Keiさんの日記
Keiさんが書いた日記の一覧を閲覧できます。
日記一覧
Kei![]() | |
2025/04/14 00:05[web全体で公開] |
Kei![]() | |
2025/04/12 20:00[web全体で公開] |
😶 秋の夜長の廃工場探検のお話 ご機嫌よう。 Kids on Bikes をようやく遊べましたの。1960年代から90年代くらいの人里離れた田舎町に暮らす住人になって何かしらの怪奇事件に遭遇するみたいなゲームです。上記の条件を満たす範囲で舞台設定は自由というかセッションの最初に全員で作成で、今回は70年代のロードアイランド州、繊維産業が衰退した海沿いの町、魔女がいるみたいな設定となりましたので、これを元に色々調べたり AI に尋ねたり地図を作ったりしながらシナリオを作りまして。シナリオといってもナラティブ系らしく、PL の方々に決めていただいた設定をもとに場所や主要 NPC、そして開始時の状況を決めるだけですけれど。 ところでゲーム中に現実の地図データを使いたい場合、国内でしたら国土地理院の地理院地図をお使いになられる方もいらっしゃることでしょう。なにしろ道路・鉄道・地図記号・ラベルの表示非表示を自由に制御できてスタイルも自在、画像として出力してゲームに合うように加工すれば一気に本物感ある地図ができるのですから。これの海外版が欲しい……それがございますのよ。Open Street Map を元に道路やラベルを自在に出したり消したりできるサービスが。Open Street Map ですので世界中のどの場所の地図も利用でき、操作できます。素敵。複数のサービスがあるようですが、今回使用したのは Maputnik で、作成したスタイルを保存して別の地点で再利用できるほか、スタイルやレイヤーの定義次第でいろいろできるようですわよ。ともあれ今回は選んだ場所の地勢と州道以外全部消しまして、出力した画像に Affinity Designer で道路・主要建築物・ラベルを書きながら町を「建設」したのですが、楽しい♪ あっという間に8時間くらい溶けましたわ(わたくし設定厨のところがございまして、こういう作業は大好きです)。 ともあれそんなわけでセッションですが。 秋の夜長に廃工場に忍び込んだ悪ガキたちの無線のただならぬ様子をたまたま聞いた PC たち(子どもから大人まで幅広い年齢層です)はさっそく廃工場に出かけて行ったのでした。工場に入って懐中電灯に照らされる中を横切ったのは黒猫。PC たちは魔女絡みだと言い出しましたので、まあ黒幕は魔女ということにしまして(環境保護団体や地上げ屋はては宇宙人など何でもあり得たのですけれど、設定にも魔女というワードは出ていましたので黒猫だけで誘導しました)。あとはジュブナイル冒険ものらしいお約束びっくり要素をいくつか出しまして。この最中にもトランシーバーを持っている PC が悪ガキたちが歌っているのが聞こえるなどという要素を加えてくださいましたので、それなら彼らとご対面させてあげましょうということにしまして、悪ガキたちがちびりながら必死に歌っているところに PC たちは颯爽と?現れることになりました。PL の方々はただ子どもたちを助ける雰囲気ではなさそう、つまり魔女と戦いたそうでしたので、魔女も登場させまして。けれど遊んでいるのは Kids on Bikes(戦闘は一撃死の可能性があります)、事前に決めたトーンは怪奇コメディ、暴力的戦闘シーンはノーサンキュー、ですので超能力持ちキャラクター(全 PL が共同で操作します)を上手く使ってケリをつけ、魔女は捨て台詞を残して飛んで行きましたの。 ワンショットのセッションでしたので、最後に PC たちのエピローグを自由に語っていただきまして。 なおゲームのタイトルは Kids on Bikes ですが、今回は PC に裕福な大人がいましたので、普通にクルマで移動しました。まあね、子どもが自転車で行ける程度の冒険の物語にはなったかしら。 さて、Kids on Bikes は近年のナラティブ系システムとしては珍しく判定が多く、それらの判定は失敗が前提で、失敗することによってポイントが貯まり最後に逆転するみたいな(ちょっと FATE ぽくもある)味付けのデザインなのですが、(わたくしが温情 GM だという点を除いても)意外と思ったよりも失敗せず、今回遊んだ印象では状況や難易度をもっとプッシュした方が良さそうでしたかしら。といった反省もございますが、とまれご参加くださった皆さまありがとうございました♪
Kei![]() | |
2025/04/08 21:48[web全体で公開] |
