」というプレッシャーから逃避するのが得意ですので、ここぞとばかりにコミュ障陰キャになってパーティで嫌な思いをする This Party Sucks と、そしてこれから触れます Dear Great Cthulhu, Please Stop Giving Me Superpowers!(以下 DGC)をサクッと訳していたのですわ。 さて、DGC はわたくしのエントリでは何度も触れている Belonging Outside Belonging(以下 BOB)をゲームシステムとして採用しているゲームで、他の多くの BOB 作品と同様にクィアネスもテーマにしています。誤解のないように補足しておきますが、テーマにしかたというのはコレクトネスな方面ではなく、居場所のない人々という方面で、です。ですが DGC では他の多くの BOB タイトルとは異なり、シスヘテロなキャラクターで遊んでも構いません。 それではどんなゲームかというと、グレート・オールド・ワンの使者となって(信仰するといった意味ではなく、どういうわけかそうなってしまいます。選ばれてしまうのです)、その証に自分の身体が変異していくというゲームです。余計な腕が生えたり羽が生えたり触手が生えたりと色々なことが起こりますが、それで、どうやって生きていきます……? というゲームです。BOB ですのでムーブ(物語につながる選択制の行動)には強弱があり、厄介ごとを解決するには強いムーブをする必要があり、強いムーブをするためにはトークンが必要で、トークンを得るためには厄介ごとが発生する弱いムーブをしなければならず、さらに弱いムーブを選ぶともれなく追加の変異がついてきます。 そう、欲しくもない変異がどんどんついてきて、どんどん厄介ごとが起こるという、そういうゲームですの。 BOB らしく物語の終わり方は定められておらず(わたくしのエントリでは何度も触れているので蛇足ですが、BOB は GM なしシナリオなしステータスなし判定なしのシステムです)、つまり、PL の同意と語りによってのみ駆動しますので、どうにもならないという終わり方になるかもしれませんわね。 ともあれ、楽しそうじゃないかしら♪
Kei | |
2024/11/15 22:31[web全体で公開] |
😶 存在しないこと、もしくは存在についてのお話 ご機嫌よう。 というわけで Glitch - A Story of the Not に取り掛かったのですが、本文を取り出すだけで心が折れそうですの。 ゲームの初めに書かれた最初のルール。ルールゼロ。あなたが遊んでいるのは Glitch ではありません。 作者がインタビューで語った言葉。ルール通りに遊んだら失敗するでしょう。なぜならルールゼロを破ることになるから。 もう既にアタマがこんがらがってきましたが、存在しないことをテーマにしたおそらく唯一の TRPG で、PC は存在しない神の化身としての人間? かしら??? 文字数にして150万文字以上ありますので、おそらく何度もココロが折れて最低限遊べそうな訳に到達するのに一年くらいはかかるでしょうが、ともあれ現場からは以上ですわ。
Kei | |
2024/11/14 21:46[web全体で公開] |
😶 この中に犯人がいる……ことはたいして問題ではないお話 ご機嫌よう。 Wraith: the Oblivion の訳がとりあえず自分で最低限遊べそうな程度になんとかなりましたので(何度も何度も心が折れる長い戦いでしたわ)、早速次に取り掛かりましょう。 というわけで The Marquis of Ferrara を(こちらも自分で遊べる程度に)訳したのですわ。訳しながらなんとなくルルブに既視感を感じていたのですが、Witch: The Road to Lindisfarne の会社でしたのね。こうなると同社の別の TRPG、Sail the Stars なんかにも興味が湧いてくるところなのですが、それはさておき。 The Marquis of Ferrara はおそらく14世紀頃のイタリアを舞台にした TRPG で、ゲームシステムはモンセギュール1244のハック。つまり GM なしシナリオなしステータスなし判定なしでキャラクターは選択制のゲームですの。フェラーラ公爵が何者かに殺され、犯人は PC の中にいます。が、犯人を探すことはゲームの目的ではなく、自分が次の公爵に選ばれるための陰謀撃です。それを駆動するための幾つかのフックがあり、物語はロールプレイのみで描きます。 面白そうじゃないかしら。ぜひ遊んでみたいのですけれど、こうしてお声がけ予定のタイトルばかりどんどん溜まっていきますかしら。 まあね、ほんとうは Glitch - A Story of the Not が気になっていて訳そうと思ったのですけれど、分量があまりに多くって、短いものに逃避しているところはございますけれど。