黒木拓野（クトゥルフ神話TRPG用キャラクターシート）

《プロフィール》
【性別】男 【年齢】23歳
【誕生日】六月二十四日
【職業】古書店員(司書準拠) 
※職業技能：図書館,ほかの言語,母国語,他に司書関連and専門知識の計四つ
【出身】濡羽町
【髪の色】煤竹色
【瞳の色】河石色
【肌の色】練色
【精神的な障害】
『過去』に対する驚異的な執着

《能力値》
【STR】13　【DEX】11　【INT】16　【アイデア】80
【CON】12　【APP】14　【POW】12　【幸運】60
【SIZ】15　【SAN】49  【EDU】15　【知識】75
【H P】14　【M P】12　【回避】22　【ダメージボーナス】1d＋4

《所持品》
【武器】 ※名称 性能など

     
【防具】 ※名称 性能など
     
     
【所持品】
・ギリシャ神話 呉茂一著
→古書店で盗み読んでいる本。エロースの純愛なる物語が好み。
・メモ帳
→『鯨』の時の思い出、輪廻転生での物語が刻まれた物。その言葉を眺める度に、懐かしいような、温かいような、銀のスプーンで心が抉られるかのような不可思議な気持ちに襲われる。何故この物語を書いていたのか、その記憶が無い。
・携帯ラジカセ
→骨董品店で買ったレトロなデジカセ。手持ちサイズのコンパクトなデザインをしている。
・カセットテープ
→ある日机に置かれていた不思議なテープ。これを流して聴いていると、不思議と涙が溢れてくる。ただの雑音にしか聴こえない筈なのに、胸の奥が『悲しい』と叫ぶんだ。
・シャーペン 0.3
→高校時代にたった一人の友人から貰ったもの。銘柄は色褪せてしまい読むことは叶わない。
・永宮航の婚約指輪
→戦友である永宮航とある女性の思いが込められた指輪。紺野恵と共に左手薬指にこれを身に着け、二人の分まで歩んでいくと誓った。

【邂逅】
・紺野恵(PL:黒猫リン様)
→彼女を見る度に理解し難い感覚を覚える。胸の奥に漲る心の泉が揺れて器の中から溢れ出してしまいそうな、そんな感覚。僕はまだ、これを表現出来る『言葉』を知らない。でも、一つだけ確かなことがある。彼女の手を離してはいけないということ。ただ…それだけ。
→夜の浜辺で彼女の左手薬指に『永宮航の婚約指輪』を嵌め、静かなる笑みと共に永久に続く愛の誓いを立てた。その誓いは受け入れられ、二人は共に光に向けて歩んで行く。
→彼女の誕生日が八月十五日だと知った。元々は彼女に指輪を贈るために聞いた情報であったが、もう『指輪』は…必要ない。
・黒木教辞
→古書店を継げと口煩く言ってくる鬱陶しい父親。でも、耳を塞いで何も聴きたくなかった言葉が最近はそこまで煩わしくない。憑き物が落ちたかのような感覚に困惑することがある。
・黒木栗奈
→既に他界している母親。今、あの人は『何』に転生しているのだろう。ふとした時にそんなことを考えてしまう。
・寺島 透(PL:瑠璃鴉)
→家の古書店によく来ていた同年代の友人。大学進学の為に遠くに引っ越していった。彼だけが僕の唯一の友人だ。今は何をしているのか、よく判らない。
・永宮航(NPC:黒猫リン様)
→『過去』の自分と同じような状況に陥っていると感じた彼は、永宮航に向けて心からの『言葉』を送った。いつか、彼は『思い』を胸に抱きながらも前へ前へと進んでいくことだろう。

《技能》

【職業技能】300【追加分】
【趣味技能】160【追加分】

【戦闘技能】
[回避：22] 
[こぶし：50]
[キック：54]

【探索技能】
[目星：80]
[聞き耳：53]
[図書館：80]

【行動技能】

【交渉技能】
[母国語(日本語)：75] 
[ほかの言語(英語)：40]
[ほかの言語(フィンランド語)：40] 

【知識技能】
[クトゥルフ神話：20] 
[考古学：50]
[芸術【比喩】：40]
[博物学：50]
[心理学：55]

《追憶》

【探索者の履歴】
『僕だけのペトルーシュカ』
→報酬：SAN-7,クトゥルフ神話技能+20
→成長：聞き耳+5,キック+4
『海底とノクチルカ』
→報酬：SAN－4
→成長：心理学+5

【アーティファクト／学んだ呪文】

【遭遇した超自然の存在】
・アリエル
→唯一の己の理解者にして、ともに永久のような時間を共にした友人。
・クィス＝アズ(一部)
→結晶を司る神格なのだろう。皮肉的な最期を齎した。