😶 魔法少女もの TRPG のお話 ご機嫌よう。 今年はワルプルギスの廻天が公開予定ですので、魔法少女もの TRPG でも……というわけで、Last Hope の訳に取り掛かっておりますの。デザイナーはカナダの方かしら。本来なら Girl by Moonlight といきたいところなのですが、あちらは分量が多く、他に取り掛かっているものもございますし、これくらいの分量ならと。 Last Hope は魔法少女(便宜上魔法少女と呼びますが性別やジェンダーは問いません)となって、彼方の世界からやってきて人々を苦しめる堕天使やシャドウと戦う、みたいなゲームです。ギフトという力を説明なしに与えれれて魔法少女になり、その力を使い続けると魂が堕落して堕天使になってしまうという、どこかで見たことがあるようなシチュエーションが再現されています。 ベースシステムはまきびし、つまり d4 を n 個振って最大値を採用します。加えてダウンタイム概念などが追加されていて、ちょっと FitD ぽさもあるのかしら? 用意されている魔法少女のアーキタイプは6種類(常時発動の能力など少し Lumen ぽさも感じます)でレベル概念もあり、レベルに応じて必殺技のようなものも使えるようになります。 ルルブによると抵抗がなければ実在の日本の都市を舞台にして遊んでも良いようですが、幌原市という架空の都市設定がついていて、海外の方が見る日本が垣間見えてちょっと面白いかしら。
Kei![]() | |
2025/04/07 21:54[web全体で公開] |
😶 敗北すると定められているゲームのお話 ご機嫌よう。 最近連続してモンセギュール系の TRPG を訳しておりましたが、たぶんおそらく現時点でわたくしが所有する中では最後の Red Carnations on a Black Grave を自分で遊べる程度に訳しましたの。時は1871 年、パリ・コミューンに参加したモンマルトルの労働者や国民衛兵となって、彼らが何故、何のために闘ったのかを描く、みたいな TRPG です。現実の歴史と同様にゲーム中のパリ・コミューンもヴェルサイユ政府軍の攻撃で何千もの犠牲者を出して崩壊します。PL は二人の登場人物を演じますが、その一方はヴェルサイユ政府軍の攻撃で命を落とします。もう一方は攻撃自体は生き延びますが、エピローグで命を落とす可能性があります(例えば処刑されるなど)。 PC は選択制(貧困や喪失といったテーマが含まれ、子どもや性労働者もいます)で数値的なステータスや判定はなく、エピローグまで生き残った PC の運命は最後の選択に対応したカードで(そこに示された問いにどう答えるかによって)決まります。 モンセギュールも、そのアイディアの元となった青灰のスカウトも、先日訳していた The Price of Coal も、そして今回訳した Red Carnations on a Black Grave も敗北が決定付けられているゲームです。PC が属している集団の目的即ち超目標を達成することは決してできません。青灰のスカウトには判定がありますが大きな代償を伴いますし、それ以外のゲームには判定すらなく、歴史の流れに翻弄されます。 どうかしら。面白そうじゃないかしら。
Kei![]() | |
2025/04/03 21:19[web全体で公開] |
😶 TRPG に関する賞のお話 ご機嫌よう。 海外の TRPG で面白そうなものを探す際の一つの一つのやり方に、賞を受賞した作品というものがございます。そこで今回は TRPG に関する賞のお話をしましょう。 おそらく現在最も権威があるのは(様々な問題が指摘されてはいるようですが)オリジン賞とENNIE 賞でしょう。ENNIE 賞は2002年から開催されていて、授賞式は GenCon の看板イベントとなっています。出版社が自社作品をノミネートし、審査員による審査を経た作品から一般投票で競います。システムのほかシナリオ、プレイエイド、アートなどの分野があります。 ENNIE 賞に近いものとして、CRIT 賞もあります。こちらは2023年からと新しく、よりオープンなノミネート方法になっているほか、ベスト公式 GM やベスト Youtube、Podcast などといった部門があるのが特徴です。 特にインディーズゲームを探す場合は、IndieCade もあります。独立系ゲーム全てを対象に2005年から開催されていますが、部門の一つに TRPG があり、アメリカでは IndieCade Festival も行われています。インディーズ作品を対象とした賞には、IGDN による Indie Groundbreaker Awards などもあります。