まおーさんの日記 「失語症(体験版)」

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まおー
まおー日記
2019/09/21 22:27[web全体で公開]
😶 失語症(体験版)
 特に深い理由はないが、私の近況が創作の役に立つかもなぁと筆を取る次第です。

 こいつ生きてるのか位の勢いの頻度でオンセンにおりますが、前と同じとは行かずとも一応おりますまおーです。前と同じボイセが出来なくなり、さらにテキセも怪しい時もあるのは、タイトルの通り失語症のせいな訳ですよ。

 さて、かれこれ何ヶ月前でしょうか、突然に喋れなくなったのは。今のところ精神的なものが原因と言われておりますが、切っ掛けは不明のまま、ある日突然なりました。
 突然に喋れない。喋ろうとしても言葉にならず、猫の鳴き声かバナナか何かのような言葉になる。困りますね、ボイセが出来ない、会話にならない。

 はてさて、困ったなぁと思っていると、症状は進行しました。筆談も出来なくなるわけです、文字が書けない。こうなったら絵で意思を伝えるしかない。さらに会話の聞き取りも困難になり、人の話を聞くと頭痛がするようになり、文書も頭に入らなくなる。テキセも出来なくなるわけです、これは大変だ。

 さて、そんな大変だと言いつつも、今は文書がこうして書けるし、文字も読めるし、聞き取りも出来るわけです。喋れないけど。
 なので参考になるかはさておき、失語の体験談でも書こうかと思うのですよ、症状の体感が段階的に比較できるレアケースですし。

 最初に喋れなくなり始めた時は、舌が回らない感覚でした。普通に喋ろうとするのに、音が歯抜けたように抜けていく。うわぁ脳梗塞はいやだぁ、等と考えていたら次の段階に来ました。
 喋ろうとする言葉が、全てんにゃんにゃした音になります。頭の中で文書を構築し、口に出すとんにゃんにゃ。何故だろな、たまに喋れました。この段階ではイントネーションは頭の中にありました。困りつつも筆談を用いて、日々を過ごしておりました。
 さて、次が筆談の不可です。まず手書きで漢字が書けない事に気が付きました。隣に見本を置いて書き写す事は出来ますが、頭の中で漢字を思い出そうとしても、その秩序が思い出せない。常にゲシュタルト崩壊を起こしている感覚でした。スマホ等の変換を用いれば会話が出来ました。
 さてさて、次の段階に行きますよ。スマホでも文字が打てなくなりました。と言いますのも、頭の中に言葉が無いのです。己の意思はありますが、ソレは言葉と結びつかない。何か物を見て、それがどういった物で、どうしたらそうなるかは解るのですが、全て言葉にならない。海外の取り扱い説明書のようなものです。「これがこうなってこうだからこうなんだよわかった?」と言う事も出来ないわけですが、例えて言うならそのような脳内なのです。

 ここが私の失語症の最大ラインだったのですが、不思議な感覚でした。具体的に言えば、言葉を覚える前の思考回路です。物事を順番に論理建てて考える事が困難ですが、思考自体は早いのです。小説を読むのと動画を見るのとどちらが早いか、と言った程度の差異ですが。
 聞き取りに関しては、言っている音は解るが、内容が頭に入らない。読みも同じようなものです。完璧に理解出来ないところまでは行かなかったのですが、そこまで行けば、完全に言葉のない世界に私はいたのでしょう。

 さてさて、その後は段階的に症状は良くなるなどしまして、読み書き聞き取りは出来るようになった訳です。喋ろうとしても、その場で即興演奏を完璧にやれと言われるような形で、なんとなく、んにゃんにゃとしか喋れない。

 しかしながら、全段階を通して、問題なく日本語を喋る手段はありました。
 歌は歌えるんですよ。
 症状の段階によって、自分が何を歌ってるのかわかるかどうか、歌詞が読めるかどうか等はありましたが、歌は歌えるんですよ。理由はなんとなく予想は付きまして、歌は口の動かし方も何もかも最初から全部決まっている上で、それを思い出せるからです。喋っている韻律を完璧に暗記して読み上げる事も出来ます。
 つまるところ、失語症により出来なくなったのは、言葉というメロディを作る機能です。

 人間は、まず己の意思があり、それを伝える内容を考え、頭の中から適切な単語を思い出し、文法に合わせて文章を構築し、その文章の発音をメロディとして、口と声帯等を主に使い発話する訳です。死ぬほど面倒な事を一瞬でやってのけやがる。

 わぁ、人間ってすごい。


 さてさてさて、そんな事になりつつ、密かに思う事。

 やはり完全にコミュニケーションを取る手段を失いかけると、その存在に知性は無いように感じられるのだな。
 頭ではわかっていても、目の前に「んにゃんにゃん」としか言わない人間が居てみろ、笑うわ、私でも笑う。

 そして、さらに思う事。
 あぁ、きっと昔飼っていた犬もこんな気持ちだったんだろうなぁ…
 昔飼っていた犬は、たまに私に「んあんあん」と言いました、私は「わからねぇよ」と返しました。犬は悲しそうな顔をしました。今ならその気持ちがわかる…なんでこいつは物分りが悪いんだもうちょっと頑張れいや無理か…
 普通に言葉がわかり会えないのは悲しいので、何かしら犬か猫に「んあんあん」と言われたら、わからないなりに「そうか」と流してくれたら良いのかなと思いました。

 とりあえず精神的なもので失語症になるとこうなるのかもしれない一例ですが、精神的なものは普通ならうんともすんとも言えなくなるのが一般的です、そういう意味ではあまり参考にしないでください。最近はゴートシュミレーターの為にPC用コントローラーを買うか悩んでいるような人の例です。

 ここまで読んだ貴方はきっと暇人なので、ゴートシュミレーターをやるか、そのうちに卓を建てたら参加してください。オリシのテストプレイを山積みにしてるんです。
 きっと反応に困る日記だと思うので、困ったら黙ってThe Stanley Parableをやるんですよ。
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