＜キャラ情報＞
四代続く古書店の跡継ぎとして生まれた。
しかし、彼自身に書店を継ぐ気など毛頭無く、己の『しなければならない事』を為す障害の一つとして認識していた。故に父親とは馬が合わず、会う度に喧嘩をしている程に険悪な仲である。
古本自体を読むのは好きである。『歴史』ある事物に対しては好奇心旺盛で、『過去』に如何様な出来事が起き如何様な結果が生じたのかを熱狂的に探求しようとする。
また、『言葉』を愛し、人間の最も優れているのは『言葉』を伝える方法が実に多彩にあるという風に考えている。『言葉』を愛しているからこそ、『言葉』を蔑ろにするモノは如何な存在であろうと嫌悪する。
友人は少なく、必要最低限な関係で済ませようとする傾向にある。
＜思考形態＞
彼は軽はずみに『言葉』を扱いたくないと考えている。彼にとっての『言葉』は『最愛の人』や『かけがえのない友人』に対して贈る『意味』のあるものである。故に必要な時、必要な状況に於いてでないと積極的に言葉を紡ごうとはしない。また、『過去』に驚異的な執着を持ち、全ての事柄を構築する『過去』こそが絶対的なものであり、それを探究することが『己』という存在、はたまた『他人』という存在を理解する為の最適な行動であると考えている。
＜秘密＞
【唯一つの意味の為に】
彼はひたすらに繰り返してきた。
意義ある『生』を、意味のない『死』を、ひたすらに繰り返してきた。それは常人には理解し難い半永久的な苦しみである。地獄の業火で焼かれる罪人ですら、その苦痛の前では言葉を失うことだろう。
その繰り返しの過程で彼は何時しか『己の生の意味』を唯一つを残して失ってしまった。流れていく時間は圧倒的なまでの無意味で満たされ、呼吸をしているのさえ億劫になる。
彼にとっての一時の救いとはすなわち『死』であり、それは再び訪れる『生』という名の地獄までの休息点であった。何故なら、彼にはその虚無に於いて唯一安心して語り合うモノが居たのだから。
そのモノの容貌を望んだことは一度もない。容貌全体を包み込む煌々たる光の仮面によって遮られてしまうからである。また、下半身は魚の尾のような形状を取り、上半身は妖艶な女性の裸体で構成されていた。それは人間と称するにはあまりにも歪な存在であった。
けれど、彼は一切の恐怖を覚えなかった。
ただ仄明るい夢の世界で本当の自分を知る唯一の存在と語らえることの悦びで満たされるだけである。それ以外の感情は一切不要なものであった。彼は喜々としながら、これまで己が体験した『生』の楽しかった思い出を語る。
その話の中で『恋』の話が出てくるのは一度しかなかった。ただ一度だけ、最初の『鯨』の話だけであった…。
刹那のような時間が過ぎて、何度目かの別れが訪れる。
彼は瞑目する。
未だ終わりの訪れない輪廻に向かい、『彼方で待つ君』に思いを伝える為に…。
52Hzの『鯨』をご存じだろうか？
その悲しき存在は同種の鯨からの声を聴くことも、己の声を伝えることも出来ない、『世界で最も孤独な鯨』と称されている。
しかし、その『鯨』が本当は孤独でないとしたら？
それを証明出来るの者は唯一人しか存在しえないだろう。
彼は最愛の『鯨』に思いを伝えるために、その存在を『孤独』にしない為に、再び輪廻の中へと身を投じるのであった。
【失った『過去』】
黒木拓野は書斎机に肘をつき、手の甲に右頬をのっけながら思考していた。
紺野恵との出会いを果たしてから、彼はあることを思い出せなくなっていた。
それはメモ帳に書かれた不思議な物語のこと。
何者かの輪廻転生を描いたと思われるその物語。蝶に、花に、犬に、猫に、人間に、様々な生き物としての『生』についての子細な記録。筆跡から鑑みるに明らかに己のものであるということは理解出来る。だが、これを書いた意図も記憶も全く掴めないでいた。まるで刹那的に傀儡にでもなっていたかのような不可思議な感覚が襲ってきた。
また、同時に胸に湧き上がってくるのは『思い出さなければいけない』という一種使命感にも似た感情だった。生来の性分なのか、また瞬間に芽生えたものなのか、それは彼にも判らない。もしかしたら、思い出さない方が良いことなのかもしれない。
けれど、メモ帳の最初に描かれていた、
『ある二頭の鯨の物語』
これを読んだ時に溢れ出た涙はきっと無意味なものでは無い筈だ。
彼は椅子から腰を上げる。
その際に机に置かれていたレトロ調のラジカセが目に映る。そのラジカセに入っているテープを何処で手に入れたのか、彼は覚えていない。ただ、いつの間にか傍にあった大切なものであることは確かだ。
彼はラジカセを手に取り、耳元で再生する。流れてくるのは不思議な音。悲しい声とも嬉しい声とも判別のつかない、不思議な音。
ラジカセを止め、椅子に掛けていたカバンに入れる。
彼は今日も己の『過去』を知る為に探究に出る。
窓の外には澄み渡った蒼が広がっている。それは、これからの彼の旅路を暗示しているかのようであった。

＜物語＞
『僕だけのペトルーシュカ』
→この誘拐事件を切っ掛けとして、彼は『己』の中に浮かんだ感情の正体が『愛』だということに気が付いた。彼は紺野恵に手を差し出した。『鯨』の物語の結末を理解し、その先の新たな物語を紡ぐために。己の『過去』との決別の為、また誓いの為、彼は父親に紺野恵を紹介する。母の仏壇の前で、両親とは別の道を歩んでいく。
『海底とノクチルカ』
→夜光虫が漂う藍色の海の前で、彼は紺野恵に『永宮航の婚約指輪』を左手の薬指に嵌めた。水平線に沈み行く月の光が純白の道を築いており、二人のこれからの行く末に『光』が満ちていることを暗示しているようである。彼は最早『過去』に縛られた傀儡ではなく、一人の人間としての『黒木拓野』として歩んでいく。

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