また、2017年までは Indie RPG Awards もありました。 The Awards はヘンな TRPG を対象としたもので、2022年から開催されています。残念ながら2025年は非開催だそうですが、主催者は2026年に再始動すると宣言しています。 ボドゲ関連の賞で TRPG 関連の部門もあるものとしては、Golden Geek Awards がありましたが、2020年から RPG 部門は消滅しています。 ディアナ・ジョーンズ賞はゲーム開発における卓越した功績に対して与えられる賞です。製品だけでなく企業や個人、イベントなども対象で、人気や売上は考慮されません。過去に TRPG がノミネートされたこともあります。受賞は審査員による審査で決まり、GenCon で発表されます。1980年代半ばに TSR UK がインディ・ジョーンズ TRPG のライセンスが切れた際に、売れ残った一冊を燃やしてアクリル封入したのが始まりで、その時に燃え残った表紙から読めた文字が「dianna Jones」だったことに由来するそうです。
Kei![]() | |
2025/03/31 20:47[web全体で公開] |
😶 疫病とともに生きるお話 ご機嫌よう。 The Price of Coal を訳して卓まで立ちましたので、晴れて Glitch の訳に戻……るかと思ったのですが、なぜか A Plague Among Us に取り掛かっておりますの。 A Plague Among Us は1665〜1666年にかけてのロンドン大疫病(ペストの流行)を舞台に、老齢で独り身の女性となって(生活のために)ペスト患者を見分け隔離するという仕事をしながら(当然ながらこの仕事は誰にも歓迎されません)、彼女たちが何を恋しく思い、何を失い、その体験が生き方にどう影響を与えるかを描く、みたいな TRPG です。PC にはささやかな夢がありますが、それが叶うことはまずありません。 ベースシステムはモンセギュール、すなわち数値的なステータスや判定の類はなく、ルールで示された状況を描写することで物語は進行します。 楽しそうじゃないかしら?
Kei![]() | |
2025/03/30 15:32[web全体で公開] |
😶 訳から立卓まで最短記録でしたの ご機嫌よう 昨日書いていた The Price of Coal ですが、気絶している間に自分で遊べる程度の訳どころかココフォリアの部屋までできていて、その上卓まで立っておりましたの。たいへんに重めな社会派 TRPG とも言えるタイトルですが、このようなゲームにも興味をお持ちいただき、ご参加くださる皆さまありがとう存じます。
Kei![]() | |
2025/03/29 21:42[web全体で公開] |
😶 訳に行き詰まって別の訳を始めるお話 ご機嫌よう。 Glitch を訳しているのですが、もう全然進まなくって。分量が多い上に文章が訳しずらく、独自の意味を与えられた用語もとても多く、疲れましたの……。Glitch は間違っている世界を舞台に世界を間違わせている力(その象徴としての神や天使など)と戦う……ことをやめた PC たちの物語を描く、コストさえ支払えば概ね何でも……は言い過ぎですが他の TRPG では到底不可能なことができる、その代わりに非常に簡単なことが決してできなかったりする、そして意味がだんだんぐしゃぐしゃになっていくという TRPG かもしれません。数値的なステータスはございますが判定はないという一風変わったシステムで、基本的に PC に奇跡的な強い能力を与えれば与えるほど普通のことができなくなっていき、普通のことができるようにするとコストが重くのしかかってくるという仕組みです。 ともあれ今年中に自分で遊べる程度の訳をしようと思ってはいるのですが、ちょっと疲れ……。 そんな時にすることといえば、そう現実逃避ですわ。というわけで The Price of Coal の訳を始めましたの。The Price of Coal はブレア山の戦いというアメリカ史上最大の労働者蜂起を題材にした TRPG で、PC たちはこの蜂起で立ち上がった鉱夫とその家族ですが、蜂起は何をどうしても絶対に失敗し、必ず悲劇で終わります。ステータスや判定などは一切なく、カードに書かれた状況からシーンを描くことで進行するというモンセギュール1244に似た形式のシステムです。楽しそうでしょ? ともあれわたくし通常は本文を取り出してエイっと訳すのですが、今回はルルブのカードの形式のまま本文を日本語に置き換えて、カードとして出力して遊べることも目指しておりますの。
Kei![]() | |
2025/03/28 22:19[web全体で公開] |
😶 ネガティブなエントリでも良いのではなくて? ご機嫌よう。 正義の名の下で暴力を振るう、それがどんどんエスカレートしていくという TRPG を探したのですが、わたくしが所有する中ではすぐに見つかりませんでしたの。それはともあれ。 わざわざ自分から刺しに行って、刺されるのは刺される側が悪く自分は正しい、言い換えれば正しければ暴力を振るっても良いという感覚が、わたくしには全く理解できません。多くの TRPG には正義の名の下での暴力が含まれていますが、これはゲームだから許されることです。ですが現実には誰もが様々な意見や感情を持ち、それを表現することができます。ネガティブな気持ちになることもありますし、そうした気持ち自体を表現すること自体には何の罪も問題もございません。自由にやればよろしい。誰かに聞いてほしい、共感してほしいんでしょう? そうせざるを得ないんでしょう? 誰が悪いと言っているわけでもないお気持ちを言う、たかだかその程度の人を殴る理由も殴って良い理由も分かりませんし、そうして良い理由が広く共感を集めるというのは、わたくしが好む世界のあり方ではございません。 わたくしに理解できるのは、そのようなお気持ちを表明するに至った人に対して「酷い目にあったね、じゃあウチの卓で遊ばない?」と手を差し伸べることです。あるいは「どうしてそんなことを言うの?」と尋ねることです。ここには当事者にしか分からない背景があり、表出した表現自体で判断することはできません。それができないなら、黙っていればいい。わたくしは、TRPG とはこういうものだ、コミュニティではこういう発言しかしてはならない、こうすべきだ、というような場所は求めておりません。モデレーターでない人のモデレーター気取りの発言が同意とみなされるようなコミュニティが健全だとも到底思えません。 もちろんわたくしとは異なった考えをお持ちの方もいらっしゃるでしょうし、そういったご意見は自由に仰ればよろしい。けれど、わざわざ暴力を振るって自己を正当化するという行為は、いささか「自由」からは逸脱していないかしら?
Kei![]() | |
2025/03/26 18:22[web全体で公開] |
😶 マンチキンの歴史のお話 ご機嫌よう。思いかけずマンチキンというワードが飛び込んで参りましたので、今日は H. Tucker Cobey による「Tracing the Origin of “Munchkin”」の抄訳です。そもそもマンチキンというのは(悪い意味での)「お子様」「ガキ」という意味ですが、どんな意味で、どこから来て、どう広まったのでしょうか? 蛇足しておきますがマンチキンというのは猫の品種ではなく TRPG プレイヤーの品種です。 マンチキンという言葉は1970年代後半には D&D 界隈で用いられるようになっていました。そこには(まだ発売から5年しか経っていないにも関わらず)「古参」と「新参」の違い、特に新参とされた人々の年齢層が低かったという背景があるようです。1979 年には既に「新参のガキどもはゲームの邪魔や迷惑行為を楽しんでいる」という内容のテキストがあります(Dr. Gary Alan Fine’s Shared Fantasy, APA-DuD #23)。 James Desborough & Steve Mortimer の 1999 年の著作「The Munchkin’s Guide to Power Gaming」でも、マンチキンは9〜13歳のお子様で、ほとんどの人にこの傾向があるという記載があるほか「肉体的にも精神的にも幼い」という意味で使われていたという証言もあります。 1980年になると、Glenn Blacow による「Aspects of Adventure Gaming」で、プレイスタイルの分類がなされます。これがおそらくプレイスタイルの最初の分類と思われますが、この文中で「多くのキャンペーンはパワーゲームから始まるが、進行するについれてスタイルが変わっていく。一方で若者が新たにキャンペーンを始める際もパワーゲームから始まるので幼稚というレッテルが貼られる」と語られています。 そして1985年、Jeff Okamoto の手で「Real Men Don’t Play Fantasy Role-Playing Games」が書かれます。これがマンチキンテキストとして知られる文章ですが、その定義は他のスタイルを挙げた上で「これ以上何かいう必要ある?」というシンプルなものです。 それから40年経って、マンチキンという言葉は「好みでないプレイスタイルで遊ぶ人」として今でも使われていますが、本来はジェネレーションギャップから生まれたものです。 抄訳ここまで。ここから先は日本語版に関する蛇足ですが。 日本でマンチキンという言葉を広めたのはおそらく非常に高い確率で馬場秀和でしょう。今でもサイトは稼働していて、マンチキンテキストも読むことができますが、後に更に脚色された版の訳のようで、上記の原文にはない文章が含まれています。また一応個人的な思いで注意をしておきますと、馬場氏自身が非常に偏ったタイプのプレイヤーと思われますので、そう知った上でお読みいただくと良いかしら。 いずれにしても、日本ではマンチキンという言葉はちょっと違った方向の意味を持つようになりました(Wiki 自由研究によると日本における意味の変遷の過程に朱鷺田祐介氏が関わっているようですが、わたくしそのあたりは存じません)。 それはともかく、今回改めて原文を軽く眺めたりして「Real Men Don’t Play Fantasy Role-Playing Games」に挙げられたプレイスタイルの分類にサンディおじさま(CoC の作者)が関わっているという部分が新鮮でしたわ。ともあれ原文は少なくとも歴史的経緯からすれば怪文書ではございませんし、当時のサブカルチャーの状況を表したテキストですし、マンチキンの扱いも悪い意味でのお子様/ガキというニュアンスの方が強いかと存じます。 最後に、原文を読んでいないので紹介文からの推測ですが、日本でいう「我儘で聞き分けがない」という意味でのマンチキンを最初に大々的に取り上げたのは「The Munchkin’s Guide to Power Gaming」かと思われます。そうした遊び方としてキャラクターのステータスを不正に操作し、ルールを曲げ、不利な結果をやり直し、GM を買収し、NPC のアイテムを盗む方法などが書かれているそうですわ。もちろんジョークとして、パワーゲームというプレイスタイルを前提に。出版社が Steve Jackson Games、出版年がマンチキン・カードゲームの2年前ということから、これがマンチキン・カードゲームの元と考えられることもあるようですわね。
Kei![]() | |
2025/03/24 19:51[web全体で公開] |
😶 娘が可愛すぎたので崇拝したお話 ご機嫌よう。 灰色城綺譚「剣よさらば」を遊んでまいりましたの。GM / PC3 として遊びましたが、灰色城らしからぬ難しさを感じましたし、灰色城でこんな葛藤もあるのかと新鮮なところもございました。プレイ中はいろいろな方向性を考えたのですが、上手にはできなかったこともございましたし、灰色城らしくないかもしれないところもございましたかしら。シナリオに書かれている部分の描写も弱く、それ以外の部分に焦点が当たった印象もございます。それでもご参加くださった方からは好評のお言葉をいただき、ありがとうございました。 ともあれ。 わたくし扮する PC3 の PC2 に対する愛情には疑問がなかった(というか娘を溺愛しすぎるダメ親だった)と思うのですが、それが狂信へと変わる過程を楽しめたという点は良かったかしら。わたくしとしてはそれを表現しただけなのですが、ご一緒くださった方々には PC3 が怖かったという感想を頂戴しておりますし、PC2 が(比喩的な意味で)天使だったのですが、その決断を導いたという点でもわたくし自身は満足しているところもございます。もちろん、PC1 と PC2 にもっと辛い決断を迫ることができれば、もっと良かったのですけれど。 物語そのものはバッドエンドでもメリーバッドエンドでもなく、誰も剣とさらばできず、この後のメリーバッドエンドを想像させるような終わり方になりました。 ご参加くださった皆さまありがとうございました。
Kei![]() | |
2025/03/21 20:31[web全体で公開] |
😶 冒険者と経済のお話 わたくし経済は素人ですので、よくて話一割程度のつもりでご笑覧ください。 ご機嫌よう。 先日、中世ファンタジー世界の冒険者はそもそも数が少ないはずだという興味深いエントリがございました。 わたくしも似たような動機で、冒険者ギルドがなぜ存在できるのか分からないと考えていた時期がございます。そこで、今わたくしが思うとろころを書いてみましょう。 前提として、商人が都市に集まるように、冒険者も都市に集まるのは自然な流れのように思われます。物資を求めて、冒険に必要な珍品を得るため、あるいは冒険で得た物品を換金するため、もちろん人の移動があるのなら当然情報も人が集まるところに集積されるでしょうから、そうした情報を求めるのかもしれません。 経済面から考えれば、一旦冒険者たちが集まれば、彼らに仕事を斡旋したり仲介したりすることで利益を上げようとする人も出るでしょう。殊更に冒険者によって富がもたらされるならば。これが組織されると恐らく冒険者ギルドになるのでしょうが、ともあれ、そうした人々が依頼を達成するには一つの冒険者グループだけに依頼するのではリスクが高すぎ、従って複数の冒険者グループに同じ依頼を任せて競争させるのも自然な流れで、ダンジョン探索の利益が大きいのなら、当然ダンジョンにより多くのリソースを割くと考えられるかしら。こうした競争の促進は冒険者のモチベーションにも大きな影響を与えるでしょう。 もちろんこれは、冒険者の存在を必要とするような危険が常にあり、かつそうした危険に挑み成功した冒険者が多くの富をもたらすという前提があってのことです。では、どうしたらそのような状況になるでしょう。ここに中世というワードが効いてくるのかしら。現代に比べて、そのような世界では権力は脆弱または限定的で、暴力装置としての軍事力も相対的に低いのでしょう(古代ローマみたいな例外はございますけれど)。そうした力がすでに他のことに使われているとすれば、代替として冒険者が存在する余地は十分にあるように思われます。次の疑問は富がどこからやってくるのかですが、これも中世のような未知なものが十分に存在する世界なら、前時代の文明の名残というような説明でも何でも良いのかしら。 これらが組み合わさると、冒険者というのはハイリスクハイリターンの職業として成立し、むしろハイリスクに進んで挑戦するような集団となると想像できるのですが、いかがかしら。
Kei![]() | |
2025/03/16 01:31[web全体で公開] |
😶 街づくり TRPG のお話 ご機嫌よう。 アーキペラゴという TRPG がございます。奇跡的に有志の手による翻訳が公開されていますが、なぜか完訳ではございませんので、一部原書を当たる必要はございますけれど(原書も PWYW です)。感じとしてはまあ、マイクロスコープに近いと言えば近いかしら、GM なしシナリオなし数値的なステータスやデータや判定もなし(判定がない代わりにカードによる駆動ルールがございます)、物語の舞台も世界も自由です。 今回ご紹介するのは、そんなアーキペラゴのハック、I’m Sorry Did You Say Street Magic? です。街づくりストーリーゲームですが(蛇足しますがストーリーゲームは TRPG のサブジャンルであり、TRPG とみなすのが一般的な見解です)、街づくりというのは結果的に街の様子が描かれるという意味であって、都市建設シミュ的な意味ではございません。 とにかくも、ゲームは街の様子を描くことに特化しています。近所の様子や名所、住人の様子を語り、名付け、そしてイベントがあり、街の様子は変化します。これら全てを描くのは PL です(GM なしの TRPG です)。最終的に様々な側面のある活気ある街が描かれ、全員が納得したら終了します。 なお、I’m Sorry Did You Say Street Magic? では、アーキペラゴにあるカードによる駆動ルールは削除されています。 ともあれ、キャペーンの途中で、次に訪れる街の様子を決めるのにこうしたゲームを遊んでも良いでしょうし、魅力的な街ができたら別のゲームの舞台としても良さそうですわね。
Kei![]() | |
2025/03/16 01:15[web全体で公開] |
😶 ダイナーから映画を撮りに行くお話 ご機嫌よう。 以前から遊びたいとは思いつつその機会がなく、自分で募集するにしても……と思っていた Nighthawks にお誘いいただいて、遊んでまいりましたの。Nighthawks はダイナーで孤独な夜を過ごす中年?男女になる TRPG です。一人孤独な夜を過ごしてもいいのですが、他の客(つまり他のPC)に話しかけたりすると、もしかしたら……。 というわけで、わたくしは拗らせた売れない映画監督となって、ワンプレートで提供される具なしオムレツ・チリビーンズ・ミートローフをつついているところからの開始となりました。他の客も一癖も二癖もありそうな人物ばかり。ですがちょっといい話みたいな展開あり、好き勝手に映画について話し、最終的に景色がいいらしい近くの港町にみんなで映画を撮りに行くみたいなことになりましたの。もしかしたら、ちょっと話してみるだけで人生というものは思いのほか変わったりするのかもしれませんわね。 ともあれ、お誘いくださったから、ご一緒くださった皆さまありがとうございましたっ。
Kei![]() | |
2025/03/09 22:08[web全体で公開] |
😶 魔法を通じて世界と関わる方法を学ぶお話 ご機嫌よう。 4つの季節と4つの魔法、置き卓で遊んでまいりましたが終了しましたので。 一人が魔法使い、一人が弟子になって、弟子が魔法使いから四季を通じて一つずつ魔法を教わり、最後に旅に出て一年後に魔法使いに手紙を書く、という TRPG です。 なのですが。 今回わたくしは弟子役で遊びましたが、今回の卓で魔法以上にフィーチャーされたのがご飯ですの。師匠の胃袋を掴みにいって、その結果(主に)深夜に数々の飯テロ行為が行われました。いかに美味しい/美味しそうに描くか腐心しましたわ。 - 山芋の炒飯 - 麻婆茄子 - バインミー - パイコー麺と半ライス(子豚) - キノコ尽くしの和食(キノコご飯+キノコの肉巻き照り焼き+小松菜とキノコの和え物+キノコのお吸い物) - 石狩鍋 - おにぎらず(梅、おかか、明太) - ラフテーのロコモコ風 - サムゲタン はい、アジア圏の料理が主体ですが、最後の手紙では西洋料理に言及しまして。楽しかった〜♪ もちろん飯テロ部分は主要な部分ではございません。手前味噌ではございますが、弟子にとっても師匠にとっても、最終的にとても良い成長物語になったかと存じます。 ご参加くださった方ありがとうございましたっ。
Kei![]() | |
2025/03/09 19:39[web全体で公開] |
😶 トラブル続きでさすがに疲れたかしら ご機嫌よう。 V:tM キャンペーンの続きでしたの。やっと PC たちがまとまりかけたところで……またトラブル。いつもいつもトラブル。本来ならこのトラブルをわたくしの PC の物語にどう加えるかを考えるべきところですが、今回疲れてしまいまして……ちょっと良くない結果になってしまったかしらと反省しておりますの。 PC としてメリットが感じられなかったというのもございますし、直接的に出された情報からは PL としてもこれ以上面倒なことにしたくないという気持ちがあって、それなら他の PC(PL)がどう動くか見てみようと。他の PL がやりたかったことなのかもしれず、それならときっかけを探してはいたのですが……うまくいきませんでしたかしら。ですので次回の初めに PL としてのお話をできればと思っておりますの。 ともあれ、いつもいつも面倒なトラブルを持ち込んでくださる語り手さまには感服しておりますし、セッション自体は楽しく、ご一緒くださった皆さまありがとうございました。
Kei![]() | |
2025/03/08 18:15[web全体で公開] |
😶 結婚式に行って参りましたの ご機嫌よう。 Zhenya’s Wonder Tales から The Bird Rivals を遊んでまいりました(以下ゼーニャ)。ゼーニャは Fiasco の作者ジェイソン・モーニングスターのまだ未発売の東欧風の仄暗い物語を語る新作 TRPG で、つい先日クラファンが始まったばかりではございますが、故あって遊ぶ機会を頂きました。 ゲームの仕組み的な面では、登場人物は選択式で秘密(初期秘匿)があり、物語の開始時点での状況と物語を進めるための要素が一人当たり3つ、加えて全員が選ぶことのできる要素が4つ用意されていて、これらを使うことができるように物語を作っていくという仕組みの TRPG で、数値的なステータスや判定の類はありません。用意されているのは物語の類型としての要素であり、また、やってみて初めてわかる指示やプロンプトがあって、使う順序やプロンプトにどう答えるかによって物語がどう転ぶのかはわかりません。数少ない物語の類型や要素が多様な民話を生み出すように、たった12の要素が多様な物語体験につながります。 そんなわけで、先日わたくしが PL として遊んだ際とは全く違う物語になりましたの。とても良かったですし、ご一緒くださった皆さまありがとうございました。 ゼーニャは本来 GM なしですが、日本語でオンセで遊ぼうとすると翻訳や準備にまつわる情報格差があり、ちょっと工夫が必要かと存じますが(今回はわたくしが GM というかファシリになりました)、とても素敵なゲームですし、発売が楽しみ♪(クラファン支援しました。
Kei![]() | |
2025/03/02 00:13[web全体で公開] |
😶 ルールが極端に少ない TRPG のお話 ご機嫌よう。 36単語 TRPG というものがございます。これはルールを36単語に収めなければならないという制限下でデザインされた TRPG です。類似のものに 12単語 TRPG や 24単語 TRPG 、多いものですと200単語 TRPG などもございます。 今回紹介するのはそんな中でも異彩を放つ We Are But Worms: A One Word RPG です。 タイトルにある通り、ルールは一単語だけ。 その一単語が何なのかはお買い上げいただくよりありませんが、レビューには以下のような賞賛が寄せられています。 - ハムレットに肩を並べられる TRPG は Worms だけ。 - ハムレットのテーマを根本的に理解し、そのエッセンスを一言に凝縮している。 - 素晴らしいアイディアで最高のゲーム。 - 真に画期的。 - お金を払う価値のある実験ゲーム。 - 知らず知らずのうちにアートプロジェクトに参加していた。 - 史上最高の TRPG の一つ。 - 解放された。 - TRPG 史における革新的な前進。 - TRPG に望む要素が全て詰まっている。 ※ 実際にルールを読まれたら困惑したりお怒りになられる方もいらっしゃるかもしれません。お金をドブに捨てたと思うかもしれません。こんなの TRPG じゃない、こんなのゲームじゃないというご意見をお持ちの方もいらっしゃるでしょうし、そうしたご意見にも正当性はあるでしょう。いずれにせよ、わたくしは関与しません。
Kei![]() | |
2025/03/01 12:34[web全体で公開] |
😶 ヤツメウナギの餌のお話 ご機嫌よう。 おそらく今回紹介するゲームは非常に嫌う方がいらっしゃるかと存じます。ノットフォーミーと思われた方は、そのままこのエントリからお立ち去りください。 ゲームの仕組み自体はこのエントリに書いたことが全てです。ほぼ全訳です。原文が CC BY-NC 国際 4.0 ですので、ライセンス条文とともに掲載します。 Game Lamprey A universal parasitic RPG supplement. Publishing, Writing, Editing, Layout, And Design - Richard Kelly Necessary Equipment - A core book from another RPG system. Recommended Safety Mechanics - Whatever your group is most comfortable with. If you don’t have or typically use safety mechanics, X-Card by John Stavropoulos (http://tinyurl.com/x-card-rpg) is this game’s default. The text of this work is licensed under a Creative Commons Attribution-NonCommercial 4.0 International License. You may create your own Game Lamprey stories, scenarios, art, and all other forms of game material and distribute them freely, provided your work includes this paragraph at the beginning, provided it gives credit to the team that created and published Game Lamprey, provided it is a non-commercial project, and provided any works that are made from your project follow the same restrictions. Game Lamprey(ヤツメウナギのゲーム)は TRPG システムに寄生します。 このゲームで遊ぶには他の TRPG システムが必要です。寄生したシステムの本質をゆっくりと奪います。壊しても良いシステムを選ぶことを推奨します。 Game Lamprey に寄生されたゲームを遊ぶ際、判定する際に自動的に成功にする、もしくは選択肢を選ぶ際に最善の結果にすることができます。ただし、そうするたびに対象の TRPG のルールブックをランダムに開き、そのページを破り捨てなければなりません。破り捨てたページに書かれていたルールはそれ以降適用されず、そのページを参照していたセクションも意味を失います。 私はなぜこんなことをするのかという疑問に答えるためにここにいるわけではありません。ただヤツメウナギを渡すだけです。あなたは失われたルールに変わる新しいルールを作っても良いし、そのままゲームを朽ち果てさせることもできます。